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ワタル
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各キャラクターのプレイスタイルについて1/2


ワタルです。

日頃からのご支援、誠にありがとうございます。いかがお過ごしでしょうか。



あんまり描き分けできてませんが、エピソード・ライ太の登場人物にはそれぞれ違ったプレイスタイルがあります。設定としてのプレイスタイルは、対戦描写自体が少なかったうさぎとうさぎの奮闘記や鷲崎伝にはありませんでした。次回作でうさカス達の対戦を描くようなことがあれば、彼らのプレイングの好みやクセを改めて設定することになるでしょう(うさカスとうさクズは同じデッキでも回し方は違う、みたいなところを描きたいです)。




早速見ていきましょう。龍堂会メンバーから、強さ順です。



【龍堂辰雄】

龍堂のプレイ指針は「負けないこと」です。作中屈指の実戦経験を誇る龍堂は、所謂尖ったムーブ、前方確認無しのブッパやハイリスクハイリターンなプレイをかなり慎重に避けています。過去の経験から、このような乾坤一擲の一手はそうそう上手くはいかないこと、じっくりと待てば勝機が巡ってくることを知っているからです。俗に「丸い」と表現される安定感こそが龍堂のプレイングの本質です。九連覇中のランク戦における龍堂の強さは特筆すべきものであり、ディフェンディングチャンピオンである龍堂側が先手後手を決められる特権に加え、龍堂自身のミスでゲームを落とす事も考えづらく、挑戦者側が一切ミスをしなかったとしても非常にタフなゲームとなるでしょう。

龍堂は周囲から「奇策」と称されるような勝ち筋を辿ることが稀にあります。前回ランク戦でのユキとのマッチアップが恒例です。先手後手のドロー1枚の差を押し付けて勝つ、これをゲーム開始前から念頭に置いて後手を選択、執拗に1:1交換を取り続けた挙句のフィニッシャー投下で締め。後手選択というインパクトもありZoo内(の特に中堅以下のプレイヤー達)の間で話題になった一戦ですが、これは龍堂にとっては奇策のような類のものではありませんでした。ユキはミスが少なくブラフも効きづらい実力者。あの手この手でユキのミスを誘って盤面をこじ開けるよりも、機械的に1:1交換を取ってアド差で勝つ方が安定していると考えたのです。龍堂にとってはこれが最も丸いプレイングであり、周囲の「奇策」という評価は少々的が外れています。

先週描いたvsアギト戦も、アギトは「凄い負け方」をしたと感じていますが、龍堂にとっては単純に最も太い勝ち筋を辿ったに過ぎず、アギトの感想は両者の実力差が大きく隔たっている事の証左でしょう。

また、龍堂のプレイングの特徴として「相手の実力を考慮する」という点があります。これは後にライ太も獲得していくものですが、龍堂は全ての相手に同じような攻め手が同じように通用するとは考えません。攻めるべきなのか構えるべきなのかといった勝負の分水嶺や、どこまであからさまにブラフを張るかといった部分は相手によって細かく調整します。ユキやキバのような見知った相手は当然ながら、初見の相手であってもシャッフル等のプレイ中の所作、自分のムーブへの対応の的確さ、判断の速さなどでその実力を伺い知ろうと努力します。その確度は実際高く、龍堂の武器の一つとなっています。

龍堂はまた、自らの勘にある程度の信頼を寄せ、一定の判断基準にしている部分があります。龍堂は練習の際、プレイングを腹落ちするまで徹底的に言語化しています。龍堂は練習環境にも恵まれていますから(というか自分で練習の場を作り上げたのですが)、言語化した上で周囲のメンバーに共有し、齟齬なく説明できるているかを確認、さらに周囲に意見を求めて矛盾点が無いかを検討してもらっているのです。これほど徹底している龍堂がなぜ試合中に判断を勘に頼るかというと、思考時間を短縮するためです。

