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魔人少女の排泄我慢

むかし、むかしのこと この地を統べる人間たちと、侵略的存在との戦争があった。 遥か地の底より出でし、666の魔人たち。 青白い肌を持ち、漆黒の翼と羊の角を持ち、猛獣をも遥か凌駕する強大な膂力を誇る怪物。 加えて大自然の力を我が物とする不可思議な術式、魔法をも使いこなす強大な外敵に対し、人間たちの武器はあまりにも貧弱だった。 中世期の、まだ蒸気機関すら存在しない時代の武力。基本武装は槍や弓、せいぜいがマスケット銃程度の武力で、相対するのは超常の存在。 圧倒的な物量差を以てして、その戦争は100年もの長きに渡って続いた。 「オラッきりきり歩け!」 「ぐっ、う……!」 しかしその戦争はある日、突然に終わりを迎えることとなる。人間側の勝利という形で。 ある日を境に突然魔人たちの力が激減し、少し強い人間程度の能力しか発揮できないようになったのだ。弱体化した魔人たちが圧倒的物量を誇る人間たちにかなうはずもなく、666の眷属たちは一人を除き全てが人間の奴隷となっていった。 いったいなぜ魔人たちは急激に弱体化したのか。それは魔人の国を滅ぼすべく人類側が生みだした最終兵器と、それを生かした一点突破の電撃作戦が成功したことにあった。 人類は魔人が用いる魔法に着目。人間の中でもその素養が高い人間を集めて子孫を作らせ、その能力が高い者同士でさらに子どもを作らせていったのだ。 そうやって幾世代も重ねて100年。ついに魔人たちをも遥か凌駕する超強力な魔法を放てる超人が誕生した。 人間たちから勇者と称されるその超人を、魔人の頂点たる存在にぶつける。人類が敢行した乾坤一擲の大作戦はみごとに成功を収め、魔人の長たる魔王は打ち倒された。これが戦争終結の顛末である。 そして人間に敗北した魔人たちは、屈辱の限りを尽くされることになる。 過酷な労働はもちろん、肌の色や各部の違いを除けばほとんど人間である故の性処理、さらには本来のそれとは程遠くとも未だ頑丈であることを生かした実験生物として…… 魔人たちは各地の国々で惨憺たる扱いを受けさせられていた。 そしてそれは、魔王の娘とて例外ではない。 『さあ皆さんお待たせいたしました!100年の長きに渡り我ら人間を苦しめ続けてきた魔人!その頂点に立つ魔王はそう!我らが勇者の手により打ち倒されました』 『しかし今!ここにその娘がいるのです!!魔王の血を受け継ぎ、その魔力をも受け継いだはずの彼女も……今となってはごらんの有様!勇者が作った封印術式の前では借りてきた猫のようです!』 「……っ!何が苦しめ続けてきた、だ……!攻め込んできたのはお前たち人間の方だろうがっ!」 『おおっと、未だに口だけは達者な様子。でもいいのですかな?人間様の機嫌を損ねたりなんかして……』 封印術式に繋がれ、人々が集う広場へと連れられてくる青肌の少女。明らかに人間離れした姿でありながらしかし、その目鼻立ちは誰もが喉を鳴らすほど整った容姿をしている。 魔王の娘と呼ばれる彼女の前で、司会の男は簡易マジックスクロールを開く。それはこの国で奴隷として働かされている眷属たちの首輪に、爆発魔法を送り込むためのもの。いわば自爆のスイッチである。 見せつけるように開かれたそれが示すもの。それは逆らうと仲間がそのたびに死んでしまうということ。 「……っ、卑劣な……!」 『ええ、それはもう。魔人と戦うため、力が弱い人間はそうならざるを得ませんでしたからねえ。まあそれはさておき……』 『さてさて皆さん。かれこれ長い付き合いになった魔人たちですが……しかし我々は魔人のことをほとんど何も知りません。知的好奇心旺盛なホモサピエンスとしましてはこのままじゃいけませんねえ』 『各地で魔人を使った実験は行われておりますがさて、ここでは魔人の生理的耐久についての実験をしてみたく思うのです』 「生理的……耐久だと……?」 『そんなわけでこれから実験をして参りたいのですがその前に……貴女のお名前は?』 「…………アシュタレト……」 『よろしい。それではアシュタレト嬢にはこれより、この場所でずーーーーーーーーー~~~~~~~~~~っっっっっっっとお手洗いを我慢していただきます』 「……なにを……言っている……?」 『万が一にも漏らしたりなどしましたらその瞬間……そうですねえ、魔人たちの首に着けた輪っかを爆発でもさせましょうか』 「なっ……!?話が違うぞ!従属すれば……奴隷にさえなればみなの命は保証すると!!」 『ええ、ですから従属していただくのです。ここで貴女に与えた仕事を命がけで完遂すること……それが魔人たちの命を救うことに繋がるのです』 『ルールを説明しましょう。貴女にはこれから生理現象である尿意をひたすら耐えていただきます。