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なんてことのない、朝の出来事

8発目です。シンプルに、女の子とおじさんが入れ替わる話を書きました。女の子とおじさんが入れ替わるだけでエッチだと思ってるので、毎回自信をもって投稿してます。

なんてことのない、朝の出来事

「この人痴漢です!」

「……は?」


声がした方に視線を向けると、俺の腕はその先にいる、たった今叫んだと思わしき少女の手に握られていた。

いつものように起き、駅まで向かい、会社行きの電車に乗る。そんな、記憶にも残らないような日課の中でボーっとしていた、その最中だった。


「私、見てました。さっきまでスカートの中に手を入れてましたよね?」


そう言ったのは、俺の腕を掴んでいる少女と同じ制服を身にまとった子だった。女子高生くらいの年齢だろうか。ブレザーにチェック柄のスカート。長い黒髪のいかにも清楚といった感じの美少女で……そんな子が、俺の方を見て険しい表情を浮かべている。

こういうことって本当にあるもんなんだなと、まるで他人事のような感想が頭を過り……やがて、全身から冷汗がぶわっと噴き出してきた。


「ち、違う!誤解だって!俺はやってな……」

「はぁ!?ふざけないでよ、おっさん!とぼけようったって無駄なんだからね!」


俺の手を掴んでいた活発そうな少女が、俺の言葉を遮るようにして大声で叫ぶ。周りの乗客も、何事かとこちらを見つめていた。


「だ、だから誤解なんだってば!そ、そもそも鞄で手が塞がってるし……」

「この期に及んでまだ言い訳するつもりなんですか?最低です……」


まともな弁解も思い浮かばずしどろもどろになっている俺に向かい、黒髪の少女が冷たい口調でそう告げた。一瞬その少女と目が合い――ふふっと、彼女はその天使のような可愛らしい顔に、小悪魔のような笑みを浮かべて見せる。

そこでようやく、俺は自分が嵌められたんだと気づいた。周りの奴らは俺のことを、同情などが一片すら見られない蔑んだ目で見ており、俺を撮っているであろうシャッター音すら聞こえる始末だ。


「とにかく、次の駅で降りてもらいますから」


黒髪の少女は再び険しい表情に戻ると、うろたえる俺に言い放った。

まずい。確か、こうなってしまった時点で痴漢と疑われた男はどうしようもないと、ネットの記事か何かで読んだ気がする。それでも何か、この状況を打破できる何かは無いのかと必死に頭を回していると……ふと、痴漢で疑われた男が逃げ切ったなんていうニュースが脳裏を過った。……もう、これしかないんじゃないか?


「ほら、着いたよ。大人しく駅員さんのとこに……きゃあっ!?」


ドアが開くと同時に、俺は掴まれている腕を振り払って全速力でホームへと飛び出した。後ろから聞こえる制止の声も怒号もすべて無視して、汗だくになりながら息を切らせて、改札までの階段を駆け上がっていく。


「(クソッ、こんなことになるのなら日ごろから運動をしておけば――)」

「誰か!その人捕まえてくださいっ!」


すると、背後から黒髪の少女が叫ぶ声が聞こえてきた。俺を追って来ていたらしく、その声を聞きつけてか、半ば困惑しながらも数人の男が俺を捕まえようと手を伸ばしてくる。


「ま、まてっ!俺はなにもやってな…………あ?」


瞬間、階段を駆けていたはずの足が空を切っていた。どうやら勢いよく突き出された手に押され、バランスを崩してしまったようで――そのまま俺の身体は宙に投げ出され、ゴンッと、後頭部が何かと強くぶつかる感覚を最後に俺の意識は途切れた。




***




うっすらと、消毒液のような匂いが鼻腔を刺激する。額のあたりがズキズキと痛み、それらを感じつつゆっくりと目を開けていくと白い天井が視界に入った。


「(あれ?ここは……)」


ついさっきまで、俺を嵌めた女子高生から必死に逃げていたはずだった。それが気が付けばベッドの上に寝かされていて……病室らしきこの光景を見るに、気を失った後警察でも呼ばれ、どこか大怪我でもしたから逮捕の前に病院に、ってとこだろうか。

