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~ザ・ファブル~「擦り減っていく心…清水ミサキ」

『ザ・ファブル』 同人作品です。 忠実な再現はしてませんが、ネタバレが苦手な方は避けてください。 前作 ~ザ・ファブル~「小島の狙いは清水ミサキ」 ~ザ・ファブル~「清水ミサキの契約書」 ~ザ・ファブル~「清水ミサキが欲しい似顔絵…」 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23422904 上記も併せてお読みください。 ~本編~ ・・・・・・・・・・。 そして、二階の部屋では―― ミサキが一人、静かに立っていた。坊主頭の舎弟は、ドアの前に立ちながら笑みを浮かべている。 「さ、これからやで。“できる女”ってとこ、しっかり見せてもらおか」 ミサキの胸の奥に、冷たいものがゆっくりと満ちていくのを感じていた。 けれどその奥底では、何かが、確実に目を覚まそうとしていた。 二階の部屋――薄暗いその個室の中で、ミサキはただ静かに立ち尽くしていた。蛍光灯の灯りは古びていて、ちらちらと明滅を繰り返している。そのちらつきが、彼女の不安をますます煽った。 背後でドアが閉まる音。そのすぐ後に、無遠慮な金属音が響いた。ガチャン、と無骨な鍵が掛けられる音だった。 「ま、逃げられても困るしな。お互いのためやでぇ~」 そう呟いたのは、坊主頭の舎弟だった。 彼は部屋の隅にミサキを軽く見やったあと、前で待機してる三人に向かって肩越しに振り返った。 「おい、お前ら。興味あるなら覗いたらええでぇ?俺、見られとる方が燃えるタイプやからさ」 ニヤニヤとした顔には、恥じらいも迷いもなかった。 「……せやけど、手ぇ出すのはアカンで?“初回限定”っちゅうのは、俺の役得や。まぁ、順番はあとで決めたらええわ」 軽口のつもりで放たれたその言葉に、外の三人は薄ら笑いを返すだけで特に応じなかったが、その目は明らかに興味を隠しきれていなかった。 ミサキは、そのやり取りを聞きながら、喉の奥がきゅうと締めつけられるような感覚に襲われていた。 (……また……始まるんや……) 坊主は腕をぐるりと回しながら、肩の力を抜くようにして言った。 「まぁ……しゃあないわな?こっちはこっちで“仕事”やし。あんたもようやく女として目ェ覚ますときや。──俺がその“初乗り”いただけるっちゅうんは、ラッキーやなぁ~」 いやらしさと軽薄さが入り混じった口調で言いながら、坊主はゆっくりと歩み寄る。 その足音が一歩ごとに近づくたび、ミサキの肩は微かに震えた。けれど、逃げる場所はない。背中はすでに壁につかえている。 「大丈夫やって。そんな怖い顔せんと。俺は優しい方やで?──ちゃんと“感じさせる”のが信条やからな」 笑いながら手を伸ばしかける男の動きに、ミサキは思わず体を強ばらせた。唇がわずかに震え、目は逸らされたまま。 そのときの彼女の胸の内には、恐怖と怒りと、そして……もはや限界に近い無力感が絡み合っていた。 (……なんで、私がこんな目に……) 男の足音が、鈍く床を軋ませながら近づいてくる。 部屋に響くのは、その音と蛍光灯のかすかな唸り声だけ。ミサキは背を壁につけたまま微動だにできずにいた。喉の奥で何かを飲み込むように、息を潜める。 男はニタニタとした笑みを崩さぬまま、その距離を詰めた。指先をわずかにひらひらと動かしながら――まるで品定めするように。 「緊張してるんか? いや、わかるで。そらそうや。けどな、始まってしもたもんは止まらへん。安心せぇって……丁寧に扱ったるさかい」 気味の悪い優しさを装ったその声が、ミサキの耳を撫でた。 そして、男の手が――ゆっくりと、だがためらいなく、ミサキの頬に触れた。 「……やわらか。肌、キレイやなぁ……手入れしとるやろ?」 触れられた瞬間、ミサキは顔を逸らすようにして首を振った。咄嗟に男の手を振り払おうとするが、力の差は明白だった。 男は動じることなく、逆にもう一方の手を使って彼女の両肩を押さえ込む。 「ほらほら、暴れんでもええって。