試合では限られた時間しか与えられておらず、さらにその時間は対戦相手と共有するリソースです。全てのプレイを考え抜いていたら制限時間が足りませんし、なによりも対戦相手の貴重な思考時間を奪うことに繋がります。対戦相手を尊重する龍堂は、自分ばかりが時間という有限のリソースを消費することをよしとしません。プレイに迷うことがあればある程度のところで見切りをつけて、勘に頼って選択する。そもそも龍堂の「勘」とは当てずっぽうという意味ではなく、予測できる裏目を回避した上で、最終的に2〜3択を迫られた場合に過去の膨大な経験から似たような状況と照らし合わせた上で覚悟を決めて選択するプレイングの事であり、ライ太の「勘」とは精度が全く違います。学生時代、頭の良い奴が選択問題を「勘」で解くと結構当たっているものでした。正解までは絞りきれないが多分これだろう、というようなものです。

いきなり長くなってしまいました。龍堂はかなり設定を練ったキャラクターですので、漫画の中で表現しきれていない部分がたくさんあります。こうして文章で紹介してしまうのは漫画描きとして失格なのかもしれませんが、エピソード・ライ太は漫画というより挿絵が多いラノベに近いのでご容赦下さい。



【氷室雪之丞】

ユキが大切にしているのはゲームの「再現性」です。ユキはZooの中でもピカイチの実力者であり、多くの試合で勝ち越しています。それ故に、勝利を求めるのではなく、敗北を忌避する傾向が非常に強いです。明らかに実力差のある相手に負けてしまうのはやはり悔しい。言い換えれば、実力なりの勝ち数が欲しい、これまで費やしてきた時間の分は少なくとも勝っていたい、ということになるでしょうか。よって、ユキは基本的に相手の勝ち筋を潰していくことに固執します。重要なのは相手にワンチャンを残さないことであり、それを各ゲームで最も再現しやすいのがコントロールデッキなのです。

コントロールにも様々ありますが、ユキの選択するコントロールデッキは(今はブルドラを握っていますが)、特に相手の攻め筋を潰すことに特化したものが多いです。具体的には妨害と除去。相手の行動を制限できれば尚良いです。コンボギミックを搭載したコントロールデッキなどもありますが、ユキにしてみればコンボ要素など全て抜き、妨害と除去をガン積みしたいことでしょう。攻め札を極限まで削ってでも受け札を積んでおきたい、それがユキの考え方です。

ユキの編んだ冬眠コントロールは除去と妨害の束です。攻め札は3枚の冬将軍と4枚の冬のみ。冬は相手の攻撃に制限をかけ、同時に冬将軍をサーチしてくる役割も果たしています(作中では紙面が足りず全てのデメリットを書けませんでしたが、冬は設置時に自分の場の冬以外の全てのカードを破壊した上で、冬将軍以外の動物をプレイすることができなくなります。冬眠コントロールではそのどちらのデメリットも無視できる構築となっています)。豊富な妨害と除去、冬によるロック、フィニッシャーは選りすぐった最小限のみ。これらを大量のドロソによって支え、高い再現性を誇るのが冬眠コンです。使用難度は極めて高いものの、冬眠コンはまさにユキにとっての理想のデッキであり、それを切り捨ててブルドラを握ったユキの心中は察するに余りあります。



【野良勇気】

野良のプレイスタイルを表現するならば【複雑で老獪】ということになるでしょう。バーンデッキはブン回れば、そして相手がマグロならば有無を言わさず勝ちをさらえる速攻型のデッキです。常にブン回り、常に相手がマグロならば誰が使っても勝てるわけで、デッキが上手く回らない時、相手が積極的に干渉してくる時に如何にして勝つかがバーン使いの腕の見せ所になるのではないかと思います。

これは精神面の話ですが、野良は「少なくとも自分の対面に座った相手にはバーンデッキを舐めさせない」という思いを持って卓についています。バーンはこんなに強いんだ、魅力的なんだという事をゲームの中で証明したいと願ってるのです。それ故に、野良はインパクトのある勝ち方を非常に好みます。十八番である「デッキタイプの擬態」はその典型でしょう。相手の思考の死角から焼きに行く。場合によってはあえて細い勝ち筋を辿ることすらあり、特にバーンの定石を知っている熟練者にはこの想定外の勝ち筋が突き刺さるため、上位卓では非常に厄介な手合いとなっています。

