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くろねこ@9605
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体育教師が上司と不倫中のOLと入れ替わった挙げ句、多幸感に染まってしまう話【未完成】

 地方都市で体育教師をしていた俺が、東京のOLと入れ替わってしまったのは、たった1ヶ月前のことだった。


 とある高校の体育教師であり、生徒指導主任でもあった俺は、一ヶ月前のある日の放課後、天海夏恋という女子生徒を生徒指導室に呼び出していた。天海は髪を明るい金髪に染め、ガングロメイクをした、典型的なギャルファッションに身を包んだ女子生徒だ。問題は、彼女が繁華街のラブホテルから、年配の男性と一緒に出てくる写真が、匿名で学校に送られて来たことだった。明らかに、援助交際を匂わせる写真だった。


「おい天海、これはどういうことだ?」


「あっ……」


 俺が机の上に広げた写真を見ると、天海は露骨に目を泳がせた。嘘の下手な奴だ。俺は天海を問い詰めた。


「天海とこの男は、知り合いか? ホテルで何をしていたんだ?」


「…………」


「答えられないのか?」


「……知らねーし。もう意味分かんない!」


「おい待て! まだ話は終わっとらんぞ!」


 癇癪を起こした天海は、勢いよく椅子から立ち上がると、生徒指導室から出て行こうとした。そのときだった。生徒指導室の窓の外が、急に──光った。濃いピンク色の、不自然な光。それは生徒指導室の中も一瞬で染め上げた。


「な、なんだ?」


「ちょっ、なんなの?」


 急激な視界の暗転。大勢の人間の話し声。浮遊感と酩酊感。やがて、窮屈な何かに、無理やり押し込まれる感覚があった。


「い、今のは、いったい……」


 周りがやけに騒がしい。まだ頭がぼーっとする。俺は頭を押さえながら、顔を上げた。誰かの髪が俺の首筋に触れた。俺はそれを手で払おうとしたところで、気づいた。今俺の首筋に触れたのは、俺自身の髪だ。角刈りだったはずの俺の髪が、やけに伸びている。


「なんだこりゃ? あっ……」


 妙に甲高い声が出てしまい、俺は喉を押さえた。まるで女のような声だ。それにいつの間にか、うちの高校の生徒指導室ではなく、どこかのオフィスビルの座席に、俺は座っていた。俺はキョロキョロと周囲を見渡したが、オフィスにいる男性社員も女性社員も、ひどく狼狽したような様子だった。みんな大声で怒鳴ったり、喚いたりしている。泣きじゃくっている中年男性や、股間を押さえて顔を真っ赤にしている若い男性、興奮した様子で自分の胸を揉んでいる女性という、異様な様子の人たちが目についた。


 誰かに話を聞いてみようと、ひとまず立ち上がってみる。やけに……視点が低い。天井が高いのか? いや……違う。俺は自分の身体を見下ろして、息を呑んだ。


「嘘、だろ……?」


 いつの間にか俺が、女性モノの紺のスーツとスカートを身にまとっている。今まで着ていたはずの、白いポロシャツと赤いジャージ、といういかにも体育教師然とした格好は影も形もない。両胸は当然のようにむっちりと膨らみ、手足も白く滑らかだ。毛深く筋肉質だった俺の腕とはまるで違う。思わず股間を抑えると、そこには、今までとは全く別の──あるべきものの代わりに、別の器官が備わっている感覚があった。


 日本だけでなく、世界中で起こった精神交換現象。それが起きた当日の出来事であった。この入れ替わり現象の仕組みは不明だが、いくつかの法則性は後にわかってきた。


 まず、入れ替わりは男女の間で起こること。そして入れ替わる相手は、目の前にいる人間とは限らないことだ。同じ部屋、同じ建物内といった近距離で入れ替わりが起こることもあれば、数十キロメートルも離れた男女同士が入れ替わることもあった。俺の身に起きたのは、遠距離の入れ替わりである。しかも俺だけではない。俺のいた地方都市の高校と、東京のとある商社の間で、ごっそり人間が入れ替わったのだ。


 世間は大混乱に陥ると、誰もが予想した。だが──しかしこの入れ替わり現象は、さらにある副作用が存在していた。その副作用によって、俺たちは急速に、この入れ替わり後の社会に適応していったのである。



