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裏⑤

 蓮太郎が帰ってから少し経ち、歌夜は自室のベッドで仰向けになり、天井を眺めていた。  もちろん天井の染みの数を数えるような趣味があるわけではないが、ただ思考を落ち着けるためにぼうっと上を向いていた。 「ふふ……」  頭の中で、先程までの行為を思い返す。  自分の身体の舌で、敏感な部分を撫でられ悶える少年の顔。  歌夜よりも小さな身体を快感に震わせ、切なげにこちらの名を呼ぶ彼の姿が頭を離れない。  少々歌夜自身熱っぽくなってしまったかもしれないが、意中の相手と初めて抱き合い、身体を触れ合わせのだからそれも仕方のないことだろう。  それに、次はもっと――最後まですると約束をしている。  次に蓮太郎に合う時、恥ずかしくて顔が見られないかもしれないが、それでも別れたばかりだというのに早く会いたくて仕方なかった。 「……んっ」  歌夜は、下半身に疼きを感じて僅かに身を捩らせた。  まだ色々と不慣れな蓮太郎の手前焦らなくてもいいと言ったが、まだ行為の途中で帰してしまったのは、歌夜にも少しばかり後悔があった。  思った以上に、自分の身体が火照っているのを感じる。  自分で言ったこととは言え、中途半端に熱くなった身体が疼き、どうしても我慢出来なくなってくる。  このもどかしい熱を冷まさねば、ゆっくり眠ることも出来そうになかった。 「蓮太郎……」  愛し合う相手の名を呼んで、自分の指を濡れそぼった秘部にそっと添える。  そのまま小さく上下に指を動かすと、くちゅりという音と共に蜜が溢れ出た。  はしたない行為と思い普段は律していたが、今日ばかりは自分を止められそうになかった。 「んっ……ん、はぁ……」  ゆっくりと指を動かし、蜜で満たされた秘部を慰める。  下着の隙間から差し込んだ指を折り曲げ、気持ちいい部分を刺激していく。  そして、熱に浮かされたように、先ほど蓮太郎と触れ合っていた胸にも手を這わせた。  硬くなった先端を指先で軽く摘まむと、ぴくりと肩が跳ねる。 「んあっ♥ くふ……っ」  甘い声を漏らし、腰を浮かせて快感に悶える。  優吾に無理やり愛撫されていた時とは違う、幸福感に包まれた快感に満たされていく。 「はぁ、ん……っ、蓮太郎、好き……好きだ……。私も、触って……」  彼に抱かれながら行為に及ぶ姿を想像をしながら、秘部への愛撫を加速させる。  彼のことを想っているだけで身体がより熱を帯びて、自然と指の動きが激しくなっていく。  そんな風に、自慰に夢中になっていた歌夜には、平常時の注意力は損なわれていた。 「へぇ~、最強の退魔師さんもやっぱオナニーとかするんだぁ」 「ッ!?」  突然の声に、歌夜はビクンと震え部屋の扉の方へ首を向けた。  そこにはニヤニヤとした笑みを浮かべた少年がいた。 「ゆっ、優吾ッ! 急に入ってくるな!」  歌夜は慌てて身体を起こすが、優吾の方は慌てる様子もなく、ずけずけと部屋の中に入ってくる。 「なんだよ、別に止めなくていいんだぜ? もっと続けろよ」 「くっ……、黙れ!」  自慰に夢中になって誰かが部屋に近づいてきたことに気づかなかったのは自分の不注意だが、だからといって勝手に扉を開け、人の見られたくない行為を見て悪びれもしないのは流石に看過できない。  歌夜は怒気を発し、不躾な侵入者を睨みつけた。 「それか、俺が手伝ってやろうか? また気持ちよくしてやるぜ?」 「い、いらん……! 調子に乗るな!」  そう言って挑発してくる優吾に、歌夜は羞恥に顔を染めながらも声を張り上げる。 「もうお前には私の身体を好きにはさせないと言っただろう。分かったら早く帰れ」 「へぇ~? でも、途中でオナニー止めちゃって大丈夫かよ? イキたくて仕方ないんじゃねーのぉ?」 