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Jin(鬼頭ジン)
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オトナのパンツ

 それはある昼下がりの出来事だった。 「礼太。そのパンツもうボロボロだから、新しいの買ってきなさい」  中学一年生の少年、日野礼太(ひの れいた)は、日曜で学校が休みのため外に遊びに行こうと服を着替えていた。そんな時、礼太の母が彼のパンツを見てそう言った。 「なんで? パンツなんて外から見えないじゃん」 「それでも、いつまでもそんなボロボロのじゃ恥ずかしいでしょ? お金あげるからパンツ買ってきなさい」 「ええっ、恥ずかしいよそんなの」 「いいから。少し多めにお金あげるから、余ったお金で好きなもの買っていいわよ」  母は強しと言うべきかなんというか、そんなこんなで礼太はパンツを買いに行く羽目になった。折角の休みなのにとやや不満げに家を出る礼太は近くの服屋へと向かう。  しかしそれが彼の人生を大きく変えることになってしまうとは、この時日野家の誰もが想像しなかった。   ◆ 「えーっと、確かここ……だっけ?」  礼太は服屋の目の前にいた。ややこじんまりとはしているが小綺麗そうな外観。しかし、礼太は自分が家族とたまに来ているはずの服屋とは少し違う気がしていた。 (たしかに服屋だし……もうちょっと先に行った場所にあった気がしたけど、きっと気のせいだな。さっさとパンツ買って遊びに行こう)  礼太はさっさと事を終わらせるべく服屋の中へと足を運ぶ。ガラス張りの扉を抜けると、冷房の効いた涼しい店内、そして「いらっしゃいませ!」という店員の明るい声が彼の耳に響く。 「けっこう広い……さっさとパンツ買って帰ろ」  服屋だけに、店内には色々お洒落そうな服が取り揃えてあった。中学生の礼太にとってはまだまだ未知の領域である。  その中には着物やレザースーツやタキシードなど、どの用途に対応できるようになのか様々な種類の服が売られていた。礼太はまるでそこが異世界のようにも感じられ、少々怖気付いていた。 「えっと、パンツはここかな……うわっ」  礼太は無意識に声をあげる。パンツ売り場には本当に大量のパンツが売られていたからだ。  ブリーフをはじめ、トランクスやボクサーパンツ、ビキニやビルダーパンツなども取り揃えられていたからだ。 「パンツってこんなに種類あるの……どうしよう……」  そう言いつつも、礼太は自分がいつも穿いている真っ白なブリーフに目をやった。やはり自分が穿き慣れているものが一番良いだろうと思う。しかし、礼太は学校で実施された身体測定の時の出来事を思い出す。 「礼太、まだブリーフ穿いてるんだ」 「中学生になったら、やっぱトランクスでしょ」 「まあ人それぞれだし、いいんじゃね?」  やはり、もう中学になったんだから、トランクスの方がいいのだろうか。と礼太はふと思う。まだ礼太のクラスにもブリーフを穿いている者はいる。しかし、どんどんトランクスを穿く人が増えていくのかと思うと、やはり自分もトランクスにした方がいいかもしれないと思った。 「トランクスにしてみようかな」  礼太はトランクスを手に取る。初めて穿く下着だが、思い切って挑戦するのもありだろう。そう思い意を決してレジへと向かう。  その時、礼太はその目に映った黒光りするゴム製の下着が気になった。そして礼太は無意識にそれを手に取っていた。 「こんなのもあるんだ……」  大人が履けば股間が食い込みそうな小さなパンツだったが、自分には丁度ぴったりのサイズに見えた。ツヤツヤの黒いゴムでそれはできており、光に当たると独特の光沢を放つ。 「なんか恥ずかしい……ま、まだこれは俺には早いよ……」  そう言うとパンツを戻そうとする礼太。その時、近くの店員が礼太に声を掛けた。 「ぼっちゃん、それに興味あるのかい?」  はっとして横を向くと制服を着た大柄の店員が自分の隣に立っている。「あっ」と礼太はつい声をあげていた。 