そしてそれを一日耐えるごとに一人分、このマジックスクロールを焼却いたします。つまり一日耐えれば一人救えるわけですね』 『魔人たちは全部で666……ああ今は665人でしたか。まあどっちにしろ大変ですねえ、2年近くも耐えなきゃいけない』 『まあ我々は魔人のことなんて詳しく知りませんから、そもそも尿意なんて概念自体が存在しないのかもしれません。そうだったらラッキーですねえ』 「馬鹿……な……!」 司会からルールを告げられたアシュタレトは愕然とした。これからさせられようとしていることの、あまりの馬鹿馬鹿しさに。 しかもそうでありながら、このルールの理不尽さたるや。人間であれば最初の一日目ですら耐えられずに終わっているであろう、とてもとてもまともに考えたとは思えない理不尽極まるルール。 だがそれでも従うしかなかった。今の彼女にとって人間の命令は絶対であり、従わなければすべての眷属が犠牲になってしまうのだから。 『まあそんなわけですので、今日からここで尿意の我慢……せいぜい頑張ってくださいね』 ___________ 初日 夕方ごろ 理不尽な排泄我慢がアシュタレトに課されてから数時間。彼女の周囲には未だ多くの人間たちがいた。 その人間たちは魔人に対してならいかなる行為も容認されると考えている非道な人間たちであり、それが囚われの魔人を目の前にしてやることなど一つである。 ギロチン刑のように首と手首を木板で固定され、膝をついた姿勢で地を這わされる魔人の少女。そんな彼女に対しそれら非道な人間たちは、水を満杯にした瓶を持ってきたのだ。 そして彼らは固定されて動けないアシュタレトの頭を掴み、思い切り水の中に叩きつけた。 呼吸ができなくなりもがくアシュタレトだが、押さえつける手の力は一切緩むことがない。 肺の中の空気を出し尽くした彼女の身体はそれでも空気を欲し、瓶の中の水を大量に吸い込んでしまう。 これこそが男たちの狙いだった。排泄を我慢しなければならない少女に大量の水を飲ませる、これ以上の責め苦はないだろうから。 そして多くの水を無理矢理お腹に納め、もがく力さえも失い始めた時、やっと彼女の顔が水面よりも上に出てきてくれた。 大量に飲んだことで水位が下がり、顔が出るくらいまでかさが減ったのだ。 「がはっ!!?ごほっ!げほごほっ!!……ぜひゅーっ、ぜひゅーっ……!!」 咳き込みながら、噎せ返りながら空気を貪る青肌の少女を、男たちはげらげら笑いながら囃し立てる。 中でも男たちの視線を集めるのは、地に這いつくばり突き出された彼女のお尻。 仄かに突き上げられる衝動に揺れ、もじつく少女の下半身。 何より雄弁に彼女の窮状を物語る、素直すぎる下半身のいけない衝動。それを隠すこともできず、このような悪意の塊に晒されていることは何よりも屈辱だった。 (どう……して……どうして人間は、私たちを放っておいてくれないんだ……!) 絶望のただ中にいる彼女の脳裏を、たった一つの悲願が過ぎる。 それは魔人という種族すべての願いにして、魔人と人間との戦いの根底に根ざす問題だった。 魔人。それは遥か地底にある魔界で暮らす人の近縁種である。 この大地が創造神によって創り上げられた時、神はこの地球という惑星を大きく3つに分け、そこに神の模造品を住まわせた。 地上には最も不安定ながら最も活力がみなぎる存在である人間を 空の上にある天界には善性を強調した存在である天使を そして地の底にある魔界には魔性の存在である魔人を この三つの世界が適切なバランスを保ち、存在し続けること。これが万物の輪廻を円環に維持する上で不可欠なものだった。 万物の持つ陰と陽。光と闇。正義と悪。 このバランスが崩れた時、世界はどちらかに傾いてしまう。故に善たる天使と悪たる魔人、そして中庸たる人間の三つが必要不可欠なのだ。 しかしこの三種族のうち、魔人だけが神の寵愛を受けることができなかった。 天より注ぐ暖かな光。遍く地上を温める陽の光は、地の底にある魔界には届かない。 魔人たちはずっとこの光に焦がれ続けていた。地の底を仄明るく照らす溶岩などではなく、自分たちで生み出した人為的な炎の光などではなく、本物の恵みが欲しいと。 しかし魔人もこの世界における自分たちの役割は自覚していた。だからこそ永きに渡り闇の中でおとなしく暮らしていたのだが…… 100年前、ようやく地上に出ることのできる方法が発明されたのだ。 長い長い年月をかけて開発された、この大地そのものに魔力を貯蔵する術式。これに自分たちの魔力を注ぎ込むことで、三つの世界のバランスを維持したまま肉体と魂を地上に転送することができると。 魔人たちはこの魔法の開発に大いに沸き上がった。力のほとんどを失いはするし、これに込めた魔力も無限ではない。