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コミケでの再会

コミケで知らない人から「わたし誰だか分かります?」って挨拶されても分からんみたいなツイートを見かけて、入れ替わった人同士でこういうやりとりがあったらすごくエッチだなあと思って書き殴りました。

コミケでの再会

「だいぶ人も落ち着いてきましたし、そろそろ撤収しちゃいましょうか。片付けはこちらで済ませておくので、エミコさんは更衣室に行って頂いて大丈夫ですよ」


用意していた新刊と既刊の在庫が無くなり、挨拶回りもそこそこに終わらせた私は売り子をしてもらっていたエミコさんに声を掛ける。


「いいんですか?それじゃあお言葉に甘えて……それにしてもかなり刷ってあったのにもう完売なんて、すごいですよね。流石は大手の七草先生というか」

「いっ…いえいえ、そんな!エミコさんの協力のおかげもあってのことですから!コスプレを見て気になったって言ってくださった人も多かったですし……」


嬉しい言葉に、思わず手をブンブンと振って否定してしまう。実際、今日のこの成果は彼女の力によるものが大きかった。

新刊の主人公のデザインに合わせた、胸を大きく露出させたアメスク風のコス衣装。彼女が売り子をしてくれると申し出てくれた後に急いでデザインを描き直したかいもあって相当にエロ……いや、魅力的な仕上がりになり、スタイルの良いエミコさんがそれを着てくれたことでSNSでも話題になったおかげで、例年よりも人の集まりが多かったのだ。

照れ隠しをするように机の上を片付けていたが、エミコさんは更衣室にも行かず私の顔をじーっと見つめていた。


「え、えと……どうしたんですか?」

「いや、七草さんって本当におじさんだったんだなー、って。ああ、気を悪くされたらごめんなさい。ただ、以前に七草さんとすごく似ている絵柄の方が別ジャンルで活動されていたので、もしかしたらと思って」


ヒュッ、と喉の奥が鳴る。じっとりと手汗が滲んでいくのを感じながら、なんとか言葉を絞りだす。


「きっ…気のせいだと思いますよ。私が活動を始めたのもここ数年のことですから」

「あ、もちろん今は別人だって分かってますよ?その人もオリジナルの作品でコミケに参加してた人なんですけど、見た感じ若い女性の学生さんって感じでしたから。ただ、彼女が活動を停止したころに丁度七草さんが活動を始めていらしたので、もしかしたらと思ったんですよねぇ。でも……」

「でも?」

「いやあ、実際に会って別人だと分かって少し安心したというか。彼女は綺麗な感じの作風だったので……あ!もちろん七草さんの作品が悪いと言ってるわけじゃないですよ?こういうのも大好きですし。ただ、絵柄があまりにも似ていたので……」


一言二言と会話を交わしたのち、彼女は少しだけ気まずそうにしながら更衣室へと向かっていった。


「(まさかエミコさんが前の私の作品も見てくれてた人だったなんて……)」


中年のおじさんと身体が入れ替わってからしばらくして『七草』としての活動を始めた時に、以前の私の絵柄とはがらっと変えてみたつもりだったのだが、分かる人には分かってしまうものなのかもしれない。それでも今日まで指摘をされなかったのは、やはり彼女が言うように、扱っている話の内容が以前とはだいぶ異なっているからなのだろう。

もう少しだけ絵柄を変えてみるか、などと思考を巡らせていると、今度は別の女性から声を掛けられた。


「お疲れ様です。七草さん、ですよね?」

「えっ……!?あ、そうですけど。す、すいません、もう完売してしまっていて……」

「ああ、いいんですよ。今日は挨拶に来ただけですから。……あの、私のこと誰だか分かりますか?」


声を掛けてきたのは、綺麗なコスプレイヤーの女性だった。SNSで最近よく見る人気キャラクターのコスプレをしていて、アレンジでもしているのか、私がデザインしたエミコさんのコスプレにも引けを取らない程露出の多い衣装だった。


