「それで? 保護者の連絡先は? 黙ってちゃわからないぞ」
K市中央警察署の佐藤達海巡査は、先ほど補導した学ラン姿の少年に質問を繰り返した。少年は黙ったまま何も答えない。コンビニの店長からの通報で、商品を万引したこの少年が補導されてきてから、中央署の取調室でずっとこの調子だった。
「──害虫を駆除するときって」
少年がおもむろに口を開いた。全く関係のなさそうな話題にやや佐藤は面食らったが、ずっと黙っていた少年が口を開いたので、そのまま傾聴する。
「そのまま殺虫剤を一匹一匹に掛けるより、巣に毒の入った餌を持ち帰らせたほうが、効率がいいじゃないですか」
「……? それが、どうした」
少年が笑みを浮かべた。学ランのポケットから、何かを──身体検査したはずのポケットから、透明なキューブを取り出した。一般的なサイコロよりも大きめのそれを、取調室の机の上に置く。
「僕自身が『餌』だったってことですよ。『毒』はこれです」
透明なキューブが、自ら光を発した。ぐわんと取調室の空間が歪む。佐藤はめまいを覚えながら、椅子から立ち上がろうとして、そのまま派手に床に崩れ落ちた。
「なっ……なんだっ……これッ!」
「いやあ、正直助かりましたよ。警察署の中心で起動させれば、この建物をすっぽり覆えますから」
全身の肌が粟立つ。何か、何か致命的な出来事が起ころうとしている。自身の生命──肉体的な生命ではなく、警察官としての生命にとって致命的な何かが。佐藤の陰茎は勃起し、制服の股間を固く突き上げていた。
「んあぁっ……!」
「邪魔なんですよねえ、警察官って。今後の僕の活動のためにも、まずはあなた達を堕としておきたかったんです。真面目な警察官の脳みそを、男好きのド淫乱で、性犯罪者の価値観で染めておこうかなと思って」
「なっ、なんっ……だとぉっ!」
佐藤は床で悶えながら、勃起した腰を突き上げるという無様な格好のまま、謎の少年の言葉に歯を食いしばった。市民の安全と平和を守る警察官たちが、頭の中身を変態の性犯罪者にされてしまう。そんなことがあってはならない。この少年を今すぐ、止めなければならない。
「んくっ♥」
甘い喘ぎを漏らしながら、どうにか立ち上がる。痛いほど勃起した股間を無視して、軽薄な笑みを浮かべる少年に相対する。あの光る立方体がこの異変の元凶だ。すぐに壊してしまえばいい。
──警察官としての職務を、果たさなければならない。
佐藤の頭の中に、そう声が響く。ヒロイックな正義感。しかしその崇高な精神は、彼も認識できないうちに全く別なものにすり替えられた。
──変態警察官としての職務を、果たさねばならない。
「んひ♥」
佐藤の目がにやける。小鼻の穴が膨らみ、唇の端から涎が垂れる。もはや佐藤は、妖しく輝く立方体への興味を失い、自分の制服のズボンのチャックを降ろしていた。そして勃起したチンポを取り出すと、鼻息荒く扱き始めた。
※
異変は、すぐさま警察署を覆い尽くした。まるで使い捨てオナホの内側のような、粘っこく半透明な"空間"──中に入った警察官を変態洗脳する空間が、瞬時に展開された。喫煙室で雑談していた二人の警察官──島川康弘と寺田正史もその変態空間に巻き込まれた。
「んくっ♥」
「はひっ♥」
三十代後半でやや太めな体型の島川と、四十代前半だが筋肉質な体型の寺田の二人が、煙草を吸いながら甘い喘ぎを漏らした。二人は自分たちの身に何が起きたのか理解できないまま、瞬時に勃起し、脳みそに性犯罪者の価値観を刷り込まれた。
「そういや……島川。お前……高校生の息子がいたよな? 確か、柔道部だったか?」
寺田がやけに鼻息を荒くして、島川との距離を詰めながら口を開いた。勃起した股間を島川の身体に擦りつけながら、空いた手で島川の贅肉を撫で始めていた。島川はそれに嫌がるような素振りを全く見せず、むしろ嬉しそうに身体を密着させながら答えた。
「ええ。いますよ。俺に似て、ガッチリとしてて、逞しくて……んあぁぁ……童貞喰いたくなるくらいに、いい男っすよ」
「そ、そうか……なら頼む! 着替えを盗撮してくれないか!? さっきから無性に……柔道部の男子高校生の動画で抜きたくて、たまんねえんだ!」
寺田は強面の顔を性欲で歪め、警察官とは思えない頼み事をしていた。それに対して島川も嬉しそうに返事をした。
