~ザ・ファブル~「……さと……う……くん……?」 清水ミサキ 完
Added 2025-07-05 04:27:16 +0000 UTC『ザ・ファブル』 同人作品です。 忠実な再現はしてませんが、ネタバレが苦手な方は避けてください。 前作 ~ザ・ファブル~「小島の狙いは清水ミサキ」 ~ザ・ファブル~「清水ミサキの契約書」 ~ザ・ファブル~「清水ミサキが欲しい似顔絵…」 ~ザ・ファブル~「擦り減っていく心…清水ミサキ」 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23422904 上記も併せてお読みください。 ~本編~ ……場所は変わって、一階の仄暗い工場事務所。 ガラス窓には埃がこびりつき、蛍光灯の明かりもどこか黄ばんで見えた。 その中央、金属脚のテーブルを挟んで、小島と砂川が向かい合っていた。 小島は椅子にもたれながら、煙草を口にくわえたまま。 指先で灰皿の縁をコツコツと弾き、どこか余裕のある表情を浮かべている。 一方の砂川は、組の幹部としての貫禄を漂わせつつも、視線の奥には探るような光を宿していた。 長年、表も裏も見てきた男特有の勘が、微かに警鐘を鳴らしているようだった。 「――で?」 砂川が、静かに問いを切り出す。 「もし、あの女が使いもんにならんかったら……どうするつもりや? どう見ても、あの子……自分の意思で来たとは思えへんぞ?」 語調は柔らかい。だが、言葉の裏には確かな圧があった。 小島は一瞬だけ眉を動かしたが、すぐに口角を上げて笑い返す。 「……さすがですわ、砂川さん。そういうとこ、よう見とる」 煙を吐き出しながら、肩をすくめて続けた。 「せやけど……“使えるかどうか”ってのは、本人の意思や覚悟で決まるモンちゃいます。 この世界でモノになるかどうかは、“結果”だけで測るもんやと俺は思てますけどなぁ」 砂川は黙って聞いていたが、その眼差しは鋭さを増していた。 「つまり、最初から無理やり引っ張ってきたと。──違うか?」 小島は笑いを消さずに、静かに煙草を灰皿へ押しつける。 「俺のやり方がどうであれ、組としては――結果さえ良ければ、納得でしょう? 女が不本意かどうかなんて、俺らが気にする義理あります?」 そして、少しだけ身を乗り出すと、低い声で囁いた。 「ヤクザが“道理”を気にして商売できるような世の中なら、とうの昔に堅気になっとりますわ」 砂川の口元がわずかに歪む。 それが皮肉か、納得か、あるいは見過ごすという合図なのか――判然としなかった。 「なるほどな。そっちタイプの考えなワケか……」 その瞬間だった。 静かな空気を破るように―― 上の階から、女の声が響いた。 「……っあ……ん、んっ……くぅ……っ……!」 断続的な喘ぎ声。 それは、抑えていたものが堰を切ったように、時折壁を越えて一階まで届いてくる。 一拍置いて、小島が笑った。 ニヤリと、口の端を持ち上げて。 「……まぁ、結果が物語ってますやん。 “気持ちええ”かどうかなんて、本人の口が証明してくれとる」 砂川は視線をわずかに上に向けたまま、表情を崩さずに煙草をくゆらせていた。 「不本意でも……気持ちよぉなっとるなら、ええってか」 小島は肩をすくめる。 「結果オーライっちゅうやつですわ、砂川さん」 コンクリートの天井越しに響く声。 そして、それを下で聞きながら交わされる、無感情な会話。 それは、彼らが生きる世界の“冷たさ”そのものだった。 ・・・・・・・・・・。 ――場面は、再び二階。 鉄の階段を挟んだその先、古びた個室の中では、異様な熱が渦巻いていた。 窓はない。かろうじて取り付けられた蛍光灯が、時折チリチリと唸りを上げて明滅を繰り返す。室内の空気はすでに熱と湿気に支配され、重たく粘ついていた。 その中央――使い古されたソファーの上。 そこに、男の腰が勢いよく打ちつけられていた。ミサキの両脚を肩に抱え、無遠慮に突き上げるような体位。ソファーの縁に無理やり押し倒された姿勢で、ミサキは身体を弓なりに反らし、男の腰の動きに翻弄されていた。 「ほら、どうしたァ……さっきまであんなに大人しかったのに……今はもう、グチュグチュやないか……!」 男の吐き捨てるような声が、室内に響く。唇の端には下卑た笑み。快楽というよりも、完全な支配と嗜虐。その証明のように、腰の動きは休むことなく、湿った音を部屋の四隅にまで撒き散らしていた。 「ひぁ……っ、あっ、あっ……んぁっ……だ、め……あっ、ああっ……!」 ミサキの声はもう、抑えられていなかった。先ほどまでの静けさが嘘のように、喉を突き破るような甘い悲鳴が、途切れなく漏れ続ける。額に汗が浮かび、口元は緩み、薄く開かれた瞳の奥には焦点がなかった。 彼女の身体は、跳ねるたびにソファーの軋みと一体化し、汗ばんだ太腿が男の肩に密着していた。乱れたニットは肩から落ち、片方の胸が剥き出しのまま、乳首が硬くなっているのが見て取れる。 