【褌の日】異界からの忘れ物
Added 2024-02-14 14:35:54 +0000 UTC「ねぇ、同じ学年の間さん、まだ見つかってないんだって?」 「家出とかじゃないみたいなんでしょ? 早く見つかるといいね」 学園内でそんな噂がまことしやかに囁かれている。この学校に通学していた女学生の一人が、いつもは毎日規則正しく部活の時間に来ているはずなのにその日は来ず、そしてそのまま消息不明になったという話だ。 その女学生の両親や部活仲間達も彼女を必死に捜索したが一ヶ月経過した今もその消息は未だ掴めないままだった。 「詩織、あんたも気をつけなよ。もしかしたら不審者がいるのかもしれないし」 「分かってるよ」 同じ学校のバレーボール部に所属する女子高生の石野詩織は、クラスの友人とそんな話をした後、放課後の部活動に向かうのだった。 (気をつけないと言っても……不審者の情報とか出てないんだし……きっと大丈夫よね) 詩織は漠然とそう考えていた。大事件が身近にあったといっても結局は自分とはほとんど関係のない対岸の火事のようなもので、故に彼女は半分気楽に思っていたのだ。しかし、時に不幸というのは起こるものである。詩織も、彼女のような出来事に巻き込まれるとはこの時想像もしていなかった。 「まだ誰も来てないか。じゃ、着替えようかな」 そう言いながら誰もいない無人の更衣室のロッカーを開ける詩織。しかしロッカーの中の物を見て彼女の思考は一瞬停止した。 「ちょっと……何これ?」 いつもは空のはずのロッカーの中に何やら白いものが入っていたのだ。どうやらそれは一枚の布のようだった。詩織はタオルやハンカチを誰かが置き忘れたのかと何となく手に取って広げてみる。それで判明したそれを見て詩織は思わず叫ぶ。 「きゃああっ!」 そしてそれを床に落としてしまった。一瞬、指に感じた湿った感触、鼻をついたツンとした匂い(しかも生理的嫌悪感を煽るものだ)。閉じた目をうっすらと開きながらその落としたものをゆっくりと覗き込む。それは間違いなく下着だった。しかも男物の。 「ちょっと、何でこんな物が女子更衣室のロッカーに!?」 その下着は褌。昔の人間が愛用していたと聞くものだ。詩織がその鼻で嗅ぎ取った悪臭は間違いなく男性の汗と……下半身の匂い。それを確信した途端、詩織の胃で吐き気が込み上げる。 「おえぇっ……!」 吐きこそはしなかったが喉を押し付けて吐くポーズを取る。体勢を崩した詩織は床に尻餅をついてしまい、身動きすらとれなくなってしまう。その時詩織の頭の中に浮かんだものは、行方不明になった女子生徒の事。そして不審者の噂。 「もしかして、この学校にソフト部の人を誘拐した人が……? いやいや、そんなのありえないよ! ありえ……」 頭を振り嫌な想像を振り払おうとする詩織。そんな詩織の隣で、静かに落ちていたはずの褌がゆっくりと蠢いている事に彼女は気が付かなかった。そして…… 「きゃああああぁっ!?」 閑散とした更衣室に布が千切れる音が響く。更衣室には詩織が今まで着ていたはずの制服や、ブラジャー、パンティ、靴下などの下着だった無数の布切れが散乱していた。そして詩織は何も着ていない丸裸の状態にさせられてしまっていた。ただひとつの箇所を除いて。 「あっ、私の服が! それに……いやあぁっ! 何なのよこの褌っ!?」 詩織の股間部を隠すようにあの白褌が巻かれていた。自分で巻いたとは思えない。では、あの褌が勝手に自分に巻き付いたのだろうか? 実際そうだった。この褌はまるで生きているかのように詩織の体にフィットした。 「いやっ! 外れて! どうして外れないの!?」 慌てて褌を脱ごうとするも意思を持ったかのようにガッチリと固定されいくら力を入れて引っ張っても離れなかった。 褌に悪戦苦闘する詩織。そんな彼女にさらなる悪夢が訪れた。 「そんな、どうし……うぐっ!?」 詩織は自分の体内が爆発するかのような異様な感覚に見舞われる。全身が脈動し、得体の知れないエネルギーが身体中を循環して、自分の中に還元されていくのを感じていた。そして、そのエネルギーの基は、あの褌だった。 