「そんなことは……」  からかうように言いながら、意地悪く聞いてくる優吾。  その指摘通り、歌夜の身体の疼きはそう簡単には消えなかった。  蓮太郎との行為で火照った身体を慰め、もう少しで絶頂に達しそうだった快感の熱が、まだ子宮をきゅんきゅんと疼かせて燻っている。 「や、やめろ……っ」  優吾がのそりと近づいてくるのを見て、歌夜は逃げるようにベッドの上を後ずさる。  この状態でこいつに触れられたら大変なことになる。そんな予感を覚えながら、壁に背が当たる。 「ほら、俺が続きやってやるよ」 「……っ。――触るな!」  優吾の手が身体に触れる寸前、歌夜は伸ばされた手を振り払い拒絶した。  手を叩かれた優吾は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに愉快そうに口元を歪め、ベッドの上で衣服の乱れた歌夜の姿にいやらしい視線を向けてくる。 (こいつ……あれだけ言ってまだ……)  反省の色を見せない少年に、怒りが込み上げてくる。  歌夜は怒りと共に湧き上がってくる情欲を必死に抑えつけながら、少年を睨み付けた。 「出ていけ。あまり私を怒らせるな」 「ふーん、そういう態度取るんだ。……なら」  言って、優吾は右手を上げ、ドアの近くの壁を触った。  瞬間、部屋が真っ暗になる。  優吾が部屋の電気を消したのだ。  そして、突然光を失ったことで視界が暗転すると同時に、身体を強い力で掴まれる。 「なっ……、おいっ、んむうぅっ!?」  暗闇に動揺した隙に、優吾は歌夜の口を塞ぎ、そのままベッドに押し倒した。 「んんっ! むっ、ちゅぱっ……んぁ」  強引なキスに対処が遅れ、唇を押し付けられ、舌を差し込まれる。  歌夜はキスを拒もうとするが、優吾はおかまいなしに口内を蹂躙してくる。 「んふっ……くちゅっ、ぷあ…… や、やめっ……むじゅうぅ、ちゅうっ」  押し返そうとする歌夜の手を押しのけ、さらに激しく舌を絡めてくる。その度に、粘つくような唾液の音が口の間から漏れた。 「ちゅっ……はふっ……♥」  口の中を舌で愛撫され、甘い刺激が頭の中に広がっていく。  今まで何度も無理矢理に奉仕させられてきたせいか、身体が快感に弱くなっている。  少年にキスをされるだけで、どんどんと抵抗する意思が削がれてしまう。  だが、強引なキスに流されそうになってしまう前に、蓮太郎の姿が脳裏に浮かび上がった。 「ん……くっ……こ、の……ッ」  歌夜は優吾の身体を押し返し、なんとか口を離す。 「はぁ……っ、はぁ……」  口を離した歌夜は頬を紅色に染め、苦しそうに眉を寄せていた。  ただキスをされただけだというのに、身体が熱くなって、むらむらとした情欲が掻き立てられてしまう。  蓮太郎としたモノとは別種の、一方的で犯すような接吻。  そこに愛など感じないが、胸の奥底に眠る被虐的な快感をくすぐってくるのだった。 「……余程、私を怒らせたいようだな。一度、痛い目を見ないと分からないか?」  内に膨らむ劣情を誤魔化すように、歌夜は怒りを露わにして、暗闇の中薄っすらと目に映る少年の顔を睨む。 「怒るなよ。ちょっとキスしただけじゃん。もしかして経験無かったか?」 「……ふん。初めてじゃ……無い」  つい先程蓮太郎と初めてのキスをしたばかりだが、それを上書きされたようで、無性に腹が立ってしまう。 「へー? 相手は蓮太郎か?」 「…………」  無言を肯定と受け取ったのか、優吾はなるほどなるほどと呟いて頷いた。 「分かったら早く出ていけ、私はもうお前の相手をする気は無い」 「あぁそう。まぁ俺はそれでもいいけどさぁ~。そっちは本当にいいのか?」 「何がだ……」 「いやいや、まだそのエロい身体が疼いて仕方ないんじゃねぇかな~っと思ってさ。もうそろそろ限界だろ?」 「別に、これくらい……何も問題は……」  確かに、身体は未だ熱く滾ったままで、火照りは全く冷めていない。  