「見てみぃ……自分で腰まで振っとるやんけ。ホンマ、すげぇな……こんな鳴き声出る女、久しぶりやわ」 男は偉そうに鼻を鳴らし、腰の奥をさらに深く押し込む。ミサキの全身がビクンと跳ね、足先まで震えが走る。頭を横に振っても、腰の動きは止まらない。逃げ場はない。意識の奥まで侵されていくのを、ただ耐えるしかなかった。 「ああっ、だめっ……そんな、そこ、あっ、あぁあっ……!」 高く、かすれた悲鳴。ソファーの布が汗で湿り、手のひらは何かを掴むように宙を彷徨っている。 「おいおい……声出しすぎやろ。外で聞いてる連中にも、よう聞こえとるで? お前、ほんま見世物やなァ……」 男はさらに脚を持ち上げ、体位を変えるように膝をソファーに乗せた。より深く、より勢いよく。腰が沈むたびに、ミサキの喉がひくつく。 「ひっ……ぅぁ、んんっ、あぁ……くっ……!」 表情は快感に焼けつくように歪み、瞳は涙に濡れていた。だが、それが恐怖か、それとも快感によるものか――もはやミサキ自身すらわからなかった。 男の腰が跳ねるたび、下腹部からとろりと音が響く。ソファーの下には、すでに湿り気が広がり、淫らな熱気が部屋全体を覆い尽くしていた。 「……このままイかせたるわ。──お前、自分がどこまで壊れるか、試したことあるか?」 その言葉に合わせ、男の腰が一段と深く打ち込まれた。 「やぁっ……ああっ……あ、ああっ……そ、そこっ、あああっ……!」 ミサキの叫びはもう悲鳴と快感の区別すらつかない。喉の奥から絞り出されるような喘ぎが、部屋の壁を震わせる。 男の目が光る。 男の腰が打ち込まれるたびに、ミサキの身体が跳ねる。けれどそれ以上に、男自身が興奮の波に呑まれていた。 「……たまらんわ……どないなっとんねん、コレ……っ!」 奥歯を噛み締めながら、男は吐き捨てるように声を漏らす。 手のひらがミサキの太腿をわし掴みにし、食い込むような力で引き寄せる。腰の動きはさらに鋭さを増し、まるで自分の理性を削るように、衝動のまま突き上げていく。 「ほんま……ッ、なんやこれ……吸い付いて離さんやんけ……くそっ、最高すぎるやろ……っ!」 彼の表情が快感に歪み、額から汗が滴る。 ミサキの身体は、いつしか“抱かれる”のではなく、“貫かれる”ための器として扱われていた。 突き込まれるたび、ぬちゃっという濡れた音が部屋の中に生々しく反響する。空気が淫靡な熱で歪み、肌に纏わりつく湿度すらも、男の興奮を煽っていく。 「ほら見ぃ……この締まり……動くたびに、俺のが中でしごかれてるみたいや……っ、くぅ……ッ!」 荒い息遣いの合間、男の声が粘つくように響く。 快楽に支配されたその瞳は、もはや目の前の女を「人」として見ていない。ただ自分の欲望を満たすための“穴”として、その体の奥を貪っていた。 ミサキは歯を食いしばりながら、必死に声を堪えていた。けれど、身体はもう反応を止めてはくれない。 「あ、ぁ……ッ、や……ッ、んぁ、んぅ……!」 喉の奥から溢れる声。震える太腿。 理性とは裏腹に、快感が神経を侵食していく。腰が無意識に揺れてしまうたびに、自分が“与えている”という現実に引き戻され、羞恥と悔しさが一層強まる。 「ほんまええわ……動くたび、ぐちゅぐちゅ音鳴らして……マンコが喜んどるみたいや……!なぁ、ホンマに壊れてまうぞコレ……っ!」 男の動きはもはや射精のためだけに最適化されていた。リズムも、深さも、焦点も――全てが“己を出すため”だけに存在していた。 そしてその中で、ミサキはただただ耐えるしかなかった。 (……いや……こんな……声なんて……出したくないのに……) けれど、出てしまう。 あえぐ声、涙混じりの呻き、そして快感の尾を引くような吐息が、何度も喉から漏れる。 「っ……あかん……こっちが先にイッてまうやないか……っ!」 男の声が、喉奥から絞り出される。 額から汗が滴り、頬が紅潮し、目は虚ろに快楽を追っている。 その腰の動きは、もはや節操もなく激しさを増していく。 「おい……出すぞ? ええな? 生や……中出しや!!」 獣のように唸りながら、男はミサキの脚を肩から外し、そのまま腰の角度を変える。 より深く、より確実に突き刺すように── 肉の奥までを狙って、ねじ込んできた。 「やっ……やだっ、ダメっ……そこ……っ、奥……ぁあっ、いやぁっ……!」 ミサキは拒絶の言葉を口にするものの、その声はどこか熱に浮かされ、吐息混じりに甘く溶けていく。 喉が勝手に喘ぎを漏らし、腰が無意識に浮き上がってしまう。 締めつける──まるで射精を待ち構えているかのように、男の肉棒をキュゥッと咥え込む。 「あっかん……たまらんっ……っ、これっ……締まり……っ、中が、欲しがっとるやないか……!!」 男の身体が震え、動きが乱れていく。 その手が、今度はミサキの胸元へと這い上がる。 落ちたニットをさらに引き下ろし、はだけた片胸にむしゃぶりつくように唇を押し当てる。 