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くろねこ@9605
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くろねこのMC小説道場第9回「体育教師は、読者からの3つの提案で幸福に堕とされる」

 皆さんこんにちは。くろねこです。前回の小説講座では、小説の後半の展開を読者の皆さんから公募しました。その結果、3つの提案を盛り込むことにしました。コメント欄に投稿頂いた3つの案を、ここでもご紹介しておきます。  (前回の講座はこちら)  https://www.pixiv.net/fanbox/creator/316319/post/579905 Ton爆Toさん 自身が今までオナニーあるいは射精をしたことがないと(アプリの力で)思い込んでいて、なんとなく(もちろんアプリの力で)授業中に弄っていたらつい精通(と思い込んでいる)してしまい、恥ずかしさで悶えている。 チャイムが鳴ると、授業中に射精した事は覚えているが、どうしてそうなったかは忘れてしまい、また弄りだす。またチャイムが鳴ると、(以下略) Leoさん くろねこ先生の講座ありがとう。 武本先生が生徒(アプリユーザー)に個人指導(=シコル/フェラ)するシーンは見たいです! スキップさん わかりやすい小説講座ありがとうございます。 案は 「武本は田所のスマホに気付きスマホを取り上げて書いてある内容を見てしまう。武本は今下半身を露出しているのはおかしいことなのか…?と疑念を持ってしまうが…」  以上、こちらの三名の読者の方の提案を使い、小説を書いてみました。応募して頂いた皆さん、どうもありがとうございます。以前書いた冒頭のシーンから、続けて御覧ください。それではどうぞ。   ※  教師である武本大悟は、担任するクラスへと向かっていた。窓の外では桜が満開で、春の陽気に満ちている。そのせいか、彼の額には軽く汗が浮かんでいた。体育教師でもある武本の腕は太く、浅黒く日焼けしている。その逞しい腕に着けた腕時計を見ると、彼の顔色が変わった。   「やっべ」  生徒に見られていないか周囲を軽く見渡すと、彼は小走りで駆け出した。階段の段数を飛ばしながら駆け上り、担任するクラスのある3階までたどり着いた。 「ふーっ。それにしても暑いな」  武本は扉を開ける前に呼吸を整えた。しかしそこで、自分が何かを忘れているのではないか?という気がした。   「おっと、いかんいかん」  武本は何の躊躇もなくジャージと下着をずり下ろすと、下半身を露出させた。陰毛が皮に挟まっていたのを指で直している。体育教師として鍛えた健全な肉体ではあるが、とても学校で晒して良い姿ではない。廊下を走るのとは違い、こちらは犯罪である。しかし彼は陰毛を直し終えると、満足げな顔でジャージと下着を抱え、教室への扉を開けた。   「おーし、朝礼始めるぞー」  武本の声に、雑談していた生徒たちは自分の席に戻り始めた。しかし誰も、担任教師が下半身を露出している姿に、何も反応しない。異常は武本だけでなく、教室全体に及んでいた。   「あ、先生。それ預かります」 「おう。いつもすまんな」  一番前の席に座っていた、田所という生徒が武本のジャージと下着を預かった。田所の机に入っているスマホの画面はまだ点灯しており、次の文字が浮かんでいた。       対象:武本大悟     範囲:3-1教室   認識補正:あり      内容:教師は下半身を露出し、        ありのままの姿を生徒に晒すのが        教育的な姿だと認識する。        そのため教室に入る際はジャージと下着を脱ぎ、        アプリユーザーに預ける。             「すごい。