「もちろん、いいっすよ! どうせなら、着替え動画と言わず、オナニー動画を撮ってみせますよ。その代わり、寺田先輩。先輩が押収したドラッグ、今度横流ししてくれません?」
「おう。いいぞ。いやあ、頼んで見るもんだなあ」
快活に笑い合う、性犯罪者の思考と嗜好を植え付けられた二人の警察官。二人は吸い終えた煙草を灰皿にねじり込むと、ヤニ臭い唇を重ね合った。そして煙草よりも太く、熱いモノを互いに咥えて快感に耽り始めた。
※
「そこまでッ! 次ッ!」
署内にある剣道場では、剣道特練員に任じられた警察官である伊野将雄が、署員たちの剣道の練習を取り仕切っていた。
40代半ばでありながら、筋骨隆々たる体躯。角刈りで男臭い風貌。剣道では向かうところ敵なしのこの警察官もまた、あっさりと変態化空間に飲み込まれた。質実剛健な脳みそが、破廉恥な性犯罪者の思考に染め上げられる。
「ぬぅん♥」
低く、唸るような声が漏れた。太い眉が悩ましげに歪み、猛禽類のように鋭い眼差しが、粘っこい悦びで塗りつぶされた。持っていた竹刀が滑り落ちて剣道場に転がったが、彼はそれに見向きもしなくなっていた。他の署員たちも変態化空間に飲み込まれ、剣道場のあちこちで男たちの情けない喘ぎ声が上がっていた。
「おい、なんだその情けない声は!」
伊野は肩を怒らせ、署員たちを一喝した。その様子から、一見すると伊野だけはまともなように見えた──防具を脱ぎ、袴をも脱ぎ始めていなければ。全裸になった彼は濃い陰毛の中から、太く屹立したチンポを堂々と晒すと、腕組みして署員たちに向けて口を開いた。
「警察官たるもの、率先して【淫乱で、変態でなければならない】──それが何だ! あの甘ったるい喘ぎ声は! もっと変態に! ド淫乱に! 喘がないでどうする! いいか! 俺が手本を見せてやるからな!」
そうして、伊野は太いチンポを扱き始めた。たちまち厳つい顔をデレッと緩めて、警察官ではなく発情した雄の顔になっていった。
「んほっ! おぉ〜ぅ! チンポチンポッ! チンポたまらんぞぉっ! さあ市民の皆さま、御覧ください! 変態警察官、伊野将雄の露出オナニー! ウオッ! ウオッ!!」
淫水焼けして紫色みを帯びた巨根が、伊野のゴツい指で扱かれ、太い血管を浮かび上がらせてヒクついていく。伊野はゴリラのように厳つい顔を歪めながら、イキそうになるとすぐさまチンポから手を離し、ピシリと敬礼した。
「変態警察官! 伊野将雄! 射精致しますッ! ンイ゛ッ!」
極太マラが伊野の腹筋をベチンと打ち、伊野は興奮の中で射精敬礼を遂げた。神聖な剣道場に、中年変質者の精液が噴き上がり、ムワッと雄臭い匂いを放つ。そのあまりにも変態的な姿は、現在の伊野にとって警察官としての理想そのものであり、彼は瞳に感動の涙さえ浮かべながら、他の署員たちに告げた。
「ど、どうだ! これが警察官としてのあるべき姿……そのものだろう!」
「伊野さん、すごい変態すぎっす……!」
「俺もあんな風になりたい……!」
「ガッハッハ! おう! 俺に任せとけ! これから俺が、お前たちをどこに出しても恥ずかしい、露出狂のド変態になれるよう訓練してやる! 覚悟しろよ!」
剣道への熱意を、露出狂の変態行為への熱意にすり替えられた警察官は、射精直後でヒクつく巨根から精液を垂れ流しながら、署員への変態指導を開始した。
※
「いったい何が起こっとるんだ!!」
K市中央警察署署長である岩崎憲史は、突如として変態化し始めた署員たちの様子に仰天した。署内のあちこちから、男同士で破廉恥な行為に耽る喘ぎ声が聞こえていた。それだけではない。生活安全課では、押収したドラッグを吸いながら、雄叫びを上げてチンポを扱く警察官がいた。刑事課では、職務質問の際にいかに手際よく市民に対して痴漢してイカせることができるかを、屈強な刑事たちが真剣に議論していた。廊下を歩く署員たちも下着泥棒や盗撮の相談話をしており、中には堂々と下半身を露出して廊下を歩いている署員もいた。警察署とは思えない、性犯罪者の巣窟のような光景だ。だが変態化した男性警察官だけでなく、それ以外の女性警察官や、警察署に所用があって訪れていた市民たちもまた、変態化した男たちの姿を違和感なく受け入れているようだった。
「誰か……まともなやつはいないのか! 誰か!」