「はむっ……ちゅっ……んっ……こっちもたまらんわ……ぷるぷるしとって、乳首ピン立ちやんけ……っ!」 湿った舌が乳首を撫で、唇が吸い上げ、時には軽く歯を立ててこすりあげる。 唾液まみれになった胸が揺れ、男の愛撫のたびにピクリと痙攣を走らせるミサキの身体。 「んぁっ……ひぁ……っ、やっ……やだっ……んんっ、くぅっ……!」 もはや声の意味も、言葉の形も、曖昧だった。 否定のはずが喘ぎになり、抵抗のつもりが身体を開いてしまう。 胸を責められ、腰を突かれ──奥を抉るたび、内側が収縮し、男を離さない。 「もう……限界や……イクぞ……ッ! そのまま中で受け止めろや……ッ!!」 「やぁっ……ダメぇ……ッ、だ、めなのに……あっ、んぁっ……くぅぅっ……!」 ミサキの中がぐっ、と締まりあがる。 まるで男の精を搾り取るかのように、きゅうきゅうと吸い付き、奥へと誘い込む動き。 拒絶の声とは裏腹に、膣内はとろけるような熱に包まれ、まるでそれを“欲している”ようだった。 「うぁ……ッ、出すぞ……そのままっ……っ……うぅぅッ……!!」 ぐぐ、と男の腰が沈みこみ、深く──限界まで奥を貫いたまま、ビクビクと痙攣するように跳ねた。 「…ビュッ……ビュルルッ……ッ!」 脈打つ動きと共に、濃く熱い精液がミサキの奥へと流し込まれていく。 何度も、何度も断続的に吐き出される白濁が、奥の粘膜に張りついていく感覚。 「……んっ……あ……ああぁ……っ……」 ミサキは喉を震わせ、小さく嗚咽のような声を漏らす。 膣奥に広がる熱、満たされていく感覚、濁流が染み渡っていく生々しさ。 拒否しきれなかった自分の身体に、涙が込み上げた。 ミサキは喉を震わせ、小さく嗚咽のような声を漏らす。 膣奥に広がる熱、満たされていく感覚、濁流が染み渡っていく生々しさ。 拒否しきれなかった自分の身体に、涙が込み上げた。 けれど――男の動きは、止まらない。 「……くく……これが2発目やっちゅうのに……まだ、こんなに……!」 坊主頭の男は、肩で息をしながらも、顔には満ち足りた笑みが浮かんでいた。 目尻の皺をひくつかせ、血管の浮き上がった腕でミサキの太腿を押し広げたまま、腰を打ち込む。 ぬちゅ、ぬちゅ、と射精直後とは思えないほど濡れた音が響く。 それもそのはず──ミサキの奥に、まだ勢いよく精液が注がれ続けていた。 「はっ……! なんやコレ……っ、どんだけ……出るねん……っ!!」 男の腰が震えるたび、ぴゅるっ、どぷっ、と音を立てて白濁が奥に叩き込まれていく。 しかもそれは、最初の一発で終わる気配がない。 「精力剤、ナメんなよぉ……っ、ははっ……ほらっ、また出るッ……ッ!」 「い、やっ……もう……出さないでぇ……っ……やめてっ……!」 ミサキの声はか細く、涙に濡れていた。 けれど彼女の中は、拒絶とは裏腹に、男の精を受け入れ続けていた。 熱を帯びた膣壁がうねり、まるで吸い上げるように奥へ奥へと引き込んでいく。 「くぅっ……ほらっ、また……っ,どぅぉぉぉッ……!!!」 肉棒が跳ね、何度目かの精が噴き出した。 びゅるっ、びゅびゅるっ……っ、どぴゅっ……! まるで止まらない蛇口のように、ミサキの中を精で満たしていく。 「くっ……ふぅぅッ……!お前の中……マジで、精子吸い取る装置か……っ!?なんでこんな……!」 一度の射精とは到底思えない濃度と量が、ミサキの奥を叩くたびに、ぐちゅっ、と押し返すような音が響く。 溢れた液体が彼女の太腿を伝い、ソファの縁から垂れ落ちていく。 「や、やめてぇ……っ……も、もう……そんな奥、ぐりぐりされたら……っ……あかん……っ!」 ミサキの声は明らかに悲鳴だった。 けれど、その中に微かに混ざる震えと甘さ――それは紛れもない、“快感のにじみ”だった。 「んっ……あっ……あかんってぇ……ッ、そんなんされたら……出されてんのに……イクっ、イクぅぅ……っ!」 涙がこぼれ、喉の奥から漏れる嗚咽と喘ぎが、彼女の限界を物語っていた。 中は、すでにとろとろに溶け、注がれた熱を感じながら、きゅうっと締め上げていく。 それはまるで、絶頂を迎えた瞬間の痙攣そのものだった。 男がビクンと身体を震わせ、興奮に満ちた声を上げる。 「うっそやろッ!? ……マジかよお前、出されてイキよったんか!!アハハハハッ!!」 下品に笑いながら、腰の動きを止めない。 ぬちゃぬちゃと濡れた音がさらに激しく響き、ぐぽっ、ぐちゅっ、と深部をえぐるように突き上げるたび、ミサキの身体は痙攣するように震えた。 「いやっ、もう……っ、あかんて……っ、やめてぇ……もう、中、熱ぅて…っ!」 身体はびくびくと震え、喉は震えて言葉にならない吐息を漏らし続ける。 奥に打ち込まれるたびに、精液の溜まった膣内がとろとろと音を立てて応える。 「中でイキながら、こんなギュッと締めてくるとか……マジ、エグいな……ほら、まだ出るで……!」 「…どぴゅっ……ぴゅるるっ…!」 