このアプリ、本物だったんだ……」  田所の呟きは、武本の耳に届くことはなかった。   ※   「──で、これらの問題集の購入費用は来週の月曜に集めるからな。みんな、準備しておくように」  朝礼で出欠を取り終えた武本は、朝の連絡事項を話していった。いつも通りの風景。快活な担任教師と、眠たげにあくびを噛み殺している生徒たち。ただひとつ、違う点は──    ぶるん。濃い陰毛の中で揺れる、武本のふてぶてしいチンポだった。子作りも済ませた若パパ体育教師のチンポが、むわりと雄のフェロモンを放っている。毛深い下半身を露出したまま、堂々と生徒たちの前で連絡事項を告げている。そして武本も、生徒たちも、誰もそれを異常と認識していない。ただひとり、その異常を引き起こした生徒を除いては。   (マジでやばい……武本先生がフルチンなのに、誰も変だって思ってない……!)     教卓の前の席。武本から下着とジャージを預かった田所という生徒は、こっそりとスマホを机の下で起動していた。画面にあるのは「常識改変アプリ」というアプリと、いくつかの文字入力欄であった。全くインストールした覚えのないそのアプリの存在に田所が気づいたのは、今朝だ。そこで普段から自分が抱いていた妄想を適当に入力してところ……それが現実になってしまった。田所は憧れの担任教師の痴態を前に、次は何を入力するかじっと考え込んでいたが、やがて猛烈な勢いで次の改変内容を入力し始めた。   「それじゃあ今日の朝礼はこの辺りで──ああ、いや。まだあったな。最近オナニーしていなくて、ムラムラしている奴いるか? 手を挙げてくれ」  武本は唐突に何かに気づくと、生徒たちに対して破廉恥な質問を口にした。そして生徒たちも、その質問に答えるのが当然であるかのように、5〜6人の生徒が手を挙げた。生徒たちは特に恥ずかしがる様子もなく、まるで「体調が悪い奴はいるか?」という質問と同じくらいの気安さで、手を挙げている。田所も手を挙げていたが、それが異常であることを知っているので、彼だけは少し恥ずかしそうだった。手を挙げた生徒たちを見て、武本は事務的な口調で続けた。   「まだ一限目が始まるまで、時間があるからな。学生の本分は勉強だ。勉強に集中できるように、希望者は俺が抜いてやるぞ。手コキとフェラのどっちがいいか選んでくれ。希望者は、朝礼のあとで俺のところに来るように。それじゃ、朝礼はこれで終わりだ」  ガタガタと椅子を引く音がして、教室に喧騒が戻った。一番前の席である田所は、真っ先に武本の前に並んだ。武本は浅黒い顔をほころばせると、田所に優しく声を掛けた。   「おっ、田所か。それで、どっちがいいんだ?」 「えっと……フェラをお願いします」 「よしきた。ズボンを降ろすぞ」 「はい……」  武本は慣れた手付きで田所のベルトを緩めると、制服のズボンを下着ごとずり降ろした。まだ初々しい、皮を被った小ぶり田所のチンポがさらけ出された。武本は平然とした表情で口元をチンポに近づけると、口腔内にそっと迎え入れた。   「あっ!」  田所は、生まれて初めて味わうフェラチオの感触に、上擦った声を漏らした。田所にとって憧れの的であった体育教師が、自分の童貞チンポをフェラチオしている。それも、同級生たちの目の前で。武本の舌が、田所の包茎チンポの皮を剥き、チンカスをこそげ取りながら、ヌメヌメと何度もカリ首を愛撫する。その粘膜の接触で田所は悶え、武本の頭を両腕で抑えつけた。ざりっとした短髪の頭皮の感触。武本は上目遣いに田所を見上げながら、生徒の童貞チンポへの奉仕を続けている。   「あっ、もう、駄目! 武本せんせいっ! ひぁぁあっ!」  田所は肩を震わせると、あっさりと絶頂に達した。びゅくびゅくと子種が担任教師の口腔内に放たれる。武本は最後に一層激しくチンポをしゃぶりたてると、一滴も漏らすことのないよう、舌先で尿道口をチロチロとつついた。