ビール二杯の御礼(600円プラン限定)
Added 2024-08-22 01:01:58 +0000 UTCビールを二杯も奢っていただきありがとうございます。ワタルです。今回は弊作の対戦回と「MCバトル」の関係について書いていきたいと思います。
MCバトル。ラップバトルと言った方が伝わるかもしれませんが、要するにラッパーが(大抵は)タイマンで曲に合わせて口論するようなものです。交互に4小節ないし8小節で音楽(ビート)に乗って主張し合い、ギャラリーやら審査員が勝者を決めるようなエンターテイメント。私はMCバトルが割と好きで、現場に行ったりはしませんが、YouTubeなんかでゆるく追っかけております。
MCバトルの醍醐味は諸々ありましょうが、私はなんと言っても彼らが自らのスタイルを音に乗せてぶつけ合う瞬間が好きです。俺はこう思うぜ、いや俺はこうだ、みたいな事を限られた小節の中で音に乗り、しかも韻を踏みながら主張し合う。いわゆるスタイルウォーズです。二人のスタイルが違えば違うほど面白い。こんな正反対な二人がバトルしたらどうなるんだ⁉︎みたいな組み合わせほど、芯を食ったような言い合いになったりするのです。そんなバトルの中で素晴らしいパンチラインが生まれて、聴く者の心に残る。バズったりする。毎回ビートも違いますし、彼らの心情や取り巻く環境も違う上、基本的には即興で行うバトルなため、同じバトルは二度と無い。大麻やってたり前科持ちだったりと終わっている側面もありますので手放しに賞賛できない部分もありますが、少なくとも、私はエンターテイメントとして面白さを感じています。
MCバトルを見ていて、何度も「カードゲームに通ずるよなぁ」と思ってきました。プレイスタイルの違う二人がバトルするわけで、違うデッキであればそれぞれの強みを押し付け合うことになりますし、例え同じデッキであっても、プレイスタイルをぶつけ合うことになる。もしプレイスタイルもデッキも同じでも、デッキは無秩序な配列のカードの束ですから、全く同じ勝負にはなり得ません。引いたカードで勝負するので、即興性もある。私にとってカードゲームの対戦とMCバトルは、とても大きな枠組みにおいては同種のものです。カバ店がかつて「二度と同じ勝負はないのだから、卓についたら真剣勝負するべきだ」みたいな事を言いましたが、これはMCバトルを意識したものでした。
カードゲーム漫画におけるキャラクターの「キャラ付け」において、使用デッキは重要な要素になると思います。主人公がビートダウンだったり、敵キャラがバーンデッキや極悪コンボを使って来るみたいなことは思い浮かびますが、私はもう一歩踏み込んで考えたいと思っています。なぜそのキャラクターはそのデッキを選択したのか。あるいは、そのキャラクターはなぜそのようなプレイスタイルになっているのか。そんな部分にスポットライトを当てたいのです。ラッパーが「俺のライフスタイルはこれだ、だからこう思うんだ」と主張するのと同じように。
例えば、キバvsクラマの対戦はまさにスタイルウォーズでした。ビートダウンとコントロールでデッキ自体の性質も正反対でしたが、強者を打ち破るために勘を武器としたキバと、論理的思考のみを信じるクラマのバトルです。あるいは、くま吉vsトラ夫を描いている時も、強くMCバトルを意識していました。特にトラ夫は「臆病だったこれまでの自分」を抱えながら、それでも「憧れの先輩をリスペクトした戦い方」を武器として選択したわけで、良いリリックになりそうな気がしないでもありません。プレイヤーの考え方や性格なんかが、デッキ選択やプレイングに影響していて欲しい。ライ太と龍堂はかなり似ていますが、それでもやっぱり全く同じではないわけで、その微妙な差に焦点を当てて描出したい。折角の創作ですから、そんなところにこだわっていきたいと考えています。長く描いていると表現の幅も少しずつ広がっているようで(本当に少しずつですが)、最近は頭の中にあるものを漫画に落とし込めているような感じがしています。まだまだ精進は必要ですけれども。
以上です!ご清聴ありがとうございました!