それにしては額以外には特に痛みはないし、どことなく普段よりも調子がいいような……なんだか身体が軽いような気さえしてくる。

痴漢の冤罪を掛けられている以上、正直この後のことを思うとずっとこのまま寝ていたい気分ではあったのだが、意を決してゆっくりと身体を起こす。どうやらベッドの横に誰か座っていたようで、相手が誰かを確認する前に……さらり、と、俺の視界を黒い何かが覆った。


「うわっ!?な、なんだこれ……?」

「み、美鈴!?よかったぁ、目が覚めて……!」

「うぶっ!? あ、あれ?君は確か……」


違和感の正体を確かめる間もなく、俺の横にいた人物に思い切り抱きつかれ、またも視界が塞がれてしまう。未だに顔すら見れていないが、その声には確かに覚えがあった。――電車の中で会った、俺の腕を掴み痴漢呼ばわりした少女の声だ。そんな相手が何故か俺を心配するような涙声を出し、男相手ということすら気にしていないように、柔らかい胸の膨らみをぎゅうっと押し付けてきている。

しばらくなすがままにされていたが、少し落ち着いたのかやがて彼女は離れ、潤んだ瞳で俺を見つめてきた。改めて視界に入ったその顔はまさしくあの少女のもので、困惑する俺をよそに、彼女は言葉を続けていく。


「もう、本当に心配したんだからね!?あたしのせいで美鈴が死んじゃったらどうしようって……」

「ふふっ、明日香ちゃんってば大げさなんだから。ただの軽い脳震盪だって、先生も言ってたでしょ?……それにしても、2人とも本当に大変な目に遭ったわね」


明日香、と呼ばれた少女とは別にもう1人、俺の横には女性が座っていた。一瞬、あの黒髪の少女かと思ったが違うようで、容姿は似通っているが身長は高く顔つきも大人びており、恐らくはあの子の血縁の、母親か何かなのだろう。病室を見回してみたが2人のほかに人影はなく、とりあえず警官がいなかったことにほっと胸を撫でおろす。


「どうしたの?美鈴。さっきからキョロキョロしたりして」

「あの……美鈴ってもしかして、俺のこと言ってま……す……?」


そう口にしたところで、起きた時から感じていた違和感の正体に俺は少しずつ気づき始めていた。

俺が言葉を口にするたびに喉から発せられる、やたら高く透き通るような声色。今も視界の端にちらつき頬を撫でる黒い影……薄くなってしまった俺の頭にはないはずの、頬を撫でるさらさらとした長い黒髪。なにより……目線を下げるまでもなく視界に入ってくる、男にはないはずの大きな胸の膨らみ。そして、俺のことを『美鈴』と、心配そうに呼びかけてくる他人の姿――


「えっと……大丈夫?やっぱり頭を打ったせいでどこか……」

「いや、その…………。 お……わ、私、気を失う前のこと、あんまり覚えて、なくて……何があったのか、教えて、もらえ、ますか……?」


疑われないように恐る恐る絞り出した声はやはり、自分が発したとは思えないほど可愛らしいもので……どうやら俺は、あの黒髪の少女になってしまっているようだった。




***




「――それじゃあ私たちはもう行くわね。明日退院するとき、また迎えに来るから」


俺に着替えや身の回りの物の入ったバッグを手渡すと、2人は病室を後にしていった。ようやく一人きりになった病室で改めて今の自分の姿を見下ろしてみるが、慣れ親しんだ俺の身体はどこにもなく、薄桃色の入院着に身を包んだ少女の身体だけがあった。


「どうしてこんなことに……」


話を聞いたところ、『痴漢』を追いかけていた『美鈴』は階段の上から落ちてきた『痴漢』の下敷きになって意識を失ってしまったのだそうだ。

同じくその『痴漢』も気を失ったようで、肋骨を骨折したその『痴漢』は手当てが終わるまでの間逮捕が保留になり、この病院の別室で今も寝ているらしい。あの少女……明日香はそれを説明しながら「ざまあないよね!」と息を巻いていたが、まさかその『痴漢』が目の前にいるとは夢にも思っていなかっただろう。


