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くろねこ@9605
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不倫相手との立場交換【未完成】

 俺が不倫相手の笹木佳奈江にされてしまったのは、別れ話を切り出した日のことだった。    営業課に異動してきた笹木がかなり好みだったので、仕事の相談に乗りつつ徐々に親しくなっていき、やがて個人的に飲みに行く間柄になった。そこからは一気に関係が進展し、週末はホテルで笹木を抱くようになった。   「志賀課長って、すごく逞しいですよね……」  笹木は、俺の厚い胸板を撫でるのが好きな女だった。俺は学生時代にラグビーで鍛え、四十代になった今もジムで体型維持をしている。妻とはもう何年もセックスレスだったので、俺に夢中になる笹木に対して、俺も最初は喜んだものだ。   「奥さんとは、いつ別れてくれるんですか?」 「私……こんなに志賀課長のことが好きなのに……」  だが、次第に笹木が重たくなり始めた。毎週のセックスが隔週になり、やがて月に一回になった。二人きりになるたびに、延々と妻との離婚を迫る笹木には、俺もうんざりしてきていたので、ある日別れ話を切り出した。   「…………わかりました」  笹木が意外にも素直に別れ話を受け入れたので、俺はホッとした。だが、笹木は最後にもう一度抱いて欲しいと言ってきた。   「これが最後です。もう一度だけ私を抱いてください。きっと、私とは離れたくないって課長は言うと思いますから……」  その口ぶりが妙に気になったが、一発ヤッて別れてくれるなら別に構わなかった。ベッドに入る前に、笹木が変わった香りのお香を焚いた。   「媚薬のような効果があるんですよ」  お香に火を点けながら、笹木が妖しく微笑んだ。そのお香のムズムズする香りに、俺は妙に身体が火照ってしまった。獣のように吠えながら、普段よりも激しく、ガツガツと腰を打ち振った。笹木も激しく悶え、俺の筋肉質な手足に、華奢な肢体を絡ませた。   ※ 「あぁ…………すごく、よかった」  今までで、一番気持ちがいいセックスだった。行為が終わった俺は、ホテルの浴室でシャワーを浴びていた。さすがに毎回朝帰りだと不倫がバレるので、終電に間に合うように帰っていた。シャワーを終えて、浴室の鏡を見た。浅黒い肌をした、精悍な中年男がこちらをジッと見ている。俺は荒い息を吐きながら、自分の頬を撫でた。ジョリッと、伸びた無精髭が音を立てた。   「ああん……やっぱり志賀課長って……素敵だわ」  俺の口から低い声が漏れ、半ば勃起したチンポがぶるんと揺れた。そう……セックスを終えると、俺は笹木佳奈江になっていた。身体が変わったわけではない。俺自身の外見は全く変わっておらず、逞しい元ラガーマンのままだ。志賀英克として生きてきた46年間の人生も、全て思い出せる。だが、俺自身が何者かと問われると「俺は笹木佳奈江である」という自覚が、しっかりと俺の脳みそに焼き付いているのを感じた。   「私って、さっきまで志賀課長だったのよね? なんだか信じられないわ……」  俺は鏡の前で、グッと両腕に力こぶを作り、ポージングをした。自分が先ほどまで、志賀英克として生きてきたという事実に、たまらなく興奮してしまう。俺の脳みそは志賀英克のままなのに、口調や感情が、笹木佳奈江に変わっているのだ。俺はチュッと音を立てて自分の二の腕にキスをした。無精髭が肌に擦れる感覚が、なんだか新鮮なものに感じてしまう。俺は、俺自身の顔や体臭、記憶のひとつひとつが、愛おしくてたまらなくなっていた。愛する志賀課長の全てが、俺のものになったのだ…… 「おいおい。すっかり気に入ったようだな」  先に着替えていた「志賀課長」が、浴室の入り口から声を掛けてきた。俺が着ていた男物のスーツを着て、どこか醒めた眼で俺を見ていた。女性の乳首の輪郭が、カッターシャツの生地に浮いていた。   「志賀課長になってみたのはいいんだが、俺の方はなんだか気持ちが冷めちまった。約束通り、今日で別れてくれよな、笹木」 「はい。それで構いません」  俺はもう、そんなことはどうでもよくなっていた。俺の愛する課長は、もはや俺そのものなのだ。   (未完) ──────────  他人の立場になったことで、自分の肉体に対する感情も、交換相手の感情になってしまっている感じです。  これはこれでありなんですけれど、かなりあっさり立場交換に飲み込まれているので、もうちょっと抵抗させたり、あるいは徐々に立場交換が進行するように作り直すのもありかな〜と思っています。あとはOLとして出勤した、彼の日常生活も書きたいですね。

不倫相手との立場交換【未完成】

Comments

立場交換、進行具合によって色々と読んだ時の味わいが変わるので、書くときに迷うのですよね。ただ、OLとしての出勤風景は間違いなく書きたいです。

くろねこ@9605

良いですねえ。こういう感じのは大好きです。『徐々に立場交換が進行』と似てますが、『立場交換は短期or一時的だが、課長はOLの立場にハマり、再度の立場交換を望むようになる(→最終的には永久に立場交換される)』というパターンもいけそうですね。それと、OLとして出勤する課長の場面はぜひ読みたいです!

羊谷 日辻(ひつじたにひつじ)

Thank you! When continuation was thought of, it'll be written!

くろねこ@9605

Very interesting! Hope to read more of this!

Will

そうです。外見はその人のまま、自我認識は他の人になっちゃってます!

くろねこ@9605

自我認識は逆転した感じです! でも他人にとって外見はその人のままだよね?

黒竜Leo


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