堅物で正義感あふれる岩崎は、変態化を免れていた。50代半ばを過ぎた肉体が、先ほどからまるで中学生のように火照り、ムラムラするという自覚はあったが、それを理性の力で捻じ伏せていた。自分と同じくまともな警察官を探していた彼は、二階の廊下でうずくまっているスーツ姿の男を見つけた。
「くっ……」
「おい! 大丈夫か!」
刑事課の西堂哲雄だった。40代前半の働き盛りの敏腕刑事もまた、かろうじて変態化を免れていた──しかし、スラックスの股間は勃起し、署長よりも変態化が進行しつつあるのは明白だった。西堂は刑事らしい厳つい顔を恥じらうように伏せ、署長に告げた。
「岩崎署長……私はもう、駄目です。早く、署長だけでも……逃げてください」
「何を言っとる!」
「……駄目なんです。ここにいたら、おかしくなってしまう。最初は、刑事課にもまともなやつは二、三人いたんです。でも、だんだんみんな変態に……」
「ともかく、署から出るぞ!」
「署長!」
正義感の強い岩崎署長に、署員を見捨てて逃げることなどできるはずがなかった。何が原因かわからないが、まずはこの警察署を脱出し、皆を元に戻さなければ──そう思案しながら、西堂に肩を貸して階段を降りたところで、鑑識課の高村卓司と出会った。ちょうど警察犬のトレーニングに行くところらしい。
「岩崎署長、お疲れさまです。あれ? 西堂さん、体調でも悪いんですか?」
(こいつは……まともか?)
高村はちゃんと警察官の制服も着ており、まともに見えた。しかし──高村が連れている「警察犬」の姿を見た岩崎は絶句した。
「くぅ〜ん」
「ワンワンッ!」
それは全裸で四つん這いになり、首輪とハーネスで繋がれた警察官たちだった。皆、犬になりきって舌を出し、ハッハッと荒い息を吐きながら、犬のように鳴き声を発している。その中の一人──否、一匹が、岩崎と西堂の足元に歩み寄ってきた。
「わ゛んッ!」
野太い声で鳴いたのは、刑事課長の宍戸幸三だった。まるでヤクザのようなパンチパーマと強面で、鬼の宍戸の異名を持つ刑事課長も変態化し、犬プレイにハマったマゾヒストの露出狂へと変貌を遂げていた。鋭かったはずの宍戸の眼光は、恥辱と陶酔でとろんと潤んでいる。
「くぅ〜ん!」
「か、課長! やめてください! 課長ッ!」
宍戸課長は、普段の鬼刑事ぶりからは想像もできないような、媚びた鳴き声を発し、甘えたように西堂の足に抱きついてきた。固太ってはいるが筋肉がガッチリとついた肉体と、勃起しっぱなしの肉棒をさらけ出したまま。それはまるで発情期の土佐犬のようであった。課長は甘えた犬のような鳴き声を上げながら、西堂のスラックスに我慢汁を垂れ流す勃起チンポを擦りつけ始めた。
「課長ッ……ぬお゛ッ♥」
直属の上司が変態化し、発情した犬のように自分に甘えてくる──そんな倒錯的な状況に、変態化が進行しつつある西堂が抗えるはずがなかった。宍戸課長の白髪交じりのパンチパーマを、つい犬のように撫でてしまった、その瞬間。精神的な興奮だけで、西堂刑事の肉体はオルガスムスに達した。男に生まれついた悦びが、西堂の股間から脳天まで突き抜ける。全身がチンポになったかのように錯覚するほどの強烈な快感──価値観を根こそぎ性犯罪者へと塗り替えられる倒錯と興奮で、西堂は雄叫びを上げながら絶頂し、彼のスラックスには股間にねっとりとした染みが広がっていった。
「お゛ッ! お゛ッ! ぬ゛おぉぉ〜ッ!!」
「おい西堂! どうした!!」
岩崎が西堂に声を掛けたときにはもう、西堂は精液と共に理性を吐き出し終えていた。
「くぅ〜ん♥」
射精の余韻に浸りながら、西堂は甘ったるい鳴き声を上げていた。西堂哲雄。43歳、結婚して中学生と高校生の子どもがいる屈強な刑事は、警察官としての誇りも、人間としての尊厳も捨てて──発情した犬のような鳴き声を漏らした。舌をへろんと出し、先ほどまで望まぬ性欲に苦悩していた瞳は、発情する悦びで輝いていた。へなへなと床に手をついたかと思うと、四つん這いで鑑識の高村の元へと駆け寄った。
「なあんだ。西堂さんも警察犬志望だったんですね。おーよしよし。さ、課長たちとトレーニングしましょうね。まずはスーツ脱ごうか」
「ワンワンッ!」
西堂は舌を出すと、宍戸課長と互いの顔をなめ合い始めた。ヤニ臭い唾液で、正義感と尊厳を放棄した刑事たちの顔がみるみる汚れていった。
※
(クソッ! クソッ! 西堂まで変態に……!)