いつか魔界に戻らなくてはならないのだとしても、ずっとずっとあこがれ続けたあの光を少しでも浴びることができるなら。 闇の中で希望を見出した魔人たちは、我も我もと地上へと飛び出していった。 だがその希望は砕かれた。他でもない、地上で先に暮らしていた人間たちの手で。 地上に出た魔人たちは森の中に小さな村を作り、太陽の下で安穏とした暮らしをしばらくは送っていた。 だが地上に出てから2ヶ月が経過したある日、旅をしていた人間がこの村に迷い込んできたことが事態を一変させる。 いくらのんびり暮らしていたとはいえ、地上に魔人がいるというのはそれそのものが異常事態。特に伝承の中で魔人は、極めて凶暴にして悪辣な存在だと語られている。 極めつけは魔人の外見。三種族の中でも一番人間離れしたその外見は、見る者に脅威を与えるに十分だった。 そして噂を聞きつけた人間たちは脅威となる存在を排除すべく、魔人たちを排斥する行動を繰り返すようになった。 魔人の暮らしを妨害するため飲み水に毒を混ぜたり、畑を荒らしたりといった嫌がらせの類。 人間の中にも当然、未知の存在に対する恐怖は少なからずあった。 だがその恐怖は魔人の数が少ないことと、しばらくしても報復がないという事実の前にどんどんと薄れていき、人間たちの行動はエスカレートしていった。 いつしか人間たちは牛馬の死骸や糞尿などをこの村に捨てていくようになり、太陽の下で安穏と暮らすはずだった村は腐臭漂う荒れ果てた地へと変えられていった。 それでも魔人は人間に報復したりはしなかった。それはあくまでも自分たちは一時的に地上にいるだけの居候であり、嫌われてしまうのも無理はないと初めから覚悟をしていたから。 だがそれでも、人間たちに嫌われて仲良く暮らすことなどは叶わないのだとしても せめて放っておいてさえくれればそれでいい。いつかは人間たちも飽き、お互いに関わり合わないようになるだろう。魔人たちはその想いで耐え続けていた。 それに下手な報復をして人間を刺激し、全面戦争になどなってしまったら魔力の多くを魔界に置いてきて弱体化した魔人に勝ち目はない。 それもあって魔人には耐える以外の選択肢は存在しなかったのだ。しかしこの歪な均衡は間もなく破られることとなる。 いつものように魔人の集落にやってきた人間たち。その中には小さな子どもも混じっていた。 親にそそのかされたのだろうその子は松明を片手に、気性は穏やかながら見た目が怖い魔人の家へと駆けていく。 だがその途中、子どもは石に蹴躓いてしまう。大きくぐらつく子どもの身体、手を離れ宙を舞う松明。 その魔人は子どもを助けるため、その手を引いて自分の方へと引き寄せた。それが決定的な事態を招いてしまう。 事実がどうあれ、大柄な魔人が子どもを自分の方へ強い力で引っ張りこんだのだ。それは傍から見て、魔人が子どもを人質に取ったとも見えるものであり…… 村を襲った人間たちは己が行いを顧みることもなく、悪し様に魔人の行為を国中へと言いふらした。 そこから先は電撃的である。名分を得た人間たちはすぐさま軍備を整え、魔人の村に大軍を寄こしてきた。 曰く子供を人質に取る悪辣な魔人の征伐。言葉の上でみるならこの上もなく正義に満ち溢れた謳い文句である。 その正義に酔いしれ、勇敢な戦士たちが我先にと志願したのだ。 避けることができない戦争の予感。迫る軍靴の音を前に、魔人たちもまた決断を余儀なくされていた。 もはやこれ以上地上で暮らすことはできない。おとなしく魔界に帰るか、それとも…… この段階になって、とうとう魔人たちの耐えに耐え続けてきた怒りが爆発した。 この期に及んで魔界に帰るなど。話も聞かずに一方的な戦争を仕掛けてきた人間たちに屈するなどあり得ない、と。 そして魔人たちは迫りくる人間を迎え撃つべく、失われた魔力を取り返す方法を編み出した。 魔界に施した術式は大地そのものに根ざしており、そこから魔力を一気に回収することは叶わない。それは術を生み出した彼ら自身が一番よく知っている。 完全に魔界に戻って元の暮らしへ戻れば大地から染み出す魔力を徐々に吸い取り、一年もすれば完全な状態に戻ることもできたろうがそんなことをしている時間はない。 この地上で魔力を行使するには、地上にいながら魔界の魔力を引き出す存在が必要だった。 地上と魔界とを繋ぐ門。それは空間操作に長けた魔人が管理しており、その魔人であれば魔界に封じた魔力をかき集めて分配することができる。 それを我らが王とし、何としても守り抜くことで魔人たちは人間と戦うことができる。それが結論だった。 その魔人が完全に魔界へ戻ってしまうとその瞬間に門が閉じてしまうため、使えるのは門からにじみ出る程度の魔力でしかない。しかしそれでも戦う術がないよりはマシだし、人間と戦うだけならそれでも十二分だ。 そうして魔王は誕生し、魔人と人間との全面戦争が幕を開けた。 