NokiMo
夏目なつめ
夏目なつめ

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神風姉妹もかしましく



§1

「……退屈ね」

 ハイカラさんは、海に足を浸しそう言った。おおどかに雲の流れる昼下がり。晴天下には何もない。神風は無聊(ぶりょう)をかこっている。

「なんていうか……」

「のどかだな」

「のどかね」

 不服そうに言う神風。大きな黄色のリボンに赤色の着物、ブーツは揃えて岸壁に置き、ちゃぷちゃぷと白い足を揺らしている。快活な大正浪漫風の少女にとって、どっちつかずのまま待たされるのはお気に召さないらしい。

「これ本当に戦争中? 敵影もう一か月は見てないんだけど。それもはぐれ駆逐艦だし」

「新技術の賜物(たまもの)だ。最初に使いこなしたのは神風型だって噂だよ」

「ふーん?」

 その言葉に気を良くしたらしい。こちらには背を向けたまま、足の揺れるスピードがわずかに速まる。それから一転、長い髪を翻してこちらに振り向くと。

「……軍縮とかないわよね?」

「一将官には判断しかねる。……まあ、可能性としては否定できないが」

「……」

 再度海の方を向くと、神風は口をつむったまま。黄色のリボンが海風にそよぎ、紅の長い髪も風を孕む。

「……鎮守府以外に行き場所なんてないんだけど」

「いきなり放り出されることはないと思うぞ」

「そんなのわからないじゃない。朝令暮改がうちのお家芸なんだから……」

 なんと答えたものか知らないが、どうも彼女は不安らしい。無理もない心配だが、今お上はそれどころではないだろう。見えない戦況が突如晴れたと思うと、目の前には掃討の二文字が浮かんでいた。そもそも、強大な力をもつ彼女らを、無碍にできる度胸など彼らにはない。それに無自覚なあたり、艦娘たちはどこまで行っても軍属というより少女なのだろう。

「神風お姉様、司令官様が困っていらっしゃいますよ」

 そこに、儚(はかな)げな声。白檀を思わせる、甘く穏やかな香りも漂ってくる。春風だった。そこにぴったり沿うように、旗風も立っている。

「人聞きが悪いわね。私はただ状況が知りたいだけで……」

「司令は憶測を不用意に伝えたくないのだと存じます。ですよね?」

「あ、ああ、まあ……」

「ああもうっ、私が悪かったわ! その……、困らせるつもりはなかったの」

 袴ブーツの少女が3人寄れば、一気に華やかでかしましくなる岸壁。神風は立ち上がると埃を払い、ぺこりと頭を下げる。

 そして、3人のブーツが私を檻のように取り囲むと。

「まあ、私たちがいればここは大丈夫だから」

 3倍サイズの艦娘たちは、しゃがみこんで私を見下ろしていた。



 ⁂

 極めて雑駁(ざっぱく)に言えば、火力は威力であり威力は物量と精度の乗算で成り立つ。その点、艦娘をそのまま大きくしてしまおうというのは合理的ではある。合理的すぎてかえって馬鹿馬鹿しくなる好例だった。何より、物理法則を無視している。彼女らが半分概念的な存在じゃなかったら、発案者は謹慎か病院送りにされていただろう。

 とまれ新技術が出来て以降の戦況ははかばかしく、離島防衛ももはや喫緊の課題ではない。

 つまるところ、暇だった。

「それにしても、暇潰しにも限界が見えてきたと思わない?」

「私たちに時間があるのは良いことだと思いますよ?」

「でも春風も暇でしょ?」

 “それは……”と口ごもる。彼女も暇を弄んでいるのは変わりないらしい。

「難しい戦いが多かったですから、みなさま戸惑っていらっしゃるのだと存じます」

 羊羹(ようかん)を分けながら旗風が言う。事実だった。敵方が同じ技術を利用しない限り、戦力差は覆せまい。戦争と言えばジリ貧な戦闘をイメージしていた我々にとって、これは想定外の事態だった。それでも気を緩めるわけにはいかず、おまけに艦娘には良くて退役、悪くて解体の不安がある。ソワソワするのはまったくもって正当なことだった。

 ただ、私とてうかつなことは言えないし、気休めの鼓舞を喜ぶ彼女らでもない。というより、鼓舞して24時間の海面監視に送り出すのは忍びない。都市部とは隔絶され、戦線とも隔絶されて、多感な少女らが退屈するのは当然どころか真っ当なことですらあった。本来余暇の管理も私の務めなのだろうが、しかしこの状況は……。

