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くろねこ@9605
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課長から新人OLへの人事異動【未完成】

 別所憲悟がその辞令を読んだのは、月曜日のことだった。 「おはようございます、別所課長。この辞令って・・・・・・」 「ああ、おはよう。どうした?」  月曜の朝。別所は出勤した直後、部下の竹村に呼び止められた。営業課の壁にある社内掲示板に、新しい掲示が貼ってある。先週までなかったものだ。その真新しい掲示物を、竹村が怪訝そうに指し示した。 「この辞令、課長が人事異動するって書いてありますが」 「な、なに? そんな連絡は来ていないぞ」  別所は虚を突かれ、ずいっと掲示板に近寄った。人事異動ともなれば、事前に本人に打診が来た上で、社内へ公表されるものだ。本人にも知らされずにいきなり発表されるなどあり得ない。そう思って辞令を読み始めたのだが。        【辞令】  営業部 営業第一課長 別所憲悟 殿  平成31年4月26日付けで営業部 営業第一課長の任を解き、  営業部 営業第一課 福井春香としての勤務を命じます。  今後の活躍を期待しています。  以上。 「・・・・・・んっ」  辞令を読み終えた別所は、ぶるりと身体を震わせた。甘くねっとりとした快感が、別所の背筋を走った。職場だというのに、瞳が潤み、スラックスの中では朝勃ちがぶり返したかのように、イチモツが固く自己主張を始めていた。別所は喉の乾きを覚えながら口を開いた。 「確かに急だが・・・・・・そうおかしな人事異動でもないだろう。俺も課長職に就いて長いからな。マンネリを防ぐために、若い女子社員へと異動するのはあり得る話だ」 「うーん・・・・・・そう言われれば、そうですね」  竹村も別所の言葉に納得したのか、自分の席へと戻っていった。別所は肩で息を吐きながら、自分の人事異動通知の横にある、もう一枚の通知を見た。そこには福井春香に対して、営業第一課長・別所憲悟としての勤務を命じる通知が貼ってあった。 ※ 「福井くん、ちょっといいかな」 「はい。なんでしょうか」  業務が始まってしばらくすると、別所は福井春香を課長席へ呼び出した。福井は入社二年目の女子社員で、学生時代ラガーマンだった別所と比べると、一回り以上も体格が違う。別所は例の人事異動について切り出した。 「福井くん。掲示板に貼ってある人事異動の通知には、もう目を通したかね?」 「はい。いきなりだったんで、とてもびっくりしましたが・・・・・・金曜日からは私が、別所課長として勤務することになるんですよね。精一杯、別所課長としての人生を頑張りたいと思います」 「ああ。私も同じ気持ちだ。そこでチーフとも相談したんだが、これから毎日、通常業務とは別に、業務引き継ぎに関する書類を作成する時間を設けようと思う」  別所自身も初めて知ったのだが、社内の共有ファイルには、今回のような人事異動に関する、業務引き継ぎ書のフォーマットが用意されていた。業務内容だけでなく、今までの経歴や趣味嗜好、家族構成や恋愛経験、セックスや自慰に関することなど、プライベートにかなり踏み込む部分まで記入する枠が設けられていた。通常ならばハラスメントに該当するであろうそれは、【これから互いの人生を引き継ぐ】という特例の人事異動であるが故に、問題にはならないとのことだった。 「ひとまず私の方で引き継ぎ書を用意したので、福井くんも作成を進めて欲しい。金曜には引き継ぎを終えている必要があるから、水曜には一度引き継ぎ書の完成度合いを見せ合って、打ち合わせをしよう」 「わかりました。それと、課長」 「なにかな?」 「書類だけでは引き継ぎしきれない、実務的なところも引き継ぎしたいのですが。例えば、お化粧の仕方とか。あとは互いの家族への紹介って、こういう場合どうしているのでしょうか。業務中か、それとも時間外に行うのでしょうか」 「それもそうだな・・・・・・部長に確認してみるから、待っていてくれ」 「わかりました」 ※ 「ふーっ・・・・・・なかなか堪えたな」  別所は帰宅すると、ネクタイを緩めながら深く息を吐いた。さすがに女子社員へと人事異動するなど、別所も初めての経験であり、関係各所に確認することが多かった。