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レックスの軌跡外伝~ユミル旅行編~

 卒業を控えた《Ⅶ組・特務科》のメンバーは、思い出作りと言うことで温泉郷ユミルに2泊3日の旅行に来ていた。

 以前来た時にはゆっくりできなかったので今度こそ6人は羽を伸ばして、心行くまでユミルを満喫していた。

 しかし心行くまで満喫しているのは男性陣だけであり、ユウナ、アルティナ、ミュゼの三人はここに来た時からずっとソワソワしていた。

 三人は今日という日を待ちわびていたのだが、それは思い出作りの旅行が楽しみだったことが理由ではない。

 全く楽しみではなかったと言えばもちろんウソになるのだが、Ⅶ組としての思い出を作るよりも遥かに重要な目的がこの旅行にはあるのだ。


「はぁ……なんだか緊張して来ちゃった……」


 ユウナが服を脱ぎながら頬を染めている。

 彼女の言葉に同じく服を脱いでいるアルティナとミュゼが反応した。


「ほ、本当に今夜なのよね?」

「あら、ユウナさんは嫌なのですか?」

「嫌なわけないでしょ! それどころかずっとこの日を待ちわびてたっていうか……アルとミュゼだって同じでしょ?」

「はい。本当でしたらもっと早くでも良かったのですが……」

「私達もとうとうレックスさんに妊娠させてもらえるんですね」


 アルティナがそう言って自分の下腹部を撫でる。

 空っぽの精液が疼き始めて、早く愛する男の遺伝子が欲しいと叫んでいるように感じられた。

 ユウナとミュゼも同じように下腹部を撫でていたが、いつまでもこうしていられないと湯着を身にまとう。


「今夜のためにしっかりと肌を磨いておきましょうね」

「レックスさんなら汗をかいていても喜びそうですが……」

「あの人変態だもんね。部活が終わった直後で汗だくになってる時に抱きしめてそのまましちゃうのすごく恥ずかしいわ」

「恥ずかしいのでしたら拒否すればいいのでは?」

「そ、そんなことできるわけないじゃない……レックスさんに求めてもらえたら嬉しいのは知ってるでしょ♡」


 ユウナの言葉に二人が頷く。

 レックスの要望ならばたとえどんなに恥ずかしいことでも応えてしまうという確信がある。

 ゆえに彼女たちはレックスの要望に応えて、今夜三人纏めてレックスの子供を妊娠することになったのだ。

 約束の時間は夜だが今はまだ午後3時を回ったところ。ユウナ達は気持ちを落ち着けるのと肌を磨くのを目的に温泉に入りに来た。

 今の時間帯は露天風呂は女性のみということも調べているので、Ⅶ組の男子と鉢合わせすることもない。

 三人は湯着を着て露天風呂に入ると、まずは身体を洗いにむかう。


「ミュゼさんの言う通り肌をしっかりと磨きましょう」

「はい。レックスさんをがっかりさせるわけには――あら?」

「どうしたのミュゼ? ……あ」


 ミュゼの視線の先には三人の先客がいた。

 その三人はユウナ達にとっても見覚えのある女性たちだった。


「あら……皆さんも温泉に入りに来たのですね」


 トールズ士官学院・本校の教官であるメアリー。


「ここの温泉は本当にきもちいいわよね」


 旧Ⅶ組のエリオットの姉であるフィオナ。


「本当に……体の疲れがお湯に融けていくようだわ」


 トールズの先輩であるブリジット。

 夫婦でユミルに旅行に来ていた三人の美女が先に温泉に入っていた。


「メアリー教官たちも入っていたんですね」

「ええ。帰る前にもう一度入っておきたかったんです。アルティナさん達は今朝来たようですが、すでに入られたのですか?」

「いえ、これが初めてです」

「皆さんも旅行でここにいらしたのですよね? たしか今朝帰るはずだったのでは?」


 Ⅶ組が今朝ユミルについた時に、彼女たちと鉢合わせになったのだ。