 このままでは彼女らの不安と退屈が暴発しかねない。そうなって困るのは、おそらく私だ。

 ただ、すでに手遅れだったのかもしれない。

 そういえば、と神風が言った。

「そういえば噂じゃ、初期に新技術を使った提督は体格差がお好きだったようだけれど」

「体格差?」

「大きな旗風が好きだったって話よ」

「まあ」

 旗風が、両手の指先を合わせて頬を染める。居心地の悪さを感じて席を外そうとしたが、神風に肩を押さえられ逃げられない。

「提督ってみんなこうなの?」

「いや、そんなわけ……」

「その割に司令の視線が時々いやらしいんだけど……」

 待て。風向きが怪しい。妙な詮索(せんさく)をされている。おまけに、四方を姉妹艦に囲まれて逃げ場がない。いつの間にか私は、窮地に陥っていた。

「私が邪心を抱くわけないじゃないか」

「司令、私たちの巨大化に乗り気だったわよね?」

「そう言えば最初に勧められたのは旗風でした」

「わたくしは熱心に勧められたのを覚えています」

「私はもっと大きくならないか打診されたわ」

「「まあ……」」

 それから3人して、何ともいえない視線を向ける。逃げ出そうとすれば、机サイズの手が私をひっつかまえた。猫のように首根っこを掴まれて持ち上げられる。私を見つめる、ガーネット色、ルビー色、アクアマリン色の瞳たち。疑惑、好奇心、高揚感を浮かべ、宝石のような瞳がこちらを見つめるのだ。

「取り調べが必要なようね。旗風、取り押さえて」

「なっ、やめなさい、ひい?!」

 失礼しますと言って、山吹色の着物に後ろから抱き締められる。ぼふっと少女の中に埋もれれば、旗風の金木犀(きんもくせい)のような香りがふき出した。包容力ある5m旗風の体はポカポカと暖かく、これだけで気持ちの紐が緩んでしまいそう。だが、今はそれどころではない。早く逃げないと、少女の好奇心の犠牲になってしまう。

 けれどすでに、少女は真上から私を見下ろして、ぺたぺたと私の体を触ってくる。紅(あか)い着物から伸びるほっそりとした細指も、巨大化改修を経て腕のよう。それが、指を這わせ体をまさぐり、私の不埒(ふらち)さを触診し続けている。春風に助けを求めるが、桜色の少女は困ったように微笑むだけ。旗風は言わずもがな。すっぽりと私を抱きしめると、圧倒的な包容力で私を包み込む。だめだ、厚い和服の向こうからでも、その豊満な胸元が主張してくる。しっかり結んだ帯から、たっぷり膨らむ柔らかさ。隠しきれないそのボリュームに意識を吸い込まれていると、神風の細指がひたと私の恥部に触れた。

「ひうっ?!」

「し、司令官、まさか……」

「違う、これは不可抗力だ!」

「何が不可抗力っていうの?! 見損なった、やっぱりそういう目で見ていたのね!」

 会話を傍らで聞いていた3倍姉妹は、互いに目を見合わせ、まあ、とこちらを見下ろした。今まで気づけなくてごめんなさい、とでも言いかねない素直な顔。私の嗜好(しこう)に理解を示すような、そんな表情だった。

 一大事だった。 

 部下に性癖がバレた。

 おまけに、人に隠しておきたいたぐいのものが。


「違う、これは誤解だ! 旗風、っ、離せ……!」

「司令のご命令ですが、……旗風も、その、興味が……」

「先に規律を侵したのは司令官の方なのよ? これはおしおきなんだから」

「なんと申しあげれば良いかわかりませんが……。その、今日だけはご容赦くださいませ」

「誰か、誰かあ!!」

 だが、この鎮守府に他に人はいない。そのまま近くの倉庫に運び込まれてしまう。

「は、話せばわかる!」

「それはわざとおっしゃってるのでしょうか?」

「司令官様、すぐ終わりますから……」

「疚(やま)しいことがないなら慌てなくてもいいと思うけど」

 目の前で閉じられていく倉庫の門。けれど私は、ブーツたちに阻まれ逃げることも出来ない。本来物資を満載に出来る倉庫も、今はたった3人の少女で超満員だった。立てば天井スレスレまでそびえる華奢(きゃしゃ)な少女たち。それが3人、袴ブーツの牢獄で私を取り囲む。逃げようにも、桜に紅色、墨色の袴が行く手を阻(はば)んだ。絶望的な気持ちで見上げるが、艦娘たちは大きな目でぱちくり私を見下ろすだけだ。

 そして、ひそひそと何事か囁き合う。

 こちらを再度見下ろす時、彼女らに宿っていたのは、決意にも似た何かで。

「その、他所(よそ)の旗風は、何をしたのでしょう……」

「聞いた話ですと……」

「こんなこともしてたって言うけれど……」

「な、何をするつもりだ? ……ひぃ?!」

 神風がブーツから足を抜き出す。ふわっと漏れる温かな空気。踏まれるかと思ったがそのつもりはないらしい。足袋(たび)足先が、私の体をなぞる。すすす……と表面をなぞり、指股で脚を挟んだり胴を掴んだりしながら、私の小ささを探っている。押し返そうにも抗(あらが)いようがない。よろければ旗風のブーツに背中を預けてしまう。そしていよいよ、開いた股間を神風になじられるのだ。

