NokiMo
くろねこ@9605
くろねこ@9605

fanbox


集団入れ替わり・体育大生ラガーマンが、風俗通いの中年土方と入れ替わった顛末

 その奇妙な「替わり湯」に入ってしまったのは、俺のアパートの近所の銭湯でのことだった。


 大学のラグビー部の練習を終えた俺は、そのまま銭湯へと向かった。アパートの風呂でもいいのだが、やっぱり練習でガッツリ汗を掻いた後は、銭湯の広い湯船で手足を伸ばすに限る。番台で料金を払い、男子更衣室でラグシャツを脱いでいると、30代くらいの父親と来ていた小学生の男の子が、俺の方を見て「あのお兄さん、すごい筋肉だね」と父親と話していた。ラグビー部の中でも体がデカい方である俺は、銭湯やプールでも割と目立つ方だ。ナルシストというわけでもないが、子どもからの憧れの視線は、むず痒さと心地よさがあった。ふと、前に来たときにはなかったポスターが壁に張ってあるのに気づいた。


──金曜18:00より「替わり湯」あります


(「替わり湯」……字を間違えてないか? 普通は「変わり湯」だよな)


と、その時は特に深く考えずに、俺は大浴場へと入っていった。そろそろ18時になるし、ちょうどいいタイミングに来たなぐらいにしか考えていなかった。洗い場で体を洗い終えて一番大きい湯船につかる。俺の他には、野球部の帰りらしい坊主頭の高校生2人組──眉の濃い男前なやつと、芋臭い顔つきのやつ。白髪交じりの角刈りのオッサン、さっきの父親と息子がいた。


「はいはい〜。18時になりましたのでね『替わり湯』を始めさせていただきまーす」


 銭湯のスタッフらしい若い男が来て、網に包まれた白い石を湯船の隅に沈めていった。今まで見かけたことのない人だが、新しく入ったばかりなのだろうか? と考えていると、なんだか変な気分になってきた。


(んあっ……な、なんかこう、ムラムラしてくるな……)


 湯の色が、段々と白く濁り始めていた。意思に反してチンポがムクムクと勃ちあがってくる。他の客の様子を見ると、野球部の高校生たちも、角刈りのオッサンも、若い父親も、みな目がとろんとし始めて、気持ちよさそうな──性的な意味で気持ちよくなっていそうな表情になっている。小学生の男の子も、なんだかうっとりとした顔つきになっていた。


 明らかにおかしいと頭の片隅では思っているのに、体中が気持ちよすぎて、湯船から出ることが出来なかった。金玉が玉袋の中でぐりんぐりんと動いて、太腿の筋肉が射精直前のようにピクピクと痙攣し始めている。銭湯の若いスタッフは、そんな俺達の様子を見ると、満足気に言葉を発した。


「それでは皆様方、どうか身も心もさっぱりと入れ替えて、心地よいひとときをお過ごしくださいませ」


 あっあっ、という高校生の喘ぎ声と、低く唸るような角刈りのオッサンの声が聞こえた。パパ! パパッ!と言う小学生の声と、切なそうに喘ぐ若い父親の声がそれに重なり──俺も低い声で喘ぎながら、白濁した湯船の中でオルガスムスに達した。



 替わり湯に入っていた客たちが一斉に切なそうな声を漏らすと、あとは肩で息をする荒い呼吸音だけが響いた。俺もしばらく荒い息のままぼんやりしていたが、いつの間にか周りの客たちがさっきの替わり湯の感想を話す声が聞こえてきた。だがそれは、見た目と口調がちぐはぐな、奇妙なやりとりだった。30代くらいの爽やかな若い父親が、


