【Prev】

【Prev】 【3】 彗翔「宮鷹 雄冴って知ってる?」 蒼惟「…は?突然何?」 次の日の昼休み、彗翔は隣のクラスの藤代 蒼惟(ふじしろ あおい)の元を訪ねていた。 蒼惟「昔有名だったキックボクサーだっけ?無敗の王者とかいう…」 彗翔「そうそう!めっちゃすげー神選手じゃん!?なのにそんな神のことクソって言う奴ど...
剴「ロックアップはイヤってんならコイツはどうよッ!!」
剴は体勢を低くすると同時に、彗翔の腹をめがけタックルを仕掛けた!
ドンッ!!
彗翔「うぉ…ッ!?」
彗翔はMMAのタックル対策の定石通り足を後ろに下げ、上半身で剴を押しつぶす、バーピーの姿勢で剴を止めようとしたがーー
彗翔(これぐらいのタックル、ちゃんとがぶれば…ってコイツ…全然止まんね…ッ!?)
剴のタックルは止まるどころか加速していきーー
バンッ!!
彗翔「ぐォッ!!」
ーーそのまま彗翔はコーナーに叩きつけられ、腹をコーナーポストと剴の肩で圧迫される。だが、それで終わりではなかった。
剴「っしゃァ!いくぜェッ!!」
剴はセカンドロープを掴み、コーナーに磔になった彗翔の腹に何度もスピアー・タックルを繰り出す。
ズドォッ!ズドォッ!ズッドォッ!!
彗翔「ぐァッ!?んぐッ!!ぐはァッ!!」
想定外のスピードと衝撃に彗翔は腕を入れてガードすることもできない。同世代よりはるかに鍛えられている彗翔の腹筋も、タックルのラッシュの前には無力だった。
10回の連続タックルが終わる頃には彗翔の腹は真っ赤に染まっていた。
彗翔「…ぐ…ぐぅ…ェ……ッ」
彗翔はズルズルと座り込むように崩れ落ち、抱え込みながらただ腹の痛みに悶絶する。
剴「どうしたケイトォッ!まだ始まったばっかじゃねぇかッ!!」
彗翔「ぐッ!」
剴は彗翔の体へ、ガッ、ガッ、とストンピングを入れていく。
この試合はMMAとプロレスの混合試合。ダウンはルールにないようなものだ。
剴「オラッ!休んでんじゃねぇッ!!」
彗翔「いッ…!?」
剴は彗翔の髪を掴んで無理やり立たせると、素早く背後に回って両腕を彗翔の腰にクラッチしーー
剴「ゥおらァアアアアッ!!」
ダァァァンッ!!
彗翔「が…ァッッ!!!」
ーー彗翔は背中からマットに叩きつけられた。ジャーマンスープレックスだ。
剴はそのままブリッジした状態を維持する。放送音声と観客が一斉にカウントを始める。
『1ッ!2ッ!ーー』
彗翔「…くッ!」
ガバッ!
彗翔はなんとか力を振り絞り、カウント3直前でフォールを返す。しかしうつ伏せに倒れたまま、立ち上がることはできない。
彗翔(早く立たねぇとやべぇのに…身体が動かねェ…ッ!始まってまだ3分も経ってねぇだろ…!?プロレス技ってこんなキツかったのかよ…ッ!?)
剴「危なかったなァッ!!もう終わりかと思ったぜッ!!」
彗翔「うっせ…!この程度で負けてられっか…うっ!」
剴は彗翔の腰にまたがって足を掴みーー
剴「ならコイツはどうだァァッッ!!!」
彗翔「ぐぁアアアアアアアッッ!!!」
ーー逆エビ固め。剴は腰を落として彗翔の足を背中側に反り上げる。彗翔の腰と足にとてつもない負荷がかかる。
彗翔は必死に逃れようとするが剴はビクともせず、ただうめき声を上げることしかできない。
彗翔「がァアアア…ッ!!」
剴「オラッ!!こんなんでギブすんじゃねぇぞッ!!切り返すかロープまで辿り着いてみせろやッ!!!」
彗翔(!そうだロープブレイク…ッ!)
プロレスのルールが混ざったこの試合では、ロープブレイクも認められている。
それを思い出した彗翔は痛みに耐えながら必死にロープへと這って行く。
彗翔「…あ…と…もう…少し…ッ!」
剴「そう簡単に行かせてやっかよッッ!!」
ゴキゴキッ!!
彗翔「なっ…ぐぁァアアアアッ!!!」
ロープまであと2、3歩分まで近づいたその時、剴は腰を更に深く落とし、彗翔の身体は「コ」の字に折り曲げられてしまった。
剴「オラオラッ!!さっさとロープ掴まねぇと腰折っちまうぞォォッ!!!」
彗翔「がァァァッッ!!!舐めん、なァァァッッ!!!」
パシッ!
彗翔はなんとか力を振り絞り、ロープを掴むことができた。
『ロープブレイクッ!!』
音声が響き渡ると剴は彗翔の足を投げ捨てるように解放する。
剴「おーおーッ!思ったよりガッツあんじゃねぇかァッ!!」
彗翔「はぁ…はぁ…ほんっとにうっせぇヤツだな…!オレだってタフさには自信あんだよ…ッ!」
剴「そうかよォッ!!でもなぁ!次がトドメだぜェッ!!」
四つん這いのままの彗翔に剴はノシノシと近づいてくる。
彗翔(これ以上ダメージ食らったらマジでヤベぇ…ッ!一気に仕掛けるしかねェ…ッ!)
そして剴が彗翔の頭を掴んで立たせようと前かがみになった、その瞬間ーー
彗翔(今だッ!!)
パァンッ!!
剴「ぉぶッッ!?」
ーー彗翔はガラ空きになった剴の顔面に左アッパーを打ち込んだ。
重心の乗りきっていないパンチにそこまでの威力はない。しかし、油断していた剴をひるませるには十分な攻撃だった。
彗翔「逃さねぇッ!!」
剴「うおッッ!?」
彗翔は剴の足を掬いながらタックルする!!
ダンッ!!!
剴「ぐぉッッ!?」
リング中央に倒し込むことに成功した彗翔は、そのままマウントポジションを奪取する。
そして右腕を思いっきり振りかぶって吠える。
彗翔「歯ァ食いしばっとけよ稲叢ァ!散々ボコってくれた分倍にして返してやんよッ!」
【Next】

【Prev】 【7】 ゴッ!ゴッ! 剴「ぐぉッ!がはッ!」 彗翔はマウントポジションを取ったまま一方的にグラウンドパンチを放ち続ける。剴の鼻や口からは出血が始まっている。 試合の流れは完全に彗翔に傾いたように見えたーーだが、彗翔は強烈な違和感を感じていた。 剴「オラオラどうしたァッッ!?こんなもんいくら...
【おまけ】
まあプロレスラーは殴らないから。蹴ったり踏んだりはするけど。
コウ
2022-01-25 05:47:07 +0000 UTCうらき
2022-01-25 05:15:17 +0000 UTCコウ
2022-01-24 12:48:07 +0000 UTC