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くろねこ@9605
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警察官洗脳【未完成】

「まあ適当に上がって下さい」  僕は廊下の電気を点けながら、背後の男に声を掛けた。男は僕の言葉に返事をせず、荒い呼吸だけを響かせている。ときおり唸るような低い声音が混じっているが、男はそれ以上何も言わなかった。僕がそのままリビングへと進むと、背後の男も黙ってついてきた。   「それじゃあ、壁際に立って下さい。両手は体の横で、動かしてはいけません」  男は僕を睨みつけると、無言で壁際に立った。僕は男に近づくと、男の角ばった顎に触れ、そのまま厚ぼったい唇の中に指を入れた。男の唾液と舌で口腔内は生温い。男の太い眉が釣り上がり、眼には怒気が宿るのが見えた。だが、男は何も言わない。僕は男の口から指を抜き、男の服で湿った指先を拭いた。男の──警察官の青い制服に、唾液の染みが出来た。 「僕の質問に答えるときだけ、声を出していいですよ。全て正直に答えて下さい。ただし、大声はやめてくださいね。まずは、名前と年齢を答えて下さい」 「……大野忠宏。36歳だ」  警察官は、無愛想に答えた。それもそうだろう。たまたま、夜道で職務質問をした相手に洗脳能力があって、いいように体を操られたまま拉致されてしまうなんて、彼からすれば堪ったものではないだろう。でも、ここから帰るときには、きっと笑顔になってもらえると思う。僕には、彼を笑顔にする力があった。   ※      「今夜はこの後、どういう予定でしたか?」 「……二時には交番に戻って、休憩を取る予定だった」  僕は時計を見た。今は深夜零時半ぐらいだ。まだ時間はある。   「独身? それとも既婚? 家族構成は?」 「……結婚している。家族は妻と娘がいる」 「住所はどこですか? 家は賃貸? それとも一戸建て?」 「……住所はM市表町4-18-7。一戸建てだ」 「キャッシュカードの暗証番号は? あと、クレジットカードも」 「…………」 「ちゃんと質問に答えて下さい」 「……キャッシュカードは4861。クレジットカードは9317だ」  警察官は、次々に僕に個人情報を晒していく。日に焼けた肌に脂汗が滲んでいる。悔しいのだろう。僕から質問されるたびに、凛々しい眼に力を入れ、答えるまいと口を噤んでいる。だがしかし、数秒後には彼自身の肉体が、彼自身の決意を裏切ってしまう。 「ちなみにいま、どんな気持ちですか?」 「……最悪な気分だ。こんな異常者に捕まってしまったことも、いいように自分のことを喋らせられていることも。一刻も早く、何らかの罪でお前を逮捕する必要があると考えている。お前は、野放しにしていていい人間じゃない」 「なるほど。率直なご意見、どうもありがとうございます」 (未完) ──────────  この後は徐々に警察官の認識──感情を書き換えていって、どの時点から奴隷になってしまうのかをじわじわと探りながら会話が続いていく予定なのですが、いまのところ具体的なシチュエーションを考え中です。


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