股の間を濡らす液体が、ベッドシーツに染みを作ってしまっている。  だが、蓮太郎のことを思えば、これくらいは我慢出来る。  ――そのはずだったが。 「――ぅぐ!?」  そう意識した瞬間、ズクンと下腹部に思い一撃を食らったかのような感覚が走った。 「な、なん、だ……!?」  その感覚は、子宮を中心として急激に身体の内部に広まり、瞬く間に下半身全体に広がっていく。  痛みは無く、むしろ堪えきれない程の気持ちよさに、歌夜は腰砕けになってベッドに蹲る。 「は、はぁ……っ♥」  膣全体を火で炙られているかのような苛烈な快感に、姿勢を保っていられなくなる。  歌夜はベッドに倒れ伏しながら、困惑と快感に染まった目を優吾に向けた。 「へへへ……流石の巫女サマも、気づかなかったみてーだな」 「な……なにを、した……」  覇気の籠らない声の問いかけに、優吾は得意げに答えた。 「今のでスイッチ入れてやったんだよ。お前が発情するように、じっくり仕込んでた仕掛けをさ」 「仕掛け……だと……」  歌夜は収まる気配の無い強烈な疼きに、下腹部を抑えながら問い返す。 「そうそう。これまで散々お前のエロい身体を弄ってやっただろ? その時に快感を蓄積する淫紋を刻み込んでやってたのさ」 「馬鹿な……淫紋だと……?」 「ほれ、自分の身体よく見てみ。浮かび上がってきただろ?」  優吾の言うように、歌夜が自分の下腹部辺りを見やると、そこには不可思議な紋様が刻み込まれ、薄桃色に淡く輝き初めていた。  そして、身体を襲う激しい快感は、その紋様が刻まれた部分を中心に広がっているのが感覚で分かる。 「こ、これは……、ぐふうぅうっ!?♥」  その淫紋により、子宮の奥が刺激される。 (な、なんだこれはぁ……っ。身体が、燃えているみたいに熱くなって……アッ、アアァ……)  意識とは裏腹に、身体がどんどんおかしくなっていく。  舌を突き出し、発情した獣のように熱い吐息が漏れだし、身体がビクビクと痙攣する。 「お前、いったい……ふくっ、ん……♥ んん……♥」  こんな特殊な術を行使するなど、新米の退魔師にはどう考えても不可能だ。  しかし、優吾が何者なのかを考える余裕は、今の歌夜にはとても無かった。  淫紋が刻まれた部分から広がる灼熱感は止まる気配を見せず、歌夜の身体を支配していく。  その快感に耐えかねた身体がガクガクと震えだすと共に、まるでその快感を外へ逃がすように、秘部から大量の愛液が噴出した。 「ひぁああああ♥♥」  触れられてもいないのに絶頂しそうになる身体を、歌夜は必死に抑え込む。  しかし、それによって絶頂寸前で焦らされたようになった感覚に、神経が焼き切れそうになる。 「へへ、どうだ? 良すぎて狂いそうだろう?」 「くぅっ、き、貴様ぁ……あぐぅうっ♥」 「気持ちよくしてくださいって言えたら、好きなだけイカせてやるぜ? まぁその場合、俺のヤりたいように……最後までヤらせて貰うけどな」 「そ、そんなもの……ぉおおっ♥」  絶頂のお預けを食らったような状態で、歌夜は涙で滲んだ瞳を優吾に向けた。 (だ、駄目だ……ここで屈しては、蓮太郎に合わせる顔が……。あぁ……でも、アソコが、快感を欲しがって……。気持ちいい部分を、思いっきり掻き回して欲しがってる……♥)  歯を食いしばりながら必死に堪える顔がぴくぴくと震え、下腹部に刻まれた紋様の光が強くなっていく。 「なぁ、どうなんだ~? 俺とヤるのか? 嫌なら嫌ってハッキリ言えよ~」  優吾が挑発しながら、薄いシャツの奥から浮き上がる勃起乳首を爪で引っ掻く。 「ほっぐうううっ♥♥ ひゃ、ひゃめ……ふ、ふぎっ♥」  優吾の好きな焦らすような乳首責めだ。しかし、淫紋の浮かぶ身体は、これまでより遥かに強力な快感を胸に叩き込んでくる。  爪先に凹凸が引っかかる度、頭の中に弾けるような快感が走る。 