【尿意ゲージ付】カナとユキの事情〜ユキの事情〜
Added 2022-04-30 23:30:51 +0000 UTCAM 8:00 18歳の冬。それは全国の高校生にとって運命を左右する時期だ。 志望校に入れるかどうか占うセンター試験とそれに向けての猛勉強で、自分の今後の人生が決まると言っても過言じゃない。だからみんな、寒さにも負けない熱い闘志を秘めて臨んでいる。それは私も例外ではなくて。 「……にしても寒すぎ……なにもこんな時に大雪降らなくってもなあ」 なんでも大寒波が直撃したとかで、雪国というわけでもないのに視界のほとんどが白く染まるくらいの大雪に見舞われている。 今のところは電車が止まったりはしていないけれど、急がないと危ないかもしれない。大事な試験の日に遅刻なんてしたら死んでも死にきれない。 だというのに私の大事な親友は待ち合わせに遅れている。普段はこんなことないのになあ…… 「ご、ごめんねカナ!!遅くなって……」 「待ちくたびれたよもう!それじゃ、早いとこ行こうか」 待ち時間から遅れること10分、私の親友のユキが肩で息をしながら到着した。 お世辞にも都会とは言えない場所に住む私たちは、電車をひとつ逃したら次がなかなか来ない。なので着いたばかりだけどユキの手を引っ張って走り出そうとする。 「あっ……」 「どしたのユキ、急がないと遅れちゃうよ!」 「う、うん……」 たぶん疲れてるのか、ちょっとためらうような表情を見せる。けどもうこれ以上待っててあげることはできない。 マナーはよくないけど電車にダッシュで駆け込んで、なんとかほっと一息つく。 「なんとか間に合ったね」 「う、うん、そうだね……」 どうにか無事に会場へたどり着けそうだと安心する私に対して、ユキの反応はどこか上の空というか落ち着きがない。 まあ家から駅まで走って、そこからさらに全力ダッシュだ。運動がそんな得意じゃない彼女にはきつかったかもしれない。 しかもこの雪で足場も悪いときたら、そりゃ疲れるか…… 「すごい雪だね……」 「そう、だね……」 降り続く雪は私たちが乗る前よりさらに酷くなっていて、まるで吹雪みたいになっている。 本当にぎりぎりのところで間に合ったんだね…… ギギィィーーーーーーー!!!!! なんて思っていたら、電車が急ブレーキをかけて止まってしまった。一体なにが…… お客様にお知らせいたします。線路上に雪が積もっており、走行を一時中断することとなりました。大変ご迷惑をおかけいたしますが、除雪が終わるまでいましばらくおまちください。 ……なんてことだ。確かにひどい雪ではあるけど、それほどだなんて…… しかもよりによってセンター試験の日にこんなことになるなんて……さすがにこうなったら中止になるだろうけど、それにしたって運がない…… 「そ、そんなっ……!?」 とか思っていたら、ユキが絶望的な顔で声をあげていた。いくらなんでもそんなにまでショックなことだろうか?まあ、私よりよっぽど勉強を頑張っていた子ではあるけど…… それとも、なにか急ぐ用でもあったのだろうか? 「ユキ、ショック受けすぎー。どうせこうなっちゃったら試験も延期だし大丈夫だよ。それともなにか急ぐことでもあるの?」 「…………っ!?」 どうやら図星だったみたいで、顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。そんなに大事なことって、いったいなんだろう。 テスト以外で、電車を降りてすることなんてなかなか思いつかない。テスト勉強なら車内でもできるし、暇つぶしだってスマホがある。あ、朝ご飯を食べてないとか? と、いろいろと気になって考えを巡らせていたらユキの方から動きがあった。ちょいちょいと手を動かして、耳を貸してほしいみたいだ。 「お、おトイレ……行きたいの……!」 ユキの口から告げられた理由はとても重大で、とても切羽詰まったものだった。 「え、マジ……?どのくらいヤバいの?」 「朝行きそびれたから、もう……!」 朝って、じゃあユキは昨日の夜からずっとトイレに行ってないってことになる。 朝起きた時の尿意は、まあ私も毎朝経験してるからわかる。だいたいはすぐトイレに行くから問題ないけど、もしそれを出来なかったらどれくらい辛いかなんて簡単に想像がつく。 というかそうだよ、普通はトイレに行くはずだ。それをしてないっていったいどういうことだろう。 「行きそびれたって、なにかあったの?」 