男の腰が跳ねるたびに、再び熱い奔流が押し込まれてくる。 2発目とは思えない量が、再び奥を満たし、あふれ、濡れ、染みていく。 彼の興奮が最高潮に達しているのは、見れば一目瞭然だった。 「くくっ……この中、クセになるわ……まるで“精液を飼っとる壺”やんけ……ふふっ……」 ミサキはうわ言のように声を漏らしながら、脱力してソファーに身を預けていた。 脚は男の体に絡みつき、顔は赤く火照り、呼吸はか細く震えていた。 その姿を見下ろしながら、男の目がギラつく。 「……さてと……そろそろ“後片付け”してもらおか……?」 そう言うと、男は腰を引き、ぐぽっ、と濡れた音を立ててミサキの奥から己を引き抜いた。 ずるり、と溢れ出る精液が太腿の内側を伝い、ソファに濡れ染みを広げていく。 抜かれた瞬間、ミサキはピクリと身体を震わせた。 けれど、もう抗う体力など残っていない。 熱い吐息を細く吐きながら、男が目の前に差し出したそれを見つめた。 「……ほれ、お前の中で泳いでたやつや。ちゃんと舐めてキレイにしてみ?」 汗と唾液、そして濃厚な液体にまみれたそれは、まるで“成果物”のように輝いていた。 ミサキはぼんやりと見つめながら、ゆっくりと体を起こす。 指先を震わせながら這わせるように顔を近づけると、男のモノに舌を這わせ、ぺろり……と音を立てて先端を舐めた。 「ん……っ、ふぅ……ぺろ……ぉ……」 舌先が丁寧に、そしてどこか愛おしげに絡む。 ついさっきまで自分の中を暴れ回っていた熱に、媚びるように奉仕するその仕草は、もはや理性など感じさせないほどに淫靡だった。 「おっ……エロい顔しとるなぁ……まだトロけたまんまやん……」 男が興奮気味に呟くなか、ミサキは両手でそれを支え、唇をすぼめてくちゅ、ちゅるっ……と音を立てながら吸い上げる。 唾液と精液が混じり合い、口の中に広がる塩気とぬめり。 それすらも拒絶することなく、まるで求めるかのように、舌を根元まで這わせていく。 「んっ……ちゅ、んちゅっ……じゅるる……ん、んぅ……」 吸い込むたび、顔が濡れ、頬が赤らみ、瞳の奥にはとろりと甘さが滲んでいた。 喉の奥で、くちゅくちゅと液体をかき混ぜる音が響く。 ミサキの口元から、白濁の名残がじわっと溢れ出し、それをまた舌で掬って飲み込む。 「……なんや、お前……ほんまに、そういう体質なんちゃうか……?」 男が呆れたように言いながらも、明らかに顔を綻ばせる。 その熱い視線を受けながら、ミサキは口の中いっぱいに含んだ液体をゆっくりと飲み込み、「ん……ごくっ……」と喉を鳴らして飲み下した。 その瞬間――男の手が動いた。 ぐいっと胸元に手が這い、はだけたニットの中から、柔らかい膨らみを掌が包み込む。 指がゆっくりと動き、汗に濡れた肌をすべるたび、乳首がピンと硬さを増していく。 「ふぅ……っ、んん……や、ん……っ……」 口にまだ残る名残りを舌で舐めとりながら、ミサキは微かに喉を震わせた。 男のもう片方の手が、脚の間へと伸びていく。 そしてその指先が、何度も出し入れされたその中心へ、じっとりと沈んでいく。 「んっ……んぅぅ……やっ……そんなとこ……っ……」 快感に引きつるように閉じた瞼の奥、熱を帯びた瞳が潤む。 口元ではまだ男のそれを優しく吸い上げながら、下の口は男の指に応えるように、ぬちゅ……ぬるん……と濡れた音を立てた。 「ええ音やなぁ……舐めながらアヘ声漏らすとか……ほんま、欲張りやでお前……」 男は舌なめずりしながら、指先をわざとじっくりと這わせた。 ミサキの膨らみを指先でなぞり、じゅくりと揉みしだきながら、濡れた指で奥を浅く、深く――探るように掻き回す。 「ちゅ……くちゅ……んっ、ふぁっ、んぅっ……! ……も、ん……ふっ……!」 吐息と舌の動きが絡まり、ミサキの口元から艶かしい音が漏れ続ける。 腰が勝手に浮き、身体が反応を止められないまま、男の手に翻弄されていく。 男はにやにやと笑いながら、その表情を真正面から眺めた。 「ええなぁ、その顔……やっぱアカンわ……もっと見たいわ……っ」 さらに胸を揉み、乳首を指先で転がしながら、下の指がさらに奥を探っていく。 ぴくんと跳ねる反応を確かめるように、小さくなぞり、抉る。 「んんんっ……ぁ……っ、ふっ、ふぁあっ……!」 舐める動きが一瞬止まりかけたが、すぐにミサキは理性をかき集めて再び咥えた。 けれど、全身が熱を帯び、快感に染まっていくことを、もう誰にも止められなかった。 指がさらに深く沈み込んだ瞬間、ミサキの身体がびくんと跳ねる。 胸を揉みしだく掌と、奥を抉る指の動き。その二重の刺激が、理性を溶かすように彼女の全身を包み込んでいた。 「ふ、ぁっ……ん、くっ……」 口元ではまだ男のものを咥えたまま、舌を這わせ、根元から裏筋にかけて丁寧に舐め上げる。 唇がすぼまり、ちゅるっ……と吸い上げる音がぬるんだ空気の中で艶めかしく響いた。 男の手は遠慮なく動く。