「す、すいません、覚えていなくて……。以前どこかで会いましたっけ?それともSNSで話したことがあったり……」

「あれ、もしかして本当に覚えてないんですか?ほらこの顔、見覚えありません?ほらほら」


そう言いながら、女性は顔をぐっと近づけてくる。香水なのか化粧品のものなのか分からないけれど、甘くて良い匂いが鼻腔をくすぐる。美人に迫られ、ドギマギしながらも何とか記憶を探っていくが思い当たる節は全く無い。

しばらくそうしてうろたえていたが、やがて女性はブハッと吹き出したかと思うと、どことなく淑やかな印象を受けたさっきまでの表情からは想像できないほどの下品でニヤついた笑みを浮かべた。


「おいおい、自分だった相手の顔も忘れちまったのかよ。こう言ったら分かるか?久しぶりだな、『ななみちゃん』♪」

「えっ!?なんでその名前…………う、嘘、あなたもしかして……!」


声を掛けてきたのはなんと『私』……いや、私の身体になったおじさんだった。偶然の事故で私と彼の身体が入れ替わってしまってから、もう3年ぐらいになるだろうか。最初の半年は元に戻る方法を探すために何度も会っていたが、元に戻れないということが分かってしまって以降は私の方から会うことを避けていたので、こうして顔を合わせるのは随分と久しぶりのことだった。


「お、やっと思い出してくれたか。まあ女を捨ててたお前が使ってた頃と違って、この身体も随分と可愛くなっちまったからなぁ?お前が分からなかったのも無理はねえだろうよ、はははっ!」

「う……」


私を馬鹿にするような彼の口ぶりに苛立ったが、反論のしようもなかった。化粧なんてしたこともなかった私と違って、今の彼はメイクもばっちりと決まっているし、あれからダイエットでもしたのかコンプレックスだったお腹周りもすらっと引き締まっているし、胸も以前より大きくなっている。正直今すぐにでもヤりた……じゃなくて、女だった私から見てもとても魅力的に見えた。


「い、今更何をしに来たんですか……!」

「さっきも言ったろ?挨拶に来たんだよ。つっても、お前にじゃなかったんだけどな。お前が売り子を頼んでたエミコちゃん、あの子目当てで来たってわけなんだが……ははっ!まさかお前がまだ漫画を、しかもこんなモンを描いてるだなんて思わなかったぜ。なあ、『七草さん』よぉ?」


そう言いながら、彼は机に置いてあった見本誌を手に取ってパラパラと捲り始める。


「『オレっ娘に煽られながら足コキされるだけの本 その3』ねえ?中身は……うおっ、流石にエロいな……」

「みっ……見ないでくださいっ!」


なんとなく恥ずかしくなり、慌てて奪い取ろうとするもひょいとかわされてしまう。


「女子高生だったななみちゃんがこんなエロ漫画を描くおっさんになっちまうとはな。つーか……このシチュエーション、もしかしてあの時のか?こりゃ責任感じちまうぜ、はははっ!」

「ぐぅっ……」


図星を突かれてしまい、何も言えなくなってしまう。

入れ替わったばかりの頃、私の身体になったおじさんは、会うたびに面白がって私のことを誘惑してきたのだ。もちろんその度に断っていたのだけど、この身体は本当に性欲が強くて……我慢できなくなった日はあっけなくその誘いに乗ってしまっていた。そうして、彼は誘惑に負けてしまった私のことを馬鹿にしながら足コキやパイズリなんかをしてきたのだが、彼と会わなくなってからはどうしてもそのことが忘れられなくなり、今ではそんなシチュエーションの漫画ばかり描くようになってしまっていた。


「も、もう私のことはほっといてくださ――」

「『なんだ、情けねぇ顔してんなぁ♡オレの足で踏まれるのがそんなに気持ちいいのか?』」

「っ……!?」


彼が発した言葉に、思わず身を硬くしてしまう。なんと、私が描いた本の台詞を読み上げ始めたのだ。

私の声……女の子の可愛らしい声で発せられる卑猥なセリフを耳にした瞬間鼓動が早くなり、股間のあたりが熱くなっていくのを感じる。


「『おらおら、さっさと情けなく射精しちまえよ♡お前みたいな変態にはそれがお似合いだぜ♡』」

「へっ…変なことをするのはやめてください!」

「んなこと言ってる割には、随分と股間を大きくさせてんじゃねえか?」

「ち、ちがっ……!これは……」

「はははっ!すっかり変態のおっさんになっちまったみたいだな。もしお前がしてほしいってんなら、この本に描いてある通りのことを実現させてやってもいいぜ?もちろん、金はもらうけどな」