目の前で変態化した西堂を見ていられなくなった岩崎は、なりふり構わず警察署のロビーを目指していた。市民の安全を守るべき警察官が、犬扱いされて興奮する露出狂の変態になってしまった。悔しくてたまらない。せめて自分だけでも脱出し、この事態の真相と、解決法を探らなければ。
「あ、いたいた〜。まだ抵抗できてるんですねー。すごいすごい」
ロビーのソファに座っていた少年──学ランを着た高校生くらいの少年が立ち上がると、岩崎に声を掛けてきた。岩崎は面食らったが、しかしこの事件の黒幕に違いない──と直感して、反射的に構えた。柔道の有段者でもある岩崎が踏み込もうとしたその時。
「もうあなた以外は定着したんで、持ってきちゃいました」
透明な立方体を少年がかざした。そして宣言する。
「出力最大、対象を一人に限定。さて、あなたはどんな変態になるんでしょうね」
「ぬ゛ッッッ……♥ おッ! オッ! オオぉぉおンッッ♥♥」
岩崎の表情が、デレッと緩んだ。堅物な岩崎の価値観が反転する。性犯罪者の楽園となった警察署。それを恥ずかしく思い、同時に憤る気持ちが──誇らしさと悦びに反転する。洗脳への耐性があったばかりに、岩崎は自身の価値観が塗り替えられていく過程を、認識しつつ洗脳されていった。
(あっあっ! こんなことを、喜んではいかんッ! 警察官が変態になるなど……なんて……【素晴らしいことなんだ】ッ!! んひっ♥ ちっ、ちがぅぅッ♥♥ 【警察官たるもの、性欲旺盛な変態であるべき】なのにぃぃぃッ♥♥ ハヒッ♥ わ、私まで、変態にぃぃぃッ♥♥)
自分自身が変態にされていく。そのことを自覚してもなお、岩崎は興奮を抑えきれなかった。先ほどまで嫌悪感の対象だったはずの、変態化した署員たちが、たまらなく誇らしい。ここまで変態的な警察署は、全国でもここだけのはずだ。
(ち、違う! 警察官たるもの【もっと変態でなければならない】ッ! あっ♥ あっ♥ そ、そうじゃないッ! こんなのは駄目だッ! 私が率先して【淫乱な変態警察官として、規範を示さなければならない】ッ♥♥♥ ンッ♥♥ ど、どうだッ♥♥ これはまぎれもなく、私自身の意思だぞッ♥♥♥)
脳みそを性犯罪者の価値観で塗り替えられた岩崎は、変態化すら自分の意思だと誤認して、少年に対して勝ち誇った眼差しを送った。謎の立方体が異変の原因だと察してはいたが「自分だけは自分の意思で変態化を望んでいるのだから、洗脳されてはいない」という無茶苦茶な理屈で、己の勝利を確信していた。岩崎は勃起した制服の股間を突き出し、鼻息を荒くしながら宣言した。
「そ、そこの君ッ♥ 私に何をしようと無駄だッ♥♥ 私は私自身の意思でッ♥ 変態警察官としての本懐を遂げてみせるッ♥♥♥ ハヒッ♥ K市中央警察署長! 岩崎憲史、57歳! これより変態警察官として、街の風紀をどんどん淫乱にして参りますぅッ♥♥ この街を! 性犯罪率全国一位の! 性犯罪者の楽園にしてみせますッ♥♥♥ んひぃッ♥♥♥」
警察署のロビーで、口髭を蓄えた警察署長が、変態へと生まれ変わることを宣誓してしまう。この街を性犯罪者の楽園にすると宣言してしまう。己の唇から出てくるあまりにも破廉恥な言葉の数々に、岩崎は興奮のあまり、制服のズボンと下着を脱ぎ捨てた。市民の視線が集まる中、太短いチンポが固く屹立する。警察署のロビーで、市民の皆さまの前で露出行為を行うなど、あまりにも変態すぎる。岩崎は恍惚としながらも、その変態ぶりを示すため、警察官としてピシリと敬礼を行った。人一倍強い正義感は、性欲と変態行為への興奮へと反転する。金玉が睾丸内で激しく上下し、背筋に快感が突き抜ける。岩崎は敬礼したまま、あまりにも変態すぎる警察署長となった己への陶酔と興奮で、オルガスムスに達した。その変態的な姿に、ロビーにいた警察官や市民たちから、感嘆の声と拍手が生まれた。