「やっぱり……。さっき言ったことは嘘だったみたいね。まったく……」

 ジト目になっているのは見なくてもわかるが、見上げてもささやかな起伏に視界を遮られてしまう。

 それから、ふっと空気が緩み。

「……ふふ♪」

 誰の者かも分からない声が響いた時。


 既に私は、3人に共有された、小さな秘密と化していた。



§2

 一大事だった。

 少女たちが、私の“嗜好”に気付いてしまったのだ。いや、私自身知らなかった。知りたくなかった。言葉にしなければ知らないで済んだものに、名前を付け輪郭を与え、結果神風たちにすべてを知られてしまった。失態だ。失態だし問題だ。

 かつては自身の巨体を羞(は)じていた旗風も、あれ以来、私の側にぴっとり張り付くようにまでなっている。自身の巨躯を肯定的に受け止めてくれたのはいいが、それが武器になることにまで気付いてしまった。3人が私を取り囲む。物陰に私を連れ込んだ。そして、私の嗜好を再確認するように、クスクス笑って私に忍び寄るのだ。

 ……私は半ば、3人の共有財産だった。

 とりわけ旗風は、私を気に入ってしまったようで。

「今日は風が気持ちいいですね」

「……そうだな」

 ぽてぽてと歩いていく大正浪漫少女。その腕には、猫のように抱かれた何かが一匹。私だった。それが、右に揺れたり左に揺れたり。少女は気にも留めず、金木犀の香りを漂わせ歩いていく。その大きさも、前より2回りほど大きくなって、今や5倍。8m弱の体は、2回建ての宿舎の向こうにいてもその髪飾りが見えるほどだ。3倍と5倍とでは見える範囲も変わってくる。私にはもう、そのブーツですら住めそうなほど大きい。

 当然、その肉体も圧倒的で……、

「……健康を持て余しそうだ」

 抱かれた私は、胸に完全にめり込んでしまっていた。というより、挟まっている。いくら厚い着物でも、乳房のボリュームには勝ち目がない。帯の上にどっかり乗った乳房に密着すると、かえってその丸みを浮き上がらせてしまっていた。

 こうなると、どうしても邪念が湧き上がってくる。普段上官としてふるまっているからこそ自制出来ているが、猫のように腕に抱かれていては体面もクソもない。何より、100kgを超える巨乳に包まれて、他のことを考えろという方が土台無理な話だった。両手を限界まで広げても覆い尽くせない巨乳。水の詰まった気球のようなそれが、歩くたびどっぷどっぷと揺れている。体温で柔らかくなった着物の間に埋もれ、私は半分固定されていた。

 それでも、左右から私を殴打する下乳に負け、腕からズルズルとずり落ちそうになってきた時。

「よいしょ、と」

 持ち上げようと、旗風が私を両手で持ち上げる。美貌の前に掲げられ、猫のようにびろんと手から垂れ下がる上官。渋面している私に、旗風はぱちくりと目を瞬かせている。それから、何かに気付いたのか、

「……あら?」

 その視線が、下へ向けられる。とっさに股間を隠したが、もう遅い。その目には、赤裸々に自身の性欲を物語る突起が膨らんでいて。

「司令、こ、これは……」

「ち、違う、これは何かの間違いだ!」

 一見落ち着いて見えるが、旗風の好奇心は年相応に強い。私の変調を見てとるや、それが気になってしかたない。誰もいないことを確認するとじぃ……っと見つめ、あろうことか、指先で突こうとする始末。

「ひうっ?!」

「あ、その、すみません……」

 それから、ほんのり頬を染めると。

「その、し、鎮めて差し上げます……」

 そんなことをのたまうのだ。

「旗風?!」

「こ、これは、姉さんたちには秘密にしていただければ……」

 そう言いつつ、私を脱がしにかかる金木犀少女。普段は清楚な少女も、今は頬に朱を浮かべ暴走している。私はとうてい抗えない。その細指ですら私の腕ほどもあるのだから当然だった。

 そして、倉庫の物陰に、着物を敷くと。

「すぐ、すぐ終わりますから……」

 襦袢をはだける。現れたのは、色白の乳房。鎖骨から谷間へ乳白色の影を帯びた5倍乳房が、私の前に重そうに揺れるのだ。凄まじい大きさだった。ふわぁっと甘い香りが漂い、肌から揮発する香りを直接伝えてくる。

 それが、私の上にのしかかると。

「気に入って頂きたく存じます……」

 “ずぷぷぷ……♡”と、私を納めてしまうのだ。私の陰茎、どころか私ごと挟んでなお余りある膨大な乳肉。その最奥では”とくん♡ とくん♡”と穏やかな心音が直接私に響いて、とてつもない一体感を与えていた。

 そのまま、上へ持ち上げるものだから、

「ひうぅっ?!」

 私は、肌と亀頭が擦れる感覚に悶える。すべらかな肌は谷間でしっとり蒸れて、私に密着してくる。乳房が持ち上がると、亀頭が全ての肌のキメをなぞっていった。もちもち肌にペニスが引っかかったまま、”みちちちちっ♡”と肌をなぞってしまうのだ。繊細な肌のテクスチャが性感帯を刺激する。フェロモンが染み付いてきてジンジンとペニスがほてった。だめだ、気持ち良すぎて、耐えられない。