「入れ替わり、ってやつか?まさか本当にこんなことが現実に起こるなんてな……」


ベッドから降りて身を起こす。たったそれだけの動作をしただけで今の俺に備わっている柔らかな塊がたぷんと揺れ、少しの気恥ずかしさを覚える。親が金持ちか何かなのだろうか、『美鈴』に割り当てられた個室には病室に不釣り合いと言える豪奢な見目をした調度品が備え付けられていて……今の自分の姿を確かめるために、壁に立てかけられた姿見の前へと足を運ぶ。


「うわ……やっぱりあの娘になってるのか……」


鏡に映ったのは……艶やかな黒い髪を背中程まで伸ばした、透き通るように白い肌を持つ整った顔立ちの少女だった。それは間違いなく、あの電車で俺を責め立てたあの少女の顔であり、鏡にそれが映っているということを見せられると、改めて自分が別人の身体になってしまったのだと思い知らされるような気分だ。

他人と身体が入れ替わるなんて、フィクション以外で聞いたことが無い。病気か何かなのだろうか。――そもそも、この状態は元に戻るのか……?

ぞくりとした恐怖が背筋駆け抜けていく。慌てて、何か手立ては無いかとスマホで情報を探ろうとしてみるが、普段スマホをしまっている胸ポケットに入れようとした手がぽよんと弾かれてしまい、焦りとやるせなさで頭が一杯になる。

とにかく、すぐにこの娘のスマホか何かを使って、何とか元の俺の身体に戻る方法を――


「――元の身体に、戻る必要なんてあるのか……?」


ぽつりと、考えるより先にそんな言葉が口から洩れた。

身体が入れ替わっている、という超常現象を前にしてすっかり頭から飛んでしまっていたが、元々俺は痴漢冤罪を吹っ掛けられていた身だ。仮に元に戻れたとしても、その先の生活は絶望的……なんなら刑務所のお世話になってしまうのかもしれない。


「それならいっそ、この娘として……」


鏡に映る少女と、記憶の中の少女の顔が重なる。俺を嵌めたあの娘が……あの女が見せた、悪意と優越感の交じったような笑み。それを思い浮かべると、俺の中に黒い感情が沸々と湧き上がってくる。


「そうだ、あいつ……俺の人生を滅茶苦茶にしやがって……!それなら……お前の人生を俺がもらっても、文句は言えないよな?」


鏡に映る『美鈴』に向けて、にたりと笑いかける。当然、目の前にあるのは鏡なのだから言葉は返ってはこないが――


「はい!私のカラダも、人生も、全部あなたのものです!気のすむまでお使いください……♡」


目の前の『美鈴』が輝かんばかりの笑顔で、俺に向かって媚びるように甘い声を出す。実際には俺が『美鈴』の喉を使って独り芝居をしているだけなのだが、他人の身体を使って行うそれはまるで他人を思うがままにしているようで……そんな倒錯感からか、はたまた非現実的な体験をして気分が高揚しているせいか。俺の魂を宿した『美鈴』の身体の様子に、少しずつ変化が起き始めた。


「私みたいな子供がっ……♡あ、あなたみたいな大人の人に、生意気な態度をとって……んっ……♡す、すみませんでしたぁ……♡」


この身体を奪うと決めた時から、『美鈴』への遠慮が無くなった時から、俺の性欲は刺激され続けていた。当然だ、普段は決して関わり合うことの無いような美少女が目の前に……それどころか自分がその少女そのものになっていて、その身体を思い通りにできるのだから。

しかし少女の身体になった今の自分には当然ながらチンコなんてあるはずもなく、半ば生殺しのようなもどかしさを感じていたのだが……やがてその性欲は違う形で身体に現れていく。興奮で熱くなった頭から広がっていくように、蕩けるような熱が少しずつ全身に広がっていき、やがて、その熱が通り抜けた下腹部を断続的な疼きが襲い始めた。