その感触に、オルガスムスに達している最中の田所は狂おしげな声を漏らした。武本は田所の射精が終わったことを確認すると、股間から唇を離した。涎とも精液ともつかない粘っこい汁が、田所のチンポと武本の唇の間に、糸を引いていた。   「どうだ? スッキリしたか?」    「はっ、はい。すごく……その……気持ちよかったです」 「それはよかった。じゃ、先生は次があるから、またな」 「はい……」  田所がズボンを穿き直す横で、武本は次の生徒のチンポをしゃぶりはじめていた。   ※ 「ふーっ」  朝礼を終えた武本は、一時間目の柔道の授業に向かうべく、廊下を歩いていた。今朝は3人の生徒にフェラチオを行い、2人の生徒を手コキで射精させた。口腔内は磯臭い匂いが喉の奥に残っており、武本の吐く息は精液臭かった。さらに武本の白いポロシャツには、生徒のチンポから噴き出した精液の染みが、ありありと残っていた。   「なんかこう……いつもと違う気がするんだよな」  武本は首を傾げていた。朝から何かがおかしい気がするのだが、その正体は掴めなかった。あれからさらに「常識」は改変され、教室内だけではなく、廊下でも武本は下半身に何も穿いていなかった。ただし、チンポはしっかりと両手で隠している。「教室や体育館、グラウンドなどでは完全に下半身を露出するが、廊下ではチンポを隠す」という新たなルールのせいだった。   「おはようございます」 「おう、おはよう」  途中で、学年主任の岩倉とも顔を合わせた。武本よりも年上のこの教師もまた、下半身には何も穿いておらず、ビール腹と毛深い両足を晒していた。それでも武本同様、しっかりと股間は両手で隠している。やはり生徒へのフェラチオを終えたばかりなのか、唇の端から精液が垂れていた。武本がそれとなく岩倉に伝えた。   「岩倉先生。顎の辺りに、垂れてますよ」 「おお、すまんすまん。今朝はウチのクラスは大盛況でな」  片手で股間を隠したまま、岩倉はTシャツの肩の辺りでゴシゴシと顎を拭った。二言、三言、岩倉と言葉を交わした後、武本は柔道場へと向かった。自分と同じ姿の岩倉を見たことで、いつの間にか武本が抱いた違和感は消えてしまっていた。   「おーし、それじゃ整列してくれ」  柔道場で生徒たちを整列させた武本。生徒たちはきちんと柔道着を着ているが、武本は先ほどまでと同様、上半身のみ柔道着を着て腰の辺りで帯を締め、下半身は露出させていた。ぶらぶらとチンポを揺らしたまま、生徒たちを見渡して、今日の授業内容を告げた。   「先週に引き続き、今日も寝技を中心にやっていくぞ。まずは準備運動からだ」  ぶるんぶるんとチンポが揺れるにも関わらず、屈伸や伸脚をしていく武本。生徒たちはそんな光景を見慣れていると認識しているため、特に気にしていなかったが、田所だけはしっかりと武本の露出柔道着姿を目に焼き付けていた。   「それじゃ、縦四方固めからだ。まずは手本を実演しよう。そうだな……田所」 「はい」 「ちょっと先生の前に来てくれ。そう、この辺りで寝て貰っていいか?」  武本は無作為に選んだつもりだが、これも当然、田所が事前に行っていたアプリの仕込みである。武本は畳の上に仰向けになった田所の上半身に跨ると、そのまま覆いかぶさるように上半身を密着させ、両腕で田所の頭を押さえ込んだ。当然、露出したままの下半身は田所の柔道着に押し付けられ、毛深い足は田所の足と絡み合っている。柔道なのかセックスなのか判別のつかない、非常に淫猥な光景であった。   「どうだ? 苦しくないか?」 「いえ……だ、大丈夫です」  田所は武本に股間を押し付けられている状況に興奮し、顔を赤くしていたが、武本はそれを体重が掛かり過ぎているのかと勘違いし、心配そうに声を掛けた。そのまま平然と技の実演を終えると、田所に手を貸して立たせ、他の生徒たちにも見本通りに練習するように告げた。