おっとりして温厚で評判の良い酒場の店主。彼の人柄もあって店はそれなりに繁盛していた。 そんな店主の元に荒々しい侍が押し掛けてきた。 「店主、この傷跡は何じゃ?10年前にとある賭博場で大暴れし、深い傷を負って行方不明になった男がいたって聞いた事があるが、まさか……!?」 「お侍さん、これはただの喧嘩の傷でさぁ。刀傷だなんてそんな大層なモンじゃございやせん。そんなに言うなら見てみますかい?今は見せられないトコロのあっしの傷を全部、さぁ……。」 店主は侍に答える。 冗談を言ってる様な店主の返事だったが、妙な凄味を侍は感じ取っていた。 「ま、また来る!」 侍は顔を紅く染めてその場を去ったそうな。