【昼】
通い慣れた通学路からちょっと逸れた先、小さな路地の自販機の前で、
何を買うでもなく、何を飲むでもなく、きょろきょろと辺りを見回しながら、
彼女はしばらくそこに居ました。
なにか困りごとかと声をかけてきた人もいましたが、
「いえ、今は特に……何でもないです。……今は」
そう言って足早に駆けていきました。
【夜】
街灯もまばらな暗い夜道の、小さな路地の自販機の前で、
その明かりに肢体を照らされながら、彼女はまたそこに居ました。
真っ白い裸体と、菱縄の形に縛った真っ赤な縄が、
真夜中に浮き上がるように、光の中に際立ちます。
深夜とはいえ、まだ人通りも時々ある頃です。
……死角から誰かが見ていたらどうしよう?
……曲がり角の向こうから急に誰かが来たらどうしよう?
そんなことを考えると、怖くて息が荒くなり、膝が震え、胸が痛いほど脈打ちました。
でも、彼女はその、怖くて狂いそうなほどの"どきどき"が好きでした。
こうして立てかけたスマートフォンのタイマー撮影機能で自分の痴態を撮り、
いま自分がどんなにエロい格好をしているのか自覚するのが今日の"課題"です。
昼間のうちに決めておいた、『真夜中でも明るい撮影スポット』はあと9箇所――
脱ぎ捨てた服を鞄に詰めたまま、聖は羞恥と恐怖に全身を震わせながら、
からからに乾いた喉を鳴らして、次の撮影場所までそろりと歩きはじめるのでした。
◆
おまけ 夜のすがた単体の映像
聖ちゃんが露出趣味に目覚めたのは、
『実際見つかっても自分ならなんとかなるから』という
最後の安全ラインが保証されているからというのが大きいです。
『イザとなったら時間を止めて逃げられる能力』とか手に入れちゃったら
子供はいたずらごころを抑えきれないんですよ。
それでも見られたら慌てて逃げるくらいには恥ずかしいんですけど。ド変態なことやってる自覚はあるので。
それはそれとして『元々他人よりエロい子だから』というのは全くその通りです。