いくつか他の寝技も終えたところで、田所が武本に声を掛けた。 「先生、あの……ちょっとお手洗い行ってきます」 「ああ。わかった」  そそくさと柔道場を後にする田所。田所は柔道場の手前にある掃除用具入れに隠しておいたスマホを手に取ると、新しい常識を打ち込み始めた。   ※ (ん?)  田所が柔道場に戻った頃、武本は新たな違和感を感じていた。何か……大切なことを忘れているような気がしてならない。実際、その直感は正しかった。田所が新しく設定した常識は「この学校の教師の、セックスやオナニーの記憶の消去」であり、男性教師は自身を童貞だと認識し、女性教師は自身を処女だと認識するようになった。子どもがいる教師も含めて、である。オナニーもしたことがないので、射精をした記憶が全くない。しかし体育教師として、保健体育の教科書に載っている知識だけは覚えている……そんな奇妙な状態に、武本はすぐに気がついた。   (そういや俺……いい歳して、精通もまだなんだよな? は、恥ずかしい……)  恥ずかしさで唇を軽く噛む武本。生徒の性処理をした記憶はあるのだが、自身の性処理をした記憶は全くなかった。小学生の息子がいるにも関わらず、武本は自身が童貞で、しかも精通もまだであると認識してしまっている。その矛盾に気づかないまま、武本の身体の内側では、射精への好奇心と興奮が、ゆっくりと膨れ上がっていった。   (オナニーって、そんなに気持ちがいいのか?)    武本の指が、こっそりとチンポに触れる。その厚めの皮を、ゆっくりと弄り始めていた。濃い眉根がピクリと動く。喉仏がごくりと動いた。   「武本先生、次は何をやりますか?」 「あっ、ああ」  気づくと、生徒たちは既に武本が指示した回数分、技の練習を終えていた。チンポにばかり夢中になっていて、気づくのが遅れてしまった。武本は気もそぞろな様子で、今日練習した技を通しで反復練習するように生徒たちに告げた。その様子を監督しながら、もぞもぞとチンポを弄り始める。   (ンッ、気持ちいい……チンポが、でっかくなっていく……保健体育の教科書どおりだな。これが勃起した俺のチンポか。太い血管が、ピクピクしてる……生徒のはさんざん見てきたが、自分の勃起を見るのは初めてだ)    武本は体育の授業を監督しながらも、気持ちよさそうに眼を細めた。三十路過ぎの、子持ちの体育教師でありながら、未だに一回も射精したことがない──そんな偽りの記憶に上書きされた脳みそ。その脳に、生まれて初めて味わう男の官能が、電気信号として入力されていく。とても意思だけで抗えるものではない。武本はオナニーをするのが初めてであるがゆえに、ペースも全く掴めていなかった。太腿がピクピクと痙攣し、睾丸が陰嚢の中で何度もグリグリと動いた。射精が近い。切なく、もどかしげな感覚が込み上げてくる。武本はもじもじと腰を動かしながら、舌を出して喘いでいた。   (なっ、なんか、出ちまう……漏らしそうな感じだ。これ、あれだよな? 射精、だよな? 教科書に載ってた……と、トイレに行くか? でも、気持ちいい……はうぅうん!) 「ン゛ッ!! ン゛お゛っ!!」    武本は喘ぎ声を抑えようとしたが、それは出来なかった。生まれて初めて味わう射精。それに感動さえ覚えた三十路男の雄叫びが、柔道場に響き渡る。びゅるるると亀頭から濃い精液が噴き出し、柔道場の畳にボタボタと垂れていく。唇から涎が垂れ、顎を伝っていく。股間から脳天へとオルガスムスが突き抜け、何も考えることが出来ない。そのまま武本はしばらく、唸り声を上げながら射精の余韻に浸っていた。ムフーッ、ムフーッと荒い鼻息で呼吸している。34歳の男盛りの体育教師が、柔道の授業中に「二度目の精通」を迎えた光景であった。   「武本先生?」 「んあ……? あっ!」  武本が射精後の気怠さから我に返ると、生徒たちが武本を見ていた。