千夏は部活のあと、バレー部の後輩の拓人を呼び止めていた。
「必殺技考えたんだー拓っち付き合ってよー…」
千夏はクラスメートの格闘技マニアの女の子と仲がよくて、最近色々な技をレクチャーされている。
そこで、年下の後輩を実験台にして新しい技を試そうとしていた。
先輩の頼み事を断ると後々面倒な事になるかもと思いつつ拓人は渋々引き受ける。
「さっすがー拓っち♥ じゃーやろっか!」
二人で体育館裏の倉庫に入ると早速、マットを敷いて千夏が技の体勢に入った。
千夏がマットで仰向けになると拓人はマウントポジションのように千夏の体の上に跨る。
「この技はここから入るんだけどー…ほら、拓っち、攻撃してごらん」
この体勢…先輩をベッドに押し倒したような錯覚に陥りそうになる…拓人は恥ずかしく戸惑いながらも千夏の指示通りに攻撃を仕掛けてみた。
すると、千夏は向かってきた拓人の胴体を両足で挟み、そのまま自分の右脇の方向へ拓人の頭を抱えて引きずりこんだ。
「えーい」
拓人は千夏の運動神経は身を持って知っていたが、千夏の俊敏な動き出しと頑丈な両手両足のグリップ力に抗う余地すらなくそのまま技を受けてしまった。
「どう?私の必殺技…千夏式蜘蛛絡みだよ♥逃げられそう?」
「こうやってしがみつかれるだけでも結構苦しいでしょ?体力を奪ってあげる…」
体を抑え込まれて身動きが取れない拓人に千夏が冷たく囁く。
腕が多少自由が効くので彼女の肩や後頭部を殴り抵抗を続けて、どうにかして脱出をしようとする。
「痛いなぁー…でも、そうそう、諦めないの大事♥抵抗しないとねー♥」
拓人は何度も反撃を試みるが千夏にダメージを与えている実感がない。
千夏が拓人の胴体に絡みつき抵抗を抑制させているから攻撃に力が入らないのだ。
体が絞られると同時に拓人は「ぐぅ…」と鈍いうめき声を上げて動きが鈍くなった。
「え?もう終わり?まだ限界じゃないよね?もっと頑張ってよー…」
その言葉に拓人は苦痛に顔を歪めながらも戦意を燃やしたが、
相変わらず必死に抵抗しても千夏の技から逃れることはできず、さらに胴締めでじわじわと彼の体力を奪っていく…
「拓っちの体力、からっからになるまで奪ってあげる。絶対に逃げられないよ!」
……
「千夏式蜘蛛絡み」が極ってからしばらく時間が経った。
お互いの体が密着し続けた結果、体温が上昇し大量の汗がマットに染み付き、倉庫は高温の熱気で充満していた。
「ハァハァ…ちょっと…やり過ぎたかなぁ…ごめんねぇ拓っち…そろそろトドメ刺してあげるね…」
二人の呼吸は大きく乱れる。
拓人は千夏の技に耐えながら、わずがに反撃して闘志を持ち続ける。
しかし、最後まで立ち向かう覚悟を決めていた彼の体力は既に限界を超えていた。
疲労困憊で弱り切った彼の抵抗は弱々しく、蜘蛛の巣にかかった羽虫のようにもがき苦しむだけだった。
「楽しかったよ、拓っち…フフフ…」
彼女の冷笑が容赦なく倉庫に響く。
千夏の脇の下に拓人の頭が沈んでいくと彼の視界は徐々に暗くなり、やがて意識が遠のいた。
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技紹介3のおまけ小説です。
状況をショートストーリーにしてみたかったのでおまけで追加してみました。
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ララちゃんのくすぐり乱入
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