 チェックインする必要があったので少ししか話さなかったのだが、今から帰るところだと言っていた。


「え、ええ……そのはずだったのだけど……」


 フィオナの頬が赤く染まり、なぜかメアリーとブリジットの頬も赤くなる。


「その……私達がすこし疲れてしまったから、アラン達が帰る時間を遅らせようって言いだしたのよ」

「マカロフさんも同じことを言ってくれましたから、お言葉に甘えて少し休ませてもらうことになったんです」

「それで今までは部屋にいたのだけど、最後にもう一度だけ温泉に入りに来たのよ」

「……なるほど、そういう事ですか」


 ミュゼが何か納得したような表情になる。

 新Ⅶ組の三人は体を洗い、せっかくなのでご一緒させてもらうことにした。


「ん~~~~♡ 気持ちいい~~~~♡」

「何度か入ったことはありますが、ユミルの温泉は本当に素晴らしいですね」

「せっかくならレックスさんと一緒に入りたかったです」


 アルティナの言葉に他の5人の頬が染まる。

 ここにいる者達は全員レックスの女だということは分かっているのだ。

 だがブリジットが呆れた顔になって大きなため息をついた。


「レックスなら今頃ユミルの女性とお楽しみじゃないかしら」

「ああ……鳳翼館のパープルさんとメイプルさんだったかしら。あのお二人もレックス君に手を出されているみたいね」


 フィオナがそう言うとその場の全員が呆れ顔になる。


「あの人本当にいろんな人に手を出しすぎでしょ」

「ふふ、ですがレックスさんなら仕方がありません♡ 私達はあの人のそういうところも含めて愛してしまっているのですから♡」

「複雑な気持ちですが同感です」

「ええ、そうですね。たとえレックス君がこれから先も沢山の女性と関係を持ったとしても、私達は一生彼から離れることなどできないんでしょうね♡」


 メアリーがしみじみと呟くと全員が頷いてしまう。

 そしてミュゼが小悪魔のような笑みを浮かべると、頬に手を当てて大人たちに問いかけた。


「ところでメアリー教官たちは、昨日はレックスさんとお楽しみだったのですよね?」

「ちょ、ちょっとミュゼ!」

「いきなり何を言っているのですか!」


 関係を持っている事は全員知っているが、そこまでストレートに聞くのはどうかと思ってしまうユウナとアルティナだったが、メアリーたちは僅かに頬を染めて微笑んでいる。


「ふふ、そうですね♡ 昨日……というよりも一晩中可愛がってもらいました♡」

「それで三人纏めて……ね♡」

「彼の子供を妊娠しちゃったわ♡」


 妖しく微笑みながら下腹部を撫でる彼女たちは、女のユウナ達から見てもゾクゾクするほどの色気を感じる。


「まぁ♡ おめでとうございます♡」

「ふふ、ありがとう♡ 他の人達から聞いてたけど、妊娠した感覚って本当にわかるものなのね♡」

「レックス君だからじゃないかしら? あんなに元気な精子を注がれちゃったら……」

「そうかもしれませんね♡ 子宮にレックス君の遺伝子を刻まれた感覚がはっきりわかりました。マカロフさんとは何度してもあんな感覚はありませんでしたから」

「や、やっぱりわかっちゃうんですね♡ アリサ先輩やエリィ先輩たちも言ってました♡」

「ティータさんもです♡」

「ミリアムさんも同じことを言っていましたね……他の男性の場合は感じないのでしょうか?」


 そう言われてもメアリーたちはこれが初めての妊娠であり、他の男で孕んだことなどないのでわからない。

 夫の種では絶対に孕むことは不可能だという確信もあるので確かめようがなかった。


「あの……お母さんに聞いたんですけど、あたしやケンとナナを授かった時はわからなかったって言ってました。ですけどレックスさんの時は、子宮をレックスさんに占領された感覚があったって……♡」