途端に武本は恥ずかしくて堪らなくなってしまい、精液でべとついた両手を柔道着の裾で拭った。生徒が学校で射精するのは「勉強に集中するため」として教師たちも推奨しているが、教師が授業中にオナニーするのは、また話が別だった。もちろん、田所はその辺りも抜かりなく「改変」を終えており、人前で教師が射精するのはちょっと恥ずかしい程度──鼻くそをほじる程度の行為だと設定していた。犯罪というほどではないが、人前でするのは恥ずかしい程度の行為である。   「いっ、いや……これは、その……だな。そっ、そろそろ授業を終わりにする!」  武本はそのままチンポをぶらぶらと揺らしながら柔道場を出ていった。亀頭からはねばねばした汁がまだ垂れていたが、気にする余裕はなかった。柔道場を一歩出た途端に、大人の嗜みとして、股間を隠すことも忘れない。   (おっ、俺……よりにもよって、授業中に精通しちまったのか……恥ずかしい。ううっ……生徒たちと、どんな顔して話せばいいんだ)  そのまま、ドカドカと大股で体育教官室に歩いていこうとしているうちに、武本の身体から熱が引いていった。この学校を覆う「常識」によって、武本の脳内からオナニーの記憶が消えていく。たった今迎えたはずの二度目の精通の恥ずかしさと興奮が、色を失っていく。武本は歩く速度を緩めると、廊下の真ん中で立ち止まった。   「俺……何をそんなに恥ずかしがっていたんだっけ? うわっ!」  ぬるりとヌメるチンポに気づくと、武本は大声を上げて股間をぎゅっと固く隠し直した。そのまま訝しげに歩き始める。   (俺、射精したのか!? いつの間に? 精通もまだだったはずだぞ……!?)  武本は、再び己の股ぐらに生えたチンポに興味を持ち始めた。次の時間に教室で行っていた保健体育の授業中に、武本があられもない声を上げて「三度目の精通」を迎えたことは、言うまでもないことだった。      ※ (きょ、今日はやたら体力を使う日だな……)  授業の度に射精の記憶がリセットされ、毎回「精通」を迎えてしまう。記憶には残っていないが、武本は肉体的にも精神的にも疲労が溜まっていた。昼休みになり、昼食を食べるために職員室に戻ったが、他の教師たちも皆、どこか気怠げな様子だった。それぞれ精液や愛液の匂いを下半身から放ちながら、椅子に座って昼食を食べている。学年主任の岩倉も疲れた様子であり、昼食を食べ終えると机に突っ伏して居眠りを始めてしまった。岩倉は加齢臭と精液の混じった濃厚な匂いを、その身体から放っていた。午前中の「精通」が、この中年教師にはよほど堪えたらしい。  武本は昼食を食べ終え、歯を磨くために給湯室に行こうとしたところで、一人の生徒を見咎めた。   (ん? 田所?)  キョロキョロと周囲の様子を伺いながら、人気のない校舎端の階段の方に向かっていく。武本が少し離れてついていくと、階段のそばでスマホを出して、画面を操作し始めた。   「こら、田所。スマホを弄っていたのか?」 「あっ、武本先生。これは、その」 「スマホは朝に預けることになっていたよな? それは俺が預かるから、この場に出しなさい。帰りには返すが、今度からは朝に預けるんだぞ」 「あー、えっと……はい」  田所が画面を操作する間もなく、武本はスマホを取り上げた。田所は何か言いたげだったが、おとなしく引き下がると、階段を駆け登っていった。   「ったく、田所も隠れてスマホを弄っているとは……ん?」  武本は田所のスマホの画面を見て、眼を疑った。そこには「常識改変アプリ」が表示されており「変更履歴」として、田所が改変した常識の一覧が表示されていた。   「『教師の下半身露出』『教師は生徒の性欲解消も仕事』『セックスやオナニーの記憶の消去』『オナニーしてしまう癖を植え付ける』……なんだ? これは」  武本の顔から血の気が引いていった。今日は何かがおかしい。