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「プロットが終わらない」

「プロットで苦労してて…」

「プロットできた!!俺天才!?」



どれも私が、帰宅後開口一番によく妻に投げかける台詞です。プロットの話ばっかり。人生の八割をプロットに消費していると言っても過言ではありますまい。Twitterでもよく愚痴を吐いております。プロットに苦労している、なんてのはまさに妻に愚痴るのと同じようなツイートですね。



プロットって何やねん、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。正直私もよくわかっておりませんが、プロットとは"漫画や小説等の構想"を指すようです。

ネーム、という単語を聞いたことのある方もいらっしゃいましょう。私はこちらも正直よくわかっちゃおりませんが、ネームというのは漫画台詞やコマ割りなんかを下書きしたもの、と私は理解しております。プロットよりも具体的で、かつシンプルながらも作画を要するもの。



さて、私の漫画(漫画というカテゴリーに分類するべきかはひとまず傍に置いておきます。ラノベに近いというのが私見です)は、プロット→筆入れというふたつの工程のみから出来ています。いわゆるネーム、下書きのようなものはありません。プロットを切ったら即清書、その5秒後にはインターネッツにアップです。面倒臭いことは一切ありません、なにせこの絵柄なので、下書きは必要無いんですね。気楽なものです。

今回は、私の言う「プロット」がどのようなとのかをお見せしたいと思います。前回同様たいした話でもありませんが…。



私はプロット完成後に即清書即公開ですので、作品の完成度はほぼほぼプロットの出来に依存します。ご存知の通り作画で魅せるタイプではありません。本当にプロット一本勝負です。プロットこそが全てですし、最も時間を割いています。もったいぶっても仕方がないので、本日時点での最新作、そのプロットを以下に引用してみましょう。愛用のメモアプリ(iPhoneにデフォルトで入ってるヤツです)に残しているものをそのままコピペします。




1

おいキバ‼︎

ライ太がキバ

のスキルを


欲しいそうだ

どうするかね


ひとが悪いな

龍堂さんも…


簡単な話じゃ

ないのわかっ

てるくせに

2

でもまぁ

俺たちは…


ガチンコ

調整会だ

3

できる限り

…伝えてみ

ようか


強くなりたい

ヤツは放って

おけない…


チラッ


そうでしょ

龍堂さん

4

うははは‼︎

そうだなキバ


上達するにゃ

・・・・・・

本人の意思が

必要だ……‼︎


モノにできる

かわからんが


教えてやっ

たらいいぜ

そのスキル


俺も…‼︎

5

……


キバさんの

スキル…‼︎


俺も欲しい

……です。


僭越

ながら


……

6

大人気だな

ビート屋


茶化さない

でよ龍堂さん


トラ夫の

漢気にも応え

なきゃね

7

じゃあまず

大会で観戦を

して貰おっか


今日の大会

もう終わった

けど…


明日から

だね

8

フリプじゃ

ダメなの?


いいけど…

フリプで伝わ

るかなぁ…


なんか大会の

方が伝わる気が

するんだよね…

9

キバさんの

プレイング‼︎

マジか…‼︎


キバさんの

ビート…‼︎

マジか‼︎


うおおお‼︎

俺も………‼︎

俺だって…‼︎


……

10

…とりあえず

プレイングから

やっていこうか


勘は?


それは

明日‼︎

11

俺の打ち筋は

龍堂さんと全然

違うと思うから


ライ太にも

参考になるん

じゃないかな


たしかに

全然違うと

思った

12

んじゃフリプ

してみよっか


どっちが

やる?


あ〜自分は

キバさんの手札

を後ろから…


おれ



参考:プロットに紐付く本編

https://www.fanbox.cc/@usks/posts/7071404




如何でしょう。たいして面白いものでもございませんね。申し訳ない。

私の切るプロットは「台詞の羅列」です。このプロットをそのまま漫画に描き起こします。



数字が振ってありますが、これはコマ数です。私の漫画は4コマがベースであり、通常は4コマ×3〜4枚。すなわち、12コマ〜16コマが平常です。場合によっては20コマ(5枚)以上になることもありますが、8コマ(2枚)以下になることは最近では殆んどありません。伝えたい内容を表現しきれないからです。



プロットを切る際に気を付けていることはいくつかありますが、最も重要なのは文章量でしょう。1コマに入り切る、あるいは読みづらくならない程度の文章量に留めています。基本的にはコマの中にキャラクターの作画+台詞で収めますが、文章量が多くなってしまう際はキャラクターをコマに入れずに台詞のみのコマにしてしまいます。

この台詞の文章量には相当気を使っています。具体的に表現しますと、一行当たりの文字数を6文字以内かつ台詞全体で3行以内に抑えるようにしています。無論のこと、例外ありです。