「確かにそのような感覚でした♡」

「今夜はあなたたちの番なんでしょう?」


 ブリジットの問いにユウナ達が頷く。


「ようやくと言ったところです。ティータさんが大きくなったお腹を愛おし気に撫でているのがとても羨ましかったです♡」

「あたしも先輩たちやお母さんが幸せそうな顔してたのが印象的で、本当はもっと早く欲しかったなぁ♡」

「ミリアムさんに先を越されて悔しいです。これから遅れを取り戻す必要があるかと♡」

「ですが皆さんは随分と激しくレックスさんと愛されたんですよね? 今夜はレックスさんもお疲れでは――いえ、ありえませんね」

「レックスは最低だけどオスとしては優秀だから、きっとあなた達もまとめて妊娠させてくれるわ」

「ん……レックス君の事を考えていたら体が熱くなって来ちゃったわね。湯着を脱ごうかしら」

「女性ばかりですし構わないと思いますよフィオナさん」


 フィオナとメアリーが湯着を脱ぎ始めると、他の4人もそれを脱ぎ始める。

 湯着に隠されていたメアリーたちの裸体は、全身がキスマークだらけだった。

 レックスとの行為の激しさを物語っている彼女たちの身体を見て、ユウナ達が思わず息を飲んでしまう。


「あの……せっかくなので聞きたいことがあるのですがよろしいですか?」


 アルティナがおそるおそる手をあげる。


「どうしましたか?」

「皆さんの旦那さんと比べて、レックスさんはやはりすごいのでしょうか?」


 すごい、の意味は彼女達にもわかっていた。

 ユウナとミュゼも興味津々と言った様子で身を乗り出している。


「私はレックスさん以外の男性に身体を許すつもりはないのですが、皆さんは旦那さんがいますよね? レックスさんと比べて、セックスはどうなのでしょうか?」

「夫と比べると、レックス君はオスとして優秀過ぎるわね♡」

「……アランとは……その……比べものにならないわ♡」

「マカロフさんとレックス君では男性としての格が違い過ぎます……♡」


 三人が即答する。

 夫への申し訳なさはあるが、この事について嘘を付けるはずがなかった。


「マカロフさんももう少し頑張ってほしいですね。いえ、レックス君と比較すること自体が間違っていると思うのですが……」

「そうですね。オスとしてのレベルが違い過ぎるから、比べるのが可哀想ですよね」

「アランとセックスするのは嫌じゃないのよ。彼が喜んでくれると私だって嬉しいわ。だけど……アランじゃ全然満足できないのよ♡ 私の身体はレックス専用になっちゃってるの♡」


