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推しの子『お金って大変…』~星野アイ~

※本作品は忠実な再現を避けてますが、 若干のネタパレ要素も含まれてる為ご注意ください。 ~メイン登場人物~ 名前:星野 アイ(ほしの あい) 年齢:18歳 性別:女性 アイドルグループ「B小町」のセンターで、グループの絶対的エース。アクアとルビーの母。芸名は「アイ」 両目に星の光を宿す。常に明るくポジティブで、妊娠を隠したまま休業し秘密裏に双子を出産した後も、すぐにアイドルに復帰するバイタリティの持ち主。アクアとルビーは名目上「事務所社長の子供」ということにしている。発達障害の傾向があり人の顔や名前を覚えるのが苦手。 名前:星野 愛久愛海(ほしの あくあまりん) 年齢:2歳 性別:男性 アイの熱烈なファンであり出産時の担当医であった雨宮吾郎が、星野アイの息子として転生した姿。ルビーの双子の兄。 前世の記憶を有しており、赤子の段階で会話できる。 名前:星野 瑠美衣(ほしの るびい) 年齢:2歳 性別:女性 アイの熱烈なファンでゴローの患者であった天童寺さりなが、アイの娘として転生した姿。アクアの双子の妹。 左目に星の光を宿す。兄同様、赤子の段階で喋れる。オタク気質は転生前と変わらず、その性格でしばしば兄をドン引きさせる。 名前:斉藤 壱護(さいとう いちご) 年齢:48歳 性別:男性 アイが所属する苺プロダクションの創設者で、「苺プロ」の名前は自身から採られている。ちょび髭・茶髪・サングラスが特徴のいわゆる「チョイ悪」風の容姿の中年男性。 名前:斉藤 ミヤコ(さいとう みやこ) 年齢:35歳 性別:女性 壱護の妻で苺プロダクションの社長夫人。 アイの仕事中はベビーシッター扱いで、アクアとルビーの面倒を見ることにストレスと不満を感じ、アイに隠し子がいるという情報を週刊誌に売ろうとしたが、2人が大人同様に言葉を話し、自らを神の化身であると言ったのを信じ良いように使われるようになる。 ~本編~ アイが再びステージに立ち、B小町のセンターとして活動を続ける中、アクアとルビーは密かにその姿を見守っていた。二人はまだ幼いが、転生前の記憶を持つがゆえに、普通の子供のように振る舞うことはない。 「……やっぱり、すごいね」 ルビーがぽつりと呟く。ステージ上のアイは眩いライトに照らされ、観客の歓声を一身に受けていた。以前と変わらない、いや、それ以上に輝いて見える。 アクアは冷静にそれを見つめながら、小さく息を吐いた。 「当然だよ。アイはプロだ」 その言葉に感情はあまり乗っていなかったが、心の中では複雑な思いが渦巻いている。アイは彼らにとって、母であり、偶像であり、憧れであり、そして手の届かない存在でもある。 アイがこの世界で成功し続けることは、二人にとって喜ばしいことのはずだった。しかし、彼女の周囲には常に危険がつきまとう。芸能界はきらびやかであると同時に、闇が深い世界でもある。アイの妊娠・出産の秘密が表に出れば、一瞬でキャリアが崩壊するだろう。 「でもさ、本当に大丈夫なのかな?」 ルビーが少し不安そうに言う。 「何が?」 「…秘密、いつまで守れるんだろう」 アクアは少し考えたあと、静かに答えた。 「守るしかない。俺たちがいる限り、アイを支え続ける。それが俺たちにできることだ」 ・・・・・・・・・・。 アイがステージを終えて帰宅すると、すでに夜は更けていた。ライトの眩しさがまだ瞼の裏に残っている。 玄関を開けると、リビングにはミヤコが座っていた。その向かいではアクアとルビーが小さな体を寄せ合い、ぬいぐるみを抱えている。 「たっだいまー!」 明るい声とともに、アイは真っ先に子どもたちのもとへ駆け寄った。ふわりと香るシャンプーの匂い。子どもたちが顔を上げると、アイは無邪気に笑いながら二人を抱き上げる。 「ルビー、アクア、いい子にしてた?」 一瞬の静寂のあと、ミヤコが小さくため息をついた。 「逆。そっちはアクア」 「あ、間違えた!」 アイはあははと笑いながら、抱えた子を入れ替える。間違えたとはいえ、その腕の中には確かな温もりがあった。小さくて、柔らかくて、何よりも愛おしい。 