一応引き継ぎ書も今日である程度は埋まったし、水曜までにはある程度の形になるだろう。別所は晩飯の席で、家族にも人事異動を打ち明けることにした。 「あら、すごいじゃないお父さん。他人への人事異動ってなかなか難しいって、美容室で読んだ雑誌に書いてあったわよ」  妻は無邪気に喜んでくれた。高校生の息子は、ニヤニヤと好色そうな笑みを浮かべていた。 「新しい親父、若い女になるんだろ? 一緒に風呂に入ってもいいよな? 男同士なんだし」 「おい拓也。新しい俺にも失礼がないようにしろよ」  さすがに憲悟も注意したが、しかし家族も我がことのように喜んでくれたのが嬉しく、憲悟は幸せな心持ちで晩酌のビールを呷った。 ※  火曜日。業務引き継ぎ書はまだ完成していないが、化粧の仕方なども業務中に福井から教わることになった。 「私と課長では肌色が違いすぎるので、まずは化粧品を揃えるところからですね」 「しかしその・・・・・・男の俺がこんなところにいるのも、なんだか恥ずかしいな」 「でも、金曜日には課長は私になっていないといけないので、今のうちに引き継ぎしておかないと」 「それもそうなんだが・・・・・・」  別所は福井と共に、駅ビルの化粧品売場に来ていた。外回り扱いで勤務中に買い揃えることにしたのだ。別所がそわそわと周囲の棚を見ているうちに、福井が店員に何か相談したらしく、サービスカウンターへと呼ばれた。 「最近は女性への人事異動も増えているので、男性のお客様も多いんですよ。私も以前は酒類の販売部門を担当している男子社員でしたが、昨年度からメイク部門を担当しております」  店員は30代くらいの、ゴツい体格の男・・・・・・「だった」。何かスポーツをやっていたのか、首回りも太いし、腕も筋肉質だが、その唇の厚い精悍な顔は、当然のように化粧をしており、言葉遣いも女性らしい感じだった。 「男性の肌は女性の肌に比べて油分が多いため、ベースメイクをきっちりとしなければなりません。まずはこちらの下地から試していって、お肌に合った色を選んでいきましょう」 「いやあ、こうも色黒な肌だと、大丈夫かな。ちゃんと女らしくなれるといいんだが」 「何かスポーツのご経験が?」 「ええ、学生時代はラグビーをしておりまして。週末はゴルフですね」  別所は店員と話しながら、自分の男臭い顔が化粧されていくのを眺めていった。福井も途中で口を挟み「福井春香らしい」メイクの仕上がりになるように店員と調整していく。 「うおっ、こりゃキツくないか?」  メイクを終えた別所は、思わずそんな声を漏らした。自分の角張った男臭い顔は、さすがに店員のテクニックを持ってしても化粧が似合っておらず、かなり際どい女装男の顔になってしまっている。それを鏡で見た途端、また人事異動を見たときと同じ感覚が背筋を走った。 「あぁ・・・・・・」  甘ったるい快感が背筋を走り、カウンターに突っ伏してしまう。隣の福井も同じように、とろんとした顔をしていた。快感の波が引くと、鏡の中の自分の顔の印象が一変していた。 (俺、こんな女顔だったっけ?)  さっきまでと同じ、顎の角張った、厳つい中年男がメイクした女装顔が鏡の中にあった。しかしなぜか今は、自分の顔が元々女顔で、化粧が似合う顔立ちのように見えてしまう。別所がふと横にいる福井の顔を見ると、そちらも印象が一変していた。驚いた別所は、福井に鏡を差し出した。 「ふ、福井くん。ちょっと鏡で君の顔を見てくれ」 「はい。えっ。や、やだ、私っ・・・・・・!」  福井は鏡に映った自分の顔を見て恥ずかしがっていた。確かに小顔で目鼻立ちも薄く、女性らしい顔つき・・・・・・のはずなのだが、なぜか暑苦しい中年男が女装しているような印象になっていた。店員が二人の様子を見て口を開いた。 「私も経験があるのですが、こういった人事異動は引き継ぎを終えた事柄は、それが当たり前だったかのように交換されてしまうのです。ただいまお化粧の仕方について引き継ぎをされたので、男性の方は化粧が似合う顔立ちという印象になり、女性の方は化粧が似合わない顔立ちという印象になります。メイク落としもご用意しておりますので、こちらにどうぞ」  店員に促された福井が化粧を落としているのを横目に見ながら、別所は女のような印象になった自分の顔を、うっとりと眺めていた。 ※  午前中は化粧と下着を購入し、さらにスーツをオーダーしてから二人は会社に戻った。木曜日には互いのスーツが店に届くとのことだ。 (さて、引き継ぎ書も作っていかないとな。あとは午後にミーティングが第二会議室であるから、資料にも目を通しておいて・・・・・・)  難しい顔で書類を読む別所のワイシャツの下には、しっかりとピンク色のブラのラインが透けている。スラックスの下では、別所のペニスは女性用の下着に包まれ、玉がはみ出している。一方の福井はノーメイク、ノーブラになり、男性用のブリーフをスカートの下に穿いていた。一時は自分が男顔になったことにショックを受けていたようだったが、しばらくするとそれを受け入れたのか、堂々とした表情でパソコンに向かっていた。 (それにしても・・・・・・なかなかいいじゃないか)  自分のワイシャツに透けるブラを見ると、別所は倒錯的な快感を覚えてしまった。自分の身体は間違いなく男のはずなのに、顔と胸の印象が一変している。堅太った中年の胸板のはずが、ブラを買った直後から、若い女の乳房のように思えてしまうし、今まで感じたことのなかった乳首の感覚が、鋭敏になっていることがありありとわかった。ペニスもまた、女性の秘所のように思えてしまう。別所は男子トイレで立ちションしようとしたが、まったく尿が飛ばず、スラックスを汚してしまっていた。一応は拭いたのだが、今度からは便座に座って小便をしなければならないだろう。 (今夜が楽しみだ)  別所は鼻息を荒げながら、今日帰ったら久々に妻とセックスしたいと考えていた。しっかりと妻を抱いておきたい。金曜には妻とも他人同士になるのだ。性器の感じ方が女になった今、妻とのセックスがどのようなものになるのか、別所の胸が高鳴った。 ※ 「あっあっ、いい・・・・・・」 「あなた・・・・・・本当に可愛いわ」  妻に舌で乳首を転がされ、しなやかな指でゆっくりとペニスを愛撫された別所は、ベッドの上で見悶えていた。男の性感とは全く違う。じわじわと全身の官能が高まり続け、ペニスからは愛液が溢れていた。別所はシーツを強く掴み、屈強な体躯を仰け反らせた。 「ああっ! 佐知子っ!」  妻の名を叫びながら、別所は女として初めてのオルガスムスに達する。妻が何度も亀頭を愛撫したおかげで、ペニスが潮を噴いてしまった。達した後に興奮が引いてしまう男と違い、達した後も多幸感が全身に残っていた。厚い胸板を激しく上下させる別所に、妻が微笑みながら寄り添った。 「今日のあなた、とっても素敵よ。女の子みたいだわ」 「ああ、佐知子・・・・・・愛してるぞ」  その晩、別所は何度も妻と身体を重ねあった。 ※  水曜日。業務引き継ぎ書を見せ合う日だ。午前中の内に、別所は福井を課長席に呼び出した。 「私の方は8割方書き終わっている。福井くんの方はどうだ?」 「私は課長より業務量が少ないので、もう書き終わりました。内容の確認をお願いします」 「ああ。君も確認を頼む」  二人は互いの引き継ぎ書を交換しあうと、それを読み始めた。読み進めるうちに別所は、なんだか妙な気分になってきた。 (福井くんは営業課の物品補充の担当もしているんだよな・・・・・・あれ? だがこれは、俺の業務じゃなかったか? 先週も総務に物品の書類を出したよな)  引き継ぎ書を読めば読むほどに、別所の記憶が曖昧になっていく。今までの課長としての業務内容を忘れ、入社二年目のOLとしての業務内容が別所の頭に流れ込んでくる。それだけではない。福井の経歴の部分を読むと、自分とは全く別の、女性としての学生時代の記憶が浮かび上がってくる。中学生の時に初めて来た生理のことも、高校生になって野球部の男子と付き合った記憶も、鮮明に浮かび上がってきた。別所は軽く目眩を覚えながら、最後まで引き継ぎ書を読み終えた。 「どうだね? 別所課長。この引き継ぎ書で問題ないだろうか」 「ええっと・・・・・・概ね問題ないと思います。福井さん」  読み終えた頃には、二人の言葉遣いも逆転していた。福井はぐっと男っぽい表情になり、しかも別所に対して部下に対するような言葉遣いになっていた。しかし別所もそれを咎めるでもなく、どことなく柔和な顔つきと言葉遣いで、それに応えた。福井は腕組みをしながら口を開いた。 「課長。今日は互いの家族を紹介する日だよな。