※
少年が起動した立方体には、一定範囲内の人間の認識を改変する作用があった。少年が指定したのは「男性の警察官」と「性犯罪者」であり、男性の警察官は性犯罪者らしく振る舞うことこそ警察官らしい姿である──そのように認識を変える効果があった。そして一度でもその空間に入り、効果が「定着」してしまった人間は、空間の外に出ても認識が戻ることはなかった。そして空間は警察官たちの性的興奮を餌に、次第に拡大し──半年後には、市内の全域を覆っていた。
「おーい! 将人! 警察の方が来てくれたぞー!」
高校では野球部に所属している河口将人は、土曜日の練習を終えて帰宅した直後に、一階から父親に呼ばれた。最近、近所で男性の下着泥棒が連続して起こっており、河口家でも父親と将人の下着が盗まれたばかりなのだ。
(まだユニフォーム着替えてねえんだけどなぁ……うおっ!)
スポーツバッグを置いて二階から一階へ向かった将人は面食らった。玄関に来た二人組の警察官のうちの一人が──下半身を露出して、勃起したチンポを晒した警察官が、父親を抱き寄せて濃厚なキスをしていたのだ。将人は違和感を覚えたが、しかしすぐに思い直した。
(いや……警察官って【変態なのが仕事】だし【下半身丸出しでキスするのなんて当たり前】だよな。なんで俺、変だと思ったんだ?)
将人は警察官の変態行為をすぐに受け入れたが、しかし警察官にキスされ、チンポをズボンの上から愛撫されて勃起している父親に対しては、辛辣な声を上げた。
「おい親父! なにチンポ勃ててんだよ! 変態すぎんだろ!」
「んチュ……! ンッ! す、すまん将人! この警察の方、すごいキスが上手くてな……」
「いえいえ、お父さんも男なので仕方ないですよ。我々もこれが仕事なので、気にしていませんから」
30代くらいの精悍な容貌の警察官は、爽やかな笑みを浮かべながら言った。勃起したチンポがペチンと青い制服を打っている。下半身を露出させ、濃い陰毛とチンポを晒しているにも関わらず、青い制帽と靴下と革靴はきっちりと履いている。顔立ちは精悍にも関わらず、その眼差しは高校球児である将人の肉体を粘っこく視姦していた。もうひとりの警察官は40代くらいで、毛深い身体でビール腹体型をしていた。鼻息を荒げながら、スマホで将人の父親が警察官に痴漢される姿を撮影している。彼らの【どこからどう見ても変態である、警察官らしい姿】に、将人は生唾を飲み込んだ。
(やっべ……生の警察官って【ド変態って感じで、すげーカッコいい】じゃん)
「将人くんだったね。今日は警察犬を連れてきているんだ。捜査のため、君とお父さんの匂いを覚えさせたいんだけど、いいかな」
「あ、うっす。でも俺、野球部の練習終わったばっかなんで、すげー汗臭いんすけど……」
「その方が匂いが強いから好都合だよ。ではお父さん、上がらせて頂きますね」
「ええ、どうぞどうぞ。ンッ! 私その、ち、乳首が弱いんで、その……!」
「これも捜査の為です。ご協力ください」
40代くらいの警察官と「警察犬」は、父親と共に両親の寝室へと入っていった。将人は30代くらいの警察官──島津と名乗るその男と共に、自分の部屋に入った。
(警察犬って──こんなだっけ?)