 けれど旗風は、乳房が縦に潰れるほどぎっちり私を挟み込むと。

「い、いかがでしょうか……」

 “たぱん♡”と、巨乳を下ろす。

 “ずにゅうぅっ♡”と持ち上げると。

 “どぱんっ♡”とおろした。

 そのまま、たぱたぱと巨乳をバウンドさせ始めれば。

「う゛ッ♡ う゛ッ♡ う゛ッ♡」

 5倍の体格差に物を言わせた、凶悪なパイズリを開始してしまう旗風。背骨の折れるほど重い一撃が、幾度となく私を打ちひしぐ。そのたび”ふるるんっ♡”と乳房が揺れ、金木犀の香りがあふれ出た。目の前では、カールした亜麻色の髪が揺れている。その青みがかった瞳が、つらいほどこちらを覗き込んだ。透き通るような白さの乳房に、髪が垂れたり翻ったり。そしてみっしり詰まった巨乳で私を癒すものだから、快苦入り混じった感覚に私は悶えることしか出来ない。

「いかがでしょうか? お気に召しましたか?」

「旗風、もっと、ゆっくりぃ……っ♡♡」

「こうですか?」

 そういうと、もったりとした手つきで乳房をこねる旗風。柔らかな巨乳が、たっぽんたっぽんと私の上で弾み始める。重い振動が消えた分、その気持ち良さが鮮明に伝わってきた。きめ細やかな蒸れ肌を掻き分ける感覚、心音に陰茎を芯から震わされる感覚。ぴっとり張り付く乳房は汗でわずかに濡れ、滑らかにペニスを行き来させる。もう私は、物も言えずその感覚に酔いしれた。

「司令が悦んでる……。嬉しい、です……♪」

 そう言うと少女は、円を描くように乳房同士を“むにんむにんむにんっ♡”と擦りつけ合わせる。そうすればペニスは、身をくねらせる乳房の間で、ねじれるほど揉み潰された。肌のキメ一つ一つを教え込むような、強烈なパイズリ。押しのけようにもどっぷりとした巨乳は到底押し返せない。そのまま、旗風の気が済むまで揉み潰されるばかり。

 おまけに。

 左右から寄せ付け、たぱんっと落としたり。

 むぎゅっと圧し包むと、優しく上下させたり。

 緩急をつけて、私を癒すものだから。

「これ、耐えられ……、~~~ッ!!」

 徐々に速まっていく速度。どうすれば私の快楽を引き出せるか探るうち、最適解を見つけてしまったのだ。どんどん高まる快感。それに慣れそうになれば更に速度を速め、乳圧を強め、絶えず新鮮な快楽を送り込んでくる。

 ついにその速度は、大胆なものに変わって行って。

「…………♡」

 “どぷどぷどぷどぷっ♡”と、優しくも強く上下させるのだ。金木犀の少女は陶然として、私の表情を食い入るように見つめている。何を言ってもその耳に届かない。

 そしてついに、乳房の間で快楽が炸裂したとき。

「……あ、す、すみません。旗風、つい夢中に……。……司令?」

 巨大な部下の胸の中、上官はぐったりと弛緩すると、その声すら耳には届かなかった。



§10倍神風舐め

 今日も島は平和だった。

 娘たちが退屈する訳だ。

「……あ、司令官」

 海の様子を漫然と眺めていると、あたりが暗くなる。振り返れば、赤いオーロラのような袴と、塔ほどの高さがあるブーツ。10倍になった、神風の姿だった。

「敵影でもあった?」

「大軍だな」

 肩をすくめる私も、退屈であることには変わりない。神風がふわりとしゃがみ込む。それでも半分視界から見切れているが、向こうから私の姿は丸見えなのだろう。

「……大きくなったな」

「知ってる」

「何mだ?」

「……15」

 唇を尖らせ、ハイカラ少女は答える。自分の成長に、内心戸惑ってはいるのかもしれない。

「戻した方がいいか?」

「遠くまで見えるのは気持ちがいいわよ? 司令官も見てみる?」

「いや遠慮して……おわっ?!」

 私の背丈ほどもある手に掴まれて、いともたやすく持ち上げられる。膂力には自信があったが、その細指を1㎜たりと動かせない。肩元に乗せられると、屈強な男もまるで妖精かなにかだ。実際は、男が小人に見えるほど彼女のだが……。

「どう? 綺麗でしょ?」

「あ、ああ……」

 なるほど煌めく海面が何処までも続く様は美しい。美しいが、高さが高さだ。私は襷にしがみつき、15mの高みから落ちまいと必死。着物越しに、少女の肩の細さが伝わってくる。足元に鎖骨の輪郭があるのも分かった。海から反射した光が細い首筋を撫で、髪色も艶やか。正直、海など目に入らない。

「海にも連れて行ってあげたいところだけど……」

「落ちたら大変だな」

「この大きさだとまだ難しそうね」

 それがどういう原理かは知らないが、少女たちは成長を続けていた。戻すことはできるとも聞くが、奇妙にも3人はそれを拒んでいる。以前にも増して3人は私にくっつくようになった。というより、私が彼女らにくっつけられているのだが。和装少女たちは今や、私の守護者となって君臨している。