力入れたら余計しんどい思いするだけや。な? 慣れたら、気持ちよぉなるかもしれんのに……」 歪んだ理屈が、息に混じって吐き出される。 男の手が下へと滑っていく。指先がゆっくりと胸元に伸び――ミサキのブラ越しに、柔らかな膨らみを掴んだ。 「……くっ、やめて!」 ミサキが叫ぶように押し返そうとするが、男は一切意に介さず、そのまま指をめり込ませるようにして揉み始める。ニヤニヤと顔を歪めながら、恍惚としたように。 「うわぁ……ええな……まじで、想像以上やんけ……これ、俺のもんやろ?」 「違うっ……触らないで……!」 ミサキは必死に身を捻り、腕を振りほどこうとする。しかし男の手は離れない。むしろ、その力はますます強くなる。 「んで……次は、ここやな」 囁くような声とともに、男の手がミサキのスカートの裾にかかった。 爪先が、生地の中をまさぐるように滑り込んでいく。太腿の内側に指が触れた瞬間、ミサキの背筋が反射的に跳ねた。 「……やっ……やめてってば……!」 彼女の声はかすれ、涙声に近かった。足を閉じようとするが、男は膝をねじ込むようにして間を押し広げる。 「……暴れたら怪我するで? 俺、ちゃんとやるから。そっちが変に抵抗せんかったら、優しぃに決まっとるやん……」 スカートの奥へと侵入してくる指先の気配。汗ばむほどに熱を帯びた空気が、下半身を包み込んでいく。ミサキの喉が詰まり、声にならない吐息がもれる。 だが、次の瞬間―― 「やめてっ……!」 必死に振り払うように、彼女は手を叩き落とした。体をよじって逃げようとするが、壁との間には逃げ道がない。 男は一瞬ひるむも、すぐに口元を歪めて笑った。 「おぉ、元気ええな。けどよぉ……」 そう言いながら、再び手を伸ばし、今度は強引に太腿の内側へと指をねじ込んでくる。 「……なんやこれ……もうヌレヌレやないか。お前、ホンマは待っとったんちゃうか?」 ミサキは目を見開き、怒りと羞恥が一気に込み上げる。 「違うっ……!そんなわけあるかっ!」 叫びながら男の顔に手を伸ばし、爪を立てるようにひっかこうとする。だが、その動きはあっさりと止められた。腕を掴まれ、背中を壁に押しつけられる。 「はいはい、そんなん無駄やって……もっと素直にならなアカンで?」 囁きながら、男はもう一方の手を腰の奥へと滑らせる。ショーツの縁をなぞるように指が這い、やがてその中へと潜り込んでいく。 ミサキは全身を震わせ、膝に力を込めて突き飛ばそうとしたが、男の膝が割って入っていて自由がきかない。 「ほら、もうグチョグチョやん……感じとる証拠や。身体はウソつかんて、よう言うやろ?」 声の調子は軽く、笑いさえ混じっているが、その指先には容赦がなかった。 ミサキは奥歯を噛みしめ、涙がにじみ始める。 (ちがう……これは違う……! 私は――) 必死に腰を捻るも、男の腕力に抗えない。ショーツ越しに触れてくる指先が、いやらしく割れ目をなぞり、くちゅり、と音が鳴った瞬間、男が声を弾ませた。 「うわっ……やば。ホンマに溢れてきとるやん。おいおい、どんな顔しとんねん。可愛いわぁ~……」 ミサキは視線を逸らし、震える声で搾り出す。 「それ……違う……ただ、怖くて……!」 「へぇ? 怖いだけでここまで濡れるか? ほんなら、もっと怖がらせたるわ」 その言葉と同時に、男の顔がぐっと近づく。唇が頬に触れかけたその瞬間、ミサキは反射的に頭を振って避け、肩で彼を突き飛ばした。 わずかに男の体が後ろへよろめく。だが、それもほんの一瞬だった。 次の瞬間、男の顔からは笑みが消え、低く押し殺した声がもれた。 「……マジか、やる気やな……? ええやん。やっぱ、暴れる女のが燃えるわ」 狂気じみた笑みを浮かべ、男は再び迫ってくる。室内の空気が、一気に張りつめた。 そして、突如として―― 「……調子に乗んなよコラァ!」 怒号が室内に響いた。重く、鋭く、壁を揺らすような声だった。 「てめぇが今どんな立場かわかってへんのか!? ここは遊び場ちゃうぞコラ。お前の都合なんて、誰が聞くかや!」 男の目がギラつき、息を荒げながら叫び続ける。 「“やめろ”や?“触んな”や? ハハ、どの口が言うとんねん!