「んっ……♡なんだこれ、ぬるぬるってぇ……♡ あぅっ…………♡」


ふと、無いはずのチンコが勃起しているような感覚を覚えて、入院着の中に手を突っ込み股間に手を当てる。ぬるっとした粘液の感触が指先に触れ――そのままゆっくりとなぞっていくと、布越しに小さな突起に触れた瞬間、ぴりりとした電流が走った。


「はぁっ……♡や、やばっ♡これっ♡いじってると……き、気持ちいいっ……♡♡」


『美鈴』の細い指先でぐりぐりとその突起を……クリトリスをこねくり回す度に、剥き出しの亀頭を弄られているような、それでいて何倍にも気持ちがいい快感と刺激が走り抜け、腰砕けになりそうになる。

熱で霞む視線の先には鏡が……そこには、頬を上気させながら一心不乱に自分の股間を弄る淫らな美少女の姿が映っていて。その酷く煽情的で背徳的な光景に、俺の精神は更に昂っていった。


「ん゛うぅ……っ♡あぁっ♡気持ちいいっ♡♡ 気持ちいい、のに…………♡」


もはや自分が何をしたかったのかも忘れ、ただひたすらに快楽を求めて手を動かす。しかしどれだけ強く擦っても、いくら強く摘まんでも、絶頂には至れない。それどころか、次第に身体の内から、物足りなさすら感じ始めていた。

女の身体になってしまっている以上、男の身体にはあった射精という終わりが無いのだから、そのもどかしさも当然のことなのかもしれない。けれど俺は……いや、『この身体』はその物足りなさを解消する何かを知っているようで――どろり、と。俺の中にある何かが融けだしていくような奇妙な感覚と共に、俺はその手段を"思い出して"いた。


「っ……♡あぁっ♡♡ そ、そうだ……"いつも"はこうやって……あのことを思い出しながら……んんぅっ♡♡♡」


一抹の不安や抵抗感から手を触れることができていなかった女性器の……膣の内部にずぼっと指を潜り込ませつつ、『私』が普段オカズにしている、中学の頃の記憶を思い起こす。

――初めは、本当に痴漢をされた。初めて乗る満員電車で、いきなりスカートの中にごつごつとした大人の手が潜り込んできて、怖くて。それでもなんとか、勇気を出してその手を掴んで声を出した時の……あの男の人の、酷く青ざめた表情――


「あはぁっ……♡もっと、もっとぉ……♡♡♡」


『俺』にそんな趣味なんてないはずなのに……鏡に映る『美鈴』の痴態よりも、脳裏に強く焼き付く、知らないはずのその光景の方が酷く魅力的で、そそるものに感じられる。そうして興奮が最高潮に達したまま、"いつも"みたいにこうやって、おまんこの中の気持ちいいところをぎゅってしながらクリを弄って……?


「あぅ……♡な、なんで『私』、そんなこと知って……?でも……♡んうぅっ♡いい、イイっ♡♡♡そんなこと、どうでもっ……♡♡」


だって、こんなに気持ちがいいのだから。

興奮はどんどん加速していき、自慰による快感も際限なく高まっていく。火照りきった頭の中には私が今まで作ってきた男の人たちの表情が――写真なんかには決して残せないから、だからこそ記憶に強く焼き付けてきた私のオカズが次々と浮かんでいき、それがまた新たな興奮を生み出して。

そして一番新しい記憶――つい今朝見たばかりの、『私』に痴漢だと指摘された『俺』の表情。『俺』が見たはずもない、『私』の目に焼き付いているあの滑稽なおじさんの顔が鮮明に思い起こされ――


「あぁぁぁぁぁっっ♡♡も、もう……イクっ♡♡♡私、もう……♡♡♡♡♡っ……あ、うっ……♡♡♡♡くぅん…………♡♡♡♡♡」


びくん、と大きく腰が跳ねて、蓄積され続けた快楽の塊が一気に弾ける。全身に痺れるような快感が広がり……それとともに『俺』が何かに馴染み、『私』の中に何かが融け込んでいくのが分かる。


