推しの子『お金って大変…』~星野アイ~ サンプル
Added 2025-04-06 03:34:46 +0000 UTC※本作品は忠実な再現を避けてますが、 若干のネタパレ要素も含まれてる為ご注意ください。 ~メイン登場人物~ 名前:星野 アイ(ほしの あい) 年齢:18歳 性別:女性 アイドルグループ「B小町」のセンターで、グループの絶対的エース。アクアとルビーの母。芸名は「アイ」 両目に星の光を宿す。常に明るくポジティブで、妊娠を隠したまま休業し秘密裏に双子を出産した後も、すぐにアイドルに復帰するバイタリティの持ち主。アクアとルビーは名目上「事務所社長の子供」ということにしている。発達障害の傾向があり人の顔や名前を覚えるのが苦手。 名前:星野 愛久愛海(ほしの あくあまりん) 年齢:2歳 性別:男性 アイの熱烈なファンであり出産時の担当医であった雨宮吾郎が、星野アイの息子として転生した姿。ルビーの双子の兄。 前世の記憶を有しており、赤子の段階で会話できる。 名前:星野 瑠美衣(ほしの るびい) 年齢:2歳 性別:女性 アイの熱烈なファンでゴローの患者であった天童寺さりなが、アイの娘として転生した姿。アクアの双子の妹。 左目に星の光を宿す。兄同様、赤子の段階で喋れる。オタク気質は転生前と変わらず、その性格でしばしば兄をドン引きさせる。 名前:斉藤 壱護(さいとう いちご) 年齢:48歳 性別:男性 アイが所属する苺プロダクションの創設者で、「苺プロ」の名前は自身から採られている。ちょび髭・茶髪・サングラスが特徴のいわゆる「チョイ悪」風の容姿の中年男性。 名前:斉藤 ミヤコ(さいとう みやこ) 年齢:35歳 性別:女性 壱護の妻で苺プロダクションの社長夫人。 アイの仕事中はベビーシッター扱いで、アクアとルビーの面倒を見ることにストレスと不満を感じ、アイに隠し子がいるという情報を週刊誌に売ろうとしたが、2人が大人同様に言葉を話し、自らを神の化身であると言ったのを信じ良いように使われるようになる。 ~本編~ アイが再びステージに立ち、B小町のセンターとして活動を続ける中、アクアとルビーは密かにその姿を見守っていた。二人はまだ幼いが、転生前の記憶を持つがゆえに、普通の子供のように振る舞うことはない。 「……やっぱり、すごいね」 ルビーがぽつりと呟く。ステージ上のアイは眩いライトに照らされ、観客の歓声を一身に受けていた。以前と変わらない、いや、それ以上に輝いて見える。 アクアは冷静にそれを見つめながら、小さく息を吐いた。 「当然だよ。アイはプロだ」 その言葉に感情はあまり乗っていなかったが、心の中では複雑な思いが渦巻いている。アイは彼らにとって、母であり、偶像であり、憧れであり、そして手の届かない存在でもある。 アイがこの世界で成功し続けることは、二人にとって喜ばしいことのはずだった。しかし、彼女の周囲には常に危険がつきまとう。芸能界はきらびやかであると同時に、闇が深い世界でもある。アイの妊娠・出産の秘密が表に出れば、一瞬でキャリアが崩壊するだろう。 「でもさ、本当に大丈夫なのかな?」 ルビーが少し不安そうに言う。 「何が?」 「…秘密、いつまで守れるんだろう」 アクアは少し考えたあと、静かに答えた。 「守るしかない。俺たちがいる限り、アイを支え続ける。それが俺たちにできることだ」 ・・・・・・・・・・。 アイがステージを終えて帰宅すると、すでに夜は更けていた。ライトの眩しさがまだ瞼の裏に残っている。 玄関を開けると、リビングにはミヤコが座っていた。その向かいではアクアとルビーが小さな体を寄せ合い、ぬいぐるみを抱えている。 「たっだいまー!」 明るい声とともに、アイは真っ先に子どもたちのもとへ駆け寄った。ふわりと香るシャンプーの匂い。子どもたちが顔を上げると、アイは無邪気に笑いながら二人を抱き上げる。 「ルビー、アクア、いい子にしてた?」 一瞬の静寂のあと、ミヤコが小さくため息をついた。 「逆。そっちはアクア」 「あ、間違えた!」 アイはあははと笑いながら、抱えた子を入れ替える。間違えたとはいえ、その腕の中には確かな温もりがあった。小さくて、柔らかくて、何よりも愛おしい。 「はぁ~、疲れたぁ。でも、今日も楽しかった!」 アイはソファにどさっと腰を下ろし、無造作に置かれていた封筒を手に取る。給料明細だ。封を開けると、中には数字が記された紙が入っている。 「……20万かぁ」 ぽつりと零れた言葉は、思った以上に重かった。 「どうかした?」ミヤコが視線を向ける。 アイは深く息を吐き、紙をひらひらと振った。 「ねぇ、うちの事務所、給料渋いよ~。こないだ出したシングル、オリコン3位だったよね? 中抜きエグくない?」 「ウチは弱小芸能プロダクションだからね。製造から流通まで握ってる大手とは違うの。利益なんてたかが知れてる」 「それはわかってるんだけどさ……」 アイは天井を見上げ、ソファの背もたれに沈み込むように体を預けた。そして、静かに呟く。 「世の中、結局お金なんだなって気付いたの」 ミヤコはわずかに眉をひそめる。 「嫌なことに気付いちゃったね……」 「アイドルは楽しいよ? 私一人なら、今のままでも別にいい。でもさ……」 視線を落とせば、すやすやと眠るアクアとルビーの姿がある。アイはそっと、二人の頬に触れた。 「この子たちに、いい学校へ行かせてあげたい。習い事もさせたい。何かを諦めさせる人生にはしたくないの。でも、それにはお金がいる。今のままじゃ……ダメなんだ」 夜の静寂が部屋を満たす。 「……だから、もっと売れなきゃ」 囁くような決意。その声は、どこか悲しげで、けれど確かな強さを宿していた。 アイは冷凍庫から高級アイスを取り出し、スプーンでひとすくいすくった。口の中でゆっくりと溶かしながら、じっくりと考える。 お金。 売れること。 もっと稼ぐこと。 「いや、まずはその高いアイスをやめなさい!」 ミヤコの鋭いツッコミが飛ぶが、アイはまったく意に介さず、もうひとくちアイスを楽しんだ。 「うーん、美味し~い♪」 「……聞けや」 続きは応援プラン限定