 

 ぬるい海風が吹く中、神風の赤みかがった髪が緩やかにそよぐ。しばらく、見るともなしに海を見ていたのだが。

「そう言えば」

 やおら、私を手で摘まみ上げる。目の前には、ルビーのような煌めく瞳。それが、じっと私を見つめている。嫌な予感がする。とても嫌な予感が。

 そして、ジトっと私を見下ろすと。

「旗風と”遊んだ”っていうのは、本当?」

「……なんのことやら」

「やっぱり!」

 悲鳴を上げたいのはこっちの方だった。あまりに、あまりに噂の伝達が早すぎる。燎原の火だってもう少し穏やかに広がるだろう。思えば口封じするのを忘れていた。第一、私の性癖は彼女らの間では公然の秘密となりつつある。私の落ち度、なのか? 慌てる私を、神風はジト目で見下ろすばかり。その手の上から逃げられない私は、脂汗を流すだけだ。

「やっぱり旗風が好きなの? それともその大きさ?」

「じょ、上官が部下に欲情する訳には……」

「だったら旗風のあれはなんなの!」

「あれは不可抗力で……!」

 はつらつとした声は、ポンポンと声を連ねて私を追い詰める。何も言い返せない。だが、抗弁しないと後が怖い。苦しい言い訳を繰り返すたび、胡乱そうに私を見る目は冷たくなっていく。

「まったく……」

 やれやれと頭を振る神風。黄色のリボンが揺れ、長い髪も揺れた。姉としての対応を考えているらしい。それから急に、何か、ごく個人的な想念が頭をもたげてきたらしく。

 神風はしばらく、逡巡して。

「私じゃ、だめ……?」

 ぽそりと、そう言った。

「そうは言わないが……。こちらから求めるのはまずいだろう!?」

「それはそうだけど……」

 ハイカラさんは何か言いたげ。それから、思案するように私を指先でもてあそび始める。

「最近司令官、ちょっと不自然よ? なんだかずっとソワソワして……」

「そんなつもりは……、な、何を……」

 ぶつくさ言いながら少女は、指で私をなぞり始める。片手間に鉛筆を弄ぶように、私を指先でいじくるのだ。抵抗しようにも、10倍サイズでは指先ですら相手にならない。簡単に制圧されると、そのままゆっくり撫で上げられる。

「旗風も旗風よ。司令官とそんなことするなんて。……𠮟らなきゃいけないのは私なんだからね? それに、私だって……」

 小人が悶えているのに神風は気付かない。微細な小人の反応など、考え中の彼女には届かないのだ。本心に気付いてもらいたいのか隠したいのか、ごにょごにょと迂遠なことを呟き続ける。無意識に小人をこねくり回し、愛撫し、弄んで……。

「あら?」

 ひたと、私の股間に指を沿えた。

 そこには、明らかに反応している股間の膨らみ。

 いよいよ神風は赤面した。

「し、司令官、これって……」

「もういっそ殺してくれ……」

 観念したように抵抗をやめる。

「は、破廉恥よ司令官! こ、こんなの……」

 触診を続ける神風。その手つきが、段々執拗なものに変わって行く。思わず息が荒くなる。私だけじゃない。少女もだ。彼女も状況に呑まれつつある。いかん。このままじゃ、歯止めが効かなくなる。

 けれど既に、神風は私の隅々まで指を這わせていて。

 手の中で悶えて行く上官の姿に、当惑と高揚を禁じ得ずにいた。

「……ふふ。本当に、何もできないんだ……♪」

 すっかり手の中で蕩けた小人を前に、少女は陶然とした表情を浮かべている。私は服もはだけ体力も使い果たし、ぐったりと手のひらに溶けるばかり。おそらくそれは、少女の心を搔き乱すのに十分だったのだろう。むにむにと唇を揺らし、辺りを見回す神風。

 それから、そっと目を閉じると。

 私に唇を重ねた。

「かみか……んぐっ?!」

 突如の部下の接吻にこころが追い付かない。けれど薄い唇がおずおずと私に近づくと、そのまま優しく押し当てられるのだ。吸い付くような柔らかな質感が体に広がる。もう私など口の中に収めてしまえそうな少女が、優しくキスを続けた。

 それだけではない。

「ん……」

 おずおずと、小さく舌を出す神風。それから、小さくぺろんっと私を舐め上げた。熱く柔らかくヌルヌルとした、少女の丸っこい舌先。小さな花弁のような舌が、膝から胸までを、控えめに舐め上げる。それだけで、私を悶えさせるには十分で。

「ひうぅっ?!」

 少女の手の中、びくんっと小人が仰け反るのだ。肩を震わせる大和撫子。けれど、次に舌を這わせたときには、もう自分を抑えきれなくなっていたようで。

「んあぁ……」

 私を、ささやかに、けれど確実に、舐め上げる。肌に、ぷにぷにと柔らかく重たいものが押し付けられる。そのまま太もも、腰、胸へと一気に駆け上がるものだから、血流すら支配されてしまいそうだった。はじめは舌先だけだったそれも、徐々にねっとりとしたものに変わる。もう、手のひらが濡れるのも構わない。目を閉じると少女は、甘美な舌で上官を舐め犯し続けた。

