NokiMo
茶

fanbox


幼なじみが俺で、俺が俺の妹で(13)『可愛い妹』

「それより、『光莉ちゃん』こそうちのクラスとかで評判だよ?」  湯船の中で、会話は続く。 「え?」 「新入生に可愛い子がいるって。うちの妹って言ったら、清彦くんや敏明くんが紹介してくれだって。みっくんが良ければセッティングするけど、どう?」 「無理無理無理!!」  俺は首をぶんぶん横に振る。  なんで三月までバカ話やエロ話をしてたあいつらに可愛い後輩女子扱いされなきゃいけないんだ。そりゃ今の俺は可愛いとは思うけど、それは『光莉』が可愛いんであって。 「だよね」  俺の気持ちはわかっていると言わんばかりに瑠璃が肯く。すっかり瑠璃に見透かされているようで、ちょっと悔しい。 「でも、今のみっくん本当に可愛いよ?」  瑠璃に面と向かってそう言われると、ちょっとドキッとしてしまう。 「か、からかうなよ……『光莉』が可愛いだけじゃん」 「そうじゃなくて」  瑠璃は、どう説明するかちょっと思案するように、あごに軽くこぶしを添える。瑠璃本人の癖だけど、『俺』の身体でやっても意外と様になっていた。 「事情を知ってるわたしにしかわからないことだけど、光莉ちゃんの身体でみっくんががんばってる姿が可愛いなあって。そしてもしかしたら、周りの男子もそういうところを少しは感じ取ってるのかも」  俺は本当は男なのに……。  いや、男なのに女の身体だから可愛いと、そういう話を瑠璃はしているのか。何かちょっと上級者過ぎないか? けど、俺も今の瑠璃のことは、女なのに男の身体なのが不思議な魅力があるような気も……。いやいや、どこかおかしいぞ、この考え方。深く考えないようにしよう。  でも。 「可愛い、かあ」  瑠璃や光莉や他の女子が可愛いとは、男だった時にいつも思っていたけれど。自分がそう思われたり言われたりするのは、改めて意識すると不思議だなあと思う。  そして、自分があんまり拒絶感を覚えないことも。『光莉』として暮らしているうちに、その辺の感覚がかなり変わってしまっているのかもしれない。  ただ……その先については、あんまり変わってないのかなと自分で自分に安心するところもある。  今、瑠璃に清彦や敏明に紹介すると言われた時、あいつらにそういう目で見られるのは嫌だとすんなり思ったし、自分があいつらを全然そういう目で見ていないことにも気づいた。  俺が好きなのは、今でも瑠璃だ。『俺』の身体になっていようと、俺が『光莉』になっていようと。  こんなこと、本人には言えないけれど。  少しばかり話の方向を変えたくて、俺は口を開いた。 「それで、お兄ちゃんはあたしのことどう思ってるの?」 「え、そりゃもちろん、自慢の可愛い妹だよ」  口調を『光莉』にして訊いてみると、『俺』っぽい口調ですごくストレートな褒め言葉が返ってきた。  まっすぐ過ぎて、顔が熱くなる。赤くなっちゃってるかも、瑠璃にわかっちゃってるかも、と考えるとそれがさらに加熱させる。  これは、どういう理屈なんだろう。好きな瑠璃に言われてるから? 『妹』の身体が『兄』の褒め言葉に反応してるから? 「えっと……みっくん?」  戸惑うような、気遣うような、瑠璃の言葉。これ、絶対顔色の変化まで読み取られてるやつだ。 「そ、そろそろ抜くぞ」  大きな音を立てて、風呂から出た。  瑠璃を椅子に座らせて、後ろからそのチンポに手を伸ばす。  瑠璃はお兄ちゃんじゃないし、俺は可愛い妹じゃない。俺は瑠璃が好きな男子で、瑠璃は本当は女の子で、でも今は事情があって身体がおかしな入れ替わりになっているから、こうして俺は女の子のちっちゃな手で瑠璃のチンポをしごいている。頭までおかしくなりそうな状態だけど、これこそが俺たちが兄妹じゃない何よりの証拠。  だが、瑠璃の勃起は今夜は妙にでかかった。 「ど、どうしたんだよ、これ……」 「さ、さっき、みっくんが顔を赤くしているのが何かいつもより可愛く見えて……そのせいかも」  妹萌えってやつか?  そんな軽口は叩けなかった。これ以上、瑠璃に『光莉』を意識させてしまいたくないと思って、俺は今回もそそくさと瑠璃を射精させようとした。  なのにおかしなことを色々と考えてしまう。  瑠璃のチンポがでかくなったってことは、俺を意識したってことで。それってつまり、瑠璃が俺に異性としての魅力を感じたってことで。うれしいと思う反面、男の瑠璃に女として魅力を感じさせるってどうよとも思う。  と同時に、『妹』として『兄』にそんな目で見られたことにも複雑な気持ちになる。ちょっとだけ気持ち悪いと感じつつ、やったという感覚も湧いてくる。ただこれもやっぱり、瑠璃と俺だからであって、光莉が俺にそんな目で見られたと知ったら気持ち悪さ十割になるだろうな……いや、一分、いや一厘くらいはもしかしたら?  こんな入り組んだあれこれを考えてしまうのも、瑠璃と俺が兄妹になってしまっているからなんだよな。俺が『光莉』じゃなくてまた別の女子になってたら、今頃は……って、そしたらこんな風に一緒に風呂に入ることもそのたびに手コキすることもありえないし、そもそも入れ替わりなんてなければ俺と瑠璃は普通に男女として……って、こんなことにでもならなければ俺と瑠璃は距離を置いたまま離れ離れになっていたわけで……。 「あ……んっ!」  わけわからないことを考えているうちに、瑠璃のチンポから熱い精液が飛び出て、いくらかはドロドロと俺の手まで垂れてくる。 「ほら、洗うぞ」 「やっ、みっくん、射精した後は敏感になっちゃうんだから優しくしてよぉ」  瑠璃が可愛くしゃべる。でも『俺』の声だし、しゃべってる内容は、中二女子が本来知るはずのないような知識。  ……早く元に戻りたいと、改めて思った。

Comments

コメントありがとうございます! 書籍何冊分にもなるような長い話にするなら、他の男性キャラも出して関係性を複雑にするのもいいでしょうけど、今回は惑いのない一対一を考えております。 こちらこそ、いつもありがとうございます。

上級生(元同級生)から評判の可愛い娘が自分っていいですね。 意識するとより女の子化が進みますよね。 今の同級生(一年生)はどうしても後輩感があるでしょうし 本来クラブ活動とか委員会とかで先輩男子と交流があったら より男子が異性として意識せざるえない感じになるのでしょうけど・・・。 お兄ちゃん以外に女の子を意識させるキャラいないでしょうかね。 気持ちはお兄ちゃん一途でしょうけど。 あ~今回も堪能させていただきました。 産みの苦しみ・・・お疲れ様です。 ありがとうございます!

丸井主将


Related Creators