「ほらほら暴れないの、そんな抵抗したって何も変わらないわよ」
不気味な液体が満たされたタンクの上に吊るされた私が抵抗してると主が慌てる様子もなく声をかけてくる、チラッとこちらを見た後は手元の操作盤に目を落として私の事など気にもとめない感じだった
少ししたところで私を吊るしている鎖がジャラジャラと音を立てて降下し始めた、すぐに両脚は得体のしれない液体に浸かってしまった、だがそこで鎖の降下が止まるはずも無く腰から胸へと容赦なく液体に沈められていく
そして主は迷いも躊躇もなく淡々と私をタンクへ沈めてしまった、異様にトロみのある液体に沈んだ私は起き上がる事もできずタンクの底で空気を吐き出しながら暴れることだけだった
液体は重く中でいくら暴れても体はゆっくりとしか動かず、粘液のようなこの液体に波を立てることすらできなかった
主はまるで水槽の生き物を観察するかのように外から私を眺めていた、必死の表情なのにスローモーションのようにしか動けない私を見て楽しんでいるみたいだ
沈められてから数分経つと鎖が巻き上げられて私はタンクから引き上げられた、全身をネトネトとした液体が流れて足先で滴っているのがわかる
ほぼ溺れていた私はそのまま力なく吊るされてるだけだった
「いい浸かり具合ね、そろそろそこから降ろしてあげるわ」
主の操作によってまるで機械が加工品でも運ぶかのように私は吊るされたまま移動させられる
鎖から開放された私は逃げることを忘れて横になったまま呼吸を整えていた、それよりもあの不気味な液体に沈められてた影響なのかなんだか体が上手く動かせない気がする…でも今はそれよりもゆっくりと息を吸いたい
「あら?そんな悠長に寝てていいのかしら、だいぶ空気に触れてるからもう時間がないわよ?」
時間がない…?どういう事なんだろうか、まとまらない頭で必死に考えるが答えは出なかった
ボーッとする頭で考えていると何か周りでミシミシと音が鳴り始めた、いったい何をしているのか…そう思っていた時
「もう時間切れね、動くうちに姿勢を整えてあげるわ」
主は私の両脚を広げてガニ股にするとその間で膝立ちになって上に覆いかぶさってきた、咄嗟に腕を動かそうとしたが何故かほとんど動かすことができず主の手に掴まれて頭の横に押し付けられた
だが押し付けられたと言っても主もそれほど力を入れてるようには思えない、軽く私の腕を抑え込んでいるようにしか見えない
なのにいくら力を入れても主の手を振り払う事ができない、いったい何が起きているのか?
「もうほとんど動けないでしょう?」
主に言われて腕だけでなく全身を動かそうとするも微かな震えとどこかでカタカタと音が鳴るだけだった
「可愛い…このままアクリルに埋め込んであげるわね」
え、アクリル…?と言ったつもりだったが喉からはヒューと空気の抜ける音しか出てこなかった、今何が起きてるのか理解が追いつかない
体は全く動かせず、それどころか喋ることすらできなくなっていた
「アクリル漬けにした時に飲み込んじゃったのね、それなら喉も固まってて喋れないのでしょう?」
さっき沈められたのってつまり…と、やっと理解し始めた時だった
ゴポッと耳に何か入ってきた、まるで水に潜ってる時のように音がボンヤリとして自分の心音がやけに聞こえる
すると主が私の頭に手を当てて今度はグッとしっかり力を入れて押し込んできた、ミシミシと音を立てて私の頭が少し押し下げられる
「ふふ、もう全身カチカチになってきてるわね、外から体を動かすだけでも精一杯よ」
全身カチカチ…私の体がカチカチになってる?さっきからミシミシ聞こえるのは体が固まってる音だったの?
「それと今あなたの体は半分がアクリルに漬けられてるのよ、動けるうちに起き上がっていたら流れ込むアクリルにも気づけたのに残念だったわね」
「頭の位置はこれくらいでよさそうね、アクリルも十分に溜まったから私もここから出ないといけないわね」
グポッ…グポッと粘り気のある音を立てて私を漬け込む液体から手や足を引き抜いた主が私から離れていく、抑え込まれていた頭は手を離されてもピクリとも動かす事ができない、頭どころか腕も指も足も…私の体で動かせる場所が存在しなかった
「あはは、こんな丸見えのまま固まっちゃって恥ずかしいわね、今だけでも私の靴で隠してあげるわね」
ボンヤリとした音の向こうで主が笑っている声が聞こえる、体は動かせなくても今自分がどんな格好をしてるのかはわかる
両脚はガニ股で両腕は無防備に上げた姿勢で寝転がっているんだ…それも裸で
胸もアソコすら隠すこともできずに全てを主に見せつけるような格好だ
ザリザリとした硬い何かで股を触られている感覚はあるのに体は動かない、それよりもさっきからバキバキと耳障りな音が頭に響いていて主の声がよく聞こえない
いったい私は固められてこの後どうなっちゃうのだろうか…
あれから少し経って頭に響いていた音は止んだけど今も主の声は聞こえにくいしもちろん体は全く動かない
「そろそろ型から外してもよさそうね」
ぼんやりとだが主が何か言ってるのが聞こえた、それからガチャガチャと硬い音が頭に響いてくる、耳の中で固まったアクリルに振動が伝わってきて耳の中を直接叩かれているかのようだ
視界が揺れて持ち上がるとゴンッと縦に衝撃が走って視界が少し上に向いて止まった、私を固めているアクリルごと持ち上げられたようで視界がだいぶ高い
斜めに感じるのはどこかに立てかけられてるのだろうか?今は天井を見ることしかできない
「体は動かせないし声も出せない、耳の中まで固まってて音もほとんど聞こえないかしら?まぁテーブルには全ていらない要素ね」
テーブル…微かに聞こえた言葉に今の状況が重なっていく
私は体を固められたまま埋め込まれて主の部屋でテーブルとして使われるんだ…
「凹凸のある身体だから利便性はなさそうね、でも最高のデザインよ…ずっとずっと使ってあげるわね」