 

「かみ、かぜ、っ、これ以上は……!」

「……♡」

 ささやかな舌遣いに包み込まれ、理性のタガが外れつつある。その危機感に叫びつつ、10倍艦娘の舌遣いは止まらない。

 ついには辛抱しきれず、私は自らその舌先にしがみついていて。

「し、司令……?!」

 うっすらとした唇に恥部をねじ込んでしまうのだ。神風の美貌に抱き着くと、むにむにと唇が動かされた。柔らかなリップに包まれ、そのままゆっくり揉まれるのだ。それだけでどうかなりそうだった。表面に走る繊細なシワ、むっちりとした肉感とわずかに濡れた内唇、それらに挟まるのが気持ちいい。

 その上、先端をチロチロ舐められるものだから。

「~~っ?!」

 私は、思わず腰が引けそうになる。そして、唇肉の中を動いてしまうのだ。密着したまま性感帯とリップがこすりつけられ、強烈な快感が生まれる。たまらず押し戻すと、今度は先端が唇を掻き分けた。その快楽は強烈。柔らかさに翻弄され、どうしようもなく求め始めてしまう。

「神風、ごめんっ……!」

 そう言いつつ、神風は私を離さない。手のひらと唇で私を包んだまま、ゆるく目を伏せ私を受け入れている。前後させるたび、自分の心が彼女の唇に支配されていった。抑えがたくその唇の弾力を感じ、起伏に溺れる。押し込めば舌乳頭の海にめり込み、引けばぴっとりくっつく隙間をくぐり抜けた。何度も何度も神風に溺れる。時折少女が目を瞬くと、まつ毛の扇ぐ風まで感じられた。そして、みっともない姿を散々神風に晒し、逃げられもせず快楽を続けて……。

 手のひらの中、小人の快楽が、弾けたのだった。



§

 氷面を滑るように、海面を進む3人のうら若き少女たち。何もない海原を滑り抜け、哨戒任務中だった。この近辺に敵が来ようはずもない。私も連れ立っての、実質上の海上散歩だった。

「司令官様、わたくしにしっかり捕まっていてくださいませ」

 けれど、上官の声はない。答えてはいる。声が、届かないのだ。

 当然だった。

 強大な力を得てなお巨大化を続ける少女たちの背丈は、今や150尺、30倍サイズにまで伸長していたのだから。

『もう少ししたら帰投いたしましょう』

 春風の広大な手に優しく握られる。少しでも外に出れば、凄まじい海風に吹き飛ばされることは必至。言うことを聞く他ない。

 そんな折。

 黄色の少女が、弾かれたようにこちらに振り返る。

『敵艦を発見しました!』

 旗風が叫んだ時、一瞬で艦隊に緊張が走る。考えれば当然のこと。巨大さのあまり距離感がおかしくなっているが、明らかにここは前線に近い。ちょっと足を伸ばしたつもりで、凄まじい距離を移動してしまっていたのだ。警戒しながら敵に接近していく。場所を考えるなら、それなりの火力の敵が出ているはずだった。

 が。

『……あら?』

 3人が囲んだのは、戦艦級の敵影。

 それも、彼女らのブーツの厚みにすら劣り。

『戦闘、開始……?』

 弱々しい鉄砲玉を、そのブーツに投射するばかりだった。完全に怯えている。無理もない。相手は30倍サイズになった駆逐艦娘たちだったのだから。

『あら……』

『これ……、戦艦よね?』

『のように見えます』

 自分より途方もなく巨大な駆逐艦娘3人に囲まれ、戦艦級が怯えている。それでも砲弾は本物が飛んでくるものだから、私としては堪ったものじゃない。春風のほっそりとした手が守ってくれてはいるものの……。その恐慌を知ってか、春風は襟元を開くと。

『……そ、その、司令官様、少々ここでお待ちくださいませ……』

 そっと、私を胸元にしまってしまうのだ。襦袢と着物の間に挟まり、私は完全に密閉されてしまう。春風の、穏やかで大人びた香りが世界を満たす。その状態で、30倍少女が一歩踏み出すものだから。

「ぐうぅっ!?」

 “ふるんっ♡”と、豊満な乳房が弾んだ。これはいかん。姉妹屈指の胸元に揉まれては平静を装いかねる。必死に和服の中で足掻く小人。外では、戸惑ったような戦闘が続いている。というより、どう戦ったものか測りかねているらしい。旗風の、“よぉーし!”という声が聞こえる。それっきり、何も聞こえなくなった。