オマエ、どこまで来てるか分かってんのか? こっから先、逃げ道なんて一つもねぇんやぞ!」 ミサキは、その声に追い詰められるように後ずさった。だが、背後にあるのはただの壁。もうそれ以上、どこにも行けなかった。 「嫌でも、泣いても、叫んでも――無駄や!オマエの“自由”なんて、もう終わっとんねん!夢でも見とったんか? 現実見ぃや!!」 畳みかけるような罵声に、ミサキの視界が滲む。肩が震え、堪えていた涙がついに零れ落ちた。 「……っ……いや……いやぁ……」 声にならない嗚咽が、胸の奥から込み上げてくる。 男はそれを見て、ニヤリと口角を上げ、少しだけ間を置いたあと、ゆっくりと目の前の椅子を引いた。そして、ドスンと腰を下ろす。 「……ほら。泣いたら許されるとでも思とんのか?」 一拍置き、手をだらりと膝に置いたまま、視線だけでミサキを射抜くように睨む。 「オラ……こっち来て、自分でやれや。ジッパー下ろして、ズボン脱がせ。──それが“仕事”やろがァ」 椅子にふんぞり返りながら、男は足をわずかに広げた。無言の圧力がミサキを押し潰すように覆いかぶさってくる。 ミサキは、震える手で口元を覆い、必死で涙を拭うが、その勢いは止まらなかった。 「……やだ……お願い……やめて…ください……」 言葉にならない声が漏れるたび、男の表情が徐々に冷え切ったものに変わっていく。 「はぁ……ホンマ使えん女やな」 小さく舌打ちをして、イスの上で背を預ける。 「こっちは“選ばれた”相手やで? ありがたがって奉仕するのが筋ちゃうんけ? なぁ?」 怒鳴り声ではなく、静かに、じわじわと追い詰めるような言葉。だが、逆にその冷たさが、ミサキの心を深くえぐった。 「やれや。さっさと来い。もたもたすんな言うとるやろがァ!ボケェ!」 叫び声が再び室内に響いた瞬間、ミサキの膝が、ふらりと揺らいだ。 崩れるようにしゃがみ込むと、そのまま膝をついた。涙がぽたぽたと床に落ち、そこに小さな染みを作る。 男はその姿を見下ろしながら、満足げに笑う。 「そうそう……それでええんや」 ミサキは何も言えず、ただゆっくりと立ち上がると――泣きながら、男の前へと歩み寄った。 恐怖と屈辱に全身を支配されながらも、彼女は男のズボンに手を伸ばす。 その手は震え、力が入らない。それでも、逃げ道のない現実を突きつけられ、もう抗う気力すら奪われかけていた。 ミサキの指が、男のジッパーにかかる。 震える指先でそれをゆっくりと下ろしていくたびに、金属音が小さく鳴り、空気がさらに重くよどんでいった。 男はイスに座ったまま、肘を膝にかけて前傾姿勢を取り、薄く笑っている。どこか焦らすように、わざと黙って見下ろしていた。 ミサキは唇をかみ、顔をそむけるようにしていたが、指だけは止められなかった。ジッパーの奥、下着越しに浮かび上がった膨らみを視界に入れた瞬間、喉がひくつく。 「……チンタラすんなや」 急に、男が低い声で吐き捨てるように言った。 「ほら、パンツもや。何止まっとんねん。途中でやめるとか、アホちゃうんか?」 その声に、ミサキはビクッと肩を揺らす。だが、否応なく、手は動いた。 ゆっくりと――本当に、ほんの数センチずつしか下ろせない。 下着の布が引かれ、肌が露わになっていく。 男はわざとらしく息を吐き、見下ろしながら呟いた。 「……見てみぃや。もうこうや。お前のせいやで? こんな反り返っとんの」 そこには、いやらしさと嗜虐を混ぜ込んだ得意げな表情。下着を下ろしきったとき、彼の下半身は既に、張り詰めたように膨れ上がっていた。 ミサキは目を逸らし、唇を震わせながら手を引っ込めた。 「……やめ……て……」 小さな声がもれたが、男は逆に笑いを深めただけだった。 「……おい、何をまだ迷とんねん。ここまで来たら分かるやろ。口ぇ、使えって話や」 手の甲で自分の太腿をポンポンと叩き、誘導するような仕草。 「言われんでも分かるはずや。――ちゃっとやれや。さっさと」 言葉は静かだが、その中に押しつけがましい圧力があった。 ミサキは両手を膝に置いたまま、下を向いて震えている。喉の奥からは、何度も嗚咽のような息が上がり、涙が頬を伝って落ちた。 (……どうして……こんな……) 心が、何かに沈んでいくようだった。 それでも彼女は、今にも折れそうなその身を、ただ膝立ちのまま支え続けていた。 男は黙ったまま、彼女の反応を見下ろしていた。 次の一手を待ちながら、じわじわと追い詰めるように。 ――空気は、張り詰めていた。 涙の痕が頬を伝い、顎の先からぽたりと床へと落ちる。 ミサキは、男の目を見ないようにして、ゆっくりと前かがみになる。 震える手が膝を支え、背筋がわずかに丸まる。 男の腿の間、その中心には、既に膨れ上がった肉がむき出しになっていた。皮膚は赤黒く張り詰め、先端が脈打つように揺れている。 「……ほら。ちゃっと咥えろ。もう段取り済んどるんや。手間かけさすなよ」 低く押さえた声。それは怒鳴り声よりも冷たく、重かった。 まるで命令が当然であるかのような、否定を許さない圧。 ミサキは唇を噛みしめる。 息を吸っても、肺が空気を受け入れてくれない。 指先が、男の腿に触れる。 硬い、熱い感触。 指がほんの少しずつ、男の中心へと伸びていく。触れた瞬間、わずかにその形が跳ねた。ミサキの喉がきゅっと鳴り、顔が引きつる。 「ビビんなって。もう濡れてたくせに……いまさら逃げられる思うなよ」 男は椅子に体重を預け、どっしりと構えたまま下を見下ろしている。 ミサキは、涙をこらえるように目を閉じた。 そして――ゆっくりと、顔を近づけていく。 鼻先に、生温かく湿った匂いが迫ってくる。吐き気を堪えながらも、そのまま、唇を近づける。 そして。 ついに、先端が唇に触れた。 ぬるりとした感触が、口元にまとわりつく。唾液の膜が張り、薄く光る。 「そうや、それでええ。もうちょっと口開けて、奥まで入れたれや」 男の声が、ねっとりとした音に変わっていた。 ミサキは、唇を開き、先端をゆっくりと口の中に含む。 熱と重さが舌に乗り、喉の奥まで届きそうな気配に思わず息を止める。 「ん……ぅ……」 喉の奥で小さな吐息が漏れる。 男はそれに反応するように、腰をわずかに前へ押し出した。 ミサキの顔がさらに押し下げられる。 「おうおう……ええやん……ちゅうても、お前、やっぱ慣れとるんちゃうか? 動きがちゃうもんなァ」 片手でミサキの頭を掴み、指を髪に絡める。 軽く押さえつけるようにしながら、腰をゆっくりと動かし始めた。 「ほら、もっと舌動かして。奥の方、ちゃんと刺激せぇ。んで……しゃぶりながら、手ぇも使えや」 言葉が追い立てるように飛んでくる。 ミサキは、震えながらも手を添え、根元を包むように握った。 唾液と熱気が混ざり、口内に広がる粘ついた感触に、全身が痺れるような嫌悪を覚える。 だが、それを口に出すことは、もう許されない空気だった。 「んっ……ちゅ……ぅ……っ」 舌をゆっくりと這わせ、唇をすぼめて吸い込む。 部屋の中には、濡れた音と、男の浅い呼吸が響き始める。 「……っ、くぅ……そうや、もっと吸い上げろ……ちゃんと根元まで咥えろって……あぁ……たまらんわ……」 男の声が熱を帯び、徐々に昂ぶりを見せていた。 ミサキの中では、羞恥と苦痛が入り混じり、涙が止まらないまま頬を濡らし続けていた。 だが――身体は止まらなかった。 逃げることも、叫ぶことも、もうできなかった。 ただ、命令されるがままに、男の欲を受け止め続けていた。 男の腰がわずかに浮き上がり、喉の奥からくぐもった声が漏れた。 「おぉ……たまらん……わぁ……こらエグいな……」 息を荒くしながら、ミサキの頭を片手で支えたまま、目を細めて快感に浸る。濡れた音が絶え間なく続き、唾液が糸を引きながら唇から溢れ、男の下腹に滴っていく。 ミサキは奥歯を噛みしめながら、その熱と重さを舌の上に感じていた。心のどこかで自分が今どんな姿を晒しているか、冷静に突きつけられているような感覚。それでも、抗う術はない。動きを止めれば、何が起きるかは――もう痛いほど知っていた。 「なぁ……お前、ホンマは……スケベなんちゃうか……?」 男の声がねっとりと降り注ぐ。 「そんな顔して、こんな上手ぅにしゃぶる女、普通おらへんやろ。どうなん?お前、自分で分かってるやろ?」 