「ワンワンっ!」
白髪交じりのパンチパーマの、ヤクザのように厳つい顔つきの中年男──にしか見えないが、これは【警察犬】だ。固太った肉体と勃起チンポを晒しながら、【警察犬】──「課長」という名前のその犬は、四つん這いで将人の部屋を歩き回り、高校球児の汗臭いベッドやゴミ箱の匂いを嗅いで、太短いチンポから我慢汁を垂れ流していた。
「それじゃあ将人くん、さっそくだけど捜査に協力して欲しいんだ」
「もちろんっす」
「よかった。『課長』が見つけてきたんだけど、これはなんだい?」
ゴミ箱から「課長」が咥えてきたのは、将人が昨夜オナニーした精液を処理したティッシュだった。将人は言いよどんだ。
「えっと、その……すげー言いづらいんすけど」
「正直に話して欲しい。将人くんの魅力を、我々が性犯罪者となって理解することで、捜査が進むんだ。さあ、これはなんだい?」
「……ティッシュっす」
「何に使ったティッシュかな?」
「おっ……オナニー、っす」
将人の日焼けした芋臭い顔が、恥ずかしそうに俯いた。島津は将人の汗臭いユニフォームの腰に手を回しながら続けた。
「オナニーの頻度は?」
「ほとんど毎日……あっ、でも、疲れててやんない日と……3回くらいやる日もあって……」
「オカズにしてるのは?」
「お、同じクラスの田澤っていう女子で……」
島津の手が、将人の固くプリッと引き締まった尻を揉んでいく。やがて島津の手は将人のユニフォームのズボンを脱がしつつあった。警察官の痴漢行為と変態じみた質問に、将人も興奮しつつあった。
(やっべ、マジで警察官って【変態でカッコよすぎ】だろ……俺もチンポ勃ちそうッ!)
「う〜ん。やっぱり将人くんって、ノンケ高校球児の無自覚なエロさがあって、ちょっと心配だなあ……そうだ。実は今、うちの警察署で勧めている防犯プログラムがあってね。警察署に一泊二日で拉致監禁されて、徹底的に変態警察官とのセックスを体験してもらうんだ。防犯プログラムが終わる頃には、君も変態の仲間入りをしているし、希望すればうちの署が斡旋している使用済下着の売買サイトや、AV業者の紹介もできるんだ」
「うわっ……マジでド変態じゃないっすか! 警察って裏でそんなことしてたんすか!?」
将人は興奮して鼻息が荒くなった。組織ぐるみで性犯罪を行う警察官たち! そのあまりにも淫乱すぎる実態に、将人は憧れの眼差しを島津に向けた。島津は将人のユニフォームのズボンを脱がし終えると、ボクサーブリーフに指を掛けた。
「性犯罪者の心理が理解できるようになるうえに、下着やAV出演でお小遣いも稼げちゃうんだ。どう? 不安なら、お父さんと一緒でも大丈夫だよ」
島津は耳元で囁きながら、将人のボクサーブリーフを脱がせた。将人の短小包茎のチンポが、可愛らしいサイズながらも固く勃起していた。島津の鼻息も荒くなる。島津は「課長」に合図した。厳つい中年男の姿をした【警察犬】は、情欲で瞳をギラつかせながら、高校球児の短小包茎チンポを舐め始めた。
「んあっ♥ や、やってみたいっす! おっ俺もっ! 親父と一緒に変態になりたいっす! んああっっ♥♥」
「よかった。それじゃ、承諾書に君とお父さんのサインと──それから手錠と目隠し、ギャグボールを自分で嵌めて、睡眠薬も自分の意思で飲んでもらうからね。このままパトカーで警察署まで連行して、徹底的に男の味を教え込むから──覚悟しておけよ、この淫乱高校球児」
優しかった島津の声が、急にドスの効いた声に変わった。サディスティックな欲望をにじませながら、将人の乳首を強めに弄る。将人は「課長」にチンポを舐められ、島津から乳首を攻められて、引き締まった身体を仰け反らせた。
「ひあっ♥ やっ、乳首ぃっ♥♥」
「ノンケぶってる癖に誘いやがってよぉ……変態警察官にこんなちっせえチンポおっ勃てて、テメエがノンケのわけねえだろ。テメエは根っからの男好きの淫乱野郎なんだよ。そこんとこ、徹底的に取り調べてやるから、覚悟しとけよ」
「んひぃぃっ♥ すっ、すみませんでしたぁぁっ♥♥」
将人は、これから警察署で繰り広げられるであろう、変態行為の数々を想像しながら身をよじらせた。一泊二日の拉致監禁防犯プログラム。それが終わる頃には、自分も変態の仲間入りをしている──隣の部屋からは、父親の喘ぎ声が聞こえてくる。将人は父親も防犯プログラムを受けるであろうことを確信しながら、土佐犬のように厳つい「課長」の口の中に、高校球児の新鮮な精液を吐き出した。
※