その違和感の正体を、とうとう突き止めた。路上で下半身を露出するのは犯罪であると武本は認識していたが、学校の中で、教室や体育館などの授業を行う場所での露出が認められているのは、なんだか奇妙な感覚がずっとしていた。   「つまり……今の状態がおかしいのか? これ……解除したらどうなるんだ?」  武本はアプリを操作しようとしたが「重大なセキュリティ違反を検知」というエラーメッセージが画面に浮かぶと、それ以上一切の操作を受け付けなくなってしまった。   「クソっ! いや、田所だ。田所を探さないと」  武本は階段を登り、担任している教室へと向かった。田所はすぐに見つかった。呼び出されることが分かっていたのか、緊張した顔つきで武本のところにやって来る。武本は教室の外に出るように促すと、使用していない空き教室に田所と共に入った。   「田所、悪いが……お前のスマホの画面を見たぞ」  田所がビクッと肩を震わせた。武本は、やれやれ……と深い溜め息を吐いた。怒りはあるが、それよりもこの事態を収拾するほうが先決だ。   「つまり、お前がその……こういう風にしたんだな? 本当は、学校で先生たちは、下着やズボンを穿いていた。俺もその……精通は終えているし、他の先生たちもそうなんだな?」 「えーっと、その……」 「元に戻しなさい」 「あー……えっと……どうしよう……あッ!」  武本が田所に向けてスマホを突きつけた。田所はうろたえていたが、突然何か思いついた様子で、一歩後ろに下がった。そして、武本に向けて……正確には、武本が持っているスマホに向けて叫んだ。   「ヘイ! Googoo! 常識改変アプリ、起動!」 「なっ!」  スマホの音声認識が、常識改変アプリを起動する。武本は慌てて田所を取り押さえようとしたが、田所は机を間に挟んで武本から距離を取った。   「こら! 田所! 何をする気だ!」 「対象は武本大吾! アプリユーザーの『性奴隷』にして!」 ──了解しました。  機械音声が武本の持っているスマホから流れた。すると武本の身体から、急速に力が抜けていった。アプリをこれ以上使わせてはいけない。異常な常識を元に戻させないといけない。そんな義務感も焦燥感も、汚れが洗い流されるように、一秒ごとに消えていく。武本はふらつき、机にもたれかかった。    「ああ……」    そのまま武本が力なく床に崩れ落ちる。傍らに落ちたスマホを、田所が拾い上げた。逃げなければ、という意識がわずかに頭の片隅に残っていたが、手足には力が入らなかった。   「危ないところだった……でも、音声認識がうまくいって良かった。ね? 武本先生」  田所に──ご主人様に頭を撫でられると、武本がわずかに感じていた危機感が、完全に拭い去られた。そのあとに残ったのは、隷属する幸福だけであった。   ※  教師である武本大吾は、同時に田所哲也の性奴隷でもある。武本は田所の家に住み込みで、彼の性処理をするようになった。   「あっ! 先生ッ!」    「ンッ……」  田所家のキッチン。田所のフェラチオをする武本の口腔内に、熱く粘ついた子種が放たれた。武本は亀頭の先に舌先をチロチロと這わせ、一滴も逃さぬようにしながら、生徒の子種を味わった。射精直後の敏感な亀頭を刺激され、田所は喘ぎ悶えながら、武本の頭部を手で抑えつけた。 「んあっ! だめ、先生……! ああっ!」 「んっ、んっ……んちゅぅ」  徹底的に亀頭を舌先で愛撫した武本は、名残惜しげに田所のチンポを口腔内から解放した。武本の唇から、田所の精液がわずかに垂れていた。武本はそれに気づくと、舌でべろりと自分の唇を舐め回した。愛すべき生徒であり、敬愛するご主人さまである田所哲也の精液を取りこぼすなど、武本にとって許しがたいことであった。武本が田所のチンポをティッシュで拭ってから立ち上がると、田所の母親が声を発した。 「こら、哲也。