「はぁ~、疲れたぁ。でも、今日も楽しかった!」 アイはソファにどさっと腰を下ろし、無造作に置かれていた封筒を手に取る。給料明細だ。封を開けると、中には数字が記された紙が入っている。 「……20万かぁ」 ぽつりと零れた言葉は、思った以上に重かった。 「どうかした?」ミヤコが視線を向ける。 アイは深く息を吐き、紙をひらひらと振った。 「ねぇ、うちの事務所、給料渋いよ~。こないだ出したシングル、オリコン3位だったよね? 中抜きエグくない?」 「ウチは弱小芸能プロダクションだからね。製造から流通まで握ってる大手とは違うの。利益なんてたかが知れてる」 「それはわかってるんだけどさ……」 アイは天井を見上げ、ソファの背もたれに沈み込むように体を預けた。そして、静かに呟く。 「世の中、結局お金なんだなって気付いたの」 ミヤコはわずかに眉をひそめる。 「嫌なことに気付いちゃったね……」 「アイドルは楽しいよ? 私一人なら、今のままでも別にいい。でもさ……」 視線を落とせば、すやすやと眠るアクアとルビーの姿がある。アイはそっと、二人の頬に触れた。 「この子たちに、いい学校へ行かせてあげたい。習い事もさせたい。何かを諦めさせる人生にはしたくないの。でも、それにはお金がいる。今のままじゃ……ダメなんだ」 夜の静寂が部屋を満たす。 「……だから、もっと売れなきゃ」 囁くような決意。その声は、どこか悲しげで、けれど確かな強さを宿していた。 アイは冷凍庫から高級アイスを取り出し、スプーンでひとすくいすくった。口の中でゆっくりと溶かしながら、じっくりと考える。 お金。 売れること。 もっと稼ぐこと。 「いや、まずはその高いアイスをやめなさい!」 ミヤコの鋭いツッコミが飛ぶが、アイはまったく意に介さず、もうひとくちアイスを楽しんだ。 「うーん、美味し~い♪」 「……聞けや」 ミヤコがため息をつく。 アイはスプーンをくるくると回しながら、ふと思い出したように立ち上がる。 「あ、そろそろレッスン行かなきゃ!」 そう言って、アクアとルビーのもとへ向かう。ふたりはまだ幼い体で、眠たそうにアイを見上げていた。 「ママ、行ってくるねー!」 そう言いながら、アイはアクアを抱き上げ……ようとして、ルビーを持ち上げた。 「ちがう、それルビー!」 「えっ、また間違えた? あはは、ごめーん!」 ミヤコはジト目で睨むが、アイは気にする様子もなく、軽くルビーの額にキスをしてから、正しいほうのアクアにも同じように愛情を注ぐ。 「じゃ、行ってきまーす!」 軽やかな足取りで家を出ると、アイはスタジオへ向かった。 レッスンの間も、彼女の頭の片隅には“お金”のことがちらついていた。 ダンスのステップを踏みながら、息を切らしながらも考える。 売れなきゃ。 もっと上へ行かなきゃ。 このままじゃダメだ。 そう自分に言い聞かせるように、鏡に映る自分を見つめる。 ・・・・・・・・・・。 レッスンが終わる頃には、外はすっかり夜だった。 「タクシー呼びますか?」とスタッフに声をかけられたが、アイは首を横に振った。 「ううん、気晴らしに少し歩いて帰るよ」 夜風が火照った体を心地よく撫でる。アイはゆっくりと歩きながら、遠くに見える街の明かりを眺めた。 そのときだった。 ふと、道端で何人かの女性が並んでいるのが目に入った。 暗がりの中、彼女たちはスマホを片手に何かを待っているようだった。 アイは足を止めた。 並んでいる女性たちに、スーツ姿の男が近づいていく。小さな声で何かを話し、女性もスマホをちらりと見せながら答えている。 交渉。 そう、まるで何かを取引しているような雰囲気だった。 やがて、話がまとまったのか、男は満足げに頷き、女性は少し微笑んでから彼の隣に並ぶ。そして二人は、夜の街へとゆっくり消えていった。 アイは首をかしげる。 「……何、あれ?」 気になってスマホを取り出し、検索アプリを開いた。 『女性 並んでる 話しかける 夜』 すぐにいくつかのワードが候補に出てくる。アイは無造作にスクロールしながら、ふと目に止まった言葉をタップした。 『パパ活』 「……パパ活?」 言葉自体は聞いたことがあった。でも、具体的にどんなものなのかは知らない。 興味本位で記事を開くと、そこには詳しい説明が書かれていた。 