俺には社内恋愛中の彼氏がいるので、ぜひ昼休みに紹介させてくれ」 「えっ、そうだったんですか? 私、知りませんでした。というか、この引き継ぎ書にも書いてありませんでしたよね?」 「ハハハ、まあな。社内の記録にも残るから、あまり引き継ぎ書にも書きたくなかったんだ。スマン。互いの自宅には、退勤後に残業扱いで行けばいいんだよな? 俺は独り身だからいいが、課長の方は妻と息子がいるんだろう?」 「はい。残業扱いでタイムカードを付けるようにと、部長にも確認しました。妻と息子にも、今日は家にいて貰うように話してあります」  別所は話していて、中年男の渋みのある自分の声に、胸がドキリとするのを感じた。今や別所の感性、感情は、福井のもので上書きされていた。福井と話し終えてトイレに向かうと、自分が男子トイレに入ることに恥ずかしさを覚えた。化粧をした自分の顔を鏡で見る。肉体的には別所憲悟だが、福井春香としての目でそれを見てしまう。  部分的に引き継ぎが終わっているため、顔と胸、性器は女の印象になっている。そのおかげで、自分が中年男性であるという違和感は軽減されていた。しかしそれでも毛深く太い腕や足、厳つい肩幅を見ると、アイデンティティは殆ど福井春香であるにも関わらず、自分の肉体が男であり、体育会系の営業マンとして課長職まで就いたことに、言いようもない倒錯感を覚えてしまうのだった。 (わ、私・・・・・・まだ別所課長・・・・・・なのよね?)  別所は実際、もう課長としての業務は殆ど覚えていなかった。まだ僅かに残っている業務の記憶も、引き継ぎ書に書き終えれば福井へと引き継がれることになる。福井に相談して、実際の業務は今日からでも変えて貰った方がいいだろう。別所は個室に入ると、熱い息を吐きながらスラックスをずり降ろした。女性用の下着に包まれたチンポが、ヒクヒクと愛液を垂れ流していた。別所はそれを太く節くれだった指で愛撫する。その指は男の指。別所憲悟の指だ。 (あぁ・・・・・・別所課長。私・・・・・・ダメです。課長も家庭があって、私も彼氏がいるのに・・・・・・不倫なんて)  しかし別所が愛撫しているペニスはもはや、福井春香のクリトリスへと立場を変えていた。ブラジャーのホックを外す。別所憲悟の堅太った胸板もまた、福井春香の女の乳房へと立場を変えていた。別所は、福井春香として、別所憲悟の手で犯されていた。自分がセクハラの被害者であると同時に、しかし加害者でもあるのだった。  別所は男子トイレの個室で内股になり、背筋を仰け反らせて女としてのアクメに達した。立っていられなくなり、ヒクヒクと肩を震わせてしゃがみこんでしまう。毛深い男の太股が痙攣している。早く福井春香になりたい。別所憲悟は強く願った。自分を慰めるだけで、自動的に不倫してしまうような肉体だと、身体が持ちそうになかった。 (あぁ・・・・・・早く、営業課に戻らないといけないのに)  別所の浅黒く日焼けした肌が、再び火照り始めた。 (未完) ──────────  最初は学校の席替えで考えていたのですが「会社の人事異動でやるのもアリだな」と考え、書いてみた話です。今回は一日ごとに少しずつ変化していく話になっていますが、一気に立場交換が終わる別設定も同じ登場人物で書いており、どちらで書き進めるか迷ったため、未完となっています。

課長から新人OLへの人事異動【未完成】

Comments

「水曜日の記憶の交換をもう少し控えめにして、じわじわとアイデンティティが他人と置換されていく様子を描写した方がいいかも……いや、こういう風にガラッと話し方が変わってしまうのも、それはそれでよ……」といった具合に、このルートの中でも色々迷うのですよね。

くろねこ@9605

やはり立場や見た目に差がある二人だと、こういった立場交換は面白いですよね。会社での立場交換だと、今回の話のように上司と部下の立場が逆転してしまう様子が、僕はとても好きです。

くろねこ@9605

これは良い立場交換。このルートの続きがとても気になります!

羊谷 日辻(ひつじたにひつじ)

このような転勤好きです! でもやっぱり、異動させた対象には外見と見た目、もしくは経歴の差が多いこそ、面白くになって来ますね

黒竜Leo


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