それから100年。この戦争は皆に魔力を分け与えた影響で衰えた魔王が勇者に倒されるまで続くのだった。魔王を失い、魔界と地上を繋ぐ門が失われた魔人に戦う術はない。魔界からにじみ出る魔力を集めて分配する役割の者がいなくなった時点でこうなるのは自明だった。 故に魔人たちは魔王が倒されたと知った時点で降伏し、魔王の娘も含めたすべてが人間の奴隷となったのである。 そんな魔人奴隷たちすべての命は今、彼女の我慢に懸かっている。 一つの種族、あるいは魔界そのものの未来を背負った魔人アシュタレトの孤独な戦い。その一日目はこうして更けていくのだった。 __________________ 2日目 翌朝。アシュタレトは朝日の下で、最悪の目覚めを迎えていた。 あの後も絶えず水瓶や薬草を煎じた茶などを飲まされ続け、少女のお腹は大きく前へとせり出していた。 吐き気すら催す多量の水責め。幾度となく窒息状態に追い込まれた彼女の意識はほとんど失神に近い状態で失われ、今目覚めたのだ。 時間にして精々4~5時間程度の短い休息で拷問に等しい行為を受けた苦痛が癒えるはずもなく、元から青い顔はさらに青く紫がかった色合いになっていた。 だが何よりも辛いのは、多量の水を飲んだことによって爆発的に増大した尿意だった。 突き出されたお尻を激しく左右に振り、両脚をぎゅうぅ、と音がするほど強く締め付ける。誰から見ても明らかな我慢のダンス。 『ねえ見てよ、アレ……』 『まあ下品。さすがは下種な魔人ね、恥ってものがないのかしら』 「……ううぅ……!」 通行人に指さして嘲笑され、反射的に我慢の姿勢を解いてしまう。その刹那、怒涛のごとく水門に押し寄せてくる熱水の感触が彼女の背筋を貫いた。 脳裏を過ぎる、昨日の説明。一度でも漏らしたならばすべての魔族が死に絶えてしまう。 ぎゅううううぅっ!強く強く太股をすり合わせ、満身の力で噴き出そうな尿意を抑えつける。 魔人とはいえ女性である彼女にとって、人前でこのような仕草を見せるなど顔から火を噴くほど恥ずかしい。それでももう、こうするしか術がないのだ。 少しでも力を抜けばたちどころに噴射してしまうだろう危険な尿意。それを抱えながらアシュタレトは今日の一日を凌いでいく。 今日も今日とてやってきた、意地が悪い人間たちの嫌がらせに耐えながら。 お腹にある二つの袋を歪に膨らませながら、魔人少女は仲間のため孤独な戦いを続けていく。 3日目 悪辣な尿意責めが始まってから今日で3日。ここに至ってアシュタレトの尿意は、魔族であっても命の保証ができないレベルへと到達した。 四つん這いに近い体勢をしている彼女の青いお腹は妊婦のように膨らみ、突き出たお腹は地面にくっつくほどになっていた。 魔人である彼女の肉体は人間の数倍は丈夫だが、それでも限度がある。今の尿意はまさにその限度ギリギリの領域だった。 (だ……めだ……!これは、もう、ほんとう、に……っ!でる……っ、でて、しまうぅ……!) 人間の数倍膨らむ膀胱に、人間の数倍強靭な括約筋。そこへ注ぎ込まれるのは常人が抱く数十倍の尿意。 いくら彼女が魔人とはいえ、飲み物を飲めば当然に催す。尿意の増え方は人間と変わらないし、膨張できる上限こそ高いが膀胱そのものの大きさも人間と変わらない。 排泄への欲求は、「オシッコがしたい」という気持ちは人間と変わらないのだ。 それをただ、仲間への強い想いで耐えているに過ぎない。 (や、やる……しか、ないのかっ……!でもあれは、みんなを救うための切り札で……!し、しかし、もう……っ!) だが今はまだ三日目。665すべての眷属を救うにはまだこの200倍以上も耐えなくてはならない。とてもとても今のままでは無理だろう。 そんな状況下で彼女は迷っていた。魔王の娘として、空間を操れる魔人の娘として近くにいた彼女にしかできない使命があるから。 彼女の持つみんなを救うための切り札。それは…… (使うしか、ないっ……!お父様の傍で集めた魔力……勇者を仕留めるための、たいせつな……) (でももう、我慢できないっ……!) それはあらゆる魔人の中で唯一、彼女だけが持っている力。魔王の傍にずっと居続けて、ほとんど戦うことなく投降したが故の切り札。 魔界の扉から漏れ出る魔力。他の魔人たちは魔王から分配され、戦いに使っていった魔力。 彼女は魔王の娘として居たがゆえ、扉からの魔力を魔王と並ぶくらいに長く集めていたのだ。 魔王と異なり、分配する能力をまだ持たない彼女はその魔力を自分の中にずっと溜め続けていた。 それゆえ彼女は魔人たちの最終兵器だったのだ。いざという時、その溜めた魔力で魔人を救うための。 だが一番肝心な時、魔王と勇者との戦いのときにその力を振るうことはできなかった。それは勇者の力がその彼女よりもなお強く、その勇者が放った拘束術式に囚われていたから。 