『パパ活とは、若い女性が年上の男性と食事やデートをし、金銭的な支援を受ける活動のこと』 「へぇ~……並んで立ってるだけでいいんだ。あとは……そういうことをすれば、お金が入るんだ……」 アイは画面をスクロールしながら、小さく息をついた。 ただ、アイドルである自分がそんなことをすれば、一発で終わる。身バレしたら、もう二度と表舞台には立てないだろう。 (うん、それは無理無理。ありえない) そう思いながらも、ふと視線を戻すと、また違う光景が目に飛び込んできた。 ――帽子を深くかぶり、マスクをした女性。 顔のほとんどが隠れている。それでも、彼女にも声をかける男性がいる。そして、しばらくやり取りをした後、二人は自然に並んで歩き出した。 「……え?」 アイは無意識にスマホを握りしめる。 (顔、ほとんど見えないのに……いいの?) あまりにも雑だ。いや、つまりは―― (なんでもいいってことじゃん……) 静かに唾を飲み込む。 スマホの画面を見つめながら、アイは小さく呟いた。 「……パパ活……なるほどねぇ……♪」 夜風が、少しだけ冷たく感じた。 その時だった。 「ねぇ、お嬢さん、一人?」 不意にかけられた声に、アイの背筋が一瞬にして凍りついた。 (えっ!? ヤバッ!!) 声の主は、スーツを着た中年の男性だった。軽く酔っているのか、顔は少し赤い。 (どうしよう、どうしよう!! 私、別に並んでたわけじゃないよ!? 何かごまかさなきゃ!!) アイの心臓がバクバクと跳ねる。 (いや……ここは……あえて最高の笑顔で!!) 一瞬のうちに判断し、アイはとびっきりの笑顔を作った。 「えへへ~、こんばんはぁ♪」 大きな瞳を輝かせ、唇の端を少し上げる。カメラの前で鍛え上げた、完璧な笑顔。 その瞬間だった。 男の表情が、一気に蕩ける。 「……っ!!」 まるで心を撃ち抜かれたように、しばらく呆然とアイの顔を見つめている。 (え……? もしかして……バレてない?) アイドル・星野アイとしての知名度は決して低くない。それでも、この男は目の前の彼女をただの「可愛い女の子」として見ているようだった。 (そっか……興味ない人からしたら、私はただの女の子に過ぎないんだ……) 妙な感覚だった。普段はファンに囲まれ、ステージの上で輝く存在として見られることに慣れている。しかし、この男にとって、アイは“偶像”ではなく、ただの「手の届く女の子」だった。 男はしきりに頷きながら、少し前に身を乗り出してきた。 「なあ、君……今、時間ある? ちょっとだけ付き合ってくれない?」 アイは愛想笑いを浮かべたまま、軽く首を振る。 「ごめんなさぁい、そういうのは……」 「そんなこと言わずにさ! じゃあ、せめて口だけでも! 2~3分だけでいいから!!」 アイの笑顔が固まる。 「……え?」 男は熱心に続ける。 「5は出すから! ほら、ちょっとだけでいいんだよ! 君みたいな可愛い子、一生に一度出会えるかどうかなんだ!」 アイの思考が止まる。 「5って……? え、5000円……?」 「違うよ、5万! 5万円!」 「……5万!?」 衝撃だった。 (え……? 2~3分で……5万!? しかも口だけで!?) アイの脳内に、さっき見たばかりの給料明細がフラッシュバックする。 ――20万円。 アイドルとして、全力でステージに立ち、歌って踊って、ファンのために輝き続ける。そこまでしてやっとの額が、たった数分の行為で1/4も稼げる。 しかも、この男は彼女を「星野アイ」としてではなく、ただの「可愛い素人の女の子」として見て、その金額を提示している。 アイドルとしての努力も、人気も関係ない。ただ、女としての価値。それだけで、5万。 男はなおも必死だ。 「どうしたの? ダメ? だったら、もう少し出すよ! それくらいの価値はあるって!!」 必死な男の声が遠くなる。 アイは思考の渦に飲み込まれていた。 (2~3分で……5万以上……) 男は焦るように言葉を続ける。 「それくらいの価値はあるって!!」 その言葉を聞きながら、アイはふと視線を落とした。 (……これって、そんなにすごいこと?) 口を使うだけ。 たった数分間、相手に奉仕するだけで、大金が手に入る。 アイは、アクアとルビーの顔を思い浮かべる。 