「お、お母さんが入ってて……待ってたんだけど、時間がなかったから……」 なるほどそういうことか…… ユキのお母さんはものすごい便秘体質で、2週間くらいお通じがないのなんてザラだ。それだけにお通じが来ると壮絶な戦いを繰り広げている。それがよりによって今日の、それも朝に来るなんて……タイミングが悪いとしか言いようがない。 普段の学校なら遅刻を覚悟で待つこともできたろうけど、今日に限ってはそうもいかない。そんなユキが駅のトイレに期待を寄せるのは無理もないことで…… 急いでいたとはいえ、無理やり過ぎたかな……落ち着いたらちゃんとユキには謝らなくちゃ。 「ど、どうしよう……!カナぁ……!」 「どうしようっていっても……」 こんな取り乱しているときに謝ってもいらない気を遣わせるだけだ。今はユキの差し迫った事情をなんとかしてあげなくちゃならない。 けど実際、私に何ができるかっていうと……はっきり言って何もできることはない。 この電車には毎日乗っているので、トイレがないことはよく知っている。 代わりに使えそうなものも……今日に限っては勉強道具を鞄に詰め込んでいて持っていない。 片付けが苦手なので、普段なら鞄の中にちょっと捨て忘れたボトルとかビニールとか入ってるんだけど……本当に何から何までタイミングが悪い。 そっち方面でできることがないなら、私にできることは……多分これしかない。 「大丈夫だよ。きっとすぐ動き出すから……それよりさ、暇つぶしに妖怪ストライクやろうよ」 待ってる時間の退屈さを遊びでごまかしてあげること、そして気休めでもいいから励ますこと。そのくらいしか、私にできることはない。 ユキがそうするのと同じように私も、電車が早く動いてくれることを祈って、今はひたすら待つだけだ。 AM9:00 【ユキ 780/920 84%】 【カナ 130/740 17%】 「ま、まだ……なのかな……もう、だいぶ待ったよ……?」 「だ、大丈夫だよ。きっともう少し、もう少しだから……!」 あれから一時間。まだ電車が動く様子はなくて……その間ずっと焦らされたユキの様子は、そろそろスマホでゲームをする余裕さえなくなりつつあるほどだ。 周りの人に気づかれないようめいっぱい気を使ってはいるんだろうけど、もうそれも追いつかなくなってきている。 手すりに寄り掛かってもぞもぞと身体を揺すり、スマホで時間を確認してはため息をつく。 段々と身体の揺れが大きくなってきているのが、何より切実に彼女の危機を告げていた。 もう暇つぶしなんかじゃどうにもならなくなりつつあって、私自身もどうしていいかわからなくなってきていた。 お客様にお知らせいたします…… そんなとき、車内に放送が鳴り響いた。その内容は私たちにとって、まさに救いとなるものだった。 緊急事態に備えて、運転室には携帯トイレをいくつか保管してあったらしい。さすがに乗客全員分とはいかないけど、子どもと女性に優先して配ってくれるみたいだ。 まあこれを使うこと自体避けたいことではあるけど、いざという時の支えがあるのとないのとでは大違いだ。もらいに行かないっていう選択肢はない。私たちは今いる車両を離れて、先頭車両に向かって歩き始めた。 AM9:45 【ユキ 900/920 97%】 【カナ 200/740 27%】 先頭車両に着いてからもユキに安息は訪れなかった。8両編成の電車にいるほとんどの女性と子ども連れが押し寄せて、行列ができていたから。 それでも男の人がいないだけマシではあった。通勤、通学電車ということで、圧倒的にそっちの割合の方が多いはずだから。 見ただけでも50人はいたであろう行列を並びきって、ようやく私たちの番が訪れる。 「すみませーん、私とこの子とで二つおねがいします」 ようやく念願の携帯トイレを受け取ることができた。華の女子学生としては絶対に使いたくないけど……あるに越したことはない。最悪の事態になるより、ずっとましだから。 そしてこれを使う事態は、もうそんなに遠くないところまで来ていた。 「ぅ……はぁ……っ、ぅう……!」 歩く度小さな吐息を漏らし、ぎゅぅっと私の手を握るユキ。じっとり汗ばんだその手が、ユキの我慢を伝えていた。 もう限界が近いのだろう。その視線はちらちらと携帯トイレに向けられていて……だけどそれを使うのを躊躇しているような感じだ。無理もない。 いくらそれがトイレだとしても、本物のように仕切りがあるわけじゃない。それ自体はただの容器であって、人前ですることに変わりはない。