フラッパー紙面版をご購入いただいてる読者様には二回目になりますが、WEBで11話目が公開されました。11回目の限界回でしたね。
ここまで読んできてくださった方にはようやく美夜子さんが前を向けてきた印象があると思うのですが、実はこの話の初期プロットは連載前のパイロットネームにおける2話目として作ってあったものでした。
まだ美夜子さんの深刻具合もきちんと定まってなかった時に書いてたそのネームがこちら。
これが最初稿の冒頭。
大筋の描写は今とほぼ変わらないですが、この時点で担当さんから「読み始めでいきなり展開がキツすぎるから読者の中で作品に対する拒否反応が出ると思う」という指摘をもらい、結局ほかの演出が思いつかず一旦ボツになる原因になりました。
企画当初は「とにかく可哀想で救いがないキャラ」というイメージを伝えようとしていたためかなり重い描写を入れようとしたのですが、例えば「ぼっちを拗らせてネガティブになってる(けど生活はできるし将来もある)女子高生」とは違って、美夜子さんは割と生死の境を彷徨うレベルまで窮しているので、さすがに自◯を想起させるほどの描写は控えようという基準がこの辺で固まることになります。
この辺も展開自体は今と同じですが、テキスト周りがかなり陰鬱としてます。
これを読んで良い気分になる人はいないと思います。
もうやめてさしあげて(代弁)
このあとふらりと定食屋さんに入ってなんとなく栄養補給して、自分を少しだけ顧みて……という流れも同じ。だというのに公開版とは読んだ時の鬱の具合が雲泥の差ではないかと思います。
当初は「2話目でこれはキツすぎる」という判断でしたが、10話まで読んですでにキャラクターを受け入れてくれている読者さまに改めてこの最初のネームを読んでもらったとしても、おそらく辛い読後感になっていたんじゃないでしょうか。
とはいえ、やっぱり少しは面白いと思って描いたネームだからちゃんとカタチにしたいと思って改修したのがこの11話で、最初のネームと比べるとかなり読みやすくなりました。
この作品は細かな表情や言葉選びで演出の大部分が決まってしまうデリケートな話なので、一度ネームを描き上げても後から微妙な修正がいくつも入ります(編集さんから指摘されるされないに関わらず)。下書きやペン入れの段階で変わることもしょっちゅうです。極端な話、「……」という間が必要かどうかで悩むこともあります。
読んでいる方からすればおそらく意識もしないような差かもしれませんが、割とそういう気づかないレベルの変化を話ごとに積み重ねて描写している部分があります。
もし1話目と今とで、いつのまにか美夜子さんの表情がちょっとずつ変わってきている気がしてくれていれば、私の目論見も成功しています。眉が八の字になる割合がちょっとずつ減ってるとかね。(絵自体もかなり変わってるからそのせいだと言われたら反論できないけど)
そろそろ次の単行本の打ち合わせも始まっているのですが、正直3巻以降が出るかどうかはまだなんとも言えません。作品的に大衆の話題になるようなテーマでもないし、作者のSNSはシャドウBANされてるし、根本的に未熟なのもあるしで、本の売り上げは決して好調とは言えない状況らしいです。あと紙市場の流通がいまかなり厳しいとか。
本当はこんなこと悩まずに届ける作品のことだけ考えられたらいいんだけど、色々考えちゃう人間だからこんなキワどい漫画が描けるのかもしんない。
いつも読んでくれてありがとう。
果傘
2024-03-27 14:26:12 +0000 UTCミラばけっそ
2024-03-25 12:04:33 +0000 UTC瑞穂 仁
2024-03-22 08:22:59 +0000 UTCオバマママくん
2024-03-22 07:33:25 +0000 UTC