必要なのは、お金。 あの子たちを育てていくために、もっと、もっと。 バレなければ、アイドル活動に支障はない。 時間も取られない。 それどころか、こんなにも“効率的”な稼ぎ方があるなんて――。 「……ほ、本当に……5万円、もらえるんですか?」 思わず、言葉がこぼれた。 男の顔が、一気に興奮に染まる。 「もちろん!! いや、それどころか、もっと出してもいい!!」 「でも……」 アイは少し目を伏せ、戸惑うように唇を噛んだ。 「2、3分で……終わらなかったら……?」 その問いに、男は大きく首を振る。 「絶対大丈夫!! 君みたいな可愛い子にしてもらったら、すぐ出ちゃうって!!」 顔を赤らめながら、熱っぽく語る男。 「それに、時間が経ったらそこで終わりでもいい!! もう、そこは約束するから!!」 まるで契約を取り付けるように、必死な表情で説得してくる。 アイはじっと男を見つめながら、考える。 (……2、3分……) たったそれだけの時間。 舐めて、咥えるだけで――。 喉の奥で、小さく息を飲む音がした。 (……そういうこと、あまりしたことないけど……) 思わず、唇が乾くのを感じて、舌先でそっとなぞった。 男の視線が、その動きに釘付けになっているのが分かる。 (口に入れる……? 舌で……絡める……?) 想像すると、ゾクッとしたものが背筋を駆け抜ける。 これまで意識したことのない“行為”が、急に現実味を帯びてのしかかる。 (温かくて……硬くて……それを……) 息が詰まる。 喉の奥が、妙に意識されてしまう。 (男の人って……それで感じるんだ……) 舌を這わせれば、どんな反応をするのか。 吸い付いたら、どうなるのか。 そんなことを考えてしまう自分がいる。 (……変なの) 自嘲気味に笑いそうになるが、男の顔がすぐ目の前にあった。 期待に満ちた、いやらしい目つき。 アイは思わず、背筋を伸ばした。 (……でも、本当にたった数分で……?) ふと、視線が男の手元へ落ちる。 そこには、札束が握られていた。 アイは口を開きかけた。 ――その時だった。 ふと、視線を感じる。 (……え?) 無意識に目を横へ向けると、少し離れた場所で立っていた若い女の子と目が合った。 (まずい……!) アイは反射的に顔を伏せ、髪を指で軽く払うふりをしながら視線をそらす。 一瞬の動揺。 相手はパパ活をしていた子の一人だ。 彼女は最初は気にしていなかったが、アイの顔をじっと見つめ始める。 (気付かれた……? いや、そんなわけ……でも……!) アイドル・星野アイとしての知名度。 テレビ、雑誌、広告。どこにでも顔が出ている。 ファンなら一目で気付くかもしれない。 (この子が騒ぎ出したら……終わる) 心臓が跳ねる。 一瞬でも迷えば、すべてが水の泡になる。 男が不思議そうに首をかしげた。 「どうかした?」 アイはすぐに笑顔を作る。 「ううん、なんでも♪」 軽く首を振りながら、その場を離れようと一歩踏み出す。 (……でも、こんなチャンス、逃すわけない) ただ去るだけじゃない。 アイは素早くスマホを取り出し、画面に指を滑らせる。 そして、メモアプリを開き、素早く文字を打ち込んだ。 【10分後、○○の看板の近くにいてください】 画面を相手に向ける。 男は一瞬ぽかんとしたが、すぐに理解し、興奮したように何度もうなずいた。 「わかった、わかった! 待ってるから!」 目を輝かせながら、何度も頷く男を残し、アイは踵を返す。 ――そして、その場を去った。 ・・・・・・・・・・。 アイは少し離れた場所へ向かいながら、ドキドキと早鐘を打つ胸を抑えるように深呼吸した。 (……やる、の? 私) 初めてのパパ活。 “それ”をすることになるかもしれない。 でも、それ以上に――。 (……なんだろ、ちょっとワクワクしてる) 今まで経験したことのない世界。 たった数分で、大金を手にするという現実。 (……うん、バレなきゃいい) 自分にそう言い聞かせながら、アイは遠回りをし、指定した場所へ向かう。 ・・・・・・・・・・。 ○○の看板の近く。 そこには、男が立っていた。 興奮を抑えきれない様子で、落ち着きなく周囲を見回している。 アイは一度立ち止まり、深く息を吸った。 (……大丈夫) そして、静かに足を踏み出した。 アイは慎重に周囲を確認しながら、男に近づいた。 「……付いてきてください」 男は目を輝かせながら頷き、興奮を隠しきれない様子でついてくる。 ・・・・・・・・・・。 アイが選んだのは、繁華街の裏にある細い路地。 昼間ですらほとんど人が通らない場所。 ビルの隙間を抜けるように続く、都会の影のような空間。 「こんなところ、通れるんだな……」 男は周囲を見回しながら呟く。 歩道から見えない。通る人間もほぼいない。 こんな場所を知っていることすら、男にとっては驚きだった。 アイは無言のまま先を進み、やがて立ち止まる。 「……ここでいいですか?」 狭い路地の奥、コンクリートの壁に囲まれた小さな空間。 暗がりが深く、外からはまったく見えない。 男は大興奮した様子で息を荒くする。 「こんなところでいいの!? すごいな……!!」 アイにとっても、こういった場所の方が都合がよかった。 ホテルに入るところを見られたり、写真を撮られたりすれば、一瞬で終わる。 それを避けるためには、誰にも気付かれない場所が必要だった。 (ここなら完璧……) アイは、一度だけ深く息を吸い、計画通りに動く。 「……そういえば、よく言われるんです」 「ん?」 「私、アイドルに似てるって」 男は目を瞬かせ、しばらくアイの顔をじっと見た。 「へぇ~、そうなんだ! いや、確かに可愛いもんな! まるで本物のアイドルみたいだよ!」 アイは微笑んだ。 計画通り。 男がもし後になって何かを思い出しても、ただの“似てる女の子”として処理されるようにするための伏線。 アイドルなんて興味がない男なら、疑うことすらない。 それよりも――。 男はすでに待ちきれない様子だった。 興奮に息を弾ませながら、喉を鳴らし、手を擦り合わせる。 「なあ……もういい? 早く……頼むよ」 まるで獲物を前にした獣のように、期待に満ちた視線がアイに注がれる。 そして――。 アイは男を見上げた。 興奮を抑えきれずに荒くなる呼吸、爛々と輝く目、じっとりと汗ばんだ手――期待に満ちた男の様子が、かえってアイの心をざわつかせる。 (……私……アイドルなのに、こんな場所で……) ふと、自分の立場を思い出してしまう。ステージの上で輝いていた自分。ファンの歓声を浴び、希望の象徴として見上げられる存在。 でも今は――。 見知らぬ男の前で、ただの“女”として跪こうとしている。 (なのに……ドキドキする) その背徳感が、甘い快感に変わっていく。 アイはゆっくりと膝をついた。つま先を地面につけ、自然に膝を開く。 男の喉がゴクリと鳴る。 「……すごいな、慣れてるんだね」 声が震えていた。驚きと興奮、そして期待。その全てが入り混じった声色に、アイは思わず微笑む。 「ふふ……そんなわけ、ないでしょ?」 囁くように言いながら、ゆっくりと手を伸ばす。ファスナーに指をかけると、男の体がピクリと跳ねた。 (慣れてるわけじゃない。でも……) アイは、自分が人を惹きつける術を知っている。ステージの上で、どんな仕草をすればファンが沸くのか、どんな笑顔をすれば心を掴めるのか――すべて計算してきた。 それは、アイドルとしての努力。 でも、それが今、まったく別の形で発揮されようとしている。 (私には……できる) そう確信した瞬間、 アイは、男の腰元にそっと手を伸ばした。指先がファスナーの金具に触れた瞬間、男の体がピクリと震える。 「…そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ?」 囁くように言いながら、ゆっくりと指を滑らせた。小さな金属音が闇に響き、ファスナーが少しずつ下りていく。男の呼吸はますます荒くなり、待ちきれないように腰がわずかに揺れる。 アイは一瞬だけ手を止め、男の顔を見上げた。焦燥に満ちた目が、今か今かと彼女の動きを追っている。 (そんなに楽しみなの?) 小さく笑いながら、さらにファスナーを下げていく。やがて完全に開かれると、布地の奥から突き上げるように現れたペニスが、熱を帯びて脈打っていた。 「……すごいですね」 艶やかに微笑みながら、指先でそっと触れる。硬く張り詰めたソレは、彼女のわずかな刺激にも敏感に反応し、びくりと跳ねた。 