「ふぁ……あ……」


 起床用に掛けていたスマホのアラームが鳴っている。俺は寝ぼけまなこでスマホを手に取ると、アラームを解除した。また、1ヶ月前の、あの日の夢を見ていた気がする。ぼんやりと部屋を見渡す。ここは妻や娘と暮らしていた一戸建ての寝室ではない。単身者向けのアパートで、北欧風デザインのおしゃれなドレッサーや、丸みを帯びた可愛らしいソファーといった、女性が好みそうな家具が揃っている。明らかに俺の好みではないのに、しかし今の俺は、この部屋に愛着を感じてしまっていた。


「ん……」


 俺はベッドから起き上がると、軽く伸びをした。俺の胸にある膨らみが、キャミソールの中でたゆんと揺れた。ノーブラで寝ているため、キャミソールの中を覗き込むと、若い女の甘い体臭と、胸の谷間……そして、ほんのりと色づいた若い女の乳首が目に入ってきた。きゅうんと乳房の奥底から、甘く、切ない感情が湧き上がってくる。俺はその衝動を無視して立ち上がって、便所に直行した。パジャマと女性モノのショーツを降ろし、便座に腰掛ける。先週処理したばかりの、薄い陰毛の奥。俺の股間に付いた女性器から、じょろろろ……と放尿が始まった。もう立ちションの出来なくなった身体。まんこからの放尿。自分が「女になった」と強烈に実感させられる瞬間。先ほどまで押さえていた切ない衝動が、俺の背筋を貫いた。


「はうぅ……!」


 思わず甘い声音が漏れてしまう。男だった頃なら聞くに堪えない野太い喘ぎ声だったろうが、今の俺の喉からは、可愛らしい声音が漏れた。その声音さえも、心地よい。放尿しながらも、便所用のスリッパを履いた足をパタパタと悶えさせる。


 入れ替わりの副作用。それは「他人の肉体になったこと」を実感すると、強い多幸感を覚えてしまう──ことであった。この副作用によって、入れ替わった後の人々は、急速に入れ替わり後の肉体に、暮らしに、順応していった。


 俺も例外ではなかった。俺は男だ。いずれ元の身体に戻るんだ、という信念が、波にさらわれた砂の城のように、あっけなく崩されていく。女になってしまった幸福と興奮が俺の女体を満たし、あまりの多幸感に、いつも俺は自分の身体を抱きしめてしまう。両腕を胸の前で交差させると、腕の中でDカップの乳房が揺れた。


「ふーっ……ふーっ……んっ……」


 やがて放尿が終わると、波のように多幸感が引いていった。膣はいまだにピクピクと痙攣しているが、先ほどのような、我を忘れるような快感は頭の中から消えていた。俺は下唇を噛みながら、手早く股間をトイレットペーパーで拭いた。あまりじっくりと拭いていると、また妙な気分になっちまう。


「クソッ……馬鹿にしやがって」


 洗面所で手を洗いながら、俺は悪態をついた。日常生活の中で、こういったことが頻繁にあるのだ。入れ替わった先の肉体が、元の自分とどれだけかけ離れていても……「他人の肉体になったこと」を実感した途端、この多幸感は容赦なく襲ってくる。俺自身も、入れ替わった当初よりも、この肉体を──好ましく思い始めている。日ごとに男へ戻りたいという思いが、薄れていっている。男だった頃の自分の姿を想像しても、あんなむさ苦しい中年オヤジに戻りたいのか? と躊躇するようになってきている。それが……悔しい。この入れ替わりが自然現象なのか、それとも何者かが仕組んだものかはわからないが、自分の心と体が、いいように弄ばれていると、俺は感じていた。


 鏡に映っている、すっぴんの若い女の姿を睨みつけた。しかしその行為さえも、じわじわと多幸感が湧き上がりそうになる。思わず指が股間に伸びそうになったが、自慰でもしようものなら、それこそ強烈に「自分が女になったこと」を自覚してしまい、朝から多幸感が洪水のように押し寄せてしまう。先ほどの放尿よりも、我に帰るのに時間が掛かってしまう。俺は鏡から顔を伏せると、洗面所を出た。