さらに深く、彼の腰が前へと押し出される。喉奥まで届きそうな圧力に、ミサキの肩がびくりと震えた。息を抜く暇もない。それでも舌を這わせ、唇をすぼめて吸い上げるように動かし続けた。 「そやそや……そうやって咥えながら目ぇ潤ませて……たまらんなぁ……。ええ顔しとるわ……なんや、感じてるんか?お前の口、ちゅぽちゅぽ言うて、欲しがってるようにしか見えへんけどなァ?」 ミサキの目尻には、涙が滲んでいた。羞恥と屈辱、そして何よりも悔しさ――それらがごちゃ混ぜになって、喉の奥に塊のように張りついている。けれど、男の声は遠慮など微塵もなく、彼女の耳に突き刺さり続ける。 「そんだけ濡らして吸いついて……ほんま、口の中でヌチャヌチャ絡めとるやん。オマエ、絶対慣れてるやろ?違うか?」 片手が彼女の髪をかきあげるようにして頭を固定し、もう一方の手は無遠慮に太腿へと触れようとしていた。けれど、ミサキはわずかに体を引いてかわした。 「ん?逃げるんか?アカンで……どこ行っても同じや。どうせお前、こういう風に扱われるのが合ってるんやろ?」 吐き捨てるような声に、彼女の眉がわずかに動いた。 (……違う……そんなわけない……) だがその反応さえ、男には都合よくしか映らない。 「なぁ……ホンマは奥のほうまで咥えたなってるやろ?ほら、もっと喉の奥まで入れたれや……お前ならいけるわ。よう訓練されとるもんなぁ?」 口元に唾液がたまり、喉の奥で息が詰まりかける。それでも、ミサキは必死に舌を動かし続けた。 もはや、男の言葉のひとつひとつが、自分を塗りつぶすように広がっていく。 (……このまま、壊れてしまった方が、楽なのかも……佐藤…くん…) そんな思いが、じわりと心の奥を侵食していく中―― ミサキの唇がわずかに緩み、そこから溢れ出した唾液が男の太腿に垂れ落ちる。舌の動きは、まるで無意識に研ぎ澄まされていくように変化し、湿った螺旋を描くように絡みついた。 「ぉ……ぉぉっ……なんやそれ……!」 男の喉がひくつき、腰が反射的に跳ねる。身体が勝手に反応するのを押さえられず、座ったまま肘を突いて支える。 その声には驚きと、戸惑いと、底知れぬ快感が混ざっていた。 ミサキの視線は、伏せられたまま。だが、唇と舌はまるで狂ったように男を責め立てていた。根元を包み込む指が熱を伝え、吸い込むたびに粘ついた音が部屋に響いた。 「ちゅぽ……っ、ん……じゅるる……」 男はたまらず、椅子の背もたれにのけ反る。 「っはぁ……っはぁ……こ、こいつ……ッ、ほんま……スケベすぎやろお前……!」 息を吐きながら、口の端を歪めて笑う。その顔には、余裕よりもむしろ飲み込まれる寸前の焦りがにじんでいた。 頭を押さえていた手に力がこもる。だが、ミサキは止まらなかった。むしろ、さらに深く口を開け、喉奥へと飲み込むように進めていく。 男の息遣いが乱れ、額には汗が浮かぶ。 「っ……オマエ、なんなんや……そのおとなしそうな顔して………っ!」 吐息とともに叫ぶように声を上げる。 「くっ……ぐぅ……う、ぉっ……!」 喉の奥を刺激されたまま、男の身体はびくびくと震え、ついには膝に力が入らなくなる。 ミサキの唇が深く締まり、舌先が敏感な部分をねっとりと撫で上げた瞬間――男は震える声で呟いた。 「……あかん……マジでイカされる……これ……っ、くぅ……!」 だが、ミサキの顔は見えない。伏せられた視線と、頬を伝う涙の痕だけが淡く灯る蛍光灯に照らされていた。 男の欲望と支配の声は、徐々に熱を失い、快感に溺れた悲鳴に変わり始めていた。 それでも――ミサキの舌は止まらなかった。 もはやそれは拒絶でも、従順でもなかった。ただ、目の前のすべてを終わらせるための、一つの動作。無言で、涙を流しながら、それでも口の奥で熱を帯びた塊を受け止め続ける。 「っ……あかん……ほんま、もたへん……」 男の呻きが、頭上から垂れ落ちるように響く。背中が反り、椅子が軋んだ音を立てるたびに、ミサキの喉元が揺れる。 根元を指でしっかりと包み込みながら、唇をぴったりと締め、先端から舌を這わせる。細く、螺旋を描くような動き。