「あの、えっと……ちょっと、気になって」 「それは“オトナのパンツ”だからねえ。ぼっちゃんにはまだ早いかもしれないね」 「オトナの……パンツ?」 「穿けば“男”の魅力を格段に引き出してくれるモノさ。まあ、君もオトナになれば分かることさ」  店員はそう言うとどこかへ行ってしまった。まるで不思議なものでも見たかのように、礼太は目を白黒させる。 「なんだったんだろう……」  呆然とする礼太の手には、しっかりとあの黒いパンツが握られていた。   ◆ 「ありがとうございましたー」  服屋を出た礼太はまっすぐ家へと帰る。色々な事がありすぎて外へ遊びに行く気力もなくなっていた礼太だった。 「ただいまー」 「おかえり礼太。パンツは買ったの?」 「うん、ほら」  礼太はビニール袋からそれを取り出す。それはシンプルな柄のトランクスだった。 「あら、トランクスにしたの。じゃあすぐに自分の部屋でそれに着替えちゃってね」 「はーい」  そう言うと礼太は自分の部屋へと戻る。その歩みはやや早足だったのに、母は気がつかなかった。  ――礼太の部屋。 「……ふう」  誰にも見られぬよう扉を閉めた礼太は、ビニール袋から買ったばかりの下着を取り出す。それは新しく穿くためのトランクス。 「……買っちゃった」  ――と、あのビルダーパンツだった。ゴムの光沢が妙な艶かしさを醸し出している。礼太は思わずゴクリと唾を呑んだ。 「……今なら、今日だけなら、大丈夫だよな」  まだ自分には早いのはわかっていた。しかし、礼太はどうしてもこれが気になったのだ。このオトナのパンツに膝を通してみたい。自分はこれを穿いてみたい。穿かなくちゃ―― 「……なんで?」  どうして、自分は『穿かなくちゃいけない』、なんて思ったのだろう。  そんな疑問が礼太の頭をよぎる。  無意識に、礼太はパンツを顔に近づけそこから漂うにおいを嗅いでいた。  鼻腔を突き抜けるのは、新鮮なゴムのにおい。  そして、微かにある獣のようなにおい。  それに、臭いのか良い香りなのかよくわからないにおいもした。  そのにおいを嗅ぐたびに、ドキドキと礼太の心臓は高鳴る。  大きな写し身の前に立つと、礼太は黒光りするパンツを、ゆっくりと穿いていった。 「んっ……」  下半身を締め付ける妙な快感に礼太はつい声を上げる。鏡を見ると大人用のはずなのに小さい体にぴったりフィットしたパンツを穿いた自分が立っていた。  十二歳の平均身長よりやや低めの体に薄い胸板とはアンマッチなその裸体に礼太は少し恥ずかしさを覚えて赤くなった。 「やっぱり、俺には早いよな」  礼太はそう呟きながらパンツを脱ごうとする。その時、どこからか声がした、気がした。 『なら、似合うカラダにしてやるよ』 「え?」  その瞬間、礼太は自分の中に何かが入ってくるような感覚がした。その感覚に疑問を持つが、その疑問は解消されることはなかった。 「あっ、な、なんだこれっ……!?」  礼太の体は段々と火照りはじめ、その妙な感覚に礼太は苛まれはじめる。息が荒くなり、なぜか鏡に映った自分に目が離せなくなる。それと同時に、まだまだ発達途上な礼太の股間の逸物が、パンツを押し上げ勃ち上がりはじめていた。 「あっ……俺の、ちんちんが……はあっ!」  逸物が震えると、パンツの先端がじわりと濡れはじめた。その瞬間、逸物がさらにその体積を増やす。 「なんだこれ、ちんちんが膨らんで、気持ちっ!」  礼太が声を上げるとパンツ越しに透明な汁が逸物の先端から飛び出す。心なしか金玉も少し膨らんだように見えた。 「ああっ、やばい、母さんが、麻希(まき)が帰ってくるまでに、しずめなきゃっ……!」  礼太はまずいと思った。もし様子を見にきた母が、外から帰ってきた妹がこの部屋に入ってきたら。自分の痴態を見たらきっと気まずくなるだろう。だから鎮めなければ。礼太はそう思った瞬間、パンツ越しに逸物を握っていた。 「あああッ、うぐうううッ」  必死に逸物を上下に擦る礼太だったが一向に快感は治らない。膝がガクガクと震え、先走りでカーペットを汚す礼太。 「あっ、ううっ、やばいっ、イクッ!」  そんな礼太だったが絶頂が限界に達したのかとうとう逸物から精を放つ。