 俺は朝食用のトーストと牛乳を用意すると、テレビの電源を点けた。テレビの画面には、先ほどの俺同様に「幸福な」タレントやアナウンサーたちの姿があった。ある番組では、意見番的なポジションである壮年の男性タレントが、渋い外見に似合わない女言葉で、ニュースに対してコメントをしていた。濁声で喋るたびに、その響きが嬉しくてたまらないのか、厳つい顔にはニヤけた笑みを浮かべていた。


「てゆーかぁ、勲男としてはァ、マジであり得なくない? って感じなわけ。ぶっちゃけ、政府の対応、マジでヤバくね?」


 別な番組では、写真集の告知をする女性アイドルが、下品なオヤジ口調で宣伝をしていた。ニヤニヤとだらしのない笑みを浮かべながら、自分の写真集に頬ずりをしていた。


「っへへへ……俺の写真集、すっげーエロいだろ? 先月まで、漁師やってたオッサンとは思えねえよな? 撮影中もムラムラしちまって、大変だったんだぜぇ……」


 さらに別な番組では、凛々しい体育会系の男性アナウンサーが、妙に女っぽい口調でニュースの見出しの横に立ち、番組を進行していた。自分の低い声が、女言葉を紡ぐことを、どこか楽しんでいるような雰囲気だった。


「はぁーい。それじゃ、次はプロ野球のニュースでぇーっす。開幕から三連勝のぉ……」


 その番組を観ながら、朝食を食べることにした。トーストの上にバターを塗っていく。スポーツニュースでは、まるでぶりっ子のような言葉遣いで、試合直後のインタビューを受けている、髭面のプロ野球選手の映像が流れていた。さらに、プールサイドをがに股で歩きながら水着の食い込みを直す女子水泳選手や、国際試合に優勝して、泣きながらインタビューを受けている、屈強な男子柔道の選手の姿があった。実際に身体を使うスポーツ選手たちは、自分が他人の肉体であることを実感しやすいらしく、皆幸福そうな様子だった。


 特に男子柔道の選手は、勝利の嬉しさのあまり射精してしまったらしい。柔道着の股間に濃い染みが浮かび上がっていた。彼は泣きながらも、先月までごく普通の女子高生だった自分が、国際的な柔道の大会で優勝できて嬉しいことと、この優勝を、この柔道選手の奥さんに報告したいことを告げていた。


 カメラがスタジオに戻ると、体育会系の男性アナウンサーが瞳を潤ませ、肩で息をしていた。どうやら先ほどのスポーツ選手達の映像で、かなり興奮してしまったらしい。がっしりとした腰をもじもじとくねらせている。明らかに勃起したイチモツの輪郭が浮かび上がっている股間を、片手で隠しながら、上擦った声で番組を進行しようとしている。


「と、とおっても感動的でしたねっ! つ、次は、おっ、おて……お天気コーナー……ですっ! はぅん!」


 しかしそれも、片手が股間に擦れた感触で、限界に達したらしい。凛々しく整えられた、男の濃い眉根が歪む。精悍な表情筋が、デレッと情けなく緩む。全国生放送の最中に、体育会系の男性アナウンサーは、その低く男らしい声でよがり声を上げた。


「あっあっ、だめっ! はうぅ〜! やだぁ……ママっ!」


 股間を抑えると逆効果だと思ったのか。それとも、あまりの恥ずかしさからか。彼は両手で顔を覆うと、快感に抗うように腰をくねらせた。しかしその肉体は、容赦なく男性特有の生理現象を引き起こした。彼が肩を震わせるたびに、スラックスの股間に、濃い染みが浮かび上がっていく。


「フーッ……フーッ……んっんっ……んあっ」


 スタジオのカメラは、生放送中にオルガスムスに達し、肩を震わせている男性アナウンサーからアングルを外すことなく、むしろ積極的に彼の下半身をズームしていった。すかさずテロップが流れ「これは入れ替わり現象に伴う、生理的な反応のひとつであり、発汗や涙と同様に避けがたい現象です」という白々しい説明が画面下に表示された。さらにその男性アナウンサーのプロフィールと、入れ替わった相手のプロフィールが、続いて表示される。