片方の手はミサキの胸を鷲掴みにし、指先で乳首を転がし、つまむように刺激する。 もう片方の手は脚の間――指はすでに彼女の奥を出入りし、そのたびにくちゅっ、ぬちゅっ……といやらしい音が響いた。 「おう、ええやん……その顔、たまらんで……」 男はそのままミサキの頭を片手で抑え込みながら、腰をわずかに前に出す。 「裏筋……舐めろ。カリの内側や……舌だけでやれや、歯立てんなよ」 命じる声に、ミサキはわずかに目を細めたまま、舌先をゆっくりと持ち上げ、裏筋へと這わせていく。 ぬるんとした唾液が表面を伝い、その熱を舌が感じ取る。 ちろちろと小さく舐め、次にカリの内側に沿って舌先を螺旋のように這わせていくと、男の身体がびくついた。 「ぉ、おぉ……そ、そこや、そこやって! お前ほんま、どこで覚えたんや……!」 ミサキは答えず、代わりに一層ねっとりと舌を這わせ、男の反応を見て角度を調整する。 その間も胸は揉まれ、乳首は執拗に転がされ、脚の奥の肉がぐちゃぐちゃに掻き回され続けている。 「んぅ……っ、んっ……ふぁ……ぅ……」 口内で肉棒を舌が包み込む。 カリの内側をねっとりと味わい、裏筋のわずかな凹凸に沿って舌を上下に揺らすたび、男の息が熱を帯びて荒くなっていく。 「ぐぅっ……もう、キタキタ……ヤバいぞ……おい……顔や……顔射すんぞ、ええなっ……!」 ミサキは反応を見せず、ただ静かに首を上下させ、唇をカリに押し当てたまま舌先で裏筋を的確に突き上げる。 その動きが精子を絞り出す合図になったかのように、男の腰がぐっと前に出た。 「オラッ……イクぞッ!! そのツラにたっぷりぶちまけたるわッ!!」 びゅっ! びゅるるっ、どぷっ……ぴゅっ、ぴゅっ……! どくどくと脈打ちながら吐き出された濃い精液が、容赦なくミサキの顔を塗りつぶしていく。 額から、まぶた、頬、鼻筋、そして唇にまで……ぬるぬると熱い液体が滴り、白くべっとりと肌を覆う。 「っ……くぅ……っ、んんっ……!」 呼吸もままならず、鼻から漏れる熱い息が精液の膜を揺らす。 視界がかすむほど濃密にかけられた白濁が、目の端から垂れ、口元を伝って舌の上に落ちた。 その瞬間―― 「ほら、マンコのほうはどや? ちゃんと感じとるかぁ? ぬちゃぬちゃやで、これ……ほれッ!」 ぐちゅっ……! 脚の間へ埋め込まれた男の指が、膣奥をかき混ぜるように一気に深く突き上げた。 「んぁっ……ひ、ぃ……あっ、あっ……くうぅぅぅっ……!!」 ミサキの身体が跳ねるように反応し、びくびくと背筋を反らせた。 脚が勝手に開き、膝ががくがくと震えだす。膣奥がきゅぅっ……と締まり、男の指を逃がさないように脈打つ。 「おいおい……イクんか? 顔に精液かけられて……マ○コで絶頂かいな……ッ!!」 男は顔を歪めて笑いながら、さらに奥をぐちゅぐちゅと掻き回す。 「うわっ……締まったッ! はははっ! 出された瞬間に逝くて、どんな変態やねん、お前!」 ミサキの脚はだらしなく開き、膣口がびくびくと痙攣しながら、透明な愛液をとろとろと溢れさせ続けていた。 精液に濡れた顔、快感に痙攣する股間――その両方を、男は堪能するように交互に眺めている。 「ほんま、ええ見世物やわ……見ろや、この顔。ザーメンでドロドロの顔で、マンコぴくぴくさせとる。ははっ……ど変態やん、こいつ」 ミサキは口を開いたまま声を出せず、肩を震わせて小刻みに息を吐いている。 唇にはまだ精液がこびりつき、鼻からは啜るような音が漏れる。 顔に流れ落ちる液体のぬめりが、生々しい屈辱を何度も思い知らせていた。 男はそれを眺めながら、にやりと唇を吊り上げた。 「どうや? イかされた気分は? 顔もマ○コもベチャベチャやぞ? これでまだ、“感じてへん”とか言えるかぁ?」 ミサキは何も言い返せない。 ただ濡れた脚を開いたまま、指の感触を拒みきれず、顔に滴る精の重みに唇を震わせていた。 (……なんで、私……こんな……っ) 羞恥、絶頂、涙、精液……すべてが混ざり合って、ミサキという存在をぐしゃぐしゃに塗り潰していく。 だがその中に、消えずに残る微かな意識――それだけが、彼女の心をつなぎ止めていた。 ミサキの膝にかかる男の手が、ぐっと力を込めた。 濡れた脚を強引に左右へと開かれ、もはや形ばかりの抵抗すら奪われる。 「さぁ、三発目いこかぁ……ええ顔しとるやんけ、お前……」 男は笑いながら、自らの腰を引き寄せた。 その股間には、先ほどの吐き出しをものともせず、なお猛々しく怒張した肉がそびえている。 ビンと脈打つ熱塊が、顔に垂れた精液の生温かさとは別種の、生々しい熱気を放っていた。 ぐちゅ……ぬちゃっ…… 滑るような音を立てながら、男の先端がミサキの秘所に押し当てられる。 射精の直後とは思えない硬さと、精力剤に焚きつけられた異様な持続力。 ミサキは、もはやそれを拒む気力すら残っていなかった。 (……どうせ……抗ったって……) 脚を開いたまま、ただされるがままに受け入れる。 