女の子としては絶対に避けたいことだと思う。 特におとなしい性格のユキならなおのこと、そうなってしまうのは仕方がない。男みたいって言われる私でさえ、この場でそうしろって言われたら……たぶんその言ったやつを蹴り倒すだろう。 「……ユキ、いざってなったら言ってね。私が全力でなんとかするから」 だけど、もう恥ずかしいなんて言っている場合じゃなくなってきているのも確かで・・・・いざその時が来た時のため備えておかなくちゃならない。 なるべく人に見られないように、なるべく人に聞かれないように、内緒でそれを済ませてあげられるようにするのが、友達として私にできる数少ないことだから。 「だ、大丈夫……だよ。まだ……だいじょぶ、だから……!」 ここから先は彼女の決心を待つ時間だ。それまでに電車が動いてくれることを祈りながら、ひたすら待とう。彼女が少しでも気を紛らわせていられるように、精一杯おバカな話をしながら。 AM10:15 【ユキ 1070/920 116%】 【カナ 250/740 33%】 「お、レインボーだ。何が出るかな……って、またこいつか……もう何体目かな」 「あはは……カナ、そのキャラ何回も……引いてる、もんね……」 私たちが電車に閉じ込められてからおよそ二時間。まだ電車が動く気配はない。 ふたたびスマホゲームを始めた私たちだけど、いよいよ会話するのさえ覚束なくなってきていた。それどころかユキの両足はもじもじと摺り合わされ、もう彼女の事情を隠すこともできなくなってきている。 誰が見たって我慢してるのが丸わかりの状態だけど、彼女は自分がそんな状態なのに気づいていないようだ。いや、気づく余裕もないんだと思う。 周りの人に女の子の危機を知られていると気づいていないのは彼女にとってむしろ幸いなのかもしれない。もしそれを知ったらこの子は泣き出してしまうかもしれないし、この動きを下手に止めようとしたらたぶんもっと辛くなってしまうだろうから。 果たして電車が動くまで耐えられるか……その答えは考えるまでもなく、ちらりと外を見れば猛烈な吹雪が目に入る。1時間やそこらでは動きそうもなくて、そして彼女の残り時間は……たぶん1時間もないはずだ。 やっぱり言うべきだろうか。携帯トイレを使った方がいいって……それが彼女にとって恐ろしく恥ずかしいことなのは承知で、それでも他にどうしようもないことを告げるべきだろうか。 「か、カナ……っ!」 そうして迷っていると、ユキの方から動きがあった。 震える口から紡がれたのは、たった一言……「もうだめ」と。その一言はつまり、ユキの中で諦めがついたということの証明だった。あとは私が最後のお膳立てをしてあげる番だ。 「……わかった。もうちょっとだけ我慢できる?」 これまで散々頑張ってきた彼女には残酷かもしれないけど、私にはそう言うしかなかった。 私がずっと考えてきた緊急避難のためには、少し移動をしなくてはいけないから。 その私の問いかけに、彼女は小さく頷いて応えてくれた。あとは彼女の我慢がそこまで持ち堪えてくれることを祈ろう。 火照った友の手を取って、私は電車の中を歩き始めた。 AM10:30 【ユキ 1150/920 125%】 【カナ 280/740 37%】 「んぅ……!ふぅ……ふうぅ……!」 それからの彼女の様子は、それは酷いものだった。 きれいな長い髪が張り付くくらいの汗を額に浮かべて、スカートの裾をぎゅっと握り締めて、時々太ももを擦り合わせる。 誰から見てもわかってしまうくらいの、オシッコ我慢のポーズ。 そんな酷い状態の彼女を連れ歩くのにはわけがある。 これから使うのは携帯トイレであり、普通はこんな人がいる中では使わないものだ。仕切りも何もないところでそれを使うのは、道ばたでするのと大差ない。 この電車内で仕切りになってくれそうなものというと、車両を移動する時の扉だ。上の方には透明な窓があるけど、下の方は見えない。大事なところを隠してくれるし、音だってある程度防いでくれるはずだ。 だけどそこを使うにしたって、人目があったらそりゃやりづらい。特にさっきまでいた車両の人は、ユキがトイレに行きたいことを知っている。 そんな状況でそこに長居してたら、そこで何をしてるかなんて丸わかりだ。それはそれですごく恥ずかしいことだし、ここにはおじさんも多いから何が起こるかわかったもんじゃない。 