魔王を守護することに失敗した彼女の次なる力の使い道。それは勇者の殺害だ。 なんとしても魔力を使わず人間社会に潜伏し、勇者を殺害する。勇者さえいなくなればその力によって作られた術式は用を為さなくなり、魔人の首に嵌められた自爆首輪はただの首輪に成り下がる。 彼女の魔力はそのために取っておかれたものだった。だがしかし…… 今ここで使わなければ、今ここで尿意を耐えるために使わなければ、すべてが終わる。 もはや猶予はない。アシュタレトはその身の魔力を使い、肉体を強化する魔法を発動した。 両手足の魔封術式により、手足を強化することは叶わない。だが胴体部分には術式が施されていない。 アシュタレトは切り札たる魔力を使い、尿を溜め込む膀胱と抑え込む括約筋を強化した。 (すま……ない……すまない……みんな……!) みんなを救うために、戦うために使うはずだった力。それをよりにもよって尿意を耐えるために。 仕方がなかったとはいえ、いたたまれなさに苛まれるアシュタレト。彼女の魔力が強大とはいえ、それでもずっと絶え間なく肉体を強化し続けるのには相応の魔力を消耗する。 今はまだこのために使ってもなお戦うのに十分なだけの魔力が残るだろうが、ここから何日、何週間、何か月と経った時、果たしてどれほどの魔力が残っているだろうか。 心の中で何度も仲間に謝りながら、彼女は今日も尿意に耐えるのだ。 _____________ 一か月後 魔人戦争が終結してから一ヶ月。人間が暮らす街の広場に、異様な物体があった。 行き交う人々みんなの視線を奪う、青色をした巨大な物体。人の背丈をも軽く通り越し、立ち並ぶ家々の天井にも届きそうなほど巨大な物体。 重力に押しつぶされ、歪な球形を描く奇妙な物体。 その物体のすぐ傍に彼女はいた。敗れ去った魔人たちの長を継ぐ者にして、この広場で尿意拷問を受けていた魔人、アシュタレト。 すぐ傍にいる、というのも適切ではない。よく見るとこの青い物体は彼女の肌と同じ色合いをしていて、さらに彼女の身体とくっついている。彼女のお腹と、伸びきった皮膚でくっついている。 「……ねが…………ねが……します…………させ……てぇ……」 「ぉ……しっこ……おしっこ……させて……ください……おねが……します……」 近くを通る人々に蚊の鳴くような声で排泄を哀願する彼女の姿。そしてこの巨大な物体。 他でもない。この巨大な物体は、膨らみきった彼女の膀胱なのだ。 一階建ての家よりも大きなこの中には、大量という言葉すら生ぬるい超絶な量の小便が詰まっているのだ。 これまでの一ヶ月、一度も排泄を許してもらえることはなく、魔人たちの命のため耐え続けてきた誇り高き魔人の少女。そんな彼女に対し人間たちは、連日大量の水分を摂らせてきた。 運悪くこの町は川の近くにあり、水源に欠くことはない。だから人間たちも惜しみなく彼女に水を飲ませ続けた。 時にトイレが近くなると言われるハーブなども大量に混ぜ、毎日毎日飽きることなく。 そうしてたんねんに育て上げられた彼女のオシッコ袋は、異質な存在感を放って街中に鎮座していた。 そんな日々が一ヶ月も続き、彼女の心は壊れる寸前だった。 肉体を強化したとはいえ、痛みや苦しみがなくなるわけではない。 自分の身体をも遥か凌駕するほど膨らんだ膀胱。その中をぎっしり詰める途轍もない量の小便は片時たりと油断なく、些細なすき間ひとつも作ればそこから怒涛のごとく噴き出さんと疲れ果てた水門をぢくぢくと責め立てる。 一ヶ月絶え間なく力を籠め続けた排泄孔はしびれを訴え、彼女の耐える力は日に日に弱っていく。 なのに膀胱を苛む尿意は日を追うごとに爆発的に増加していく、あまりに絶望的な籠城戦。 だから彼女は、縋るしかなかった。 精一杯哀れな声音で、表情で哀願し、ほんのひとさじ程度の情けでもかけてもらえたら。 全てではなくていい。コップ一杯程度でもいい。仲間の命を気にすることなく、溜まったものを出させてもらえたら。 ありもしない希望に縋り、少女は人々に媚びを売る。誇りも矜持ももう、そんなものを気にしてなどいられない。 しかしそんな彼女を助けてくれる人間などいるはずがなく、地獄は明日も明後日も続いていく。 今はまだ一ヶ月。これから彼女はこの20倍も耐えなくてはならないのだから。 そしてそれから彼女はずっと、一度も排泄を許されないまま これですらもなお序の口だったと思えるほど、長い長い時を過ごしていくのだ。 6か月後 それからどれだけの時が経っただろうか。 永劫とも思える責め苦の果て、アシュタレトはその我慢によって魔人たちのうち4分の1程度の命を救っていた。 しかしそれと引き換え、彼女の尿意は空前絶後の途方もない代物になってしまった。 「…………っこ…………ぉ…………っこ…………」 この街に来た人間たちは誰もが口をそろえて言う。