出来心だった。
最近流行りの利用しやすい無人セルフジム。
このあたりは田舎だというのに。
歩いてすぐの所に出来たとあっては利用しない手はない。
いつでも気軽に汗を流せる。自分のような人間には願ってもないことだった。
願ってもないことだった。
深夜にも利用できる24時間営業、そしてこの店舗は利用客が少ない。
長年の勘で監視カメラの死角はわかっていた。
この、どうしようもない悪癖を発散できる。
自分のような人間には願ってもないことだった。
体が疲れると湧き立ってしまうものなのだ。
最近忙しくて、処理できなかったのだ。
いくつもの言い訳が頭の中に浮かんでは先走りとなって流れ出る。
バックに詰め込んだトレーニングには必要のないお気に入りのヒーロースーツと、気分を上げるため2日連履きした靴下がそれが嘘であることを如実に表していた。
視線。
しまった、まずい、やばい、あああぁっ。
若い青年が物陰からこちらを見ている。
見、見られ、見られてる、見られている。
危険を告げる脳内とは裏腹に、私はその手の動きを加速させていた。
固い栓が抜かれるように、精液が放たれた。
気持ち、気持ち良すぎる、まだ青年は、見ている、こちらを、この体を、ジムの中に充満する私の恥ずかしい臭いをその鼻に感じて、私を見て、赤面して、オナニーをしている彼が、私を見ながらオナニーをしながら、ああっ、見て、見ている!
最高の射精だった。
その劣情の証を床に残して、青年はいつの間にかいなくなっていた。
非天丸(ひてん)
2024-09-13 04:41:26 +0000 UTCてんた
2024-09-12 19:12:32 +0000 UTC