「先輩、さっきのマジで気持ちよかったっすね! 俺、銭湯でイッたの初めてっすよ!」


と、小学生の息子に嬉しそうに話しかけていた。小学生の息子はそんな父親に対して、


「バカ。お前なあ、もう俺らは先輩と後輩じゃなくて、親子なんだぞ。もっと父親らしくしろよ。なんで小学生の息子に射精の報告してんだよ」


と、説教めいた口調で答えていた。


 一方、野球部の高校生二人組は、眉の濃い男前な方が、


「パパ! さっきね、ぼくのおちんちんからね、なんか、ビューって! 気持ちいいおしっこ! でたの!!!」


と、子どもっぽい口調ではしゃいでいた。芋臭い顔つきの方は、


「健太郎。『替わり湯』に入ったから、もうパパはパパじゃなくて、健太郎の後輩の『角山正毅』になったし、健太郎は三年生の『大沼隆史』になったんだ。これからはパパじゃなくて、角山って呼び捨てにするんだぞ」


と男前な高校球児の方に話していた。


「そうだな……あとは新しい体の記憶を思い出すと……うおっ、他人の記憶思い出すの、なんか変な感じするっすよ!……ヤバっ! 大沼先輩も思い出してみてくださいよ。すんげーチンポにくるっす! んあっ!」


芋臭い高校球児は、男前な高校球児の方にアドバイスをしている途中で、口調が別人のように変わっていった。そして──


「うへへ……この兄ちゃん、かなり可愛い彼女がいんじゃねえか……真由子っつうのか。こりゃあしっかり俺が可愛がってやんねえとなあ……ぐひひ」


 下品な口調で笑みを浮かべている"俺"がいた。とてもラグビー部の次期キャプテンとして、監督や先輩からも期待を掛けられている男とは思えない、卑猥極まりない笑みだった。


「あ゛ぁ゛……」


 俺の喉からは、聞き慣れない濁声が漏れた。ざばりと湯から立ち上がり、自分の体をまさぐる。ラガーマンそのものであった逆三角形の体型とは程遠い、固太って腹の出た体型だった。胸板は白髪交じりの胸毛が密生し、ビール腹に生えた腹毛と繋がって、ギャランドゥまで生えている。腕も白髪交じりの剛毛が密生している。胴長短足で、ガニ股。チンポは太短く、亀頭は淫水焼けして黒光りしていた。髪を触ると、ソフトモヒカンではなく、角刈りになっているようだった。


(おっ、俺、さっき同じ湯船にいた……角刈りのむさ苦しいオッサンに……なっちまってるッ! それに中身が角刈りのオッサンになった"俺"に、このままだと真由子を寝盗られちまう! で、でも……!)


 俺の脳内にはいつのまにか【替わり湯のマナー】が刷り込まれていた。


【替わり湯で肉体が入れ替わるのは、当たり前のことです】


【熱烈な入れ替わりフェチになるので、元の自分とギャップがあるほど興奮してしまいます】


【一度入れ替わったら、二度と入れ替わりは出来ません】


【速やかに新しい肉体と人生を受け入れましょう】


「んイ゛ッ!」


 ベチン! と勢いよく太短いチンポが毛深いビール腹を打った。一瞬、俺の心に芽生えかけた中年オヤジの肉体への嫌悪感は、好意へと──熱烈な愛情へと裏返った。真由子のことなど、どうでもよくなっていた。これから一生、このビール腹の角刈りオヤジの肉体で生きていかねばならないことを考えただけで、俺は多幸感でデレッと頬が緩むのを感じていた。熱烈な入れ替わりフェチになってしまった俺にとって、元の自分とかけ離れた人間と入れ替わって人生を過ごすことは、なによりも興奮することだった。誰に頼まれても、俺はもう絶対に、このオッサンの肉体を手放さないぞ! 俺は鼻毛の密生した小鼻を膨らませていると、そこに"俺"が声を掛けてきた。