 それによると、この後藤直樹という32歳の男性アナウンサーの中身は、田所友舞という中学3年生の女子であるらしい。入れ替わり前は、ティーン向けファッション誌の読者モデルまでやっていたようだ。そんなオシャレな女子中学生が、妻子持ちの成人男性の肉体になった挙げ句、生放送で射精する姿まで晒してしまった──彼女は、それをどう感じているのだろう。ようやく呼吸が落ち着いた後藤アナウンサーは、顔を覆っていた手を離し、荒い息を吐きながらカメラの方を向いた。はにかんだように唇を尖らせ、今更のように股間を手で隠しながら、番組の進行に戻ろうとした。


「えっとぉ……お見苦しいところ、お見せしましたぁ。以上、スポーツコーナーの後藤直樹で……したっ……ンン゛ッ!」


 後藤アナウンサーは、自分の名前を言った途端、ムフリと小鼻の穴を広げた。中身である女子中学生が、男の名前を名乗ることで、改めて「男になってしまった自分」を自覚してしまったのだろう。肩をビクッと痙攣させながらも、彼は強引に言葉を言い切った。男の官能が再び高まってしまい、気持ちよさそうに目を細めている。そんな後藤アナウンサーの唇の端から、角張った男らしい顎に、涎がつうっと垂れていく。そんな彼の様子からは、新しい自分の肉体をどのように思っているのか、ありありと伝わってきた。倒錯的な快感の余韻に耽りながらも、お辞儀を終えた後藤アナウンサーから、カメラが移動していく。


 いつの間にか、食べかけのトーストが皿の上に落ちていた。バターはすっかり溶けて、トーストに染み込んでいた。



 肉体を使うことだけでなく、頭脳を使うこともまた、入れ替わりを実感させる行為だった。入れ替わった脳みそを使うことで、俺たちは入れ替わり相手の記憶を、自分のことのように思い出せる。しかしそれもまた、多幸感を伴う行為なのだった。


 オフィスでは、皆が熱心に仕事をしていた。期末テストで赤点スレスレだった野球部員が、キャリアウーマンの肉体になってしまい、以前の自分よりも明晰になった頭脳でミーティングの資料を作っている姿があった。ときおりパソコンを打つ指を止め、その出来栄えに恍惚とした表情を浮かべていた。


「あっあっ……やべっ……俺、マーケティングとか、すげえわかる……仕事出来る女になっちまってる……うへへ」


 あるいは、内気だった美術部の女子生徒が、快活な営業マンと入れ替わってしまった姿もあった。女言葉で恥ずかしそうに営業電話を掛けながらも、その肉体に宿っていた話術はしっかりと彼女の物になっている。電話を終えると、彼女は日焼けした男らしい顔に、うっとりとした笑みを浮かべた。


「え、営業のアポとれましたぁ……あぁん……」


 そして涎を垂らしそうな顔で、ブルルッと筋肉質な身体を震わせた。すぐさま精液特有の青臭い匂いが、彼女の周囲にぷうんと広がった。電話を掛け終えるたびに、彼女の股間には、粘っこい染みが濃く、大きく広がっていく。


 男も女も、仕事をする喜びに溢れていた。仕事に必要な記憶は、ごくごく自然に「思い出せた」。他人の肉体が得た、他人の人生経験。それを他人の脳で思い出して、自分のモノにするたびに、幸せが降り積もっていく。オフィスの中では、男が恥じらう低い喘ぎ声や、女の興奮した鼻息があちこちで聞こえた。


「これで全部書き終わったな。あっ……やっ、ダメ……」


 備品や会議室の申請書を書き終えたを俺も、ゾクゾクっとする快感を覚え、机に突っ伏した。申請書を書き終えた途端、多幸感が限界を超えた。膣がピクピクと痙攣して、下着がヌルヌルしていく。以前にも申請書を書いた経験を思い出しながら書いたため、俺もすっかり興奮してしまっていた。飲み物を飲もうとペットボトルのお茶に手を伸ばしたが、あいにく一口分程度しか残っていなかった。社内の自販機に買いに行こうと、自分の席を立った。自販機で飲み物を選んでいると、後ろから声を掛けられた。


