「くそがぁ!俺が不合格なんて納得いかねぇ!試合させろぉ!!」
ここは、O-MEGAの入団試験会場…一人の受験生が大きく怒号を飛ばしていた。
O-MEGAの選手になるには4つの方法がある。
1、練習生として入門し、プロ選手に昇格すること
2、他団体から移籍してくること
3、関係者(ほぼ副社長だが)からスカウトされること
4、入団試験で合格すること
それぞれの過程を経て、O-MEGAナンバーズに登録されることで正式にO-MEGA所属選手となる。
その入団試験の会場で不合格となった一人の男がリングサイドで暴れていたのだ。
「これ以上はやめてください!」
「邪魔だぁああ!俺は絶対に認めない!もう一度やり直せ!」
練習生の一人が男を止めようと掴みかかるが軽々とそれを投げ飛ばす。
他の受験生達も男をなだめようするが埒が明かなかった。
練習生達が困っていると、一人の女性レスラーが観客席側の階段からリングサイドに降りてきた。
「まったく、騒がしい坊やねぇ…しつこい男はモテないわよ?」
(O-MEGA No.4の緑子だ!)
(地獄のメデューサだ…)
(うわ、生の緑子さん…きれい…)
緑子の登場に他の受験生達がざわつく中、練習生が急いで駆けつけて彼女に事情を説明した。
「受験生の一人が暴れていまして…私達では手がつけられなくて…すみません」
「ふーん、まったく試験が終わっても騒がしいんだから…それにしても諦めの悪い坊やね、しつこい男はモテないわよ?」
緑子は男の前に立つと、腕を組んでニヤニヤしながらからかう。
(たまにいるのよね…こういうおバカさん)
「ふん、誰かと思えば中堅レスラーの緑子か…」
「緑子“様”でしょ?口の聞き方には気をつけなさい坊や」
「うるせぇ!俺は強いんだ!学生プロレスで最強だった俺が不合格なわけねんだよ!ごらあああ!」
不合格を受け入れず所属選手にも暴言を吐く始末に、緑子はため息をついてやれやれと顔を横に振る。
「知らないわよそんな事…あなたに魅力がなかったからじゃないの?悔しかったらうちの練習生として入門して成り上がったら?」
「んなちまちましたことできっかよ!俺には経験も力がある!お前なんか秒殺だ!クソ雑魚の緑子なんてお呼びじゃねぇ!もっと上を出せや!」
「クソ雑魚」の一言に緑子も少しカチンときたようだ。
この愚か者にきつくお仕置きをしないと気が済まないと緑子は深く思った。
「ふーん、そこまで言うなら実力を見せてもらおうじゃない?」
上着のコートを脱ぎ捨てると深緑色のリングコスチュームがさらけ出た。
「さっきまで予行練習してたからリングコスチュームも着てるし今すぐ私と試合してみる?」
「面白え!一つ手合わせ願おうか!緑子さんよぉ!」
緑子はそのままストレッチをしながら男に話しかける。
「OK♪私に勝ったら入団を認めてあげるわ。(そんな権限ないけど)ついてきなさい坊や」
心配する練習生をよそ目に緑子と男は二人で二階の練習場まで歩く。
練習場につくと早速二人は中央のリングに上がってお互いに向かい合った。
「二人きりかよ?ギャラリーがいねぇと盛り上がらねぇな?それとも俺に負けるのが怖いのかな?クソ雑魚緑子様よぉwwww」
「二人きりになったのはあなたのためよ。だって、皆の前で公開処刑しちゃうのはかわいそうでしょ?あなたみたいな礼儀知らずな受験生でも一応客人に変わりはないから…」
1対1で戦おうとするのは彼女なりの礼儀であった。
しかし、その配慮も虚しく男の無礼が収まることはなかった。
「調子に乗りやがって!悪いが女だからって容赦しねぇぞ?ボコボコにしてからレイプしてやんよぉおお!ぐふふふ!」
「あら、いいわね。ちょうどピローファイトの練習で枕を持ってきたのよ。リングの上で一緒に寝てあげようか?坊や♥」
そう言うと、持参していたバッグから枕を取り出してリングに放り投げる。
それを見て屈辱に感じたのか男は顔を真っ赤にし怒りをぶち撒けた。
「ごらああ!!なめやがってこのアマああ!殺すぅぅうう!!」
「ほーら♪私に勝てたら私の事好きにしていいわよ?絶対無理だけど♥」
「うるせえぇええ!うらああああああああああ!!!」
試合開始の合図もなく、男は間髪入れずタックルを仕掛けてきた。
緑子はとっさに男のタックルを受け流そうとするが、勢いに耐えきれず男に押し倒されてしまった。
「ふっはぁ!油断したなぁ!ふっ飛ばしてやったぜ!!どうだ俺のパワーはぁ!!」
「あらあら、お盛んだこと。パワーは確かにすごいわね」
「あん!?余裕かましてんじゃねぇぞおらあ!」
バン!バン!バン!バン!
