【尿意ゲージ付】聖水少女奮闘記 後編
Added 2022-04-30 23:42:09 +0000 UTC靄が晴れると、眼前には城の入り口が待っていた。辛くもマリーは魔物ひしめく城内からの脱出に成功したのだ。 【マリー 2130/1200 177%】 「やっと、出られる……!」 だが、安心したのもつかの間、更なる悪意がマリーに牙を剥く。 城を出た彼女を出迎えたのは、数えきれないほどのスケルトンの軍勢だった。ドラキュラの策は、二段構えになっていたのだ。 城内の敵は実質、アルラウネとサキュバスしかいなかった。ドラキュラが時間をかけて呼んだにしては少なすぎるし、彼女を殺しに来た刺客にしては戦闘力も低い。その理由は彼女を消耗させるためだけの、いわゆる当て馬でしかなかったからだ。 城内の二人でマリーの尿意を限界まで追い詰め、城外にいる無数の手駒で仕留める。これがサキュバスの作戦をさらに発展させた、ドラキュラの策であった。 「う……そ……」 無数の軍勢を目の当たりにしたマリーの表情に絶望の色が浮かぶ。ただでさえ多勢に無勢であるのに、今の彼女はお腹に特大の重しを抱えているのだ。 そのうえ切り札のグランドクロスももう使えない。聖水を飲み切ってしまった以上、頼れるのは聖剣による斬撃だけ。不利どころの話ではない。 だが、戦わなければ活路は切り開けない。マリーは知恵を振り絞って作戦を導き出した。 その作戦はとても有効だが、今の彼女にとってはつらいものだった。 ひらけた城外で戦えば四方八方から攻撃を受けることとなり、とても捌ききることは不可能だ。どうにかして敵の攻めてくる方向を限定しなければならない。 そこでマリーが考えたのは、一度城内に戻ることだ。城の入り口で待ち構えることで一度に相手する数を限定し、入ってきた者から斬り倒す。 すなわち、籠城しての消耗戦である。 (が、がんばるっ……!) だがそれは、ここにいる全ての敵を倒さなければならないということである。普段の彼女なら敵軍に突っ込み、突破して逃げおおせることもできたろうが、今の彼女にはとても不可能だ。 どれだけ時間をかけようと、敵を殲滅する以外に生き延びる道はない。 ぎゅう、と股間と剣を握りしめて、少女の籠城戦が幕を開けた。 _________ 【マリー 3270/1200 272%】 「ぁ……ぁ、でる、でちゃう……でる……!」 それから何時間経っただろうか。来た時の何倍もの時間をかけて、マリーは町はずれの墓地にたどり着いていた。 無数のスケルトン全てを震える剣でなんとか斬り倒し、ふらつく脚でここまでやってきたのだ。 彼女が城外に出たときはまだ暗かった空が、今はもう白みつつあった。それはすなわち、それだけ長い間戦い続けていたことを……マリーが尿意に堪え続けていたことを意味する。 本来なら追っ手を警戒して剣を常に構えていなければいけないはずが、今の彼女はそれどころではない。出口を押さえつける手が少しでも離れれば、その瞬間にも終わりを迎えてしまいそうなのだ。 だが非情にも、そんなマリーに更なる試練が与えられる。墓地に現れるある存在が、最後に立ちはだかる壁となるのだ。 「ぃ……や……!ゆるして、おねがい……!も、もう、でちゃうの……でちゃうのぉ……!」 目に涙を浮かべて嘆願する彼女の前に現れたのは、意思を持つ死骸。 城に向かう時はにべもなく斬り倒した雑魚、ゾンビ達だった。 少女がいくら涙を浮かべて頼もうと、それで引き下がるような知能を持つ相手ではない。それはマリーにも痛いほどわかっていた。 ぎりりと歯を食い締めて、少女は背中の鞘に納めた剣に手をかける。だが…… 「あっ…………!!?!?」 背中の剣に手を伸ばす、ただそれだけの動きでも膨らみ切った膀胱が引き攣り激痛をもたらす。 それは腰回りをハンマーで殴られたかのような感覚。そしてそれに伴う激烈な尿意が少女を襲う。 もう剣を構えるどころではなかった。出口をきつくきつく握りしめ、アヒルのようによちよちとした歩みでゾンビから逃れようとする。 杖をついた老人とさして変わらない移動速度のゾンビにすら劣るほどの速さであるが、これが今の彼女にできる精一杯だった。 そして来るべき時が訪れた。のろのろとした歩みのマリーはみるみる追いつかれ、ゾンビの群れが哀れな少女に襲い掛からんとその牙を剥く。 そんな最中でマリーは、驚くほど冷静になっていた。ある意味で諦めていたのかもしれない。 (ああ、もう死ぬんだ……私……戦ったってもう……なら、もう楽に……) こんな激痛を味わってまで尿意を我慢していたのは、戦うためだ。体内の聖水を出してしまうと動けなくなってしまうためだ。 しかし今、それが溜まりすぎてもはや戦いどころではない事態に陥っている。もうどうしようもない。 ならば最後に、楽になりたい。少女が思ったのは、こんな切なる願いだった。 しかしここで、思わぬ幸運が訪れる。マリーに襲い掛かろうとしていたゾンビが、消え始めたのだ。 その原因は、地平線の向こうから覗く朝日。