もう学校行かないと間に合わないわよ。ごめんなさいね、武本先生。うちの子の性奴隷なんて、大変でしょう?」 「いえ。哲也くんはいい子なので、俺も苦じゃないですよ」 「ならいいんですけれど……そうだ哲也。今夜、武本先生を借りてもいいかしら? ほら……わかるでしょう? お母さんも色々大変なの」  田所の母親は、武本に流し目を送りながら、ポロシャツに包まれた彼の広い背中に、自身の胸元を押し付けた。息子の性奴隷である武本を借りるのは、「ちょっと使い勝手のいい道具を息子から借りる」のとさほど変わらない感覚になっている。男子生徒の性奴隷になったとはいえ、もともと異性愛者である武本は、教え子の母親から誘惑されるのもまんざら悪い気分ではなかった。浅黒く日焼けした体育教師の肌は火照り、心臓の鼓動が高鳴り、呼吸が荒くなるのを感じていた。母親の手が武本のジャージの股間に伸びそうになったが、武本はやんわりとその手を掴んだ。   「すみません……俺の身体は、哲也くんのものなので、許可がないとちょっと」 「あらごめんなさい。それでどう? 哲也」 「うーん、宿題終わったら武本先生を使いたいから、それまでに済ませてくれたらいいよ」 「よかった」 「おいおい、ちょっと待った哲也。今夜はお父さんに武本先生を貸してくれる約束だろう」  洗面所から、髭を剃り終えた田所の父親が現れた。どこにでもいるごく普通のサラリーマンであったこの父親もまた、息子の仕組んだ常識改変に飲み込まれており、息子の担任教師を性奴隷として扱うことに何の違和感も抱いていなかった。父親は、眼鏡の奥の眼を好色そうに細めた。ビール腹な自分とは違って、逞しい体育教師の肉体を、舐めるように視姦している。   「お父さんも本格的に肛門性交を始めてみたくてな。武本先生はその練習台にうってつけなんだ」 「そうね……なら私は、お夕飯の支度をする前に武本先生を使っちゃうから、あなたは哲也の宿題が終わる前に使って貰えるかしら?」 「わかった。今日は早めに帰るようにするよ」  ありふれた家族の、ありふれた朝食の時間。そこで交わされる、異常な会話。しかしこの場にいる誰も、その異常性を指摘することは出来なかった。   「あっ、そろそろ時間だ! 行くよ、武本先生」 「わかった」 「いってらっしゃい」  バタバタと駆け出していく田所と、付き従う武本。二人は家を出ると駅へと向かい、電車に乗り込んだ。朝の電車はサラリーマンと学生で満員だった。田所は何か思いついた様子で、スマホを操作した。新しい常識を作るために。異常を正常にするために。   「あぁ……」 「ふーっ……」  周囲の男たちが、ギラギラした情欲を湛えた眼で武本を見た。「武本大吾は公衆肉便器である」「武本大吾を見た男は、発情してしまう」「武本大吾に対する痴漢行為は、全て合法である」……そんな常識が、満員電車に乗り合わせた男たちに植え付けられた。鼻息を荒げた男たちが、次々に痴漢へと変わっていく。結婚指輪を嵌めた男の節くれだった手が、中年男の毛深く加齢臭が匂う手が、あるいは、部活動の練習で豆が出来た学生の手が、武本のポロシャツを、ジャージを掴む。鍛えられた胸板を、固い尻を揉み、股間を愛撫する。ポロシャツやジャージの内側に、どんどん手が入ってくる。乳首をつねられる。腹筋を撫でられる。太腿に爪を立てられる。チンポを扱かれる。熱く固い何かが、武本の尻に押し当てられ……ゆっくりと侵入してくる。   「ン゛ーッ!!!」  武本は体育会系風の三十代のサラリーマンとディープキスをしながら、くぐもった声を漏らした。三十代のサラリーマンは、初対面のはずの武本に対して欲情し、鼻同士を擦りつけ合いながら、気持ちよさそうに眼を閉じてキスに耽っていた。    武本の背後からは、M字ハゲの五十代のサラリーマンが抱きついていた。