「やめっ、やめて……私……何か出ちゃう! やめ……うおおぉ……!!」 詩織は突如自分の声から出たとは思えないような獣の咆哮のような声を響かせた。と思った次の瞬間、詩織の股からは透明な液を何度も何度も垂れ流していた。その時から繰り返し襲いくる絶頂と性器から流れ出る潮に、詩織は正常な思考を完全に妨げられてしまう。 「おおぉ、あっ、あんっ、なに゛っ、これぇ、股がっ、あついぃ……ンオゥ!?」 野太い詩織の雄叫びと共に褌がモッコリと盛り上がった。その膨らみはどんどんその体積を増していって、いつしか褌がパンパンに膨れ上がるほどに巨大化した。 詩織は、自分の股座にぶら下がる太い肉棒と大きな種袋が一体何なのかを、理解できなかった。 当然だろう。それは女子である詩織には一生作られない機関なのだから。 「やめてっ! これ、止めてぇっ! いやぁァアアアウオォォォォッ!!」 彼女の悲鳴が叫びに変わった瞬間、詩織の褌が一気に濡れそぼっていった。彼女はその日、初めて男性としての精通を迎えたのだった。 そして男の機能を使用した時から、彼女は彼女を終了した。体内の女性ホルモンが男性ホルモンに一気に置き換わっていく。そして人間のDNAすらも……人ならざるものへと書き換えられていく。 「ア゛アア゛アァァァ゛っ、いやぁっ、おっ、オオ゛オオオオォォおんっッッ!!」 その変化は一瞬だった。既に詩織の“女性”と“人間”は彼女の構成していた肉体を保てないレベルで失われていた。それは今も快感に喘ぎ悶える詩織の褌の中で残滓として乾き始めている。 雄の叫びと共に詩織は骨格から悍ましい変化を進めていく。身長は一気に伸び二メートルを一瞬にして超え、細かった腕は脂肪と筋肉で何倍にも太くなる。 脚も腕以上に太く変わりその大きくなった肉体を支えられるよう石柱の如く剛健に逞しくなる。 胸の豊満な脂肪は風船の空気が抜けるように失われて代わりに山のような胸筋と脂肪に置換された。 腹はボコリと突き出るように膨張し、その上から堅い腹筋が乗せられていく。爪は黒く硬くなりまるで動物の蹄のようだ。 頭が痒くなりつい勢いよく掻きむしると、髪の毛が頭皮から離れごっそりと抜けていく。手や指をすり抜けた元彼女の艶やかな毛は一本残らず更衣室の床に落ちた。 ゾワゾワとした感覚とともに詩織の全身に茶色の毛が生え揃っていく。ゴワゴワの癖のある剛毛が余す事なく全身を覆っていき詩織の全身は毛むくじゃらになってしまった。 「ごんなごどっでぇ……ブッ、ブゴォッ!?」 涙と涎を垂れ流してガラガラになった声で嗚咽する詩織。そんな彼の言葉は鼻を鳴らしたような悲鳴により中断した。 詩織の小さく可愛らしかった鼻は大きく広がりねじ曲がっていく。先っぽから大きく突き出し始めた鼻はその体積を増し鼻の穴を最大限にまで拡張しつつ遠くのものまで嗅ぎ分けられるように発達する。 口は裂けていき、裂けた口からかつて人間だった頃の歯が全て抜け落ち床や髪の毛の上にコロコロと転がっていく。無くなった歯の代わりにものをすり潰す太い歯や口からはみ出てしまうほど大きい牙が生えてきた。これが詩織の新たな歯だ。 鋭い牙を支えられるように顎も大きくしゃくれていきその上からも身体と同じ茶褐色の毛が生えていく。その中でも口周りや顎の伸びは激しく、まるで髭のように生え揃っていた。 耳は体内に引っ込むと、二、三秒ほどで頭上に小さな三角耳がぴょこんと飛び出した。 ぱっちりとした目やくりくりとした瞳も皺ばった細い目と見た者を威圧する鋭い三白眼へと変貌してしまう。 もう今の大男を女子高生の石野詩織だと認識できる者は誰もいないだろう。 「わっ、わだしっ、どうなっだ!?」 慌てて更衣室に備え付けられた大きな鏡に自分の姿を映し出す。鏡に映ったその姿に詩織は愕然とした。 「これがっ……私?」 そこには猪の姿をした大男の姿があった。大きく突き出した胸、太鼓のような腹。ごん太の腕と脚、豚のような鼻に口から聳え立つ刃のような牙。そして精に濡れた褌にもっこりとした股座。どこからどう見てもそれは女性でも子供でもない。大人の、中年の男性だった。しかも人間ですらない。強いて言えば獣人と言ったところだろうか。 