しかしそれは彼が人間でいられるための枷を外す行為だとは知る由もなかった。  ビュルルルーーッ!  新鮮な精液がパンツ越しに飛び出る。部屋中に精の匂いが充満し、その匂いを嗅いでいると、何故か礼太は心が落ち着くような気がした。 「はぁ……はぁ……いっぱい出た……やっぱりこれ慣れな……うっ!?」  肩で息をする礼太だったが、さらなる変化が彼を襲う。心臓が太鼓のように重く高鳴り、それを皮切りに礼太の肉体が変貌を遂げる! 「な、なにが……ウアアアアオオオオッ!」  ゴキゴキと骨が組み変わる音と共に礼太の身体が膨張を始める。ぐんぐんと身長が伸びていくと、全身にゴリゴリの筋肉が瞬く間に着いていく。僧帽筋、胸筋、上腕筋、腹筋、大臀筋、大腿四頭筋、あらゆる筋肉が発達していき、その度にそれが快感として礼太の脳に信号を送る。  それが、射精したばかりで萎えたはずの礼太の逸物を再び勃起に導いた。しかも肉体の発達と共に逸物もそれに合わせて巨大かつ敏感になっていた。 『さあ、人間を捨てろ、捨てるんだ!』 「誰だお前っ、ああっ、やめっ、ひうぅ……」  パンツがはち切れそうなほど勃起する逸物からは先走りがドクドクと溢れて止まらない。逸物の暴走を抑えようと股間を押さえるも、それはいつしかオナニーへと切り替わり快楽を貪る。そして…… 「ダメだっ、出ちゃ……イクゥゥ!」  礼太は再び射精する。しかもその量はさっきよりもずっと多く、とても中学生にはありえないほどの濃さと匂いだった。  射精と同じタイミングで頭髪が全て抜け落ちる。その代わりと言わんばかりに体中に茶色の毛が噴き出して礼太の全身は獣のように毛むくじゃらになっていく。 『くく、なかなかワシに近くなってきたな』  礼太はぶつぶつと低い声でうわ言のように呟く。二度も出したにも関わらず、その太く巨大なマラは、パンツを突き破りそうなほど元気に勃ち上がっていた。 『さあ出せ! 人間なんて早くやめちまえ!』 「やだ、嫌だ、でもっ、我慢が、止まらねえぇぇ!」  叫び声と共に再び大量に射精する礼太。その反動でガクガクと腰を振り出す。全身の体毛はさらに面積を広げていき、顔は前に突き出し始める。鼻も大きくなり、耳は逆に小さくなり頭へと移動する。礼太は既に人間ではなくなっていた。  それでも逸物はガチガチに勃起し衰える事はない。まるで丸太にも見えるそれは最大限に膨れ上がり、頑丈なパンツを突き破りそうなほどに大きく長く突き出していた。 「あぁ、なんか出る、出る、出ちゃうぅ!」  ズルルルルッ!  そんな音がして礼太の尻から勢いよく細長い尻尾が飛び出した。  それと同時に頭からは二本の黒光りする角が生える。  礼太はその感覚が快感に変わると、あっという間に射精した。ブチリと大きな音がしてせっかく買ったパンツが千切れ飛んでしまう。 「はぁ……はぁ……うっ……」  ようやく快感の牢獄から抜け出した礼太は力なく膝をつく。朦朧とした意識で鏡を覗くと、そこ自分であって自分でないモノが映っていた。  自分の同じように膝をつく巨漢の牛男がそこにはいた。 「な、なんだよこれっ……俺っ、化け物に……」  全身茶色の毛に覆われ頭には二本の角。筋骨隆々なその体は、どうみても中学生の子供のものではなく、人間ですらない。人間をベースに牛の姿を模したその姿は、神話の怪物ミノタウロスのようにも見えた。 「そんな、俺一体これからどうすればっ、ンッ、アッ、ブルルルルッ、ブルルルルゥ」  途方に暮れる礼太だったが、急に様子が変わり始める。白目を剥き唇を震わせ奇声をあげる礼太。体は小刻みに震えまるで制御がきいていない。  太い腕をめちゃくちゃに振り回して部屋を荒らす中、デカマラと化した礼太のモノが急激に勃ち上がると、手も使わず射精した。 「ンッ、最高だぜぇ!」  濃厚な射精を終えた直後、礼太はそう叫びながら鏡に向かって力瘤を強調するマッスルポーズを取っていた。眉目を吊り上げ白い歯を見せニッと笑うその姿に、中学生男子の面影は一切なかった。 「ヘヘ、ワシは生まれ変わったんだ……目に映るモノ全て美しい……!」  