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お絵描きメモ第8回 イメージの飽和

立て続けのお絵描きメモです。

前回に引き続き今回の記事も雑記に書こうとしましたが、やはり有用そうなので当カテゴリにしました。

前回の「抑圧」そして今回の「飽和」、このふたつが近年の自分につきまとう悩み・問題を多いに解決しうる2大発見になりました!


今回のテーマは「イメージの飽和」です。

まずきっかけとなった問題として、コミッション絵でこういった現象がよくありました。


実際の作例2件で見てみましょう。

(※前置きが少し長くなります)



■1件目

これはクライアントさんの看板娘を描いた際の没絵でした。

非常に悩んでしまい、それでも形だけは絵を描きました。

でもなんだか納得ができませんでした。


ほどなくして2枚目として下の絵ができました。

構図やポーズが閃いてからかなりスムーズに進み、それを納品しました。

描いた側としても爽快でした。


■2件目

対魔忍衣装のチルノと大妖精の没ラフです。

ラフをいくつか描いてこれもどういう構図やポーズにするか悩みました。

このラフも形だけは絵になりそうですが納得ができていません。


ほどなくして下のラフが思いつきます。

ポーズに力や勢いがついて、これなら描きたい・描けるという確かさがありました。


そして下のように完成しました。


いずれのケースも共通しているのは、

●最初に没の構図やポーズがあること

●後から描いたものは閃きに近く、悩みポイントが少なく気持ちよく描けた

という点でした。


つまり、一度や二度の失敗を経て、本当に気持ちよく良い絵ができるというプロセスがあるのです。

では失敗のあと一体何が起こっているのか?

それは自分自身の中に「イメージの飽和」ができているからだと思い至ったのです。


「イメージの飽和」とは自分の中の造語です。

感覚的に「飽和」という言葉の響きがしっくり来ました。


その解説をする前に、絵の制作ループについて見直して見ましょう。

世間一般ではイラスト制作は一律なもの・それらが連続したものという認識だと思います。自分もそうでした。

いつでも・なんでも描く・つくる。「描く」というひとつの単位が連続している。



しかし実際の作品がひとつ出来上がるごとのプロセスはそんな単純なものではなく、

呼吸のようにテンポ・緩急のあるものだと認識するようになりました。

そしてそのテンポ・緩急なくして力のある作品はできない、と。

浮き沈み、とも言えるかもしれませんね。

その中に「イメージの飽和」があります。


ではイメージの飽和とは何か?

下図のような現象と捉えています。


思いつく絵のイメージを「水蒸気」とすると、そのための準備に火をつけないといけません。そして時間を置かないといけません。

火は絵を描く以外の行動で主に構成されています。日常的な家事や散歩もそういう行動に入ります。ゲームをすることや、親しい人と話すことだってそうです。


そうすることでやがてモワモワとイメージが生まれてきます。

そのモワモワが高い濃度・水準に達し何かを確信した状態を「イメージの飽和」と呼んでいます。

確信した状態だからこそ筆はしっかり動きます。


これが、今後確立していきたいメソッドだと思いました。


そしてこれまではその飽和を待たずして無理に描くことが多々ありました。

それが苦しかったのです。

下図のような状態です。


そしてこの飽和のプロセスがあるからこそ、不要に焦ったり苦しむ必要がないということもよくわかってきました。


もちろん環境や前提にも依るので、すべての人に当てはまる話ではないかもしれませんが…。

あとはもちろん、自分で描けるテーマであるという前提もあります。

こういうメソッドで持っても描けないものは描けないものですから。


ただ、自分が今後自主制作やコミッション絵をこなしていくには非常に大きな解決になる考えだと思いました。


いかがだったでしょうか?

世間一般的には「つくる」という行為にはこういうことは教わらない認識だと思います。

しかし失敗を経てこの現象を知ることができました。


今後の自分に大きな進展をもたらしそうですが、

他の分野で制作等されている方にも少しでも参考になれば幸いです。

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Comments

最初の構図が捨てがたいという気持ちはどうしても出てきますね でも制作というのはこういった淘汰が付きまとうと思うようになれば執着せずに慣れるかもです…!

松吉 C105(日)東T-01b

完成版とは完全にポーズが違いますね しかしここまで描いて描き直すのは決心がいったはず

もっちり

musasinoさん ありがとうございます! もともと連続した絵で説明するのが苦手で、抑圧の話もふつうの丸顔の人物だけで当初描いてました。 もっと面白楽しく見せれないだろうかと、それでイブを起用するきっかけになりましたがやはり描き甲斐・見せ甲斐もでてきますね! 年配の絵描きさんのお話もすごく参考になります…!飽和も言葉を変えれば「煮詰まり」、「熟成」などとも表現できて、いずれも時間や熱が関わるニュアンスなのが面白いですね。

松吉 C105(日)東T-01b

資料を観てラフイメージを重ね、タバコ吸ったり映画観に行ったり、まるでジャムを作るように「いい感じに煮詰まってきた」と言ってから本格制作に入る年配の絵描きさんもいて、飽和と似てるかもしれません。 イブ・マルタンなお姉さんの説明絵、見易くわかりやすいのにバンドデシネ感なアート感もありすごくいいです。

musasino

ショウヘイさんさん ありがとうございます! 生活の危機感から少しでも制作が向上するようにとこういったことを考えていますが、そう思っていただくと共有しがいがあります…! 絵も記事もこれから更新していく原動力になりますので今後も楽しんでいただければ幸いです😄 どうぞ良いお年を~!

松吉 C105(日)東T-01b

松吉さん、こんにちは。 自分のなかにある感覚的なものを言語化することが苦手な身なので、こういう風にキレイに文章化されている松吉さんのお絵描きメモはとても興味深く読ませていただいています。 今年、松吉さんの作品に巡り会えたのは自分にとって大きな収穫のひとつです! どうぞ良いお年をお迎えください😊


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