「はぁっ……♡はぁっ……♡ ……うん、やっぱり『私』だ……」


絶頂の余韻に浸りながら息を整える私の視界には鏡があって、そこに映るのは当然私自身の姿だ。――つい今朝まで、いや、さっきまで私はあのおじさんだったはずなのに、この顔を見ても他人としか思えなかったのに。私があのおじさん……三宅哲郎だった記憶はあるのに、どういうわけか今は自分が『私』、近藤美鈴だという自覚も認識も……そして『俺』が知らなかったはずの『美鈴』としての記憶までもがしっかりとあって、今では私が『美鈴』だと思う方が違和感がないくらいだ。


「……なんか、変な感じだなぁ……。『俺』だったはずなのに、生まれた時から『私』だった感じもして……」


私じゃない人と身体が入れ替わってるなんて、そんなおかしな状態でオナニーをしたせいなのか、私の中には一つの確信があった。

――もう、私はずっと身体のまま、この魂のままだということ。

『私』の中に入った『俺』と、『俺』を受け入れた『私』がどろどろになって、取り返しのつかないくらい混ざり合ってしまったのがなんとなく分かる。さっきまで『私』の人生を奪ってやろう、なんて思っていたけど……まさか、こんな形でそれが叶うことになるとは思いもしなかった。


「とはいっても……私にとっては当たり前って感じだし、なんだかなぁ……。 ……あ、そうだ」


明日退院するまでの間、何をして暇を潰そうかと考えていた最中……ふと、すっかり忘れていたあることの存在を思い出す。――同じ病院のどこかで寝ているはずの、『俺』の身体のことだ。


「あはっ、いいこと思いついちゃった♡ ……っと、まず着替えなきゃ。あちゃあ、ショーツまでぐしょぐしょ……」


後始末を考えずにオナニーをしたせいで、下着も入院着のパンツも愛液まみれになってしまっていた。入院着の方はどういう扱いになるのか分からないが、下着の方はまあ、後でこっそり洗濯しておけばママにはバレないだろう。それよりも……


「ふふっ、楽しみだなぁ♡」


これからあのおじさんを……『私』を、どんな風に仕立ててあげようか。そんなことを考えるだけで、自然と笑みがこぼれてしまうのを抑えられなかった。




***




「――ああ、いたいた。 ……本当に私、この人だったんだよね……?なんか変な感じ」


目の前にあるベッドの上では今朝会ったおじさんが……『俺』の身体が、いびきをかきながら眠りこけていた。でっぷりと太っただらしのないその身体からは、どこかツンとしたような悪臭が漂ってきて……ついさっきまで私がこの人だったのかと思うと、嫌悪感すら湧いてくる。


「まあいいや。 ……ほら、起きてください」


汚れてしまった衣服から制服に着替えた私は、『あの痴漢』がいる病室に入ることに成功していた。看護師は私がちょっとお願いしただけで病室を教えてくれたし、病室の前で警備をしていた警官も、どうしても話がしたいからと少し媚びたような態度で頼めばすんなりと通してくれて……これだから、大人なんてちょろいものだと思ってしまう。


「んぅ……?あれ?なんでママが……?」


目を覚ましたおじさんのぼんやりとした視線が、私の姿を捉える。その口調や口ぶりから、思った通りこの『俺』の身体には『私』の精神が入っているようで……まさか自分自身が目の前にいるとは思ってもいないようで、私のことをママだと勘違いしている『私』を見て、思わず吹き出しそうになる。


「痛っ……ここ、病院……?ねえママ、私、一体なにが……げほっ、あれ?声もなんか……」

「ぷっ……あはは!私のことをママだなんて、面白い"おじさん"ですね?それじゃあ、もっと面白いものを見せてあげましょうか♡」

「……?何言ってるの?おじさんって…………え?な、なに……なに、これ……?」


持っていた手鏡で顔を映してあげると、『私』はしばらく呆然とした顔をして、ぺたぺたと鏡を、顔を触り続けていた。しばらくそんなことを続けていると……ようやく自分の身に起きている異常に気が付いたようで、変わり果ててしまった自身の顔を、手を、身体を見つめると、その表情が私の大好きな色へと変わっていった。