それは降参ではない。ただ、心の奥で、なにかを必死で守ろうとしていた。 ぬちゅ……ぐぐ……っ、ずんっ―― ズプッ、と濡れた音とともに、男の肉がミサキの中へ沈み込んでいった。 絶頂後の膣壁はまだ敏感に震えていて、侵入を受け入れると同時に、ぎゅぅっと絞り上げるように絡みつく。 「ぅ……ははっ、たまらん締まりやな……」 男は低く笑い、奥へ奥へと、根元まで埋めるように突き入れてくる。 ミサキの指が無意識にシーツを掴み、肩が小さく震えた。 (……いやだ、こんなの……なのに……っ) ずっ、ずぷっ、ぐちゅっ…… 律動するたびに、内側からいやらしい水音があふれる。 熱い肉棒にかき回され、絶頂の余韻がじわじわと蘇ってくる。 身体は、裏切るように敏感になり、侵入のたびに小さな痙攣を繰り返した。 「ぬちゅ、ぬちゃ……」 「おぉ、奥、きゅんきゅんしとるで……ええやん、これ、最高やん……」 男が笑いながら腰を打ちつけるたび、ミサキの脚はさらにだらしなく開かされ、膣口は男根を咥え込みながら、ぐちゅぐちゅと淫らな音を奏で続ける。 ミサキは目を閉じた。 自分の中に押し込まれているもの、その熱さ、硬さ、濡れた感触―― すべてから目を逸らしたかった。 (……ここじゃない……私は……こんなところにいない……) どこか遠い場所を思い浮かべるように、ミサキは心を閉ざした。 男の吐息が耳元で荒くなり、腰の動きはますます激しさを増していく。 バチンッ、バチンッ、と湿った肌が打ち合わさる音が、室内に卑猥に響き渡った。 「うぅっ……ぐっ、締まりすぎやろ……これッ……!」 男が呻きながら、ぐいぐいと腰を突き上げるたびに、ミサキの身体はベッドの上で跳ねた。 絶え間ない衝撃に、脚が勝手に震え、腰が無様に反応してしまう。 (……早く……終わって……) ただそれだけを、心の底から祈っていた。 濡れた顔を歪めながら、唇を震わせ、喉の奥でくぐもった吐息を漏らしながら―― ミサキは、ひたすら、耐えていた。 「うっしゃ……ほなこのまま、三発目流し込んだるわ……っ!」 男の腰が低く構えを変えた瞬間、ミサキの中に埋められていた熱が、さらに深く、激しく打ち込まれた。 「んぐっ……ッ……!」 ミサキの喉から、掠れた呻きが漏れる。 もはや声すらまともに出ない。 ただ、熱くて硬い塊が、自分の奥を突き上げる感触だけが全身を支配していた。 「おらおら……どや? まだ奥、グチュグチュやんけ……中が欲しがっとるで、コレ……っ!」 バチンッ、バチンッ――! 男は体重を乗せた腰を容赦なく叩きつける。 肉と肉が打ち合わさる音が湿り気を帯びて響き、膣内ではねじ込まれた男根が蠢くように暴れまわる。 「締め付けよんのか……それともまたイキかけとんのかァ?どっちや?えぇ!?」 「っ……は……あぁ……っ」 ミサキは虚ろな瞳のまま、ただ小さく声を震わせる。 何をされているのか、どこまでされるのか―― もう、考える余地すらなかった。 「ようけ濡れとるで、奥……ぶちゅぶちゅ鳴ってやがる……! ええ音鳴らして締め付けるとか、どんなド変態やねんお前は……っ!」 ずぶっ! ずんっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ……! 中をこねくり回されるたびに、ミサキの身体が跳ね、髪が乱れて頬に貼りつく。 腰を固定するように男の手が強く脚を押さえつけ、逃げ道を完全に塞ぐ。 「はっは!……見てみぃ、この締まり……入れるたびに絡みついて、先っぽ引き抜かれそうやわ……お前のマンコ、生きてるやんけ!」 汗が男の額から垂れ落ち、ミサキの腹に滴り落ちる。 体温が交じり合い、熱と湿気と匂いと、全てが絡みついて離れない。 「……もう一回、奥でピュッピュ言わせてやるからな……」 「や……やめ、っ……て」 それでも絞り出されたミサキの声は、まるで蚊の鳴くようにかすれていて、 男には“吐息”としか届かなかった。 「やめてほしい? そんなん通るかいな!――“気持ちええ”の顔しとるくせに、何がやめて、や!ははっ……お前はもう、“そっち側”の女やねん……」 ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぬちゅっ、ずぷっ! 膣内から飛び出すような音が部屋中に響き渡る。 ミサキの股間はひくつき、透明な粘液がとろとろと溢れ出し、ベッドのシーツに濡れた染みを拡げていく。 「わかっとるやろ? このマンコが……もう、“俺の形”に慣れてしもとる……これが証拠や……!」 突き上げと同時に、膣奥の一点にグリグリと押し当てられる感触が走り、 ミサキの腰が無意識に逃げるように揺れる。 「お?今ビクッてなったな……ここが弱点か? ん? ここがクリティカルゾーン?……ほら、こうやって……えいっ、えいっ……」 ずぷっ、ずぷっ! ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゃっ……! 