だから少しでも人が少ない車両に移動して、見られる確率を下げる……私がピンチの友人を引きずり歩いているのにはこういうわけがある。 できれば全車両を見ていきたいけど、たぶんそんな時間はない。どこかしらで妥協はしなくちゃいけないけど…… 「……っ!ひぅ……!」 びくんと身体を強ばらせるユキの様子はどう見ても限界で、今すぐの決断を求められていた。 車両を見渡すと、待ち時間を持て余したのか寝ている人が多いし、そうでない人も大抵スマホを見ていてこっちに気づいていない。千載一遇のチャンスが舞い降りていた。 「……がんばったね、ユキ。ここならきっと大丈夫だよ」 「み、見られない……かな……?」 「大丈夫だと思う。寝てる人多いし……ぱぱっと済ませれば大丈夫だよ」 計画通り車両のすき間に入り込み、両方の扉を閉める。これで大事なところは隠せるはずだ。 あとは事を済ませて戻るだけだ。ユキは恥ずかしさを払うように一気に下着を降ろして、携帯トイレをあてがった。 ビニール製のトイレがあてがわれるなり、間髪入れずに音が聞こえてきた。 それは1番の親友の、我慢に我慢を重ねたオシッコが放たれる音。ユキの1番恥ずかしい音だった。 【ユキ 1180/920 128%】 【カナ 300/740 40%】 びしゅううううううううぅぅぅーーーーー!!!びぢぢぢっ、じょぼぼぼぼぉーーー!! 「はぅ……!はぁ……あ……!」 「わ、ふわぁ……」 それは、おとなしく清楚な彼女から放たれているとは思えないほど豪快な音で……べろべろに酔っ払ったお父さんが入った時のトイレからするような、ものすごい音だった。 あのユキが、と思うとなんだか私も変な声をだしてしまうくらいの壮絶なおしっこ音。 大容量700mlのトイレが、瞬く間にユキの黄色い液体に満たされていく。 いやそれどころか、もう溢れそうなくらいに……! 「ゆ、ユキ!一旦止めて!溢れる!!」 「ふぇ!?あっ、んんぅ……!!」 「ちょ、ちょっと待ってて!私の出すから!」 昨日の夜から溜まりに溜まったユキのオシッコは700mlなんかじゃ全然収まらなくて、ついには携帯トイレを満水にしてしまう。 それでもなお収まらないようで、私の分を渡すとユキはそれを慌ててあてがい……2度目のオシッコを解き放つ。 ぶじょおおおおおおぉぉぉーーーーー!! 「あぁぁ……!」 もう700mlも出してるのに、また猛烈な音がユキの身体から鳴り響く。その音が、量が彼女の頑張りを物語っている。 熱い吐息を吐いて、とても女の子が見せちゃいけないような顔をして、ユキはオシッコを続ける…… って、そうだ!顔は見えちゃうじゃん! 親友のこんな顔、誰にも見せられない!とりあえずカバンから下敷きかなんか出して、顔を隠さないと…… しかしあのユキが人目を気にせずこんな顔するなんて…… 私の手にある、さっきユキが使っていた携帯トイレの重み……これの倍近いものがお腹に収まっていたんだって考えると、やっぱり気持ちいいのかなぁ……? 「はふぁ……」 その後もユキは下敷きを吐息で湿らせながらオシッコを続け、2つ目の携帯トイレをほぼ満タンにするまで出し続けた。 長い長いオシッコの後には気まずい沈黙。そりゃそうだ。いくら親友だからといって、いくら仕方がないからといって、見られて恥ずかしくないはずないんだから。 だけどずっとここにいるわけにはいかなくて……沈黙を破るのは、私の役目だ。 「……ユキ、もう大丈夫?」 「う、うん……大丈夫……」 「そっか……そ、それじゃ、戻ろっか」 「えっと……これ、どうしよう……」 これ、とはユキと私の手にある、満水の携帯トイレ。 さすがにこんなものを放置するわけには……かといってこれを持ち歩くってのも…… とはいえこれを置いといたらたぶん、死にたくなるレベルの恥ずかしさを味わう羽目になるし…… 「あー…………わ、私が持とっか?」 咄嗟に出た言葉は、冷静に考えるとあまりにもひっどい言葉だった。 「だっ、だめだよ!い、いくらカナでもそれは……」 ですよねー…… 我ながらなんでこんな事を言ったのかわからない。言った1秒後にはもう後悔してる。 結局ユキのオシッコが入った袋はユキのカバンに収まることになった。 カバンに入れる時の彼女の表情は当分忘れることはできないだろう。顔を真っ赤にして、頭から湯気を噴いてたんだから。 ともかくこれで一件落着……かな。あとは雪が止んで、電車が無事に動くのを待とう。 ……さすがに、あと何時間も待たされたりはしないよね? 【カナ 340/740 45%】