あの青い物体はなんなのかと。 街にある建物をも遥か凌駕し、町の外からでも見えるほど圧倒的な威容を誇る青い球体。 近くから見れば巨大な壁にも見えるほど、あまりにも大きすぎる青い水袋。 もはやアシュタレト本人がそのおまけにすら見えるほど絶大な存在感を誇る彼女のおなか。 ちょっとした泉程度なら丸のみできそうなほど圧倒的な水量のそれには、彼女が半年もの間ずっと耐え続けてきたオシッコが詰まっているのだ。 あまりにも、あまりにも大きすぎる彼女の膀胱。その高さは家々の屋根をも超えて聳え、その幅は家を五軒並べたそれよりもなお大きい。 「ぉ……しっこ……おしっこ……おしっこ……おしっこ……」 そんなものを抱えているアシュタレトの様子は、それはもうひどいものだった。瞳の光は既になく、一日中ずっとぶつぶつと独り言を呟くことしかできない。 超絶的なまでの排泄欲求。出したくても出させてもらえない、仲間を人質にして耐えさせられているそれへの渇望が絶えず口から溢れ出す。 『ああダメッ、漏れる漏れるううっ……!』 『もうちょっとの辛抱よ!ほらあそこ、魔人が見えたわ!』 そして人間たちはそんな彼女に、「貴婦人」と比較してすら2000倍ほども耐えている彼女に対して、今までで最も悪意ある行動に打って出た。 アシュタレトのいる広場に向かい、どたどたと走り寄る町娘二人組。その片割れはもじもじと忙しなく腰を揺らしており、かなりの尿意に耐えていることが伺える。 なぜ町娘が、それも尿意を抱えた町娘が自宅ではなくアシュタレトのいるところに向かっているのか。その答えはすぐにわかることとなる。 アシュタレトの目の前までやって来た町娘はその前で下着を引っぺがし、そして…… っしゅううううううううぅぅーーーーー!!!! 『っはああああああぁーーーーー…………まにあったぁ……!』 なんと目の前で放尿を始めたのだ。アシュタレトには遠く及ばないにしてもかなり我慢したのだろうそれは勢いよく石畳を叩きつけ、ぱちゃぱちゃと飛沫を跳ねさせていく。 大きなため息をつくその姿は、放尿の解放感に満ち満ちていた。 そして目の前でそんなものを見せられたアシュタレトは…… 「う…………あ…………!!」 「うああああああああああぁあぁあああああ!!!!!!!!!!!!うゥゥあああああアアァァアアァァアァアァア!!!!!!!!!!!!!!!」 「お゛ぉぢっ……!お゛ぢっ、おぢっご!!!!おぢっごおぢっごおぢっごおおぉぉおおぉおおぉ!!!!!!!うぅがあああああアアァァァァァァアアアアアアアァァア!!!!!!!!!」 家よりも大きな彼女の膀胱内で、黄金色の渦潮が暴れまわる。私も、私も 私もオシッコがしたいと、半年に及ぶ我慢に疲れた水門をがりがりと掻き削る。 猛絶な排泄欲求に狂った少女は、自由にならない頭をぶんぶんと振り回して排泄を乞う。あまりの激痛に涙すら流しながら。 だがそんな彼女に向けられたのは憐れみなどではなく、ただ無情なる嘲笑だった。 『……ぷっ、あはっ!あっははは!!!ねえ見てあれ!みっともないったら、ねえ?』 『ふぁぁ……んふふ、おしっこ気持ちよかったあ……大変よねえ、こんなになってもまだ一年以上もできないなんて……せいぜいがんばってね?仲間のた・め・に!』 『『あっははははは!!』』 「おぢっご!!!おぢっごしだいいぃいぃぃいい!!!!おぢっご!おぢっごおおおおぉおおお!!!」 「うああああああああぁぁぁぁあああああぁぁああん!!!!!!うぅわああぁあぁあああぁああああああああああぁあん!!!!!」 目の前に残された水溜まりに膨らみ切った膀胱を責められながら、アシュタレトはいつまでも泣き叫び続けた。 魔人の未来と、あまりにも辛すぎる排泄欲求との狭間に押しつぶされる少女の煉獄は、まだ折り返してすらいない。 ________________ 12か月後 魔人戦争終結から数え、とうとう一年が経過した。 街中にあった巨大な青い物体は、今はもう無くなっている。 果たして何があったのか。アシュタレトはとうとう、あの超絶的な尿意から解き放たれたのか。 「…………………………め…………なさ………………め……なさ……い……」 「うまれて……きて……ごめん……なさい……」 否。広場に居たはずの彼女は今、街の外へと移送されていた。 それは8か月目ごろ、あまりに巨大化しすぎた彼女の身体はとうとう人々が行き来するうえで障害となり、巨大な身体は並べた丸太の上を転がすようにして門の外へと運び出されたのだ。 もはやそうでもしなければ運べないほどの巨体。大の男が20人でかかろうと、それを持ち上げることはもはや叶わない。 街の外に出されたアシュタレト。その巨体と比較し得る物体はもはやこの街には存在し得ない。 あえて動物と比較するならば、この国より遥か彼方に生息すると言われる、家よりも大きいとされる巨獣。 