同じ一点を執拗に突き続け、男は腰の速度を速めていく。 肉が打ち合う音と、粘液が飛び散る音と、荒い息遣いが混じり合い、空気が濁っていく。 「そろそろ……出すで……全部奥でピュッピュッって……なぁ、ちゃんと受け止めぇや? 体は“それ待ち”やろ?」 「……ぁ……やめ……やめて……」 「無理や。これで終わりや……お前の中に、全部ぶちまけてやる……その奥に……!俺の三発目ぇぇッ!!」 男の腰が、最後の一撃のように突き込まれた――その瞬間―― ――ドクンッ、びゅるっ、びゅくっ……ッ!! 「くぅぅっ……!! 出るっ……ぜんっぶ……飲めぇやッ……!」 ミサキの身体が、内側から焼かれるような熱に包まれた。 膣の奥――子宮口近くに押し付けられた先端から、ドロリとした熱が一気に噴き出す。 どくっ、どぷっ、ぴゅくっ、びゅっ…… ひとつ、またひとつと、脈打つように熱が注がれるたび、膣内の柔肉がぎゅっと収縮し、吐き出された精を絡めとる。 その濃厚さと量の多さに、下腹がじわりと膨れるような錯覚さえ覚える。 「んんっ……くっ……」 ミサキは声にならない声を漏らし、頭をかすかに横に振る。 だが、吐息と震えが止まらず、熱と匂いと絶望に包まれた空間の中、彼女の心はどこか遠くへ飛んでいた。 「はぁ……はぁっ……いやぁ、やっぱ女は中出しが一番やなぁ……証拠残るし、教え込めるし……」 男は腰をわざとらしくくいっと動かし、ミサキの奥からゆるく吐き出された白濁を、ぬちゃ……と下品にかき混ぜるように動いた。 「おう、見てみぃ?……こぼれとるで……」 ミサキの脚の間から、濃く白い液体がとろとろと漏れ出し、太腿に線を描く。 それを指先で掬った男が、ぺろりと舐めて舌を鳴らす。 「これが、“調教済み”っちゅうもんや。見せもんには、最高の仕上がりやな」 歪んだ笑みを浮かべながら、男は再びその指を、ミサキの脚の付け根へ這わせていく。 ――だが、その時。 男の背後から、低く、重たい足音が一つ。 (……ッ!) ミサキの目がかすかに見開かれた。 どくどくと体内にまだ脈打ち続ける余熱。 そんな最中――背後から、確かに、気配が近づいてきていた。 足音は、一歩、また一歩と確実に近づいてくる。 男の手がぴたりと止まった。 背後に向けられたその目が、獣のように鋭く細められる。 ミサキの目は見逃さなかった。 (……えっ……?) 次に姿を見せたのは、全身を黒ずくめに包み、目出し帽をかぶった男だった。 視線だけで部屋の様子を確認するように入り込んだその姿に、ミサキの肩がビクリと震える。 (……だ、誰……?) 恐怖と混乱が交じる中で、その“仮面”の男は―― 指を唇に当てて、そっと「しーっ」とミサキに合図した。 ミサキは、驚きに見開いた目で、無言のまま頷くしかなかった。 その動きは、どこか見覚えのあるものだった。 でも、思い出せない。 なぜなら、彼の素顔が見えないからだ。 目出し帽の下の男は、すでに無音で部屋の隅に身を潜めている。 だが、肝心の坊主の男は気づいていない。 いや、気づくはずもなかった。 なぜなら―― 「んふふ……なんや、さっきより感じとるやん……おっぱい、ピンッて立っとるぞコレ。ええのぉ……」 男の手が、ミサキの胸をまさぐる。 指先で乳首を摘まむたび、ミサキの身体はビクンと反応する。 「やっ……あっ……!」 自分の口から漏れる声に、ミサキは息を呑んだ。 羞恥と屈辱で顔が熱くなる。 でも、身体は……もう言うことを聞いてくれなかった。 「はは……お前、もう“雌”やんけ。見てみぃ、この乳首……えっぐい立ち方してるやん」 男は満足そうに笑いながら、ミサキの胸を両手で揉みしだく。 「この世はな……結局、悪いヤツが勝つんや!正義も正論も通用せん!それが現実やっ!」 下卑た笑いが室内に響いた、そのときだった―― 「……ちがうな」 静かな声が、男のすぐ背後から響いた。 坊主の男が、ピクリと身体を硬直させる。 「……強いヤツが勝つ」 その言葉と同時に、音すらないほどの動きで、目出し帽の男――アキラの手刀が、背後から男の首筋へ吸い込まれるように走った。 シュッ――ドンッ! 重い鈍音とともに、男の体が一瞬で崩れ落ちる。 「がっ……!?……」 言葉にならないうめき声が喉の奥で詰まり、そのまま全身の力が抜ける。 意識を刈り取られたように、ぐったりと床に倒れた。 ミサキは、その一部始終を、ただ呆然と見ていた。 (……え……なに……!?) 床に横たわる男の動かない身体。 その上に立つ、黒い目出し帽の男。 そして―― 「……そのー……まー、あれや。助けに来た」 不器用にそう呟いたその声に、ミサキの目が揺れた。 知っている。 忘れられない声だった。 「……え……?」 涙で潤んだ瞳の奥に、希望の光が一筋、差し込んだ。 「……そのー……まー、あれや。助けに来た」 不器用にそう呟いたその声に、ミサキの目が揺れた。 