日食を経て二日ぶりの太陽が、窮地の少女を救ったのだ。 「あ……おひさま……!」 (終わった……!じゃあもう、がまんしなくても……) 戦いは終わった。この太陽の輝きこそが、何よりもそれを証明していた。 この光のあるうちは、敵が襲ってくることはない。彼女が尿意を堪える理由も、これでなくなったことになる。 (ううん、ちがう……!!ここまでがんばったんだもん……ちゃんと、おうちでしなきゃ……!) (おとうさんとおかあさんだって、見てるんだから……!) 天に召された両親が見守っている前で粗相はできない。信心深い彼女だからこそ、ここで踏みとどまることができた。 戦術的にはもう彼女が頑張る理由はない。だが最後は少女として、誇りを守り通すために。 【マリー 3510/1200 292%】 「が、がまん……!がまんん……!!」 普通に歩けば五分とかからない家まで、少女の最後の戦いが幕を開けた。 もはや彼女が普通に歩くことは不可能である。特に膀胱が悲鳴を上げ、尿意が高まっているうちはその場に立ち止まって両足をきつく締め、両手を食い込むほど強く押し込んでようやくなんとかやり過ごしている状態だ。 少しでも大きく脚を開けば、少しでも振動を与えれば、たちまちのうちに夥しい量の水溜まりをつくってしまうだろう。細心の注意を払い、少女は進んでいく。 どんどん間隔が狭まる尿意の波をやり過ごし、二歩、三歩と歩を進めていく。そして波が高まればまた立ち止まる。 そんな地獄の行軍を三十分も続けて、少女はようやく自分の家へとたどり着いた。 両親の墓に挨拶する余裕もなく、玄関へと飛んでいく。もうすでに、慎重に進む余裕などなくなっていた。 「おしっこ……!!!おしっこぉっ…………!!!!」 じゅいぃっ!!ぶしゅうっ、じゅうううぅ!!! 履いている靴を脱ぐこともなく土足で家に駆けこんでいく。絶叫しているその姿からは一切の余裕が感じられない。 これまで尋常ならざる頑張りによって、一滴も漏らすことなく溜め込まれていた少女の聖水が溢れ出す。歩いた後に点々と雫を残して、少女はトイレのドアを乱暴に押し開ける。 「はやくっっ!はやく、出ちゃ、あああああぁぁっ……!」 素早く下着を脱ぎ去り、木製の便器に向かってしゃがみ込む。もう少女の放尿を邪魔するものは何もない。……はずだった。 しかし最後の最後に、マリーに不運が襲い掛かる。疲労によるものか、あるいは慌てすぎたためか……マリーの脚はもつれ、その場に尻もちをついてしまったのだ。 「あっ!?あ……ぁ……!」 もう起き上がる力などあるはずもなく、しりもちをついた体勢のまま少女の放尿が始まった。 【マリー 3780/1200 315%】 びしゅぅいいいいいいいいいいぃぃぃいいいぃぃい!!!!!!びじゅぢぢぢぢっ!びしゃあああああああぁぁあぁぁぁあああーーーーーー!!!!! 「あっあ!?や、だめ……だめ……!」 それはとても人間が放つものとは思えない水圧で、便所の壁を叩きつける。2リットルにも及ぶ聖水を飲み、利尿薬を吸わされ、まる一日も我慢し続けてきた証が、部屋中に降り注ぐ。 人の背丈より高く吹き上がった放物線は壁に当たって跳ね返り、部屋中に黄金の飛沫をまき散らす。 なんとか止めようと両手を股間に持っていくも、それすら弾くほどの猛烈な水圧。壮絶極まる放尿が便所の中で噴き荒れていた。 びしうううううううぅぅうぅぅう!!!ぶしゅうっ!!ぶしょおおおおおおおおおぉぉおお!!! 「ん……!はぅ……あ……!」 (もう……いいや……) 本来収めるべき便器を盛大に飛び越えて、部屋中を汚していく少女のおしっこ。我慢に我慢を重ねてきたそれを放出する快感に、とうとうマリーは屈してしまう。 びりびりと脳を痺れさす放尿の快感の前に、彼女は後始末のことなど忘れて浸っていく。 一日戦い続けたご褒美というべき甘やかな快感の中で、少女は静かに眠りへと落ちていった。 マリーが眠った後も聖水の放出は続き、たっぷり三分もかけてようやく収まった。 彼女が目を覚ましたのはそれよりはるかに遅く、5時間もの間トイレの床で眠っていた。それほどの疲労だったのだ。 眠りから覚めた彼女を待っていたのは、悲惨な状態になったトイレと廊下だ。特にトイレは、バケツをひっくり返したとしてもこうはならないほど水浸しの惨状である。 マリーは頭から湯気を吹きつつ、撒き散らされた自分のおしっこの掃除をすることとなった。雑巾に吸い取らせ、バケツにそれを絞る作業を何度も繰り返す。 バケツになみなみと注がれた黄色い「聖水」は、とても人間の身体に収まっていたとは思えないほどの量で、それを見たマリーはまた顔を真っ赤にするのであった。 かくして百年に一度の脅威は、一人の少女の頑張りによって退けられた。だがそれでも、魔王が倒れたわけではない。 また百年後にはさらなる凶悪な策を以て人を蹂躙しようとするだろう。その時のため、次代にその血と強さを継承していかなくてはならない。 マリーの戦いは、これからも続いていく。