スリスリと膨れ上がった胸筋を撫でながら、変貌した自分の姿にうっとりとする牛男。いやらしく喘ぐその声は中年のように野太く、声色も言葉遣いも彼のものとは到底思えない。 「ヘヘッ、ワシのチンポ、まだ疼いて、なんでっ、ダメッ、ブルルルル! ンブッ、ブルルルルルルルゥ!?」  豪快にチンポを揉み出したかと思った直後、再び唐突に奇声をあげ体を暴れさせ始めた。その姿はまるで奇妙なダンスを踊っているようにも見えた。  しばらく奇行を続けた後また勢い良く射精をする。すると彼はまた一瞬にしてその体をおとなしくさせた。 「はぁ……はぁ……何が起きたの……さっき、意識が飛んで……」  顔つきと声色が先程の礼太のものへと戻る。ただし姿は屈強な牛男のままであり、それが何ともアンバランスに見える。しかも何度も精液をぶっ放したにも関わらず逸物の勢いは未だ萎えず、血管を張り巡らせながらいきり勃っていた。 「なにこれすごく大きい……あうっ、すごい臭い……」  逸物から漂う饐えた匂いが蒸気となりその場に充満する。部屋の気温が彼の熱気で上昇していく。大きくなった鼻でその匂いを嗅ぐと、礼太の逸物はたちまち元気になり精液を出す準備にかかる。 「ああっ、俺のチンチン、ブルルルルッ、だめっ、すげっ、むうぅぅんっ!」  礼太は唸り声と同時に無意識にモストマスキュラーのポージングを取りながら射精した。白目を剥いた苦悶の表情は一瞬の射精の後ニヤリと男らしい笑顔に変わった。 「あぁやべぇ……やっぱ雄の匂いは最高だ……ワシの筋肉が喜びで満ち溢れてる……そうだ、ワシは牛獣人で筋肉大好きの、変態……違う、いや、違うっ! まだ俺が!」  その身を鏡に映しながら恍惚とする礼太だったが、あっという間に表情を恐怖にこわばらせ、頭を抱え始め、苦悶に喘ぎだす。 「ぐあっ、いがあああああぁぁっ、やめろぉっ、入ってくんな、あああっ、出ちまう、変わっちまう……ブルルッ、ブルルルブルルルルルッ!?」  頭を抱えながらうわ言を浮かべる礼太は、もう何度めなのかわからない奇声を繰り返す。狭い部屋の中で屈強な牛男が頭をめちゃくちゃに振りながら滑稽なタップダンスを踊る。そんな状態でも逸物の勢いは衰えることなく絶頂の時を今か今かと待ち構えていた。 「やめろぉ! 出たら変わっちまう!」 『変わっちまえ』 「嫌だ! 俺が俺でなくなる!」 『いや、俺がワシになるだけだ』 「そんなのっ、やだ、俺は、イクゥゥゥ!」  その時、叫び声と共に礼太は今日一番多い量の射精をした。シャワーの如く天に降り注いだ精液が礼太の顔や体にかかり茶色の身体とのコントラストを演出する。  呆けた顔で顔にかかった精液をペロリと舐め取ると、その姿に相応しい厳つい表情でニッと笑った。 「ふふ、確かによく考えてみれば素晴らしいな」  礼太は笑いながら鏡に映った自分に向かってそう言った。その顔は中学生の少年とはとても思えない荘厳さも併せ持つ穏やかな表情だ。いや、もう彼は礼太であって礼太でなかった。 「こんな美しい身体になれたのに、なぜワシはこんなにも嫌がっていたんだ。弱々しい子供の姿よりもよっぽど良いじゃないか」  鏡に向かって様々なポーズを取る。そのどれもが全身についた筋肉を強調させるもので、それを見るたびに礼太は恍惚の表情を浮かべていた。 「この姿のワシに礼太という人間だった頃の名前は相応しくないだろう。これからワシの名前は重吾。牛獣人の日野重吾(ジュウゴ)だ!」  にこやかにそう宣言する礼太――いや、重吾はドスドスと足音を立てながら自分の服が入っているクローゼットへと向かうとその扉を開ける。中には色とりどりの子供服が入っている。礼太だった時のものだ。 「ふふ、この必要のないものは、すぐワシが相応しいものに変えてやろう、うむむ……」  そう言うと徐に股間の逸物を弄り出す。何度か前後にストロークを続けていると、溢れる先走りとともに重吾の逸物は再び固さを取り戻す。 「そっ、そろそろ出るぞッ、イクッ!」  野太い雄叫びとともに重吾はクローゼットの中に盛大に射精する。精液は中の服という服にかかり、白濁に塗れる。するとどうだろうか、子供服だったものは一瞬にして精液とともに形を変えていったのだった。  