知っている。忘れられない声だった。 「……え……?」 涙で潤んだ瞳の奥に、希望の光が一筋、差し込んだ――が。 (……違う……そんなはずない……) 目の前の男は、黒い目出し帽をかぶり、表情も見えず、声もどこか変調しているように聞こえた。 ミサキの視線が戸惑いに揺れている、そのとき―― アキラの耳元に仕込まれたインカムから、少しノイズ交じりの高音が響いた。 「ねェー! 今の音なに? 何かバキッて言ったけどォ!? どうなってるの?」 ヨウコの声だった。 アキラは小さく息を吐き、淡々と答える。 「大丈夫。殺してない。」 「ホントォ? 殺してない? ねぇ、ミサキちゃんは? あの子、ふつうの娘なのよ?暴力とか慣れてないの。とにかく、安心させてあげて!ごまかしでもいいから!」 アキラはしばし黙る。 「……今さら、どうやって。」 「えー!? もうッ!……じゃあね、笑顔よ!ジョークのひとつでも飛ばしなさい!笑顔!ジョーク!」 沈黙。 アキラは、首をわずかに傾けたまま思案してから―― 「……なんで俺もやねぇ~ん、俺もやねぇ~ん~~」 妙に棒読みで、どこかで聞いたことのあるフレーズを、不自然に口ずさむ。 ミサキは一瞬ぽかんとしたまま、顔をこわばらせた。 インカムの向こうで、ヨウコがすかさずツッコむ。 「それ、ジャッカルのCMのやつじゃん!パクリ!しかも似てない!!」 「うん……うん、わかってる……」 アキラは小さくうなずきながら、心の中で「失敗やな」と独りごちた。 ヨウコは深いため息をついて、話題を切り替える。 「でー、ミサキちゃん連れて出るのはいいけど、どうする気? 外の廊下に3人いたでしょ?どうやって突破する気ー?」 アキラの目が扉に向かう。 「……とりあえず、外の3人が邪魔やな。殺していいなら、1分で片付く。」 「ダメよッ!!! 殺っちゃダメーッ!!」 「……まぁ、大丈夫。なんとか片付けてくる。」 「“なんとか”ってなによぉ~!マジで本気出したらダメだからね!さっきの“バキッ”でもう充分ヤバかったんだから!」 アキラはひと息ついてから、振り返る。 床にうずくまるミサキと目が合う。 正体を知らぬまま、怯えの色を浮かべているその目に、彼は言葉を選びながら近づく。 「……ちょっと俺、あそこの外の3人と話してくるから。……ここで、待っててね。」 ミサキは一瞬戸惑い、警戒を滲ませた瞳のまま、おそるおそる答える。 「……あっ……はい……」 アキラは頷き、軽く手を振るような仕草を添える。 「……大丈夫。すぐに終わるから。そしたら……すぐ、帰れるよ。」 その一言で、ミサキの表情が凍りついた。 (……え……?) 脳裏を駆け巡る、記憶―― ――前日、電話越しに佐藤が言った、あの言葉。 『……大丈夫。すぐ帰れるよ。絵は……明日、ちゃんと渡せるよ』 まったく同じ言い回し。 まったく同じ、声の抑揚。 (……え……うそ……うそ……まさか……) 「……さと……う……くん……?」 目の前の“目出し帽”の下に隠された素顔が、輪郭を持って脳内に浮かび上がっていく。 戸惑いと、希望と、混乱とが、彼女の胸に同時に押し寄せる。 アキラは、そんなミサキに背を向けてゆっくりと扉へと向かう。 足取りは静かで、まるで何も心配などないかのように―― しかし、空気に沈んだ殺気だけが、異様な緊張を孕んでいた。 「さてと……同業もいるっぽいが……まー、大丈夫」 低く、静かにつぶやく。 その背中に宿る“殺し屋”の気配が、密やかに室内を染め上げていく。 そして扉に手をかけたその瞬間―― アキラはふと立ち止まり、背中越しにぽつりとつぶやいた。 「……もう大丈夫やから。これで、全部終わるから」 ミサキの瞳が、はっと大きく開く。 「……え……?」 空気が静かに揺れた。 その沈黙を破ったのは、アキラ自身だった。 「……なんで俺もやねぇ~ん、俺もやねぇ~ん~~」 妙に間延びした調子で放たれたそのフレーズは、先ほどのように、やはりどこかズレていた。 インカムの向こうで、待ちかねたようにヨウコが絶叫する。 「似てないッ!!さっさと行けッ!!」 その瞬間―― 「……ぷっ……!!」 ミサキの口元が、耐えきれずに緩む。 必死に我慢していた表情がふっと崩れ、かすかに笑みが浮かんだ。 涙が乾ききらないその目に、ほんの少しだけ、生気が戻ってくる。 それを背後で感じながら、アキラは目出し帽の中で、ほんのわずかに、口元を緩めた。 誰にも見えない、無口な男の、静かな笑顔。 そして―― アキラは何も言わず、ゆっくりと扉を開ける。 音もなく、影も落とさず、静かに“狩り”の世界へと足を踏み入れていった。 ドアの向こうには、まだ知らない危険が蠢いている。 だが、その背中には、ひとかけらの迷いもなかった。 室内には、わずかに残るあたたかさと、ミサキの笑みだけが、静かに漂っていた。 ――そして、闇の中で“仕事”が始まる。 ・・・・・・・・・・・・・・・終