「おう、兄ちゃん。すっかり俺の体、気に入ってくれたみてえだな。そんなにむさっ苦しいオヤジの体の、どこがいいんだ?」


「もう、最高っすよ。男の色気がムンムンっつうか……んあぁぁ……加齢臭すっげ……! エロっ!」


 一瞬で入れ替わりフェチになった俺は、脂でギトついた自分の顔から匂う中年男の加齢臭を、鼻をスンスンさせて嗅いでいた。ジョリジョリと無精髭を手で撫でる。ああん、やっべ! 自分の体から、他人の体臭が匂ってくる! ていうか、そもそも自分の体じゃないし! 興奮で肩を怒らせたまま替わり湯を出て、サウナに向かう。途中で洗い場の鏡を見ると、白髪交じりの角刈りで、厳つい顔つきの中年オヤジが、ギラギラと欲情した顔をしていた。髭の剃り跡が濃い、むさ苦しい顔つきだ。


(おっ、俺ッ! ラグビー部の次期キャプテンで、彼女もいたのにッ! こんな……万年風俗通いのむさ苦しい中年オヤジになっちまってるッ!)


 俺は元の自分の容姿とのギャップに、どぷどぷと脳内で多幸感が噴き上がるのを感じた。昨日も風俗に行った記憶が、自分のことのように思い出せた。胸毛腹毛の密生した固太った中年オヤジが、勃起して銭湯にいるという破廉恥極まりない姿ではあるのだが、しかし【替わり湯で入れ替わった人間は性的に興奮しやすくなっているので、周りの人は見てみぬフリをすること】も替わり湯のマナーのひとつだ。それは入っていない人間たちにもいつの間にか刷り込まれているようで、まだ替わり湯に入っていない客たちも皆、素知らぬ顔で俺の勃起チンポから目を背けてくれた。


 もっともっと汗臭くなって、新しい体のオヤジ臭さを堪能したい。そう思ってサウナの扉をくぐろうとすると、ガシッと後ろから体格のいい男に肩を組まれた。胴長短足の新しい俺の体よりも、頭一つ分デカいその男を見上げる。"俺"だった。正確には、さっきまで"俺"だった、河村哲平というラガーマンだ。湯船で話した後、追いかけてきていたらしい。


「おうおう兄ちゃん。せっかく体を入れ替えあった仲じゃねえか。ここはひとつ、おっちゃんと汗まみれになって、男同士の裸の付き合いをしようじゃねえか。つうか俺もあれだ。入れ替わりフェチ? っつうのか? それにさっき目覚めたばっかりでよ。俺になって兄ちゃんを見てると、すんげえ興奮しちまうんだよ。うへへ」


「俺もっすよ。んあぁ……すっげーガタイっすね。俺、こんなカッコよかったんだ」


 前の肉体に未練はないが、一見すると爽やかなラガーマンである元の俺、河村哲平の中身が、下品な中年オヤジになってしまっているというのは、入れ替わりフェチになった俺としてはかなりそそるシチュだった。俺たちは連れ立ってサウナへと入った。他の客たちはいない。今頃替わり湯で入れ替わり合っているのだろう。すぐに互いに汗が吹き出してくる。河村からはそこまで汗臭さは感じないが、俺からはムワッと濃い加齢臭が立ち昇ってきた。河村が精悍なラガーマンの顔を下品そうに歪めて言った。


「うおっ! こんなにオヤジ臭かったのかよ、俺! うっし、可愛い彼女ももらっちまうことだし、ここは一発、おっちゃんが最後に兄ちゃんを気持ちよくさせてやるよ。おっと、いけねえ。前の口調がそのまんまじゃねえか……んっ! ああっ! こ、こんなに立派な体と、彼女まで頂いてしまって、申し訳ないので……ぜひ、飯田さんにご奉仕させて頂きたいです。よろしくお願いします! は、はひっ! やべっ! この兄ちゃんの頭ん中思い出すの、すんげ〜気持ちいいッ!」


 下品そうな口調だった「俺」が、礼儀正しい体育大生そのものの口調に切り替わったかと思うと、さらに元の口調に戻った。俺もその様子に興奮しつつ、この肉体の記憶をより深く「思い出した」。さっき昨日の出来事を思い出したのとは比較にならない体験だった。