クローゼットの中の精液が跡形もなくなる頃には、中にはタンクトップやジーンズ、ジャージやシングレットなど重吾が欲しいと望んだ衣類、そして彼を変えるきっかけとなったあの黒いビルダーパンツが何着も入っていた。 「ふふ。よくわからんが、すごいなこの力は」  重吾はほくそ笑むとパンツを穿いて再び鏡の前に立つ。黒の光沢の中にくっきりと形を作っている逸物が、重吾の筋肉をさらに際立たせていた。 「素晴らしい」  その姿を見て重吾はただ一言だけ呟く。その時、扉をノックする音が聞こえた。おそらく、重吾の家族だった誰かだろう。重吾はノックがした方を見るとニヤリと笑った。 「礼太、変な音がしてるけど、何して……きゃあっ!」 「ふふ、お袋……いや、弟よ。これから楽しくなりそうだぞ」  母、真央は変わり果てた息子の姿を見て悲鳴をあげた。いや、息子だとも認識していないだろう。  そんな母を見て、重吾はパンツの中の逸物を勃たせていた……   ◆ 「ただいまー」  小学四年生である日野家の長女、麻希は友達の家で遊んだ後、我が家へと帰ってきた。  しかしいつもなら出迎えてくれる母親の姿がない。それどころか、家族がいる気配が感じられないのだ。 「おとうさん? おかあさん? お兄ちゃん?」  不思議に思った麻希は、家の中を探してみる。しかしリビングにもキッチンにも家族はいない。トイレや風呂場も探したがやはりいなかった。 「――ッ! ――ッ!」 「……あれ? 何か聞こえる……」  そんな時、麻希は誰かが何かをしている音を聞いた。それはどうやら兄である礼太の部屋から聞こえるようだ。 「お兄ちゃん、いるの?」  麻希は礼太の部屋を覗き込む。するとそこには幼い少女にはとても理解が及ばない世界が広がっていた。 「んっ! ふっ! んんっ!」 「ああっ! そこっ! やっぱアニキのチンポ、最高、だっ! おうっ!」 「あたりめぇだっ、それはワシが一番よくわかってんだ!」  そこでは三匹の屈強な獣達の乱痴気騒ぎが繰り広げられていた。筋骨隆々の獅子男を牛男が犯し、そのすぐそばで二人の行為を視姦しながら熊男が逸物を扱いている。そしてそこは確かに礼太の部屋であった。 「そろそろ俺もイクッ! ブッかけんぞッ! 重吾! 零王(レオ)!」  熊男が絶頂に達し夥しい量の精液を二人にぶち撒ける。同時に二人も果てたのか、表情が悦楽に強張るとビクビクと小刻みに震え出す。零王と呼ばれた獅子男の尻から精液が溢れ出した。 「ハァハァ……やっぱアニキのチンポはすげぇな。俺も早く立派な雄になりたいぜ」 「零王もなかなかのものじゃないか。そのまま立派な“弟”として頑張ってくれよ!」 「おう!」  零王はそう言うと熊獣人の元へ向かう。そして彼の鍛えられた筋肉の塊に抱きつく。 「ああっ、親父ぃ……次は親父が挿れてくれよっ……」 「おう。俺もそろそろヤりたかったとこだ。次は父さんが気持ちよくしてやるからな」  そしてそのまま性交を始めた。その様子を満足げに眺めていた牛男は、ふと扉の方を向くと笑いながら言った。 「いるんだろ? 麻希。お前が最後だ。親父とお袋はワシの“家族”になった。次はお前だ」  それを見た麻希は逃走を図ろうとするも、恐怖の余り動けない。そしてなすすべもなく自分の何倍もある身長の牛男に捕まってしまった。 「いやっ、やめてっ! おとうさんとおかあさんをどこにやったの!」 「親父とお袋ならワシの部屋で楽しんでいるぞ。いや、もう二人はワシらの両親ではない。熊獣人の熊三(クマゾウ)と獅子獣人の零王だ」 「どういうこと! おとうさんとおかあさんを返して!」 「そう抵抗するな。お前もすぐにわかる」  重吾は暴れる麻希の服を脱がせ始める。その姿は完全に強姦魔のそれであったが、重吾の目的は別のことにあった。 「いやぁっ! やめてえ!」 「なんてヤワい身体だろう。でも心配するな。すぐにお前も二人のようにしてやろう」  重吾は右手に握っていたビルダーパンツを麻希に穿かせると、逸物を扱き始めた。  突拍子もない行動に麻希の思考が恐怖から困惑に変わりつつある。