野良の考え方はデッキ構築にも反映されています。例えばビートバーンに鉄檻と狐火採用。鉄檻と狐火はロックバーンのギミックであり、本来であればそれぞれガン積みしてロックバーンに寄せるべきものです。ビートバーンに少数採用してもノイズとなりかねない。再現性など歯牙にもかけないあたり、ユキとは真逆の方向性です。野良はそんな構築上の不協和音すらブラフと陽動に織り交ぜて、魅せるプレイングに全力投球しています。



【ワン馬キバ】

キバはかなり好戦的なスタイルのプレイヤーです。得意なデッキはビートダウン。リスクリターンの匙加減が絶妙であり、リスクの許容範囲を龍堂よりも広く取っています。裏目は裏目と割り切って、要所で的確に斬り込んでいくのが彼の得意とするプレイング。この攻めっ気のあるプレイスタイルはキバの境遇から醸成されたものです。

キバは、龍堂とユキという店舗のトッププレイヤーと長い時間を過ごしてきました。練習相手の二人は格上であり、しかも二人ともミスが無く、丸いプレイングが得意と来ています。キバも二人と同じように丸いプレイで張り合おうとすると、どうしてもアラが出てしまう。ワンミスすら許さずここぞとばかりに付け込んでくる二人ですから、キバには攻め続けるしか道がありませんでした。座して待って負けるくらいなら果敢に攻め込んでやろうという算段です。この練習環境がキバのプレイスタイルを決定づけています。

キバは非常に鼻の効くプレイヤーでもあります。初心者の頃からセンスがあり、勘が良い。この点はライ太やアギトにも共通していますが、現在キバはこの嗅覚で勝負所を測っています。「なぜあのターンに勝負に出たの?」と聞いても「何となく」と返してくる、そんな部分がキバにはあります。キバはあえて言語化することもなく、自身の嗅覚を試合中の判断材料のひとつとしているのです。とはいえ、定例練習会の検討卓では感覚的な部分は一切排除し、具体的な判断材料でのみ議論するようにしています。これはキバの出し惜しみではなく、分別です。



【ゴリ山】

ACG歴10ヶ月。龍堂会の新顔にはまだプレイスタイルと呼べるようなものはありません。ただただ教わったことを実践する。見えている情報を見落とさない。これを心がけてプレイしてはいますが、なかなか難しいようです。

プレイスタイルとはまた違いますが、ゴリ山のドロソの切り方は必見です。引いたら撃つ!そのターンドローしたドロソを手札に加える間も無く、そのまま叩きつけます。撃つまでのコンマ数秒に一切の迷いはなく、その顔は一点の曇りもない、笑っちゃうほど精悍なものです。どんなに有利な状況でも撃つ。今何が欲しいかわからなくても撃つ。相手のデッキタイプがわからなくても撃つ。ドロソさえ撃てば必ず状況が好転するものと思っているのでしょうか。検討卓では執拗にドロソの切り方を指摘されています(ACGでは、ドロソは温存し得というゲーム性があります。本当に必要になってから撃つドロソが一番強い的な。逆に、今欲しい札が無ければドロソは温存ということになります。勿論「引いてから考える」という使い方も状況によっては大いに肯定されますし、欲しい札が明確であれば撃ち得です)。




本日はここまで。思ったより長くなりましたが、文章は漫画と違って絵を描かなくていいのでめちゃくちゃ楽です。時間さえあれば無限に書ける。次回はライ太達について書きます!GW中にアップしますので乞うご期待。勿論恒例の週末描き下ろし漫画も別途アップします。

Comments

TCG始めたから、ここで書いてあるプレイスタイルも勉強になる_〆(・ω・*)

KTK

動かない。って意味合いかと。

KTK

完全に忘れてた…

のら

マグロ...?