長く器用な鼻を持ち、他のいかな猛獣の攻撃をも受け付けない圧倒的な巨躯を誇る超大型獣、象。 その中でも最大と言われる巨象、アフリカゾウ。彼女の膀胱はおおよそこれを三頭丸呑みし得るサイズにまで変貌を遂げていた。 そして外に出されたアシュタレトの足元には、土を掘って作られた溝があった。 その溝は真っすぐに伸び、町の近くにある川の下流に繋がっている。 これは簡素な水路。もしも彼女の我慢が決壊した時、その尿意を川まで運ぶための。 いわばこれは彼女のために誂えられた、彼女専用のおトイレ。 それも無理はないだろう。彼女の膀胱に溜まった尿の総量は立派な池を形作れるほど。とてもこんなものを街中に放つわけにはいかないのだから。 アシュタレト専用オシッコ水路が整備され、いつでもその排泄に備える準備ができた時、人間たちの責めはさらに苛烈さを増していった。 『さあさあ皆さん、今日は何の日かご存じでしょうか?そう、今日はここにおりますアシュタレト嬢の実験が始まってから一年が経つ日なのです!!』 『いやあまさかここまで耐えるとは思っていませんでした。さすが魔王の娘!ごりっぱな膀胱をお持ちでいらっしゃる』 『あるいは魔人同士、仲間を想いやってたりするのでしょうか?ならばそのご立派な想い、ぜひとも貫き通していただきたい!』 『……というわけで皆さん、よろしくお願いします!』 この場に集まった人間たち。最初の日と同じく、見世物のように扱われるアシュタレトの下に集った人間たちは、とりわけ魔人たちへの扱いが冷酷な人間たちだった。 彼ら彼女らは目の前にぼってりとした巨体を晒すアシュタレトの膀胱に向かい……全力で拳を撃ち込んだ。 「ヒギぃっ!!!?!??!あぁっギャああぁぁあぁあああああああ!!!!?!??!?!!や゛ぇっ、や゛べっ、でぇぇぇぇえぇええええぇえぇ!!!!!!?!??!れ゛りゅっ!?れ゛ひゃうぅぅうぅ!!!!」 膨らむなどという表現では生ぬるいアシュタレトの膀胱。そんなものに拳など撃ち込んだらどうなるかなど言うまでもない。 何もしていなくてもいたいけな排泄孔がごりごりと削られるほどの尿意に苛まれているのだ。それを波立たせなどすれば、それは洪水をせき止めるがごとき無謀な戦いとなる。 そんなものをこの数か月続けてきた彼女の水門は、括約筋は、もう力を失う寸前で。 ブッッッッッシュウウウウウゥウゥゥゥゥッッッッ!!!!!! 「ふぎいいいぃぃいぃぃぃぃいいいいいいいいいぃいっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!」 そしてとうとう、一年に渡って耐え続けてきたものが、溢れてしまった。 一糸も纏わぬ少女の仄紅い秘裂から迸る、途方もない高圧水流。それは彼女のために誂えられた土の水路を容易く抉り、地面に噴射の痕跡を色濃く残す。 その勢いを決死の強化魔法でなんとかせき止めるが、もはや魔力も体力も枯渇寸前だ。これだけの尿意をもう我慢していられない。 そんな彼女に対し、司会者役の男は無情にもこう告げた。今出してしまった分、補わなくてはならないと。 そのために男は恐るべき存在を呼び寄せた。魔人戦役の終結と、魔人の娘への拷問開始から一年を記念して呼び寄せた、人間側の最終兵器を。 『さあ勇者さん、よろしくお願いしますよ』 勇者。それは人間側の最終兵器にして、地上における魔人の魔力を大きく凌駕する魔法を行使できる存在。 その勇者をこの局面で呼ぶという事。それは取りも直さずこういうことを意味する。 これから、魔法を使って尿意をさらに跳ね上げると。 そして、今 「………………………………あ」 アシュタレトの膀胱がさらに一回り、ぼこんと一気に膨れ上がった。 勇者が使った魔法。それは体内に水魔法を打ち込み、さらに代謝機能を強化魔法の応用で通常の3000倍に引き上げたのだ。 つまりアシュタレトの体内に数トンもの水分を転移し、それを超高速でオシッコに分解する超絶利尿体質へと変化させたのである。 ただでさえぼろぼろだった状態で、さらに今までの倍近くにまで尿意を引き上げられたアシュタレト。 「………………っっっっっっっっ~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!」 ブジュウウウウゥゥウゥっっっっっ!!!!!!ジュオオオォオォオオオオオオオッッッッ!!!!!ジュジュゥッッ、じゅうっ!!! ありったけの力を、魔力を振り絞る。全身の、全霊を込めて、噴き出す猛水圧をせき止めんともがきあがく。 だが、もう。 残ったすべての魔力を注いでも、どれだけの気迫を注いでも 一年もがんばり続けたそこはもう、ぴくりとも動いてはくれなくて。 