しかしそれもすぐに中断されることとなった。 「ふぅっ……イクッ!」  逸物から新鮮な精が迸ると、麻希の小さな身体に隅々までかかる。全身精液に塗れた麻希に変化が訪れたのは、そのすぐのことだった。 「あ、あっ!?」  麻希の小さな身体が物凄いスピードで成長していく。中学生、高校生をすっとばし、麻希はあっという間に大人の女性になってしまったのだ。  しかし、それもすぐに終わりを迎えることとなる。 「あっ、なにっ、ウグゥゥゥッ!?」  全身の筋肉が膨らむと、少女の身体中が剛健な筋肉で覆われていく。少女としての、女性としての尊厳を破壊しながら、その代償に誰もが羨む肉体美を手にする麻希。しかしそれは男としてのもの、だが。 「な、なにか、ヘン、あうあっ!?」  ビクン! と体が跳ねるとピッタリフィットした黒いパンツが盛り上がりを見せる。先程まで股座に存在しなかった“モノ”が生まれはじめたのだ。  すくすくと小さなマメが大きなキノコに成長していく。ムクムクとタケノコが立派な竹になるように、麻希の股間には立派な逸物が屹立した。  しかもそれは本当に竹のような形をしている。平で太く、カリも立派なものをしている。とても人間のものとは思えないものだ。 「どうなってるの、わたし、どうなって」 「さあ、男の味を覚えるんだ。そしたら、変わるのもすぐだからな」  重吾はそう言うと麻希の上に跨り巨大化した逸物をゆっくりと擦り始める。唾液のローションがヌルヌルと麻希の生まれたて生チンポを刺激する。 「だ、ダメッ! なんか出ちゃうッ!」  するとすぐにわけもわからぬまま麻希はイッてしまった。逸物から新たに作られた精液が迸る。パンツの中にはやはり立派なタマが生まれているのだろう。その精液の精製具合からもそれは明らかだった。 「何これ、もうやめっ、んぐうううっ!!」  女性としてはありえない精通を経験した麻希に次の変化が訪れる。精とともに人間としての要素を捨てた麻希が新たに手にするのは獣の要素。失った穴を埋めるかのように麻希の体が凄い勢いで変化していく。  全身から栗色の毛が噴き出し全身を覆うと、麻希のいたいけな顔が急激に突き出し耳は上へと移動してしまう。  骨格や関節も変わっていき、足の爪は黒く変色し硬くなり指は癒着していき形そのものから変化してしまっていた。そしてさらさらの長い髪は変色しそのまま立派な鬣になった。  そしてそんな状況でも、麻希の逸物は次の精をぶっ放そうと準備を始めていた。獣人としての“いらない部分”を吐き出すために。 「やだっ! 出ちゃやだっ! 助けてお兄ちゃ……ブルヒヒヒィーーーーンッッッ!!?」  嘶き声とともに彼の逸物からさらに多い量の精液が発射される。そこにはもう礼太の妹だった少女の姿はいなかった。  そこにいるのは一体の馬獣人の雄だけだった。 「あっ……わ、わたし、違うっ、オレはっ、獣人、筋肉っ、気持ちいい、やめて、なんで、何か、違う、オレ、そう、オレは、ブルルッ、兄貴っ、みんなの、兄貴っ、重吾の、零王の、うおおおおおッ!」  そして仕上げの射精を行うと、麻希は日野家の長男、真砂斗(マサト)としての産声をあげた。  もう自分が女の子であったことも忘れてしまっていた。 「へへ、久々の手コキ気持ちよかったぞ重吾」 「おう、真砂斗の兄貴。ワシらは“家族”だ。遠慮なく言ってくれていいぞ」 「よし、親父と零王も元気にヤってることだし、オレらもヤるか」 「ああ、楽しみだな、真砂斗の兄貴」  そう言いながら部屋へと入っていく二人。重吾はもう何も覚えていない様子の元妹の兄の姿を見ると、一人ほくそ笑んだ。  その日を境に、人間の一家は姿を消し、新たに獣人の一家が誕生した。本来獣人など存在していないはずなのに、近所の人間達は何の違和感も持たず彼らを受け入れた。重吾はおそらく何か自分では及ばない何らかの力が働いているのではないかと推測した。  その後、四人の獣人ビルダーの一家が数々の大会で名を馳せることとなるのは、また別の話だ。   終


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