 そして、春風が胸元を開こうとする。

 ちょうど私が、襦袢の壁を這い上がっていた、その時に。

『司令官様、終わりましたので……ひゃああっ?!』

 いきなり布地が動いて、小人が肌の中に転落する。襦袢の中に入ってしまったのだ。当然、中は生の乳房がむっちりとその丸みを膨らませている。和装にブラジャーはない。

 生肌に触れる小人の感触に、ぞわわっと少女の全身が反応した。

『あら? 春風、どうしたの?』

『か、神風お姉さま、できれば先に帰って頂ければ……!』

『そう? まあ、春風なら心配はないけれど……』

『では、お先に失礼します、春姉さん』

 振り返り振り返り、水面を走り去っていく姉妹たち。春風は赤面しながら手を振って、そっと背中にいる私を取り押さえようとする。でも、服越しにはそれもままならない。身悶えする春風が、なんとか近くの無人島に辿り着く。へなへなと腰砕けになると、服をはだけた。“ふるんっ♡”と現れ出る、乳白色の乳房。背筋を横断し、小人は下乳へかろうじて辿り着く。指を突っ込めば、ようやく姿を現した無力な提督。たっぷりとしたその山にへばりつき、小人が目を回している。

『し、司令官様、ご無事でしょうか……』

「す、すまん……」

『い、いえ、元はと言えば私のしたことですので……』

 顔を真っ赤にして、ともかく私を谷間から抜き出す。島の山々の間に身をうずめると、そっと手のひらの上に乗せた。

『と、とりあえず、ここで一息つくこととしましょうか……』

 そっと胸元を隠し、私に囁く春風。ただ、それがかえって逆効果だった。腕に押さえつけられた巨乳が、“むにゅうっ♡”とあふれ出ている。貞淑で控えめな少女の乳房が、陽の光を浴びている光景は独特の背徳感があった。乳首が見えていないのがかえって煽情的だ。当人はそれに気づいていない。襟元を直そうとして、乳房の丸みに襦袢が“むにっ♡”と引っかかったりしている。無駄な努力と知りつつ、私はなんとか視線を外し上官らしく振舞おうとした。

「しばらくしたら、私たちも帰投しないと……」

 そう言って、無理やり立ち上がろうとする。けれど、果実酒のような香りに酔わされて、足が立たない。ふっと力が抜ける。

 結果私は、指の間からすり抜けてしまって。

『ひゃんっ?!』

 吸い込まれたのは、色白の太ももの間だった。ブーツを履いた、餅のように白く柔らかそうな生太もも。反射的にそれが閉じられると、私も “むっぎゅううぅっ♡”と挟まれる。

 その、極上の柔らかさと言ったら。

「ぐううぅっ!!?」

 白くしなやかな美脚が、私を締め上げる。ふにふにとした柔らかさは私を離さず、かといってひしゃげもさせず、絶妙な弾力で私を包み込んだ。這い上がろうにもスベスベな肌は滑らかで、とてもじゃないが指がかからない。肌から春風の香りが揮発してくる。それだけで酔いそうだ。

 だから、ようやく摘まみ上げられた時、私は半分、酩酊状態だった。

『す、すみません、わたくし、つい……』

 提督は指先にぶら下げられ、完全に伸びてしまっている。それもむべなるかな、体重差27,000倍の少女に太ももで挟み潰され、窒息しかけのところでその香りを肺の奥まで吸わされた。酩酊状態でぐらぐら揺らぐ頭を振り、なんとか春風の方を向こうとする。そうすればまた、半分はだけたままの胸元が目に入るものだから、あまりに理性によろしくない。

 どうも、聡明な少女にはそれが伝わってしまったらしい。さすがに機微に敏い。おしとやかな少女は、かぁっと顔を赤らめた。

『そ、その、わたくしは、うぅ……』

 目を背けつつ、ちらちらと私の様子を窺う少女。身を抱くようにしてさらに腕で胸を押さえつけるものだから、巨乳が“むにゅうぅっ♡”と溢れる。白磁のように白い肌も、羞恥心にわずかに桜色を添え始めた。私が何に注意を引かれているか、分からない春風ではない。その分、いたく羞恥心を掻き立てられたようで。

『あ、あまり見られると、わたくし……』

 手の甲で目元を覆いつつ、ひそひそとそう囁くのだ。目元と胸元を隠し赤面する様は、あまりに煽情的だった。いよいよ巨大な春風の姿に惹きつけられてしまう小男。そんな小人上官の様子に、何かを刺激したらしい。優しく私を撫でると、意を決したように谷間を開いて、

『その、少しの間、だけでしたら……』

 山のような乳房で、“ふにゅうぅっ♡”と包み込んだのだ。

 そのボリュームは、途方もないもので。

「ぐううぅ……っ♡♡!!」

 たっぷりとしたお椀型の乳房が、寄せ付けられて形を変える。その真ん中に包まれて小人は、指一本動かせない。密着してくる乳肌は指の間にすら割り込んでいって、完全に私を密閉してしまうばかり。おまけに、じわぁ……っと滲んでくる、羞恥と高揚の汗。旗風の金木犀の香りとも違う、果実漬けの蒸留酒のような深く甘い香りだ。