バン!バン!バン!バン!
「おらっ!おらっ!どうした緑子さんよぉ!!きれいな顔を崩してやんよぉ!!」
マウントポジションの状態から男は緑子を殴りつけた。
たまらず緑子もガードを取って男の拳に耐える。
「痛っ!、ちょっと!レディの顔を狙うなんてどういう神経してんのよ!」
「うるせえぇ!死ねやぁ!!!」
バン!バン!バン!バン!
バン!バン!バン!バン!
「おらぁ!おらぁ!おらぁ!おらぁ!おらぁ!おらぁ!」
「うふふふ、やるじゃない…ほらほら…がんばれー」
バン!バン!バン!バン!
バン!バン!…
「ハァハァ…こ、このアマぁ…ハァハァ…」
男は無数のパンチを浴びせるが緑子のガードが固く決定打がない。
バン!……バン!………バン………
緑子を殴り続けていると、男の動きも少しずつ鈍くなっていた。
その時、男が異変に気付く。
緑子は殴られながらも、男のパンチを両手で受け止めていたのだ。
「うふふ、ス キ あ り」
ドゴォ!!
「ぐあぁああ!!!!!!!!!」
息切れして男の動きが完全に止まったのを緑子は見逃さなかった。
男の股間に強烈な蹴りが入れると男はたまらず腹を抱えてうずくまった。
「て、てめぇ…」
「さぁてーここからはずっと私のターンよ♪」
緑子はうずくまる男の背後に素早く回ると、男の首に腕を巻きつけて太股で男の体を挟さみ込んでリングに引き倒した。
「はーい、捕まえた♥」
「うげぐぐぐ!!苦し…いぃ!!・・!!」
彼女の必殺技、胴締めスリーパーが極まった。
二の腕を男の顎下に食い込ませて頭を引っこ抜くかのように伸ばすこの首の絞め方は頸動脈を止めるというよりも喉を潰して呼吸器を塞ぐので、息ができなくて苦しいだろう。
「どう?蛇みたいにじわじわと絞まっていくでしょ?この蛇柄のグローブ…おバカさんの喉元に巻き付くと映えるのよね~いーっぱい抱き締めてあげるわね♥」
必死の形相でもがく男だが、絞め技は一向に緩まない。
それどころかさらに強くなっていくばかりだ。
光沢を放つ蛇柄のグローブとタイツが男の体にめり込み絞り上げる。
ぎゅううううううううううう!