台詞が入るいわゆる"吹き出し"の形は縦長です。少なくとも私が使っているお絵描きアプリの吹き出しテンプレートは縦長の楕円形。ベースが4コマ漫画ということで台詞に割けるスペースは少なく、吹き出しのサイズも制限されます。この小さい吹き出しに如何に文字を入れ込むか。この点には気をつけています。原則MAX6文字×3行以内の文字数(4行以上になると文章的に読むのがかったるくなる気がします(どうしても長文を入れ込みたい時はその限りではない))で回していますが、縦長の吹き出しに台詞を入れ込むには2行目の文字数が6文字になるのが最も美しく、かつ効率が良い。例えば先に載せたプロットの1コマ目、一発目の台詞がこうです。


おいキバ‼︎

ライ太がキバ

のスキルを


これは綺麗な5-6-5の3行です。これが一番縦長の吹き出しの形に合った文章量。長い台詞でしたので、二つの吹き出しに分けて読みやすさと美しさを保っています。

1行当たりの文字数が7文字になってしまうと、吹き出しの形を縦長に改変必要があるのです(お絵描きアプリの機能を使っています)。これは工数として面倒だし、なにより美しくない。1行の文字数を6文字以内に抑えるため、変な所で改行することもあります。典型的なのが上記プロットの8コマ目の台詞。以下に引用してみましょう。


いいけど…

フリプで伝わ

るかなぁ…



区切りの良い改行をするならば以下の通りになるでしょう。


いいけど…

フリプで伝わる

かなぁ…


これでは2行目が7文字になってしまい、妙に縦長の吹き出しになってしまいます。よって6文字に収まるように改行している。1行目と3行目の文末に三点リーダーを入れているのは、吹き出しと台詞のバランスを取るためです。2行目だけ長いとちょっと美しくない。誰も気にしていないでしょうが、これは私のささやかなこだわりです。

言うまでも無いですが、優先されるべきは文字数や行数よりも台詞の内容です。5-6-5文字に無理やり当てはめているわけではありません。4行になることもあるし、1行当たりの文字数が7文字以上になることもある。それでも、可能であれば読みやすく、美しい形で吹き出しに台詞を収めたい。弊作をご覧いただく際に、少し気をつけて見ていただければ私の苦労の跡を感じ取っていただけるかもしれません。



随分長くなってしまいました…プロットを切る際に留意している点をもう少し。

私のプロットはすなわち台詞ですが、作画も同時に考えています。台詞の文字数と作画はセットですので(台詞が長くなる程キャラクターを描くスペースが犠牲になります)、台詞を考えるのと並行して作画も考えています。メモアプリに書き殴るプロットには文字情報のみを記載して、各コマの作画、すなわちどのようなキャラクターをどのように配置し、どのような表情にするかは全て頭の中に留めています。文字情報として残しておかないと忘れちまうんじゃねえかという懸念を抱かれる方もいらっしゃるでしょうが、たいていはプロットを切った数分後あるいは数時間後(寝て起きた後)には筆入れですので、問題はありません。日刊連載はスピード勝負なのです。忘れる前に描いちゃいます。



さらにもうひとつ。「プロットってどうやってつくってるの?」という話をば。

半年ほど前まではとにかくメモアプリを開いて唐突に台詞を書き始め、キャラクターの性格に任せて無理やり書き進めていました。ほとんどその場のノリ、即興です。このやり方はあまりにリスクが高いため(ストーリーが暴走する、あるいは"落ち"がつかない)、最近では頭の中である程度の展開を妄想し、その妄想に沿って台詞を積み上げていく方法を取っています。どちらのやり方も妄想に任せている点に変わりはありませんが、後者の方がストーリーが綺麗にまとまりやすいです。



先ほど「プロットに最も時間を割いている」と申し上げました。具体的には、20分から3時間程度。20分以内に完成することはありません。長い時には5時間以上かかる時もあります(睡眠時間が犠牲になります)。ファンボの週末限定漫画は単発漫画みたいなものなので上手いこと流れに乗れず、少なくとも数十分という単位では出来上がらない。何時間も考え込んでしまう。大苦戦するのが通例です。今週末も大変でしょう。日々、本当にプロットのことばかり考えて生きています。

一方、作画の方にかける時間は1枚(4コマ)あたり15分から30分程度。漫画というカテゴリーで見れば死ぬほど短いでしょうが、私にしてみれば龍堂みたいな作画コストがクソ高いキャラが頻発する回は地獄です。なるべく描きたくない。



プロットに関してはこんなところでしょうか。毎日自動的に、それこそ蛇口をひねるようにプロットが出てくればこんなに楽な仕事はないでしょう。七転八倒四苦八苦、時には身をよじりながら、また時には酒を飲みながら(皆様に奢っていただいた酒です)、枚分毎秒どのようなストーリーを紡ぐか考えています。プロットがうまくいかなければ辛いですし、家族にも迷惑をかけている。それでも続けていけるのは、家族の理解は大前提として、カードゲームうさぎを描くのが楽しいからに他なりません。こんなに面白い趣味はない。私の考える最高の結末に向けて、ひたむきに筆を進めていく所存でございます。


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