「っ……く……!」 男の喉が、ごくりと音を立てる。 アイは、その形を確かめるようにゆっくりとなぞった。滑らかな皮膚の下で、熱と鼓動が生々しく脈打っているのがわかる。 (……ふふ、なんか、かわいい) こんなにも分かりやすく反応されると、妙な優越感すら覚える。 「待ちきれなかったんですか?」 甘く囁きながら、そっと包み込む。掌の中で跳ねる感触を楽しむように、ゆっくりと握り込み、わずかに指を動かしてみる。 「っ……! くぅ……!」 男の腰がびくりと揺れた。 アイは、その様子をじっと観察しながら、さらに指を絡める。優しく撫でるたび、男の息が乱れ、肩が震えていく。 (……うん、私にはできる) アイは確信した。 ステージの上で観客を惹きつけるのと同じように、今、この場でも、目の前の男の意識は完全に自分だけに向けられている。 快楽に呑まれていくその姿を見つめながら、ゆっくりと口元を開いた——。 アイは、じっくりとその硬さを確かめるように指を這わせながら、唇をゆっくりと近づける。 吐息がかかるだけで、男の下半身がピクリと反応する。 「……すごい、もうこんなに……」 艶やかに囁きながら、そっと先端に舌を這わせた。ほんの軽い刺激——それだけなのに、男の喉が鳴る。 (敏感……面白い) アイは、わざと焦らすように、舌先でちろちろと撫でる。先端を転がすように舐め、時折、ふっと吐息を吹きかける。 「くっ……! ぁ……っ……」 耐えきれないような声が漏れる。 アイは、さらに舌を滑らせた。ゆっくりと、先端から裏筋へ。そこを丁寧に、ねっとりと舌でなぞる。 「っ……!!」 男の腰が跳ねる。 (ふふ……弱いんだ) アイは微笑みながら、そこを重点的に舌で責めた。先端を転がすように、絡め取るように、さらに深く。 時折、唇を軽く吸い付かせながら、わざと音を立てて男を煽る。 「ん……ふ……こんな感じが、いいんですか?♡」 甘く囁きながら、さらに舌を強く絡める。 (これなら…完全に支配できる♡) アイは確信した。 彼女が動くたびに、男の息遣いが乱れ、腰が震える。まるでステージの上で観客を煽るように、彼を思いのままにコントロールしていた。 (……楽しいかも) アイは微笑みながら、さらに深く口内へと誘い込んでいった——。 ゆっくりと口内へと。 唇が触れた瞬間、男の体がビクリと跳ねた。熱を持った肉の塊は、彼女の温もりを感じるとさらに硬さを増し、小さく脈打つ。 先端を舌で優しく転がすと、敏感なそこがピクピクと震え、口の中で小さく跳ねた。 「っ……く……あ……」 喉奥で押し殺されたような男の声。必死に耐えようとしているのがわかる。 アイはほんの少しだけ口を開き、舌先で浅く撫でる。表面の滑らかな感触と、わずかに滲んだ先走りの味が舌に広がった。 (……ふぅん、こういう味なんだ) 新鮮な感覚に、どこか愉しむような気持ちが芽生える。 わざとゆっくりとした動作で、先端をぬるりと舌で舐め取る。 「く……っ!」 男の腰がまた僅かに揺れた。 (こんなにも感じるんだ) 唇を柔らかく密着させ、少しだけ吸い上げる。ジュッ……と小さく湿った音が響くと、男の手がかすかに震えた。 (ふふ……もっとしてあげる♡) ゆっくりと口を開き、根元までじわじわと咥え込んでいく。 熱くて硬いものが舌の上を滑り、唇の奥へと入り込んでいく感覚。 喉の奥で微かに反射しそうになるが、アイはうまく息を整えながら、慎重に奥まで迎え入れる。 「……っ……あ……!」 男の喘ぎ声が深くなる。 舌をしっかり絡ませながら、先端を軽く吸い上げる。ちゅ……じゅる……と、粘着質な音が暗闇に響くたび、男の指先が痙攣したように動く。 アイは舌を這わせながら、唇をすぼめて軽く吸引し、じわじわと上下に動かし始めた。 「っ……く……ぅ……!」 男の腰が堪えきれずに前へと押し出される。 アイはそれを手で制しながら、さらに舌を強く絡める。裏筋をなぞり、先端をくすぐるように転がしながら、わざと音を立てて啜る。 じゅるっ……ちゅっ……ぬちゅ…… 甘く粘ついた音が空間に響く。 (……すごい、こんなに震えてる) 唾液が絡み、口の中が次第に濡れていくのを感じる。 アイはわざとゆっくりとしたリズムで、焦らすように舌を絡ませながら、たっぷりと愛撫する。 