「あれえ? 猪股先生じゃないですかぁ?」


 低い、渋味のある中年男の声。その声を聞いただけで、心臓の鼓動が高鳴った。今朝の放尿のときよりも。さっき仕事をしていたときよりも──さらに熱烈な多幸感が、俺の脳内でジュワッと湧き上がる。意を決して振り返ると……営業部の岩崎部長がいた。50代半ばにしては筋肉質な体躯。白髪交じりの短髪と顎髭。ゴルフで日に焼けた精悍な顔つき。ふわりと薫る、男性向けの香水の香り。そのひとつひとつが、加賀美綾音にとって好ましいものであった。なぜなら、俺が入れ替わったこの女は、妻子持ちの岩崎部長と不倫関係にあるのだから……。


 しかもその中身は、俺のよく知っている女子生徒だった。天海夏恋──援助交際の疑いで、俺が問い詰めていた生徒である。入れ替わりが起きた後、俺はオフィスにいた社員たちと、自分が何者だったのか自己紹介し合ったのだが……天海と入れ替わった岩崎部長と目があった途端、俺の中で岩崎部長への愛情が溢れ出してしまった。加賀美綾音が、岩崎部長を深く愛していたためである。まんこが濡れ始め、唐突に今までの岩崎部長との情事の記憶が、俺の──加賀美綾音の脳に蘇った。俺はオフィスの片隅で、始めて味わう女の性欲に戸惑って顔を赤くしていると、そんな俺の様子を察した天海は──岩崎部長は、下品な目で俺を見つめていた。


 俺が物思いから我に返ると、岩崎部長は、顎髭をジョリジョリと撫でながら口を開くところだった。


「アタシぃ、さっきまで会議でチョー疲れちゃってぇ……なんか、誰かに肩でも揉んで欲しいんですよねぇ……」


 そう言って、意味ありげに近くにある小会議室を顎で示した。今日はこれ以上会議の予定もなく、空室だった。俺は呼吸が早くなるのを感じながら、黙って岩崎部長に続いて小会議室に入った。岩崎部長は会議室のドアに鍵を掛けると、小鼻の穴をムフリと広げて、スケベそうな目線で俺を眺めた。


「アハッ! ほんと、あのゴリラみたいな猪股先生が、こんな可愛い女の子になっちゃうとか……マジでウケるんですけど!」


「それを言うなら、お前だってオッサンになってるだろ? 天海」


「アタシはイケオジだから、別にいいんでーす」


 そう言うと、天海は……岩崎部長は俺に近づくと、俺の顎を片手で持ち上げ、顔を近づけてきた。岩崎部長の精悍な顔が近づいてくるにつれ、俺もうっとりとして目を閉じた。男性向けの香水と混じり合った、岩崎部長の体臭さえ愛おしい。中身があの生意気な女子生徒だと頭では理解していても、俺の肉体は、どうしてもこの中年男への愛情を止められなかった。悔しいが、俺はこの男に惚れている。


(畜生ッ……!)


 俺は内心悪態をつきながら、岩崎部長からのキスを受け入れた。自分と同年代の中年男からのキスという、入れ替わり前ならば願い下げのシチュエーションであるはずなのに、今はそれがたまらなく興奮する。男の肉厚な舌が俺の口腔内に入り込み、俺の舌と絡み合う。喫煙者であり、やや苦味のある岩崎部長の唾液が、俺の唾液と混じり合う。今日感じたなかで、最高の多幸感が溢れ出す。加賀美綾音になれて良かったと──これから一生、加賀美綾音として、岩崎部長を愛し続けたいと──そんな喜びが、俺の脳を染め上げていく。部長の逞しい腕が俺の背中に回され、俺は力強く抱きしめられた。


(未完)



──────────


 もしも世界中で入れ替わりが起きたら大混乱になると思うんですけれど、その混乱を抑えるような作用が働いたならどうなるかな? というのがこの小説のコンセプトです。みんな「他人になったこと」を幸福だと感じるようになっているのですが、もうちょっと中身と外見の組み合わせやシチュエーションを、色々と検討したいな……と思っています。

体育教師が上司と不倫中のOLと入れ替わった挙げ句、多幸感に染まってしまう話【未完成】

Comments

Thank you! I will do my best to complete this novel.

くろねこ@9605

I really like this! Hope you can finish this novel!

Will

ありがとうございます。ランダム入れ替わり、書いていて楽しいんですけれど、描写する人々が多くなるので、なかなか完成させるのが大変です……! いずれは完成させたいですね。

くろねこ@9605

このようなランダム入れ替わりの物語がいつでもたまらない!

黒竜Leo


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