「うおっ!? な、何だこりゃっ!」


 ガツンと後頭部に衝撃が走ったかと思うと、この中年男の──飯田益雄としての、生まれてから今日までの54年間の記憶が、一気に俺の脳内に溢れかえった。

 まるで飯田益雄としての人生を追体験しているようだった。中学を卒業してから土方で働いてきて、趣味は風俗とパチンコ。体育大生で、将来は体育教師になりたかった俺とは全く違う価値観、人生観、性格。それが全て俺のものになる。なってしまう。まるで河村哲平の魂が、飯田益雄の肉体に組み伏せられ、征服されるようだった。手も触れていないのに、太短いチンポから精液が噴き出した。


 そして俺は──身も心も、飯田益雄になっていた。


「う゛ひっ……なかなか……いい心がけじゃねえか、兄ちゃん。うおっ! 俺、頭ん中までおっちゃんになってるじゃねえか! くぅ〜ッ! すんげえ興奮するぜ! こんなの、入れ替わりフェチ冥利に尽きるってもんよ。おう、さっそくしゃぶってくれや」


「うす! 河村哲平、飯田益雄さんにご奉仕させて頂きます!」


 へへへ。河村のやつも、すっかり元の俺の記憶を思い出しちまったみてえで、デカマラから精液を垂れ流しながら、俺のチンポをしゃぶってやがる。俺は悦んで元の自分のチンポをしゃぶっている、さっきまで中年オヤジだった体育大生の頭を撫でた。俺は河村に話しかけた。


「なあ兄ちゃん。今度の替わり湯によぅ、俺の現場の連中と、兄ちゃんのラグビー部の連中を誘ってみるのはどうだ?」


 チンポをしゃぶりながら上目遣いに俺を見つめる河村の瞳が、とろんと潤んだ。一見するとハツラツな体育大生のラグビー部の中身が、脂ぎったオッサンになっちまうんだ。でもって、汗臭い土方のオッサン中身が、さっきまでラグビー部だった兄ちゃんたちになって……っへへへ。入れ替わりフェチとしちゃあ、かなり興奮するやつだな。きっと入れ替わった後は、連中も喜んでくれるはずだ。


(終)



──────────


 最近、コミッションでjaggiさんに「入れ替わりフェチになってしまう電車に乗ったマッチョなサラリーマンが、太っていてブサイクな女子中学生と入れ替わる話を書いて欲しいです」と依頼して小説を書いてもらいました。それがすごくよかったので、自分でも入れ替わりモノを書きたくなったので書いてみました。


 jaggiさんに依頼したコミッションの方はこちらです。


『マッチョなリーマンがデブス女子中学生と入れ替わるお話』

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18205697

集団入れ替わり・体育大生ラガーマンが、風俗通いの中年土方と入れ替わった顛末

Comments

感想ありがとうございます。今回の高校球児と親子の2人組同士の入れ替わりのように、入れ替わり前と入れ替わり後で、二人の関係性が逆転してしまうの、結構好きなんですよね。

くろねこ@9605

高校球児バージョンと親子バージョンもみたいですね!

ゆきの

感想ありがとうございます。最初はラガーマンと土方の入れ替わりだけで考えていたので、他の高校球児たちや親子はちょっとしたおまけだったんです。読み返してみると、もう一組ぐらい増やせばよかったかもですね。

くろねこ@9605

銭湯や温泉の様な場所で入れ替わった後、やっぱりやるですね! 関わった人数がちょっと少ないと思いますが、増えると内容のバランスが厳しいですよね。 でも土方とラガーマンの仲間が来たら、乱交パーティーになるかもしれませんので、そっちもちょっと見たい。 好きな入れ替わりテーマの糧、ありがとうございます!

黒竜Leo


Related Creators