男の呼吸がどんどん荒くなっていく。 「……も、もう……っ……やば……!」 絞り出すような声が漏れる。 アイは男の限界を悟ると、最後の仕上げにかかるように、さらに深く咥え込む。喉奥が軽く刺激される感覚とともに、男の身体が一瞬硬直するのがわかった。 じゅる……ちゅぱっ……ぬちゅ…… 「っ……く……!!」 男の腰がビクリと大きく震えた。 アイは唇を離し、わずかに糸を引く白濁を舌先でちろりと舐め取る。 喉を鳴らしながら、わざと蕩けたような声を漏らした。 「ん……♡ ふふっ、すっごい……♡ こんなにビクビクして……、まだ足りないの?♡」 甘く囁きながら、指先で敏感な先端をちょんっと押しつぶす。 「ほら、まだピクピクしてる……♡ そんなに気持ちよかったんですかぁ?♡ でも、まだ出るよね?」 男は荒い息を吐きながら、足を震わせる。 アイはじっくりと見つめながら、ぬらりと舌を這わせる。 「ねぇ……もっといっぱい出したいでしょ?♡ ねっとり濃いやつ……♡ どろっどろにして……♡ ほら、おちんぽ、ビクビクしてるもんねぇ♡」 唇を濡らしながら、再び深く咥え込む。 じゅるっ……ちゅぷっ……ぬちゅ……♡ 喉奥をきゅぅっと締め付け、舌を絡ませながら吸い上げる。 「おちんぽ……いっぱい突っ込んできていいよぉ♡ もっと奥まで……喉の奥で……♡」 男の腰が堪えきれずに跳ねる。 アイは奥まで咥えたまま、喉奥をギュッと締め付けるように吸い込み、強烈な快楽を与えていく。 「んっ……じゅぷっ……♡ んんっ……♡ どんどんビクビクしてきた……♡ いっぱい出そうとしてるねぇ……♡」 じゅるっ……ちゅぱっ……ぬちゅっ……♡ 吸引を強め、わざと音を響かせると、男の身体が大きく震えた。 「っ……く……!! で、出るっ……!!」 「うん♡ いいよぉ♡ いっぱいお口の中に……♡ おちんぽの奥から、どっくどくに濃いやつ出してぇ♡」 アイが舌で先端をくすぐり、喉奥でうねるように締め付けた瞬間—— ビュルルッ!! 「っ……あ……!!」 男の腰が跳ね上がり、強烈な脈動とともに熱い精が一気に放たれた。 ごぷっ……♡ 喉の奥で直撃する感触に、アイは舌をぴくりと動かしながら、逃がさず全てを飲み込んでいく。 「ん……んっ♡ ごく……♡ ん……ふぁ……♡ すごぉい……♡ こんなにいっぱい……♡」 口を離すと、まだ溢れそうになっている先端をちゅっと吸い上げ、残りの滴まで舐め取る。 「ふふ……♡ すっごい濃かったね……♡ たくさん搾り取っちゃったぁ♡」 蕩けるような笑顔で見上げると、男は完全に力が抜け、壁に寄りかかったまま動けなくなっていた。 アイは口の中に広がる熱い粘液を転がすように舌を動かした。 (……んっ♡ あれ……思ったより……) ごくり、と喉を鳴らして飲み込む。 (……意外と……おいしいかも♡) 初めて味わうはずなのに、嫌悪感はまったくなかった。むしろ、舌に残る独特の甘みと、喉の奥に広がる濃厚な余韻が、なぜかクセになりそうな気さえする。 (んふっ♡ これなら……もっと♡) ゆっくりと唇を舐め、名残惜しそうに指を伸ばす。 「ふふ……♡ まだ、こんなに垂れてる……♡」 先端から零れそうになっている白濁を、指先ですくい、舌先でちゅるっと吸い上げる。 「ん……♡ ぺろ……ちゅ……♡ ふふ、濃くて、ねっとりしてる……♡」 指についたものを綺麗に舐め取ると、まだ男のものがピクリと反応するのがわかる。 「……あ♡ まだビクビクしてる……♡ かわいいなぁ……♡」 わざと甘えたような声で囁きながら、ゆっくりと顔を近づける。 「ねぇ……♡ ちゃんと最後まで……お掃除しなきゃダメだよねぇ?♡」 ちゅ……♡ 先端に優しく口づけし、舌先でちろちろと舐める。敏感になったそこがピクッと跳ね、男が肩を震わせた。 「んっ♡ じゅる……ちゅぱ……♡ まだ、奥に残ってるかも♡ もっと搾り取ってあげるね♡」 唇を柔らかく包み込みながら、ぬちゅっ……と粘ついた音を立てて吸い上げる。 「はぁ……♡ しょっぱいのに、ちょっと甘い……♡ もっと味わいたいかも……♡」 舌を絡ませながら、根元までゆっくりと這わせる。つぅ……っと筋をなぞるように舐め上げ、裏筋を優しく吸い込むと、男の身体がまたビクンと跳ねる。 