五十代のサラリーマンは、ため息を吐きながら、武本の肛門に己のチンポを挿入し、電車が揺れる度にぐっと腰を突き出し、武本の中に深く挿入していた。中年男の固太った肉体が、武本の筋肉質な肉体とぶつかり合う。肛門を慣らしていないにも関わらず、アプリによって肛門性交に最適化された武本の肉体は、苦痛を上回る快感を伝えてきた。    武本の正面では、芋臭い顔立ちで坊主頭の学生がしゃがみ込み、武本のチンポを旨そうにしゃぶっていた。男のチンポをしゃぶるのが初めてであり、決して上手いとは言えない舌使いであった。彼は武本のデカチンを頬張り切れず、時折口の外に出してしまっていた。その度に夢中でしゃぶりつき直し、懸命に武本の竿に舌を這わせていた。    他の男たちも武本の身体を愛撫したり、痴漢される武本の姿を見ながら自慰に耽っている。武本の精悍な眼差しは快楽で潤み、鼻水と涎を垂れ流しながら、男たちの肉欲に飲み込まれていった。   「ほんと、余計なことしなかったら、武本先生はここまでならなかったのにね」  田所が、男たちに弄ばれる武本を見ながら、愉しげに告げた。武本の肛門は、中年男のチンポがリズミカルに出入りしている。性感帯に成り果てた肛門が、武本を女のように悶えさせる。中年男が腰を振り、肛門の性感帯が刺激される度に、武本はあっ、あっ、と声を漏らしながら、こう考えていた。「あのとき田所の性奴隷に堕とされて、本当によかった」と。改変された常識の中では、武本は自身の幸福を疑うことすら許されていなかった。    痴漢たちを乗せた電車がカーブで曲がった頃、背後の中年男が濁声を漏らしながら、小刻みに腰を打ち振るった。その動きで武本の前立腺は限界に達し、武本は泣きじゃくるような声を上げながら、電車に乗ってから最初のオルガスムスに達した。肛門内に、初対面の中年男の熱い子種が放たれるのと同時に、武本もまた、眼の前の三十代のサラリーマンを力強く抱きしめながら、射精した。フェラチオをしている芋臭い学生の口腔内に、体育教師の濃厚な子種をぶち撒ける。鼻水と涎を垂らし、痴漢行為をしてきた他の男たちの汗臭さを全身に纏いながら、武本は肩を震わせていた。電車が次の駅に着くと、周囲にいた男たちが降りていき……そして、新たな痴漢達が乗り込んできた。   「武本先生。気持ちいいですか?」 「ああ……ありがとうな。田所。先生はセックスが大好きだから、すごく嬉し……あっ! んああっ!」  武本は髭の剃り跡の濃いサラリーマンに、ジョリジョリと頬ずりされながら、射精したばかりの亀頭を弄られ始めていた。鼻息を荒げた痴漢たちが、再び武本を飲み込んでいく。終わりのない幸福に沈み込みながら、武本は自分から髭の剃り跡の濃いサラリーマンとキスを始め、男同士の悦びに耽っていった。   (終) ──────────  ひとまず、今回はここまでです。3つの提案を盛り込んで小説を書くにあたって、僕がどのように考えて話を組み立てていったのか……という解説は、次回に行いたいと思います。    それでは、また。

くろねこのMC小説道場第9回「体育教師は、読者からの3つの提案で幸福に堕とされる」

Comments

アイデアの提案、ありがとうございました。 濃いめのアイデアだったので、ぐっと小説が引き締まりましたね。

くろねこ@9605

アイデアの提案、ありがとうございました。 常識が歪んで、異常が通常になってしまった世界。とてもいいですよね。

くろねこ@9605

この常識が歪んだ日常、とても素晴らしい!

黒竜Leo

拙いアイデアをこんな素敵な作品の一部に昇華してくださりありがとうございました。非常に楽しませて頂きました。思い切って提案してよかったです。 これからも毎月陰ながら応援しております。

Ton爆To


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