「嘘……うそうそうそ!!こ、これっ、私じゃない!なに!?どうなってるの!?っ……!?ぐぅっ…………」


『私』はしばらくの間、パニックになりながら自分の身体を、まるでこれが夢であってほしいと言っているかのように触り続けていたが、しばらくして折れているあばら骨が痛んだのか、苦悶の声を上げてうずくまった。


「ふふっ、思った通り良い反応をしてくれますね♡教えてあげましょうか?今あなたは、あなたが痴漢に仕立て上げたあのおじさんになってしまっているんですよ♡それと……ほら、よーく見てください?この顔が誰のモノなのか、あなたになら分かるはずでしょう?」


『私』の顔を掴み、かつては彼のモノだった私の顔をじっくりと見せてあげた。指先から伝わるベタベタとした感触も、彼の口から漂う口臭すら気にならない。だって……そんな気持ちの悪い『おじさん』に『私』がなってしまっているのだから。その事実を想うだけで、さっき慰めたばかりの私の陰部がじわりと湿る感覚がする。


「う……そ……。も、もしかして私……?なんで私がもう一人……いや、私があのおじさんになってるということは、まさか……」

「ええ、そうですよ?とはいっても、"元"、ですけどね。今は私が女子高生の近藤美鈴で……あなたが言う"おじさん"はもう、あなたなんですから♡」


『私』の顔をから手を離すと、くるんと回って、今の私の姿を『私』に見せてあげた。もう、この身体はあなたのモノじゃない。私のモノになったんだと、見せつけるように。


「ふ……ふざけないで、私のマネなんてしないでください!」

「真似、なんかじゃないですよ?今の私は正真正銘、近藤美鈴そのものなんですから♡あなたの方こそ、私の真似しないでもらえます?正直……オカマみたいで気持ち悪いですよ♡」

「このっ……痛っっっ!!?」


激高した『私』が掴みかかってきたところで、包帯が巻かれた彼の脇腹をぎゅうっと強く触れてみせる。すると彼は馬鹿みたいにのたうち回って、思っていた以上に面白い反応を返してみせてくれた。


「ああ、無理はいけませんよ?その身体は大怪我をしているんです。これからずっとその身体で生きていくんですから、後遺症か何か残ってしまうのも嫌でしょう?」

「ぐぅっ……がっ…………」


"ずっとその身体で"と、一生を薄汚い男の身体で生きていくことになるということを強調しつつ、ヒューヒューと苦しそうな様子で息を整える『私』の背中を優しく撫でてあげる。できることならばずっとこの玩具で遊んでいたいところだけど、あまり長くこの病室に居続けても警備の人に怪しまれるだろう。少し名残惜しくもあるが、私は本題を切り出すことにした。


「ふふふっ♪痛いですか?かわいそうですねえ。……元に戻る方法、教えてあげましょうか?」

「はぁっ……はぁっ…………。ほ、ほんとですか!?わ、私……元の身体に戻れるんですか!?」

「ええ、もちろんです♡私も鬼ではありませんから……今、準備しますね♡」


ああ、いけない。なるべく平常心を保とうとしているのに、どうしても悦びの感情を隠しきれないでいてしまう。しかし、幸か不幸か『私』は元の身体に戻れることがそんなに嬉しいのか気にもしていない様子で……そんな『私』にこれからしてあげることを想うと、ぞくぞくとした快感が背筋に走った。


「えっと……あ、あの、なんで脱がせる必要があるんですか……?」

「まあまあ、黙って見ててくださいよ。それとも、ずっとその身体のままでいたいんですか?そんなにその身体が気に入りました?」

「ち、ちがっ……す、すみませんでした。続けてください……」


渋々といった様子で答えた『私』に笑みを返しつつ、彼が身に着けていた入院着のズボンを、その下のパンツまでも下ろしてやる。露わになったのは、まだ何の反応も示してはいない、少し皮を被った男性器だ。正直言って、こんな汚いものを触りたくはないのだが……この行為で私が得られるものを考えてみれば、多少嫌な思いくらいは我慢できる。