「いっ、い゛やぁ……こんなんじゃ私、どこにも……プギッ!?」 自らの雄々しい立ち姿を認識した途端、絶望に苛まれていた彼女の精神に妙な感情が押し寄せてくる。よく見ると、褌の中の詩織のチンポが突き上がっているのだ。この現象を詩織は知っていた。 「これって、男の人がなる、オチンチンの……?」 詩織は女子だった頃、勃起した男子生徒の姿を見た事がある。その時彼女は心の中で嫌悪感を感じていた。その勃起を今自分がしている。その事実に詩織は恐怖で打ち震えた。自分もあの下品な男みたいになったのかと。しかしそんな感情とは別のゾクゾクとした感覚が彼の中を支配した。 「私、勃起してる……こんなのっ……私、この毛だらけの臭い太ったカラダ見て……ン゛ッ!」 “それ”を自覚した詩織は鏡の中の自分の姿を舐めるようにして見る。その時現れた“感情”が、彼の興奮を爆発させた。短い唸り声と共に詩織は褌の中に射精した。しかも、一度ではなく二度三度もだ。 エロい――逞しい――雄としての誇り――そんな感情が一気に詩織の脳内を支配して彼を無限の絶頂へと誘う。猪獣人と化した詩織は褌の中に臭くて濃い精を何度も何度もぶち撒けた。 「あっ……私は……ワシはぁ……!」 詩織の意識は、自らの『石野詩織』というアイデンティティと共に闇に溶ける。彼女は見えない暗闇へと吸い込まれ、消える。 更衣室にはもう誰もいなかった。彼女が撒き散らした服の破片や髪の毛すらももう何も残ってはいなかった。 ◆ 「う、うーーむ……」 身体中を襲う倦怠感と共に詩織は目を覚ます。そこは畳の上だった。がばりと意識を覚醒させるとそこには畳で覆われただだっ広い空間が広がっていた。ここは学校の……武道場だろうか? 「確かワシ……褌を着けられて……女子から猪のジジイになって……何だったか?」 今までの記憶を呼び起こそうと頭を捻って考えるも覚えている事と言えば『自分が人間の女性だった』『褌を着けられて猪の獣人となった』事だけだった。自分の家族や名前すらも思い出せはしなかった。 「おーい金山先生!」 「お、真倉か。どうした?」 詩織は自分に駆け寄ってくる巨漢の熊獣人の事を自然と『真倉』と呼んだ。見た事もない人間のはずなのに、彼はこの熊男が自らの教え子である真倉伍吾郎だとすぐさま認識できた。 「先生、今日の部活はこれで終わりじゃったよな?」 「あ、あぁ……そうだ、な……?」 伍吾郎に“先生”と呼ばれてようやく詩織――いや、五十五歳の猪獣人である金山銀太は自分が◯×高校の体育教師であり柔道部の顧問だという事を思い出した。目の前の伍吾郎は柔道部の主将なのだ。 「でのぅ、先生。今日はいつも一緒にやってる大吉が風邪ひいちまっててさ……お願いできないかのう?」 そう言って赤ら顔をした伍吾郎は柔道着をはだけさせ自らの大きなチンポを見せつける。そのチンポを目にした銀太は思わずゴクリと生唾を呑んだ。 「おい……ワシは教師だぞ。教え子相手にそんな事っ…… おわ!」 破廉恥な真似をしようとする教え子に説教をしようとした銀太は、不意に伍吾郎にいつの間にやら着ていた柔道着を脱がされてしまい慌てふためく。 褌一丁になった銀太は思わず全身を隠すように抱きしめるがその隙をついて褌まで脱がされてしまう。 「な、何やっとんだバカモン!」 「……とか言って先生も勃起しとりますのう。いっつも先生は真面目ぶってるくせに最後はワシらのチンポしゃぶっとる。いい加減この時は先生ではなく男個人で見てくりゃせんか?」 ずい、と伍吾郎の男臭い顔面がアップになる。その顔はニヤリと笑みを浮かべていた。その笑顔はどんどん銀太の顔に近づいていき―― 「んっ!」 「んんぅ……むっ、んちゅう……」 銀太の唇はかぶりつくような伍吾郎のマズルに奪われた。侵略するように舌を強制的に入れられ口内を太い舌でなぶられる。口からの呼吸を打ち止められた銀太は必死になって鼻で息をするも、その大きな豚鼻からフゴーフゴーと音が鳴る。 「ん、ぷあっ!」 銀太の口につう、と銀色の糸が垂れる。その茶色の毛に覆われた顔面な真っ赤に染まっているように見えた。萎えていた銀太の包茎チンポはキスの興奮で既にガチガチにそそり立っていた。 