『こ、これでいかがでしょうか……』

 羞じたように言いつつ、たぷたぷと乳房を寄せ付けたり、放したり。緩急つけた乳房のせめぎ合いに巻き込まれ、男の快楽が高まっていく。柔らかな乳房はプディングのように震え、たぷぷんっとぶつかり合っては私に肉感を叩き込んでいく。重力で潰れわずかに平たくなった巨乳が、私をみっちり潰して、貼りつけ、跳ね飛ばした。

 おまけに。

『気に入って頂けるでしょうか……』

 乳房を手で包むと私を挟み、“ずりぃ……っ♡”と、上下に擦りつけたのだ。汗ばみぴっとり張り付いた乳房同士が、こすれ合う。そのはざかいで、小人もまた練り潰された。そのまま、左右交互にたっぷたっぷと上下させる春風。美しく豊満な乳房に揉み潰され、私は全身を包む独特の肉感に興奮を隠せない。見上げれば、谷間のわずかな隙間からかろうじて少女の巨体が視界に入った。着物をはだけた少女の鎖骨のラインや、ほっそりとした肩の輪郭が乳房の山から覗いたり、覆い隠されたり。彼方では、春風の紅玉色の瞳が、潤んだ視線をこちらに向けている。ほのかに息を乱し、谷間の私を見下ろす春風。このままでは一線を越えてしまう。そう思って、最後の力で乳房を這い上がった。

 快楽と衝撃でぜいぜい息を乱しながら、乳肉をよじ登る小人。

 そして、先端にしがみついて、力尽きてしまう。今度慌てるのは、春風の方だ。

『ひうっ?!』

 敏感な場所を触れられ、少女も思わず声を乱す。それからぴくぴくっと震えると、乳房全体に汗を浮かべた。恐る恐る私に手を伸ばす。そのまま、私事乳房を持ち上げると、もう、耐え切れなくなったようで、

『し、司令官様、お許しいただければ……』

 私ごと、乳房を口に含んだのだ。ねっぷりと自身の乳首を含む少女。そうなれば私は、ぷっくりとした乳首と丸い舌に挟撃されてしまう。そのまま、“ぬりぃっ♡”と舐め上げられれば。

『んん……っ♡』

 私は、巨乳の先端で、舌先に愛撫されてしまうのだ。ぬっとり濡れた舌先が気持ち良く、ふっくらとした粘膜に包み込まれる感覚が性神経を刺激した。陰圧で乳首の弾力が私に密着すると、“ぷくぅっ♡”と私を包み込んでくる。そのまま、ねぷりねぷりと乳首を舐める大和撫子。50m近い少女に、2mにも満たない人間が適うはずもない。そのまま、ねぶり倒されるばかり。

『す、少しだけ、ですからぁ……♡』

 陶然として私を味わう少女。乳首に私を押し付け、同時に吸うものだから、無垢な少女にとっては強烈な刺激だった。ぴくぴくっと身を震わせると、さらに刺激を求めておのが乳房を舐める。“ぷくぅっ♡”と乳首が膨らめば、私の股間に割って入った。ダメだ。局部を直接乳首に刺激され、気が変になる。

『っ♡ ……♡♡』

 ちぷちぷと自身の乳房を吸う春風。もう片乳房は揉んでいるのだろう、たぷたぷと肉の弾む音が聞こえてくる。私とて正気を保てない。何より、密着してくる乳首の柔らかさに理性を焼かれている。思わず、そこにまともに跨ってしまった。そして口内、吸われたまま腰を押し付ければ。

『んんんっ♡♡?!』

 乳首相手の私の行為が、春風を刺激するのだ。丸く小さな舌に埋もれたまま、一抱えもある乳首に跨り、腰を押し付ける。ぐりぐりと擦りつけるたび、快楽が身を貫いた。部下に、それもひときわ理性的で大人しい少女に、自身の性欲を晒してしまう。それを受け入れてなお春風は快楽を立ち昇らせた。強く自身の乳房を揉み、私と乳房を吸う。性感の循環だった。

 ついには、自身の恥部を慰め始める春風。乳首相手に欲情する上官を感じながら、ちぷちぷと指で秘部を刺激する。私とキスするとそのまま口に含んで乳首に押し付けたり、片乳房を揉んで甘く声を大気にこぼしたり。清楚な少女が、あられもなく快楽に酔っていく。それが私を興奮させ、私の快楽がさらに春風を興奮させた。高まっていく性感は渦を巻き始める。巨大な体全体に汗が浮かぶ。細く儚い声に生々しい音素が混ざり始め、ついには滲み始めると……。

『んッ……♡』

 “ぷしゅっ♡”と。 

 小さく、その果実を、弾けさせた。

 

 ──しばらく、春風は荒く息を続けていた。

 私は色白の乳房の上、山頂に張り付いたままビクビクと痙攣を続けている。太股の間、野辺は潮で茶色く滲み、蛇のように川を作っていった。

 ゆらりと春風が身をもたげる。なんとか呼吸を落ち着け、はだけた着物を着直す。小男の処理は……、ひとまず後回しにした。

『早く、帰りませんと……』

 よろよろ立ち上がる。

 洋上、水平性の向こうには、二つの人影。

 帰りの遅さを訝しんだ姉妹が、私たちを迎えに来ていた。



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