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世界接近の後遺症(1)・真夏の市民プールのシャワー室で

 なんでこんなことになっちまったのかな。さっきまで普通にプールで泳いでただけだったのに。  おい、本当にイったら元に戻れるんだよな?  そりゃ、おまえの言ってることはそれなりに筋が通ってるっぽいけどさ。いきなり市民プールで話しかけてきた中学生の女の子に説明されても説得力が……。  だいたいおまえ、ほんとに中学生? 貧乳もいいとこで長い髪と水着以外はまるで男の子……  ごめんなさいごめんなさいっ! 痛いからほっぺつねるのはやめてやめて!!  わかりましたそうですごめんなさい、あなたは今の俺より背が高い立派な中学生です!  あの、それで……アソコに指入れたら、イクことができるの?  よ、よくわかんないから質問してるんでしょ!  ?! きゃあっ!! 何すんのよ!  …………あれ? 今の言葉遣い、何?  あたし? あたしは夢美。この近くの東小に通ってる六年生で……って、違う! あたしは本当は大学二年生の茂幸なのに!!  馴染んじゃうって、言葉遣いとかだけじゃなくて、立場や名前まで? こんなに早く?  う、うん。パパやママは変わってない。あたし……夢美は、パパとママのかなり遅く生まれた娘ってことになってる。  言いたいことはわかったけど、だからっていきなり胸をこんな風にすることないでしょ。恥ずかしかったんだからね。  だいたい、こんなことしても意味ないもん。茂幸は普通の趣味してるから、こんなちっちゃい女の子の裸見ても興奮なんてしないんだよ。  わかってるけど! どうすればいいのかよくわかんないから苦労してるんじゃない!  あ……ごめんね、せっかく手伝おうとしてくれてるのに。  あの、もしこのまま元に戻れなかったら、あたし、どうなるの? 茂幸だった時のこと、全部忘れちゃうの?  逆……?  何もかもくっきりしっかり覚えたまま、夢美として人生やり直すってこと?  ……そんなの、却ってつらいよ……。  それって、大学二年の茂幸の記憶を持った、すごく変な夢美になっちゃうってことじゃない。あたし、二学期に学校行ってもケイくんやユキちゃんと普通に話せなくなっちゃうよ。  それに、ね。茂幸はこないだ二十歳になったんだけど、その晩は父さんと一緒にお酒飲んだの。そしたら父さんは何だかほっとしたような顔してて……。  でも、夢美のパパは、そんな顔してくれないの。「夢美が大学出るまではがんばらなくちゃな」なんて言って……。  元に戻らなくっちゃ……パパやママにこれ以上苦労させたくないのに……。  痛いよ……アソコいじっても、ちっちゃなおっぱい揉んでも、気持ちよくなんてなれないよぉ……。  ………………もう、駄目なの? 間に合わないの?  ううん、その、こっちこそごめんなさい。もっと早く真剣に話を聞いてたら、もしかしたら間に合ったかもしれないのに。  あの、大丈夫だから、気にしないでください。そりゃ、すごく変な気分だし、妙なことになっちゃったけど……別に、パパやママや友達がいなくなっちゃったわけじゃないし、本当に、大丈夫です。  敬語の使い方くらい知ってますもん。あたし、さっきまでは二十歳だったんだから。  ええと、あなたは二中に通ってるんですか?  え? だったら、来年あたしも通うことになるから、また会えるって思ったんですけど。  …………あちこち旅して……あの、無駄足踏ませちゃって、本当にごめんなさい!  それもそうですね、でも、やっぱりごめんなさい。  あ、もしこの辺でまたそんなことになりそうだったら、連絡してくださいね。あたし、必ずお手伝いしますから!  は、はい、がんばります。  それじゃ……また。お元気で!


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