気付いた時には妖魔はどこかに消え去っていた。 妖魔の考えなどは分からないが、本能を満たして満足したか、別のエサを見つけたか。大方そんなところだろう。それとも、ただの気まぐれ化……。 どちらにせよ、今の芦乃にとってはどうでもいいことだった。 重い体を起こし、立ち上がろうとすると足の間から何かどろりとしたものが零れ落ちた。妖魔の体液と、そして……芦乃の初めてを証明するような、赤い--。 別に、特段自分の初めてを大事にしていたわけではない。恋人がいたこともないし、そういうことへの興味も人並み以下。ただ機会がなかっただけといってもいいかもしれないくらいだった。 それでも、この事実は芦乃に重くのしかかった。 妖魔に敗北し、犯された。 この力を手に入れたときから、いつかこうなる時が来るかもしれないとは思っていた。 妖魔を相手にしているのだから、当然だ。 しかし実際そうなってしまうと、芦乃は自分がそのことをしっかりと考えたことがなかったように思った。 この先何体妖魔を倒そうと、この事実が覆りはしない。 それはつまり-- そこまで考えて、芦乃は軽く頭を振った。 今はそんなことを考えているべきじゃない。 妖魔の気配は完全に消えていたが、芦乃にはまだやるべきことが残っていた。ひとまずは-- 芦乃は周りを見渡しそこに誰もいないことを確認すると、路地裏の壁に背中を付けて--少々品がないかもしれないが--足を軽く開き、ナカに指を入れ、半透明な液体を掻き出した。ドロリと、妖魔が自分の身体に残していったものが外へと掻き出されていく。 その動作を何度か繰り返す。そのたびに、自分が何をされたのかということを自覚させられた。 それを出来るだけ掻き出して、芦乃はようやく一息つくことができた。 ここから数日おきに以前Skebで描かせてもらった芦乃の絵を投稿していきます!芦乃月間です。乞う、ご期待……! まだ設定画と数枚のイラストしか投稿してなかったのに依頼してくれてありがたい気持ちです。 引き続き依頼も募集してますよ!(もちろんリナちゃんや二次創作の依頼も!) https://skeb.jp/@atsu_kake