脱衣所に足を踏み入れた瞬間、じっとりとした床の冷たさが足裏に伝わってきた。 雨上がりの湿気が室内全体に染み渡っている。窓は開けていなかった。空気は重く、沈殿しているようだった。 しほは鏡の前に立ち、短く息を整えた。 額の汗は目尻まで流れ落ち、まつ毛を濡らしていた。喉の奥に熱がこもって、呼吸が浅くなる。 「……思っていた以上に、来てるわね」 ランニング用のタンクトップは、汗で色が変わり、背中から下腹部にかけてまるでシャワーを浴びたように濡れている。 ぴったりと張り付いた生地が、胸の膨らみに沿ってくっきりと形を浮かび上がらせていた。 重力に引かれて汗が裾から滴り、下着を通じてウエストバンドまで濡らしている。 指先でタンクトップの裾をつまみ、ゆっくりと持ち上げた。 皮膚から剥がれるたびに、吸いついていた布が音を立て、冷気が肌に触れる。 脇の下には、黒くうねった毛が汗を吸ってしっとりと絡んでいた。 剃らずに放っていたせいで、毛先が丸まって肌に貼りついている。 「……また、伸びてるわね」 自分の声が、狭い脱衣所の壁に静かに跳ね返った。 ブラジャーも同様に、内側まで汗が染み込んでいた。 胸の谷間には汗が溜まり、蒸れた熱が皮膚の間にこもっていた。 少しずらしただけで、汗が糸を引いて流れ落ちた。 レギンスはさらに酷かった。 布が太腿から尻にかけて密着し、湿り気を含んで重たく垂れている。 腰のゴム部分を引っ張ると、「ぺたり」と音を立てて皮膚から離れ、 中のインナーショーツまでもが汗でびっしょりと濡れていた。 レギンスを太腿のあたりまで引き下ろすと、太腿の付け根——鼠径部——から、 密集した黒い毛が、汗でまとまりながらも力強く生えているのが見えた。 足を閉じると擦れ合って湿気を感じるこの部分。 下着に収まりきらず、サイドからはみ出すほどの毛量が、何日も処理していないことを物語っていた。 それでも、しほは動じなかった。 これが「自分の身体」だと、淡々と受け入れるように、レギンスをすべて脱ぎ去る。 下着も、既に汗で肌に貼り付いていた。 剥がすたびに毛が引っ張られる感覚があり、Iラインの奥にまで汗が染みていた。 尻を覆っていたOラインの毛も、湿って垂れ下がっていた。 パンツを床に落とすと、そこから汗が一滴、ぽたりと垂れた。 シャワーの蛇口をひねる音が、蒸し暑い空気を切るように響いた。