「で、どうだね? 防犯プログラムの成果は」
「はい、生活安全課による組織ぐるみの下着泥棒と並行して、被害者に勧めています。ほとんどの被害者が防犯プログラムを受講し、変態になって帰宅していきます。鑑識課によるセックス動画のアーカイブ化も順調です」
「素晴らしい……ときに、今日も新しい受講者が入ったそうだね?」
「はい。河口直也と河口将人という親子です。こちらが資料です。署長にも、後ほど防犯プログラムの『指導』をお願いしたく存じます」
「勿論だよ……ああ、ノンケ高校球児をガッツリ犯して男の味を教え込むなんて、なかなか素晴らしいじゃないか……それを父子丼とは……」
すっかり変態と化した岩崎署長は、口髭を蓄えた厳つい顔でうっとりとしていた。警察官にあらゆる性犯罪者の属性が刷り込まれてしまうこの空間内において、最後まで抵抗した署長が変態化した際の反動はすさまじく、「盗撮魔」であると同時に「下着泥棒」でもあり、「痴漢」や「露出狂」であると同時に「ショタコン」でもあった。署内で唯一の「レイプ魔」の属性も刷り込まれてしまい、レイプ(という体裁)で睡眠薬を盛られた少年や青年を犯し、たっぷりと種付けすることに至上の悦びを感じていた。
(ンヒィ……♥ 変態警察官たまらんぅ……♥♥ もっともっと淫乱に、街の風紀を乱していかねば……♥♥)
涎を垂れ流していた岩崎署長は、急に凛々しい表情になると、隣に座る副署長に告げた。
「それでは内藤くん、始めてくれたまえ」
「はい。えー、それではこれより、今月の定例会議を始めたいと思います。これまでの月間目標とその成果はお手元の資料を御覧ください『夜間パトロールする時は、必ずチャックからチンポを丸出しにすること』『敬礼の代わりに勃起したチンポをイキリ立たせ挨拶すること』『交通安全指導で小中学校を訪問する際は、必ずトイレに盗撮カメラを仕掛けること』『月間1000枚の下着を盗むこと』──いずれも警察官が変態であることを市民にアピールすることに成功しております。性犯罪者が暮らしやすい街づくりをしていくために、来月の目標の設定ですが──」
「はい。鉄道会社とも連携して、痴漢専用車両の導入をお願いするのはどうでしょう」
「待ちたまえ。幸いなことに、この街の市民には【変態行為こそ、警察官の職務である】ことを深く理解して頂いているが、まだまだ近隣の市町村には、その認識は及んでいるとは言い難い。他の市町村の警察官でさえ、変態行為の重要さを理解せず、むしろ取り締まっておる始末だ。全く、嘆かわしいことではないか」
「うちの署で『研修』を受けて頂いて、変態警察官の数を増やしていくのはどうでしょうか」
「むしろ、警視庁のお偉方を変態に──」
「いや、ここは焦らず、性犯罪率全国一を目指していくべきでは? 職務質問と同時に痴漢行為を行うことで、市民にこの街は変態にとって暮らしやすい街だと地道にアピールを──」
「そういえば、伊野くんの取り組みはどうなんだね?」
会議の途中でムラムラした署長が、男子中学生から盗んだ下着の匂いを嗅いでチンポを扱きながら、副署長に言った。
※
「んあっ♥ そ、そこまでッ! 次ぃッ!」
署内にある剣道場では、剣道特練員に任じられた警察官である伊野将雄が、肩で息をしながら、署員たちのチンポ剣道の練習を取り仕切っていた。
伊野が40代半ばでありながら、筋骨隆々たる体躯──だったのは、半年前までの話だ。屈強な警察官であった伊野は、変態化空間によって「露出狂」になっただけでなく、変態行為を繰り返すことで次々に新たな性癖が芽生えていった。今の伊野は「露出狂」に加えて「デブ専」の「ショタコン」であり、既に体重は130kgを越えている。かつて猛禽類を思わせる精悍さのあった顔は、まるで野ブタのように丸々と肥えて、無精髭の生えた3重顎のデブ顔に変わっている。逆三角形だった体格も、でっぷりと脂肪を蓄えた肥満体型に変わり、全身から加齢臭に加えて肥満男特有の酸っぱい体臭を放っていた。厚く逞しかった胸板も、まるで女の乳房のようにむっちりと脂肪が付き、弄りすぎた乳首と乳輪が大きくなり、まるで小学生のチンポ並の大きさになっていた。