「んふっ♡ ほら、まだびくびくしてる……♡ すっごく敏感になっちゃってるねぇ……♡」 ちゅぱっ、じゅる……♡ まるで舐め尽くすように、何度も吸い上げ、先端をちゅくちゅくと甘噛みする。 「ねぇ♡ もっと欲しいなぁ……♡ まだ、奥に残ってるよね……♡ ぜーんぶ……飲んであげる♡」 さらに舌を絡め、しつこいほどに啜り続けると、男の体が痙攣し、再びビクビクと震え始めた。 「……っ、や……ば……っ!!」 男が声にならない声を漏らし、もう一度小さく射精する。 ぴゅっ……♡ アイはそれを逃さず、ちゅる……っと吸い上げ、舌の上で転がす。 「んっ……♡ んふ……♡ ほら、やっぱりまだ出せた♡」 じゅるっ……ちゅ……♡ 最後の一滴まで丁寧に吸い取り、唇を離すと、ぺろりと口元を舐めた。 「ん……♡ もう……ぜーんぶ、飲んじゃったぁ♡」 蕩けるような笑顔を浮かべながら、アイは満足そうに喉を鳴らした。 (……ふふ♡ なんか……クセになりそう♡) 唇を濡らしながら、アイはゆっくりと立ち上がった——。 アイは口元を拭いながら、満足げに喉を鳴らした。 舌先で最後の余韻を味わい、ぺろりと唇を舐める。 「ん~……♡ こういうのって、どんな味がするのか怖かったけど……すっっごい美味しかった!!」 にぱっと笑いながら、楽しそうに男の顔を覗き込む。 「多分、おじさんが……私にいーっぱい興奮してくれたからだよねっ!! アリガトッ♡」 明るく無邪気な声でそう言い放つと、アイは何事もなかったかのように、ひらひらと手を振ってその場を去ろうとした。 しかし—— 「ちょ、ちょっと!!!」 焦ったような声が響く。 「お金! お金!!」 ファスナーを慌てて戻しながら、男が追いかけてきた。 アイはくるりと振り返ると、ぽかんとした顔をしてから、手をぽんっと打つ。 「あっ、そっか!! 忘れてた! てへっ♡」 にっこりと笑いながら舌を出し、ちょっと困ったように頭をかく。 男は息を整えながら、財布を取り出し、中に入っていたお札をすべて取り出した。 「ほら、これ……」 「えっっっ!?!?」 アイの目が大きく見開かれる。 手渡されたお札を数えてみると—— (1、2、3……え、16枚!?) 「じゅ、16万!? え、ちょ、まって!? そんないいの!?」 アイはすぐに半分を相手に返そうとしたが、男は強く首を振った。 「いいんだよ! 本当にすごかったし……」 「えぇ~!? いやいや、やりすぎでしょ!? これ半分でいいって!」 「君は他の子と違ったんだ……」 男はまっすぐアイを見つめ、ゆっくりと言葉を続ける。 「作業みたいにただやるだけじゃなくて……私を喜ばせようと必死にしてくれた。それが嬉しかったんだよ」 その言葉に、アイは一瞬だけ目を瞬かせた。 (……そっか) 彼女にとって、それは当たり前のことだった。 ステージの上でも、観客が何を求めているのかを考え、どうすれば喜んでもらえるかを常に意識していた。 それは、この場でも同じこと。 (……私、ちゃんとアイドルしてたんだ) 妙な感動が、胸の奥にじんわりと広がる。 アイは静かに男を見つめ、少しだけ頬を膨らませた。 「……むぅ、なんかおじさん、ずるい~」 「え?」 「そんなこと言われたら、私、受け取らないわけにいかないじゃん!」 拗ねたように言いながらも、アイはお札をしっかりと受け取る。 男は安心したように微笑み、ポケットに手を突っ込みながら、ふっと息を吐いた。 「じゃあ、夜だから気をつけてね」 「……?」 「ちゃんとタクシー使うんだよ」 「え……あ、うん!」 アイは少し驚いた顔をした後、ぱっと笑顔を咲かせた。 「ん~、今日はおじさんのおかげでいい日になったかもっ♡ ありがとね~!」 ぴょんっと軽く跳ねるように手を振ると、男はもう一度頷き、そのまま振り返って去っていった。 アイはその背中を見送りながら、手の中のお札をぎゅっと握りしめる。 (……なんか、シちゃいけない事しちゃったのに…ちょっといい話っぽくなってない?) くすっと笑いながら、アイは自宅へと歩き出した——。 ・・・・・・・・・・・・・・終?


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