「ふふっ♡汚いしくっさいですねぇ……♡」

「こ、これはそもそもあなたの……きゃっ!?ちょ、ちょっと、何してるんですか!?」

「何って、あなたの汚いおちんちんを扱いてあげてるだけですよ? ほら、しーこしーこ♡どうです?段々気持ちよくなってきたんじゃないですか?」

「そ、そんなこと……あうっ……!」


にちゅにちゃと音を立てながら手を動かしていくと、少しずつではあるが、その肉棒が硬度を増していった。にゅるんとした感触も、臭いも、声も、何もかもが気持ち悪い。それでも、そんな気持ち悪さが逆に私の興奮を掻き立ててくれる。

――この気持ちの悪いおじさんとして一生を過ごさねばならないと知った時、『私』はどんな顔を見せてくれるのだろうか。

そんなことを考えているとどうしようもなく身体が火照ってしまい、気が付けば無意識に、空いている方の手で濡れそぼった自身の股間をまさぐっていた。


「あうぅっ……!ちょ、ちょっと、わ、私の身体で何を……!あぁっ!」

「あんっ♡……ふふっ♡そんな細かいこと、どうだっていいじゃないですか♡んぅっ……♡♡元の身体に戻りたいのなら、私にされるがままにっ……♡シてくださいっ♡♡♡」


既に怒張しきって、我慢汁まみれになっている『私』のモノを擦り続けていると、彼の口からは次第に文句の声も少なくなっていった。正直、男の人のモノをどうすればいいのかなんて、もうあまり覚えていないのだけれど……それでも、私の綺麗な手で扱いてもらえているのがよっぽど気持ちがいいのか、『私』はただただ汚い声で気持ちよさそうに呻き続けていた。


「気持ちよさそうにしちゃって……それでも本当に……んっ♡私だったんですか?もう、男の人そのものじゃないですか♡」

「う、うるさい、黙ってろ……!んあぁっ!お、『俺』は男なんかじゃ……あ、あれっ?」


自分の言葉遣いが変化し始めていることに驚いたのか、呆けた表情を浮かべた彼を見て思わず笑みがこぼれてしまう。きっと、私がそうなったのと同じように、『俺』の身体の中にある『私』の魂も、少しずつその肉体の内へと融けだして、馴染み始めているのだろう。そう思うだけで、子宮がきゅんっと疼いて、股間をまさぐっている手が自然と勢いを増していく。


「ふふっ♡どうしたんですかぁ?男じゃない、なんていう割には……『俺』だなんて♡随分とその身体に見合った、男の人みたいな話し方じゃないですか?」

「ち、ちが……俺は……ぐあぁぁっ!?な、なんだこれ、こんな記憶、知らないはずなのに……うぅっ……」


股間を刺激される度に喘ぎ声をあげつつ、『私』は半ば焦点の合わないような目をしてブツブツと独り言をつぶやき始めた。きっともう、後は何もしなくてもこの人は『俺』に染まってしまうのだろうけど……それじゃあつまらないと、私は彼に追い打ちを掛ける。


「どうです?自分が知らないはずの記憶が浮かんでは消えて……訳も分からなくなって、気持ちが良いですよね?分かりますよ、私もそうでしたから♡ いいことを教えてあげましょうか?あなたがこのまま射精してしまえば……あなたはもうずっと、一生その身体のままになってしまうんですよ♡」

「うぐっ……は、はぁっ!? ま、待て!待ってくれ!!元に戻してくれるって約束じゃあ……ぐあぁぁぁっ!?」


今までなすがままにされていた『私』だったが、元に戻れなくなると言われて流石に焦ったのか、慌てて私の行為を制止しようとしてくる。もう手遅れのようなものなのだから辞めてあげてもよかったのだが……『私』の焦る表情があまりにも私の情欲をそそるものだったので、彼の折れた脇腹をぎゅっと掴んで大人しくさせてあげた。