「うぎゃあああ!!!!いだあああい!苦しいぃいい!!」
「あらあら、そんな大声出したら皆が来ちゃうわよ?」
そう言いながらも緑子は一切力を緩めない。
あまりの胴締め強さに男の口から悲鳴が上がると同時に口から泡が吹き出した。
「ぐげげ!ぶふー!!!」
男は緑子の絞め技に耐え切れずタップし始めたがそれでも緑子は技をやめない。
「ほらほらぁ、お許しください緑子様~って言いなさい」
「ぐえっ・・・!」
「言わないともっと強く絞めるわよ?」
……
「がぁ!ゲッ、お、お許しください!緑子様!!」
ようやく開放された男は力無くマットに転がった。
「ゲホッ!ゲホッ!」
そんな男を見下ろしながら勝ち誇る緑子。
その顔には満面の笑みが浮かんでいた。
「これで分かったかしら?おバカさんの坊や。あなたにはリングで戦う魅力も強さも無いのよ。不合格になって当然だわ」
緑子はため息をついて余裕を見せるが、男はただ下を向いて呼吸を整える事しかできない。
圧倒的な実力差を見せつけられた男のプライドは既にボロボロであった。
「ハァハァ、うるせえええええ!まだだごらぁ!」
「ふーん、もっとお仕置きしてほしいのね」
男は息切れしながら雄叫びを上げて突進するが軽くかわされてしまう。
「私のもう一つの必殺技…薔薇椅子を受けてみる?」
そのまま緑子は男の背後に回ると、男の腕を取り卍固めの体勢に入る。
男の両腕を掴むと、そのまま背中へ捻り上げた。
「ほーら、こうやって腕を極められると身動き取れなくなるでしょう?ふふふ」
「ぎゃあああああいでえええええええええええ!!」
激痛に悲鳴を上げる男だったが、緑子は全く容赦しない。
ギリギリギリ……と容赦なく腕を締め上げる。
「悲鳴だけは一人前ねぇ…さっきの威勢はどうしたのかしら?」
緑子にとって男の力任せの攻撃をいなすのは簡単だった。
しばらく薔薇椅子を極めていると、先程投げ捨てた枕が男の真下に転がっているのに気づく。
そこで、緑子は恐ろしい拷問技を思いついた。
「いいこと思いついたわ…この枕を使ってお仕置きしてあげる♪」
そう言いながら、両足で男の腕を挟さんで男の後頭部に座り込む。
そのまま一気に体重をかけると男はリングに押しつぶされたように倒れ込んだ。
男の顔面はちょうど枕に埋め尽くされて、緑子の尻と枕に挟まれた。
「どう?薔薇椅子の刑よ♪これでうるさかった悲鳴も大人しくなるわね!」
「んぐっ!むぐーーーーー!!」
当然ながら、男の口と鼻は塞がれており一切呼吸はできない。
緑子の全体重が男の後頭部に負荷が集中しているため、男は顔も動かせずに虚しく手足をばたつかせることしかできなかった。
「んー!!(息ができない!!苦しい!!!!!)」
「うふふ、尻に敷かれるとはこのとこね♥ほら、椅子らしくちゃんと女の子を支えなさいな!」
そう言いながら腰をくねらせながら上下左右に動かして男の顔全体を責め立てる緑子。
「いい香りがするでしょ?私が普段使ってる枕だから当然よね~こんなご褒美技でとどめを刺してあげることなんてめったに無いんだから感謝しなさい!」
「んぐぅ!!んぶぅ~~~!!!」
息が限界になり手足をより激しくバタつかせる男。
男は完全に敗北を悟って顔を真っ赤にしながら必死にタップする。
「ふふふ、苦しい?でも…だーめ…私に刃向かった罰よ!私の枕の中でおねんねしなさい…」
「むぅーーーーー!!むぅ…」
しばらく男の後頭部に座っていると、男の動きがゆっくりとなる。
バタつかせていた手足が弱くなり、男の体が時折ビクビクっと痙攣し始めた。
「ん…んん… … …」
男は卍固めと枕による窒息拷問のコンビネーションで一気にすべてのスタミナを奪われて意識を失った。
「え…もう落ちたの?少しいじめすぎたかしら…?」
緑子の胴締めスリーパーを受けた後にこの薔薇椅子の刑による拷問技…男のスタミナもほとんど残っていなかったので力尽きるのも予想以上に早かったようだ。
男のとどめを刺した緑子は外で待機していた練習生を呼び出した。
「はーい、片付いたわよ」
「お疲れ様です。緑子さん」
しばらくして男が意識を取り戻すと、男は練習生の肩を借りて何も言わずに練習場から去っていた。
恐らく男は二度とO-MEGAの入団試験を受けることはないだろう。
「パワー自慢のおバカさんには実力行使してあげないと分からないのよね
次はもっと手加減してあげないとダメね…」
そう言いながら、緑子はリングサイドに降りる。
「あ、そうそう、この枕捨てといて。こんな涎まみれな枕なんてもういらないわ」
緑子は一つため息をつくと練習場を後にした。
panakiman
2023-12-31 06:44:12 +0000 UTCRainbow
2023-12-30 02:01:08 +0000 UTCpanakiman
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