健全な精神は健全な肉体に宿る──伊野が抱いていた考えは、変態化と共に反転した。「不健全な精神」は「不健全な肉体」に宿る。それこそが警察官の理想である──そう考えるようになった伊野は「警察官らしい」変態になるため、積極的に不健全な肉体作りと精神作りに励んでいった。鍛え抜いた逞しい体躯を、だらしのない肥満体型に仕上げるために、徹底的に揚げ物やピザ、ビールや炭酸飲料を飲み食いし、日課だったトレーニングも止め、どんどん太っていった。四十代でありながら凹んでいた腹筋が、日に日にビール腹になり、太鼓腹に、そして相撲取りのような腹に変わっていく様子を、伊野は誇らしく思っていた。さらに伊野は不健全な肉体作りと並行して、不健全な精神作りも進めていき、押収した児童ポルノをオカズにオナニーを日夜続けていった。その甲斐あって現在の伊野は、ストライクゾーンは小学5~6年生の精通前後の肥満男児という、変態的なショタコンへと変貌を遂げていた。
伊野の影響もあって、他の署員たちの中にも積極的に自身の肥育に励む者が増えていた。鍛錬をサボり、暴飲暴食でビール腹になっていく己の体格を仲間内で自慢し合ったり、互いの贅肉を揉み合ったりといったスキンシップも日常茶飯事だ。
「伊野さん、おめでとうございます」
「おう、どうした」
汗だくになりながら、署員たちとチンポ剣道──チンポ同士をぶつけ合う卑猥な遊び(ただし、伊野は腹が出すぎて相手のチンポに届かない)に励んでいた伊野は、声を掛けてきた20代の警察官、中島剛一に答えた。中島も半年前までは、顎が角張った厳つい顔つきで筋骨逞しい体型だったのだが、現在は丸顔でぽっちゃりした体型に変わっている。
「伊野さんが実践している、不健全な肉体作りと不健全な精神作り……うちの署の来月の月間目標になるらしいじゃないですか」
「ガッハッハ! おう! やっぱ警察官たるもの、ろくに運動もできねえ情けねえデブでないとな! 俺も小学生相手じゃねえとガチ勃起しねえし、自分をとんでもねえ変態に仕上げちまった自覚はあるぜ」
伊野は脂ぎったデブ顔にブサイクな笑みを浮かべると、堕落しきった自分の肉体と精神を誇った。中島は変態デブのショタコン露出狂に成り果てた伊野に憧れの視線を向けると、密封されたチャック付きビニール袋を両手で差し出した。
「あっあの! 尊敬する伊野さんに、これ……下校中の男子小学生に頼んで譲って貰った、使用済みブリーフです。その場でオナって貰ったんで、ザー汁もちゃんと染みてます!」
「うおおおっ!? マジか!? どんな小学生なんだ?!」
「写真は……この子です」
「うひっ♥ あぁ〜ん♥♥ 俺好みのデブった小学生じゃねえか……ウヒヒ♥ この二次性徴直前の、男らしくなりかけの体型、たまんねぇ〜ッ♥♥♥ ありがとうな、中島!」
伊野は発情した豚のように汚らしい視線を白ブリーフに向けると、涎を垂らしそうな顔でビニール袋から白ブリーフを取り出し、ブサイクになったデブ顔を埋めた。肥満男児の若々しく甘ったるい体臭と、ザー汁染みが織りなす複雑な風味が、今まで何人もの男子小学生の精液を味わってきた変態男である伊野の、肉厚な舌の上に広がる。
(男子小学生の精液染みブリーフ……最ッ高〜〜〜〜ッ♥♥♥ 警察官冥利に尽きるッ♥♥ うひっ♥♥♥)
伊野は男子小学生の精液染みブリーフに顔を埋めたまま、性的な興奮だけで絶頂に達した。もし仮に変態化空間が消滅し、定着した認識の改変効果が消えたとしても、彼が元の質実剛健な警察官の肉体と精神に戻るのは、もはや不可能であった。
そんな伊野をモデルケースにした警察官の肥満化と、堕落した精神作りは上層部の後押しもあり、K市中央署の警察官たちに次々と広がっていった。市民の安全を守っていた逞しい警察官たちが、身も心もより一層堕落し、汗臭い肥満体型の変態集団となって組織ぐるみで性犯罪を行っていく──警察官としての肉体も精神も贅肉まみれになった変態警察官たちは、今日も脂ぎった顔を恍惚とさせて、太鼓腹を揺らして、卑劣な性犯罪に勤しむのであった。
(終)
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というわけで、3つめのコミッション作品です。ちょうどpixivの新しい規約が話題になっていた時期だったので、レイプを出すのにちょっとピリピリしてまして、ちょっと奇妙な契約を結んだうえで出すことにしました。登場人物たちが次々に変態化していくのは、僕の大好きなエロSF小説である『愛の空間』(小松左京)みたいで、書いてて楽しかったですね。
くろねこ@9605
2023-01-31 11:48:42 +0000 UTC黒竜Leo
2023-01-30 18:48:22 +0000 UTC