りり

あと色の概念無さそうですよね

tttttt

超最初の方に出てた気がするエピソードライ太のパン田初登場回とか

tttttt

ピーハンをよく見かけるからね 序盤のドロソで今欲しい訳じゃないけど後で欲しくなるもの引いて落とされたら終盤でよく分かんないけど負けたって評することになりがち

アカムの兄貴

コントロール相手に悠長してたら状況は悪くなる一方だし、攻め入るキバさんは仕方ねえ…。 やりたいことを通して勝つより、相手のやりたいことを潰す方が勝つのに必要な枚数は少なくなることが多い。 相手のやりたいことを潰して場が横着して負けが見えなくなった時に、場持ちのいいアタッカーでゆったり攻める…きっとそういうのがいいんだよなユキさん…。

ぬくりあ

ギリギリまで相手の対応を見るゲーム性だから先打ちドロソで展開に消費するマナをへらすのが悪手みたいなゲーム性なんかねえ

okome

ターン最後のドロソが割と定石っぽい感じが前あったけどその話なんですかね?

龍堂さんは言語化はそれほど徹底してはやらないって言ってたような覚えが……読み直そう

アニット

上級者陣の勝ち方ヤベエよ…対面でやられたら惚れちゃうよ それはともかくやっぱりACGはマジックと一緒でハンデスが軽いんですかね みんな積んでるし

ネロとパトラッシュ

龍堂氏とのタイトル戦は 加点方式では無く減点方式。 タイムアタックと一緒で ミスったらその差は縮まらない。 RTAならリセット案件よ。 よっぽどプレイに自信が有る人以外は 狙うは上振れ 下振れ上等の ムラっ気たっぷり 右手ピッカピカ 捲りガチャデッキで挑んだら宜しい。 もちろん彼の席まで辿り着くには ユキ氏、野良氏を越えてかなならんので そこまで運気が保つかどうかは 右手次第。

ken Kawa

ゲームによるけど、ドロソすぐ切っちゃうはわかるなぁ。 遊戯王ならドロソ=誘発避けや妨害か展開の手数に繋がるわけで。 逆にマナコストの概念があるゲームなら、確率なんかを見た上で狙って引きに行くっていうのが丸いんですね。

こりく

キバの苗字みんな知ってた?

のら

ゴリが「ドロソだいじに」のコマンドを覚えたら起こして(永眠 ドロー、特に濾過型のドローはカタログギフトみたいなものなので、「あれが欲しいんや!」という指針のない撃ち方すると「おれは……何が欲しかったんだろうな……?」と途方に暮れちゃうのはわかりますねぇ(遠い目 でもデッキがグッドスタッフ気味だと「まずは候補を見てから、あるもの合わせでプラン立てますね」という戦術が取れる……のかな?(握らないので知らない

CHILLY

冬眠コン、思ってた以上にエグいデッキだった。 ドロソ撃ち得じゃないってのは、後で必要だけど今使えないカードうっかり引いちゃってピーハンとかで飛ばされる方がディスアドが大きいって考え方かな。

nakamz

遊戯王の強欲な壺とかだったら俺もノータイムで切っちゃうな

nick

ゴリ山まーじでわかるよ。引いてから考えるってのはカードゲームであるあるよな。 即断即決ドロソからの入りは悪癖でもあり最適解でもあるのよなぁ。好きよゴリ山。

amyumoto

この文章力と文字数で叩きつけておいて「めちゃくちゃ楽」だと……!? うさカスうさクズがスタイル異なるってのが気になるから今後の展開が楽しみ

masashi

初コメントです。 読んでいく中で作中のキャラクターのプレイ光景が浮かんでくるようで、非常に読み応えのある内容でした。 これを見てから作中の台詞を読み返してみると、また違った印象を受ける場面もありそうです。 自分のプレイスタイルなどもこれを参考に見直してみます。

蕎麦屋

Acgのドロソはサーチが強くて手札は増えにくいイメージなのに無駄引きを恐れず即座に叩きつけるプレイングは性格出てると思います 失敗を嫌うと成功を求めるで成功を選求めがちなのかな?

黒眼鏡

冬眠コンの構築が想像以上にエグい

もんじゃ

ドロソは麻薬だからな カードいっぱい引く楽しい


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