熱く膨張し、脈打つそれが、まさに限界へ向かっているのを、唇の裏側から感じ取れる。 男が震えながら、声を漏らす。 「……マジで……マジで出るぞ……くっ……!」 だがミサキは動きを止めない。むしろ、さらに深く咥え込み、奥へ奥へと吸い上げるようにして喉を動かした。涙はすでに頬を伝い、顎の先からぽたぽたと滴っていた。 次の瞬間だった。 「……ッ、くぅぅ……!!」 男の腹筋が引きつると同時に、ミサキの口内に熱が奔る。舌の奥へと叩きつけられるように放たれた液体が、喉を満たす。 「……びゅっ、ぴゅるっ、ぴゅっ……!」 何度も、断続的に流れ込んでくる。 その濃度、温度、匂い――すべてが、彼女の五感を容赦なく刺激していた。喉がひくひくと震えながらも、ミサキは吐き出すことなく、それを吸い上げ続ける。 一滴残さず――まるで、それが“仕事”であるかのように。 「んん……っ、ごくっ……っ、ごく……」 口内の粘度が上がり、舌の動きが重たくなる。それでも、ミサキは止めなかった。手で根元を押さえながら、唇をしっかりと閉じ、最後の一滴まで搾り取るように、喉を動かす。 飲み込むたびに、体が痙攣のように小刻みに震えた。けれど、唇の隙間からこぼすことは一切なかった。 「……やば……お前、マジで……全部……飲んどるやん……」 男の声はもはや呆然とした響きを帯びていた。支配する側の余裕など、もうどこにもなかった。 だが、ミサキはその言葉にも反応しない。ただ、深く呼吸を整えるように口を離し、喉奥に残る粘ついた後味を必死でごくんと押し流す。 最後に、唇の端についた飛沫を指で拭いながら、それを無言で舐め取る。 瞳は涙で濡れ、頬は赤く火照っていた。だがその表情に浮かぶのは、恐怖でも快楽でもない――何かを飲み込み、受け入れてなお、心の奥に硬く火種を灯した、冷たい意志。 (……これで、終わりじゃない。絶対に……) そのとき―― 「ふぅ……しかし、お前、えげつないな……」 椅子にもたれかかっていた男が、汗を拭いながらつぶやいた。けれど、その目に浮かぶのは、どこか余裕の笑み。放心した様子とは違っていた。 「なぁ、見てみぃや?……あれだけ出しても、まだ全然ビンビンやぞォ」 男が下半身を持ち上げるようにして見せつける。確かに、先ほどすべてを吐き出したはずのそこは、依然として張りつめ、脈動していた。 「どや、すごいやろ? ――あぁ、言うてなかったか?」 ニヤリと笑って、シャツのポケットから小さな空瓶を取り出して振って見せた。 「これ、精力剤や。ええヤツやで。ホンマは二時間前に飲んどいたんやけどな……効果抜群すぎて、俺もビビってるぐらいや」 瓶の中身はすでに空っぽ。男はそれを指先でクルクルと回しながら、ふてぶてしく笑った。 「何発でもイケる体って、ええよなァ。せやから、お前がどんだけ頑張っても、終わりにはならへんのよ。残念やけど」 そして、椅子に座り直し、脚を広げながら静かに言った。 「さて……どうする? このまま俺が無理やりやるんでもええんねんけど……ほら、一応聞いといたるわ」 声の調子が変わる。わざとらしい優しさと、底知れぬ圧力。 「自分から跨って腰振るか……それとも無理やりやられるか。どっちがええ? 好きな方、選ばせたるで」 静かな空気の中、男の言葉だけが不気味に響いた。 ミサキは、動かない。いや、動けなかった。 背中に冷たい汗が流れ、心臓が不自然なほど静かに脈を打っている。けれどその瞳には、先ほどとは違う光が宿っていた。 (……どっちにしても、私の意志なんて最初から踏みにじる気でいるくせに) そのまま、男の視線と空気を飲み込むように受け止めながら、ミサキはゆっくりと立ち上がった。 ――震える脚で。 ミサキはゆっくりと立ち上がった。脚はまだ震えている。だがその震えには、恐怖よりも覚悟の色が強く滲んでいた。 彼女は無言のまま、スカートの裾に手を添えると、わずかに持ち上げた。男の視線が、その動きを逃すまいと鋭く注がれる。けれど、ミサキの顔にはもはや怯えはなかった。ただ、どこか遠くを見つめるような、虚ろで冷ややかな目。 その視線のまま、腰をゆっくりとかがめる。スカートの奥に手を滑り込ませ、ショーツの縁に指をかけた。