「あはははっ♡戻すわけないじゃないですかぁ♡こんなに良いカラダを手放すわけないでしょう?」

「ぐぅぅっ……や、やめろ……!やめてくれ!俺は……うあぁぁっ!」


口では嫌がる『私』だったが、その言葉とは裏腹に身体は随分と興奮している様子で……私の手に収まっている男性器はビクビクと気持ちよさそうに震えていた。そんな『私』を、苦しそうな表情を浮かべながら馬鹿みたいに喘ぐ『おじさん』の姿を見ていたせいか私自身の興奮もピークに達していき……もはやどちらがイってもおかしくないような状態だった。


「もうこのカラダは私のモノです♡ほら、ほらぁっ♡早く気持ちよくなって、射精してっ♡♡♡ずっとそのカラダで、汚いおじさんとして生きていってくださいっ♡♡♡♡♡」

「う゛あぁぁぁっ!?で、出るっ……!わ、私が……う゛ぅ……あぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!?」


びゅるるるるっ、と、勢いよく噴き出ていった白濁液が私の手を、顔を、着替えたばかりの制服まで汚していく。気づけば私もイってしまっていたようで……ショーツの下が大変なことになっている感覚がするが、今はそんなことはどうでもよかった。


「んっ……♡ふふっ♡随分とたくさん出してくれましたね♡ ……もう、あなたも分かったんじゃないですか?これで晴れて、その身体はこれからずーっとあなたのモノです♡よかったですね♡」

「ふぅっ……ふぅっ……。 そ、そんな、嘘だ……お、俺は…………」


どうやら彼も、私と同じように戻れなくなったことが自覚できたみたいで……気持ちよさそうに赤らんでいた不細工なその顔がサーっと青くなっていくのを見て、さっきイったばかりだというのに、私の下腹部は再び強烈な疼きをあげていた。

『私』の……『私だった』このおじさんのこの表情は、きっと今後何度もお世話になるオカズになってくれるに違いない。そうしてブツブツとうわごとを呟いている彼のその顔をじっくりと目に焼き付けてから……精液で汚れた顔や服もそのままに、ゆっくりと病室の扉まで歩いていく。

――痴漢として捕まったおじさんの部屋に入った私がこんな姿で出てきたら、扉の前にいる警官はどうするのだろうか。

きっとまた、愉しいことが起きるに違いない。そんな期待と共に、私は病室の扉を開いた。




***




「――ごめんね、美鈴……。示談金が欲しいからって、あんなことに巻きこんじゃって……」

「もう、気にしすぎだってば。元々私が誘ったようなものなんだし……そんなに落ち込まないでほら、いつもみたいに元気出してよ!」


あの事件から2日後、私と明日香はようやく学校に通学することができていた。というのも、あのおじさんの罪が痴漢からもっと重いものになってしまったようで……取り調べやらカウンセリングやらを長い間受けることになってしまったのだ。まあ元はと言えば私が原因だし、元『私』のあのカオを見れただけでも十分お釣りが来るのだが……明日香は余程責任を感じてしまっているのか朝からずっとこんな感じで、こっちの調子が狂ってしまう。


「(あれ……?)」


気落ちする明日香を励ましながら歩きつつ……エスカレーターに乗ったところで、とあることに気づく。私たちが立っている少し下、そこにいるおじさんが、明日香のスカートの下にスマホのようなものを向けているのが見えた。

私の視線に気づいていないのか、そのおじさんは下卑た笑みを浮かべていた。それを見て強い嫌悪感を感じたが……それ以上に、情欲にも似た強い好奇心が私の心を支配していく。

――もし、このおじさんと明日香が入れ替わってしまったとして、おじさんになった『明日香』は一体、どんな表情を見せてくれるんだろうか――


「……ねえ、明日香。後ろの人にスカートの中盗撮されてるよ」

「えっ……はぁ!?ちょっとおっさん、何してんの!?」


またあんなことが起きるなんて分からない、起きるはずもないんだろうけど、それでも――

目の前にはしどろもどろになりながら言い訳を続けるおじさんと、彼に向かって怒っている明日香がいて。こちらに向けられた彼女の背中を、私はトンッと押してみせた。



Comments

ありがとうございます🤗

メス牡蠣

容姿の描写があるせいか、臨場感がいい

hiji


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