「おう、やっぱり先生の口はあったけぇのう。へへ、こんなにツユも垂れてきとう」 そう言うと銀太の鈴口から流れてきた透明な汁を指ですくい取り舐める伍吾郎。そのまま伍吾郎は和式便所のスタイルで腰をぐっと下ろすと、茶色の毛束の中にある大きな穴を銀太に広げて見せた。 「ほれ先生。そのガチガチになったチンポ、早よぅワシのケツマンコに突っ込め。心配いらん、ワシは既にほぐしといたからのぅ」 「おい、馬鹿な真似は……」 (やっ、やばいぃ……伍吾郎のヤツ、ワシが性も知らぬ女子だった事も知らんとぉ……アッ、やべぇ、これ挿れたら終わっちまう……! 人間としても、教師としても、女子としても、終わっちまうぅ……!) 「うおおっ!」 心の中で、銀太は必死に葛藤した。魂の中に残る『石野詩織』としての残滓がこれをしたらダメだと叫ぶ。しかし淫乱な体育教師の金山銀太の本能がそれを許さなかった。 銀太は叫びながらその包茎チンポを伍吾郎のアナルに突っ込んだ。 「オ゛ッ! オ゛ッ! オ゛オンッ!」 「ふっ、ふっ……んうぅ! やっぱり……先生のテクッ、すごいぃ……!」 “彼女”であった頃彼は、普通のセックスどころか雄としての交尾も知らなかった。しかし、金山銀太の身体と魂は男として気持ちよくなり雄として男を悦ばせる術を覚えていた。伍吾郎とのセックスによりその魂は馴染んでいき、いつしか男同士でセックスをする事の抵抗すらも失わせていった。 「んっ!? オオッ! せっ、先生! いっ、いつもより、激しくねぇかっ!? こんな先生、初めてじゃわいっ!」 「うっ、うっさい! ワシを誘惑したのが悪いんだ! こんなエッチな生徒にはっ、顧問であるワシがお仕置きせんとなァ!」 巨漢の猪は、その大きな体躯を同じくらい大きな伍吾郎の身体にガツガツとぶつけていく。その度にブルンブルンと腹が揺れ伍吾郎の広い背中にぶつかって音を立てる。 もう齢五十を超えた中年の身体にも関わらず、そのエネルギーは有り余りそれを全て性欲として目の前の淫乱熊に解き放つ。 背徳感と興奮が銀太の中を満たした時、大ぶりな彼の睾丸が脈動し、尋常な量の精を作っていく。先程何度も出したはずのそれがまた衰える事なく精製されていく。そしてそれは滞りなく発射された。 「オ゛オゥッ! そっ! そろそろ出すぞッ! ワシのザーメン全部受け止めろォ!」 (あぁ! ワシ、イっちゃう! 人間の女の子だったワシ、教え子の中に出して雄になっちゃうぅぅ!!) 「イクッッッ!!」 銀太の玉の中で熟成された濃厚なザーメンが伍吾郎の腹の中に全て注ぎ込まれる。その時そのザーメンの中には『石野詩織』としての僅かな理性が含まれていたのだが、もう今の銀太には分からない事だ。 ◆ 「おし、今日の部活はここまで! お前ら帰ったらしっかりと休めよ!」 「はい!」 その後、猪の獣人としての魂が馴染んだ銀太は◯×高校の教師として教え子達を指導する毎日を送っていた。 元は自分が人間の女性であった事は今でも覚えているし、元に戻りたいという気持ちも、この体の違和感も消えはしない。恐らくこの違和感が一生残るのだろうと銀太は思った。しかしこれも運命なのだと割り切り金山銀太としての人生を全うしているのだった。 そんな銀太は伍吾郎と、同じく柔道部の狼獣人、黒岩大吉に声をかける。 「真倉、黒岩。今日お前らは少し残れ」 「わ、分かりました先生」 「おう……全く先生もやらしいのう」 「う、うっさい! 第一お前がワシに雄の味を覚えさせるからだなぁ!」 「すみませんのう。それで、今日は挿れたいんですか? それとも、挿れてほしいんですか?」 「いっ…………挿れて……ほしい」 銀太は顔を赤らめてそう呟く。そこに教師の威厳はなかった。そこにいたのはセックス大好きな猪のおっさんだ。 そんな彼を見て伍吾郎はガハハと笑うと、 「正直になりましたのう先生! では今日はそうしましょうかのう! ほら、大吉も準備しろ!」 そう言いながら銀太と大吉の肩を抱いた。 「へへ、今日は楽しくなりそうだな」 つられて大吉も笑い出す。 楽しく笑い合う二人の教え子を見ながら、銀太は一人褌の中のチンポを膨らませていた。 完