生地が腰を滑り、太腿を伝って降りていく。湿った布が肌に粘りつきながらも、彼女は何の言葉も発さず、それを床に置いた。 「……おお……おいおい、マジか……?」 男の声が低く漏れる。完全な驚きではない。むしろ期待と興奮にまみれた“確信の裏付け”とでも言うべき響きだった。 ミサキはショーツを足首から静かに外すと、再びゆっくりと身体を起こした。ニットもまだ身につけたままだが、腰の奥、下半身だけが露わになったその姿に、室内の空気が一気に粘度を増したような錯覚が広がった。 「……ええやん、分かっとるやん……最初から、そうしたかったんやろ?」 男が椅子の背もたれにもたれ、ニヤつきながら脚をさらに開いた。下半身はすでに臨戦態勢のまま、肌を脈打たせていた。汗がうっすらと光り、天井の蛍光灯が揺らめく影を落としている。 ミサキは、一歩前へと足を踏み出す。その歩幅は小さく、しかし確実だった。 彼女は無言のまま、男の膝に手を添える。そして、ゆっくりとその膝をまたぐように、脚を広げた。 「……あぁ……たまらんな……その顔。ゾクッとするわ……」 男が息を漏らす。ミサキの頬は紅潮し、喉がわずかに上下している。だがその表情は、羞恥や興奮ではない。覚悟の色に染まった、どこまでも凪のように静かな瞳。 彼女の両膝が男の太腿に乗ったとき、距離は消えた。 下半身同士がわずかに触れ合う。その温度差、湿度、質感――ミサキの身体はそれをすべて感知しながら、ゆっくりと腰を沈めていく。 だが、まだ“その瞬間”ではない。 彼女はわざと焦らすように、ただ脚を広げただけで、そのまま男の胸に手を置いた。 「……自分で動けって、言ったやないですか…」 初めて発した言葉。それは震えながらも、確かな意志を宿していた。 男は満足げに息を吸い込み、細く吐き出す。 「……おぉ……そや、ええやん。ええ女や、ホンマ……」 その言葉を背に、ミサキは一度だけ目を閉じた。 そして、静かに、深く息を吸い―― ミサキの身体が、静かに沈んでいく。 だが、重力に任せて一気に落ちることはなかった。 彼女は男の膝の上で動きを止め、腰をわずかに浮かせたまま、脚の内側の力で身体を支えている。 張り詰めた空気の中、その姿勢だけでも、部屋の温度が数度上がったように感じられた。 唇を噛み、目を伏せる。 心臓は変わらず静かに脈打っているはずなのに、耳の奥では血流の音が騒がしく響いていた。 下半身――粘膜の奥に感じる熱源。 あの男の、それが皮膚のすぐそばにある。触れそうで、まだ触れていない。 けれど、そこにあるだけで、体が微かに震える。 「……ほら、焦らさんでええ。ゆっくりでええから……な?」 男の声はささやき混じりに、少し掠れていた。 目の前の女に、完全に飲まれかけているのを自覚しているのか――それでも、自らの立場を保とうとするかのように、肩に触れる手だけが強気だった。 ミサキは何も言わず、その手をそっと自分の肩から払いのける。 そして、自らの意志だけで、わずかに腰を下ろした。 粘膜と粘膜が、かすかに擦れ合う。 生温かく、柔らかい。濡れているのは自分だと、あらためて思い知らされる瞬間だった。 「……っ……」 思わず、ミサキの喉から小さく息が漏れた。 先端が、ほんの少し触れただけ。それでも、身体が微かに跳ねる。 「……おう……ええぞ……そのまま、……」 男の腰がわずかに動こうとしたのを、ミサキは腰に手を置くことで制した。 自分のタイミングでしか、動かない――そう言っているようだった。 ほんの一呼吸、目を閉じて、力を溜める。 そして。 彼女はゆっくりと、さらに腰を落とした。 「……ッ……!」 先端が、にじるように割れ目を押し分けていく。 熱い異物感。身体が警戒するように、筋肉が強張る。 男の呼吸が明らかに変わる。 膝の上に乗ったミサキの身体から伝わる熱と圧迫感――それに飲み込まれそうになりながらも、黙って唇を噛む。 ミサキは、わずかに膝を広げた。 そうして、入口を受け入れるために、腰をわずかに揺らす。 「……んっ……くぅ……っ」 わずかずつ、ほんの数ミリ単位で、彼女の中へ男の熱が入っていく。 