「ほら、もっと強くして欲しいだろ? おねだり出来たら、びしょ濡れまんこ思いっきりずぼずぼして、泣いて喜ばせてやるぜ?」 「だ……だれ、が……おほっ♥ ひいぃ♥」 「強情だなぁ。アイツに悪いとか思ってるのか? あんなヒョロガリのショボチンポじゃ満足なんか出来ねえって。俺のチンポと比べてどうだったか、よーく思い出してみろよ」 「お、お前のと……蓮太郎のを……?」  歌夜は発情した脳で、先程見た蓮太郎のペニスのサイズと、何度も見せつけられ、舐めさせられ、パイズリさせられた優吾のモノとを思い浮かべる。  小柄な少年らしく、小さな蕾のような未成長なペニスと、分厚く長い、女の急所を的確に狙い撃つような形をした、凶悪なまでのペニス。  比べまいと努めていたはずのその二つを、雄を欲した身体は無意識の内に優劣を付けてしまっていた。 「おら、早く決めろよ。アイツの雑魚チンポと俺のバキバキデカチンポ、どっちが欲しいんだよ!」  優吾が怒気を込めながら、乳首を摘んだまま持ち上げた。  だぷんと揺れる肉の塊が、大きな餅のように弾力を見せる。 「ほおおぉぉお~~♥ ち、乳首……ひっぱるなぁああ♥♥ おひいいい~~~♥♥」  引き絞られた乳首がびんと伸びきり、歌夜が背を仰け反らせる。 (むりだ、こんにゃの、我慢むりいいいぃぃぃぃ♥♥)  淫紋によって増幅された快感が、脳をガンガンと揺さぶって歌夜の意思をへし折ろうとしてくる。  乳首責めで絶頂する寸前、優吾はパッと指を話し、爆乳が弾んで開放された。 「んの゛ぉ♥」  歌夜は淫靡な蕩け顔を晒し、ギリギリで絶頂を迎えることの出来なかった身体をびくびくと震えさせる。 「ふぅ~……♥ ふぅ~……♥」 「ひひひっ、イキたかったか? なら、どう言えばいいか分かるよなぁ~」  ジンジンと痺れる乳首を、今度は優しく撫でるように指で擦りつけながら、優吾が問いただす。  今、この少年に屈服すれば、沙夜のように思い切りイカせてもらえる。きっと自分が泣いても叫んでも、優吾は雌を犯すのを止めようとはせず、満足するまで犯し尽くすだろう。  それは、今の歌夜には酷く魅力的に思えた。  自然に歌夜の目線は優吾の下半身に向かい、ズボンをパンパンに押し上げる勃起チンポに吸い込まれていた。 (あぁ……なんて大きい……♥ 服の上からでも、蓮太郎のモノとは全然違うのがハッキリと分かってしまう……)  あのペニスで姉のように、獣じみた交尾を自分も……。  愛を誓い合ったばかりの相手を蔑ろにして、自分を性欲の対象としてしかみていない男に身体を開く。そんなことをすれば、自分は最低の女へ堕ちてしまうだろう。だが……。  蓮太郎と裏切るという罪悪感すら興奮を彩るスパイスとなって、歌夜の誇りを打ち砕いていく。 「ぅぅう、ううう……っ!」  歌夜は額に血管が浮き上がる程に屈辱に打ち震え、目尻に涙を浮かべながら、絞りだすような声で言った。 「たのむ……もう、限界なんだ……だから、シて……くれ……」 「んん~? なんて? なにをシてくれって?」  優吾がわざとらしく聞き返すと、歌夜は真っ赤な顔で歯を食いしばりながら睨みつけてから、スッと視線を反らした。 「お前の……好きにしていいから……。私のまんこ、気持ちよくしてくれ……」  歌夜は悔しさに肩を震わせながら、絞り出すような声で言う。 「……セックス……して」  優吾はニヤニヤと笑いながら、その恥辱にまみれた言葉を受け止めた。 (すまない、蓮太郎……わ、私は、もう……)  淫紋による強制発情に抗えず、軽薄な少年を受け入れてしまう自分を恥じ、涙の粒を目からこぼす歌夜。  抵抗を諦めたその獲物を前に、優吾は捕食者の本性を表し、爆乳退魔巫女の瑞々しい身体に手を伸ばした。

裏⑤

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