「えっ……!?」


いいの?という言葉が出かかってしまうが、すんでのところで飲み込む。だが、それを見透かされてしまったのか、彼はニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながらこちらを見つめてくる。


「すいません、待たせてしまって……あれ?そちらの方は?」


誘惑に負けてしまいそうになったところに、着替えを終えたエミコさんが戻ってきた。ハッと我に返り、大きくなってしまっている股間が彼女にバレないように姿勢を低くする。


「あっ、初めまして!私、『ナナ』って言う名前で最近活動を始めたレイヤーなんですよ!エミコさんに是非ご挨拶がしたくて、七草さんに無理を言って待たせてもらってたんです」

「そうなんですか?嬉しいです!……ていうか、え!?あ、あの、あなたってもしかして……」

「よかったら、近くの喫茶店まで行ってお話でもしませんか?併せとかもしたいなあなんて思ってて、そういうお話ができたらなあって」

「えっ!?あっ……わ、私はいいですけど、七草さんは……」

「ふふっ、実は私、彼と知り合いでして。さっき一緒に来てくれるって言ってくれたんですよ、ね♡」


彼はそう言いながら、私にウインクをしてくる。


「え、ええ。私がお邪魔でなかったらいいんですが……」


本当なら、私の身体で好き勝手する彼を止めなくてはいけないのだろうけど、できなかった。そんなことよりも……

彼が手にしている本に目をやる。そして、そこに描いたことを彼が……目の前にいるこのエロい女性が再現してくれる場面を思い浮かべると、熱くなっている股間がビクンと脈打った。


「よかったら私も撤収作業手伝いますよ、『七草さん』♪」

「あ、ありがとうございます…………『ナナさん』」


せっかく彼から……『私の身体』から離れることができていたというのに、結局また手の平の上で転がされている気がする。これでよかったのだろうか……。手伝ってくれている彼とふと目があった時に見せたこちらを小馬鹿にしたような表情に不安になりつつ、そして興奮してしまいつつ、スペースの片づけを進めていった。

Comments

男としての初射精が元自分に男言葉で煽られながらされる足コキだったので……性癖壊れちゃいましたね🙄 取り返しがつかないなりに折り合いをつけていたところに元自分と再会してしまったので、これからもっと可愛いことになるんじゃないかと思います🥰

メス牡蠣

ななみちゃん、HNに未練がみられるのと創作内容が完全に男の性欲に染まっちゃってるのが可愛いですね~。 同人活動自体はしっかりできてるからこそ、入れ替わりの異常な性体験で性癖が歪みまくってるのが取り返しつかない感が出てて好きです!

飛龍

あのニマニマ顔はくせになりますよね。もっと流行ってもいいんやでってなりますね。あと手袋してるのが何気に良いと思います。返信&返答ありがとうございました!

nijimaji

ありがとうございます😆 コスプレは読む人が各々好きなコスをイメージしてくれるかなってことで細かく描写はしていなかったんですが、書いているときは私もバニーアスナっぽい感じでイメージしてました。すごいエッチなデザインしてますよね、あと表情が強くて大好きです😌

メス牡蠣

コミケでのあるあるネタからの妄想いいですねえー。元女子高生同人作家ななみちゃんもよくあるダメ人間に転落するのではなく、それなりになんとかやってるのが逆に順応してて戻れない感あっていいですね。一から自分を磨いてそだてて女子大生くらいの年齢でレイヤーやってるってのもいいですね。『ナナ』さんのコスプレはバニーアスナのイメージで脳内再生してましたが、どんなかイメージがあったら是非よろしければ

nijimaji


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