息が喉奥で絡み、声にならない吐息が洩れた。 膣の内壁がゆっくりと押し広げられ、その奥へと侵入してくるものを、確かに感じ取っていた。 男は思わず両手を彼女の腰に置きかけたが、またしても手を止めた。 今だけは、彼女が主導だった。 ミサキはそのまま、ゆっくりと、ゆっくりと……腰を沈めていく。 内部を、じわり、じわりと満たしてくる異物感。 それは痛みではないが、抵抗感とも違う。言葉にできない“存在の強さ”だった。 「ぅ……んっ……」 呼吸が合わさり、体温が混ざり、そして―― ついに。 「……っ、ぅ……」 根元まで、深く飲み込んだ。 全てが収まった瞬間、ミサキの体がビクリと震える。 膝が微かに揺れ、喉の奥で息が詰まった。 男は喉の奥で声を漏らしながら、椅子の背もたれにのけぞるように息を吐く。 「っ……は……たまらんわ……なんやこれ……っ」 だが、ミサキはその言葉に応じない。 彼女は静かに目を閉じたまま、男の胸に手を置き、じっとしたまま動かない。 中で脈打つそれを、まるで異物として体の中心に封じ込めるかのように―― ただ、全てを受け入れた。 そして―― わずかに、腰が揺れる。 自らの意思で、ミサキは重心を前へ傾けた。男の胸に手をついたまま、ゆっくりと腰を持ち上げる。 膣内がわずかに解放される感覚――それを感じた直後、また静かに腰を沈めた。 「……っ、んっ……!」 低く、かすかな声が、唇の隙間から漏れる。 その音に、男の喉がひくついた。 「おぉ……そうや、それや……もっと動け……」 言葉は低く抑えられていたが、その奥にある興奮は隠しきれない。 ミサキは返事をしない。ただ、ひたすら無言のまま、自分のリズムで腰を上下させる。 ぬるり、とした粘膜の抵抗感が、挿入のたびにゆっくりと変化していく。 異物感だったはずの感覚が、じわじわと“馴染み”へと変わっていく――その変化に、ミサキ自身が戸惑いを覚える。 「っ……ん、ぅ……あっ……」 動くたびに、喉の奥から洩れる吐息。 それは、意識せずとも音になっていた。 男の視線がそれを逃さずに追う。 「ほら……もっとや。声、聞かせぇや。黙ってやっとるだけやと、おもろないやろが……?」 指先がミサキの顎に触れ、顔を無理やりこちらへ向けさせようとする。 だが彼女は軽く首を振ってその手をかわし、再び下を向いた。 ただ、腰は止まらない。 ゆっくり、だが確実に。挿し込んでは引き抜き、また沈めていく。 男の中心を包み込む粘膜が、動くたびに擦れて音を立てる。 濡れた音が、空間にいやらしく反響する。 「んっ……あっ……く、ぁ……」 声が、抑えきれなくなる。 どれだけ心を固めても、体の奥が熱を帯び、音を生んでしまう。 男はそれに目を細め、笑みを深める。 「そうや、それや。ええ声しとるやんけ……隠さんでええ。もっと出せや。聞かせろ……その声で、俺を興奮させてみい」 ミサキは唇を噛みしめた。けれど、腰の動きはもう止められない。 熱の塊が体の奥に突き立つたび、反射のように喉が震える。 「あっ……は、ぁ……ん……っ!」 無意識のまま、声が高く、甘く変わっていく。 羞恥と混乱が混ざり合いながらも、背筋が反っていく。髪がふわりと揺れる。 「おうおう……その顔や。ええぞ……ほら、もう一発、声聞かせてみ?」 男の手が、今度はミサキの腰を支えるように触れた。 それを拒むことなく、ミサキはそのまま腰を沈め、深くまで呑み込む。 「……っぁ、ああっ……んっ……」 指が食い込み、膣がきゅうと締まる。 内部の熱が、二人の間に重く淀んでいく。 「お前……ほんま、声可愛いな……もっと出せや……なぁ……俺のもんになったんやろ?」 男の言葉が、耳の奥に刺さる。 だが、ミサキは答えない。 代わりに――さらに深く、腰を打ち下ろした。 部屋に響くのは、肌と肌がぶつかる湿った音と、熱く、濡れた喘ぎ声。 それはまるで、誰かに見せつけるような“行為”ではなく、 静かに、しかし確実に心の奥をすり減らしていく“取引”のようだった。 ・・・・・・・・・・続


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