ゼロに何を掛けようとゼロであるように 「あ……………………あぁ………………」 全生命をかけた奮闘も虚しく、アシュタレトは力尽きた。 最後の瞬間、彼女が浮かべたのは絶望の表情などではなかった。どこか安堵したような表情で……その時を迎える。 ドッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!! ッッッッッッッッジュウウウウウゥウゥウウウウゥウゥウウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!じゅごおおおおぉおぉぉおおおおおおおおおぉおおーーーーーーーー!!!!!!!!!! 『うわああああっ!?』 『おやおや……これはすごい。水路を完全に破壊しちゃってますねえ』 一年越し、ついに解き放たれたアシュタレトのオシッコ。それは一個の生物から放たれる水量の域を遥か遠く凌駕してしまっていて。 まして人間相応の排泄孔から放たれる水圧の代物ではなく、それは扇のように放射状に彼女から噴射される。 そのあまりの勢いは彼女の身体を反動で吹き飛ばし、彼女の身体は膀胱を起点にして尿噴射の勢いであちらこちらに大きく揺り動かされていた。 それはさながら、ぱんぱんに膨らませた風船の中身を解放した時の出口がそうなるように。 圧力の制御が利かず、噴射口が暴れまわる。 じゅごごごごごごおおおおおおおおおおーーーーーーー!!!!!!!!!ブッッッッジュウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥウウゥウーーーーーーー!!!!!!!!!!!! 彼女のために掘られた水路をその水圧で削り壊し、暴れまわる噴射圧でそこら中にとてつもない量と勢いのオシッコを撒き散らしていくアシュタレト。 数十メートルは遠くにまで尿線を吹き飛ばして、いたいけな少女の割れ目をぽっかりと拳すら入りそうなほどに押し広げながら、溜まりに溜まった尿意を解き放っていく。 一年かけて溜め込まれたそれは熟成されきっていて、かなりの濃さと臭いを誇っていた。 「ああぁ………………ああ………………♡♡♡」 渦中にある魔人の少女は、青ざめた顔をだらしなく緩めながら放尿の快感に浸っていた。 精も根も尽き果てた彼女にはもう絶頂に暴れまわる余力もなく、ただ茫然と与えられる快楽の奔流を受け止めていた。 そんな折、彼女は見た。途轍もない小便を放出する彼女へ見せつけるように、司会の男がスクロールを取り出すのを。 「…………めて…………!ぉねがい……!ゃめ……て……!」 そして、彼女の見ている前で 司会はスクロールを、発動した。 気力も体力も失くしたはずの身体から、最期の絶叫が迸る。 「やめてェェェェェェェエエエエエエエエエ!!!!!!!!」 665いる魔人のうち、助かったのはうち365人。 数千年も共に在り続けた大事な仲間たちが、半数も。 彼女が尿意を我慢できなかったせいで。 ブシュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーー!!!!!!!っじゅじゅじゅじゅごごごごごごごごおおおおおおおおお!!!!!!!!!! びゅじゅじゅじゅじゅじゅううううぅううううううううううう!!!!!!!!!ばしゃしゃしゃしゃしゃっ!!!!!! 「は…………は…………」 「あは……は……!」 人間たちの、悪意と好奇の瞳に囲まれながら 誇り高き魔人の少女はいつまでも、膀胱が空になるまでずっと小便を出し続けるのだ。 辺りに彼女の尿臭が立ち込め、そこら中に薄黄色の小池が出来上がるまで。 忌むべき魔人絶滅の原因を、悍ましき快感と共に アシュタレトの放尿は、一日かけて続くのだった。 _______________ 魔人の半数が爆破魔法の犠牲となり、世界の調和は破壊された。 魔界に溜め込まれた魔人たちの魔力も尽き、光と闇と中庸のバランスは壊れた。 しかし世界が滅ぶことはない。光と闇との調和は図らずも、魔人がいなくても保たれるようになったから。 魔人に代わり、闇の性質を担う存在が現れたから。 新たに闇の性質を担う者。その名は…… 「あはは……!あは、あは、は……!」 『あらら、壊れちゃいましたか。まァご自分が排泄したせいで同族の半数が死んだなんていったらそりゃ悲しみますよねえ。知ったこっちゃありませんが』 『それもこれも人間に楯突いた報いってことで、我慢してくださいね』 『さァ……て。残る半数の魔人さん方も、どう料理して差し上げましょうかねえ』 その名は、人間。魔性の者すら及ばぬ悪意で、ひとつの種族を容易く滅ぼす存在。 かくてこの地上が、人間の暮らすこの地上が、新たな魔界となるのであった。


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