 ブリジットの言葉に全員が頷く。

 彼女たちの身体は一人残らずレックス専用になっているのだから。


「たとえばアランとは基本的にコンドームを使っているけど、たまに使わないでセックスをする時があるの」

「コンドーム……私は避妊目的ではあまり使いませんね」

「ヘンタイなプレイ目的では使うけど……」

「そうですね。レックス君がまだ学生の頃に、スカートの中に使い終えたコンドームをぶら下げて授業をさせられました」

「本当にレックスさんは困った方です♡」


 ミュゼだけではなく似たような経験がある全員がしみじみと頷く。

 この場にいる全員はレックスとする時は避妊目的でコンドームを使ったことなどない。

 しかしメアリーたちは夫とのセックスでは基本的にコンドームを使っている。


「話がそれたわね。アランに精液を中に出されると、子宮がぴったりと閉じて受け入れるのを拒否しちゃうのよね」

「そんな事があるのですか?」


 アルティナだけではなくユウナとミュゼも首をかしげている。


「レックスさんに中に出されると、子宮の中もいっぱいにされちゃいますけど……」

「そうですよね。それが普通なのでは?」

「それが普通じゃないのよ。確かにレックス君は私達の一番奥にこすりつけて中に出してくれるわ」

「ですがマカロフさんは奥まで届かないんです。ですから子宮に精液を注がれる感覚が一切ありません」

「そ、そんな……」


 ミュゼが思わず驚愕の表情を浮かべる。

 子宮にオスの欲望を注がれるメスにのみ許された幸せを得られないセックスに価値があるとは思えないからだ。


「私達の身体はレックス君専用になっているから、夫のザーメンだとしても受け取りを拒否しているみたいなの♡」

「はい……優秀なオスの遺伝子以外は受け入れたくないのかもしれませんね♡ マカロフさんには申し訳ないですが、私が子供を産みたいと思うのはレックス君だけです♡」

「私もですよメアリー教官♡ あなたたちもわかるでしょう♡ 子宮に熱いものを注がれる幸せ……レックスの子供を産みたいって子宮がおねだりする感覚が♡」


 ブリジットの言葉をユウナ達はすぐに理解できた。

 レックスに中出しされるたびに今の彼女を同じことを思っているからだ。


「やっぱり初めての人って特別なのかしらね……レックス君に抱かれてから、自分が急に女になった気がするもの♡」


 フィオナのその言葉にも他の全員が同意する。


「あ、あたし……正直自分にはそういうのはまだ早いって思ってました。だけどレックスさんとしちゃって、あたしも女だったんだなって……安心できたんです♡」

「ふふ、以前同じようなことを話しましたね♡ 私の身体が女として必要とされるのが本当にうれしかったです♡」

「私の身体が女性としての役割を果たせると教えてくれたのはレックスさんです♡ 確かに初めての人は特別なのかもしれません♡」

「わかりやすく女として求められるのは嫌いじゃないものね♡ はぁ……あの人ももっと強く求めてくれてもいいのに……」


 フィオナの言うあの人とはもちろん夫のナイトハルトの事だ。


「ナイトハルト少佐はすごく体格が良さそうで、夜の方も激しそうですが……」

「ミュゼさんの言いたいことは分かるわ。確かに夫は帝国軍人だから鍛えているし筋肉とかもすごいの。そこは惚れ惚れしちゃう時があるわね」


 それはその通りだろうと全員が納得した。

 しかし、そんなナイトハルトでもフィオナの身体を満足させることができないのだ。


「だけど私は夫に抱きしめられるよりもレックス君に抱きしめられる方が女として満たされてしまうのよ♡ その……あそこの大きさもレックス君の方が逞しいわ♡ やっぱり一番奥まで届いて可愛がってくれるレックス君は、夫と比べてオスとして強すぎるのよ♡」

「レックス君は身長が高いわけでも身体が逞しいわけでもありませんが……」

「ペニスの方は逞しすぎますからね……♡」

「それにさっきも言ったけど、あまり私の身体を求めてくれないの。だけどレックス君は私の身体を必要としてくれるから♡」

「はい……やっぱり女として求められるのはとても嬉しいですよね♡ マカロフさんも私と正式に婚約するまで抱いてくれなかったので不安でした……」


 今度はメアリーがマカロフの事を話し始めた。


「メアリー教官くらい綺麗な人と付き合ったら、男の人はすぐにエッチしたいって思うんじゃないですか?」

「マカロフさんは自分に自信がなかったのか、そういうことを全くしてくれなかったんです」

「なるほど……それでますますレックスさんを求めてしまったわけですね♡」


 ミュゼの言葉にメアリーが恥ずかしそうに頷いた。


「でも今は普通にしているんですよね?」

「ええ、そうですね。ですが初めてマカロフさんとした時は本当に驚きました。おそらくブリジットさんとフィオナさんも同じだと思います」


 メアリーの言葉にブリジットとフィオナが頷くが、ユウナ達は何のことだかわからない。


「レックス君の時とは何もかもが違い過ぎたんです。私に触れる時も恐る恐る触れるというか、壊れないようにひたすら気を使われているというか……」

「ほら、レックスに初めて抱かれた時は基本的に彼がリードしてくれたでしょう?」

「年下の男の子なのに、全部任せても大丈夫だっていう安心感もあったわね」


 ブリジットとフィオナの補足に学生たちもしっくりと来る。


「確かに……オスとしての自信にあふれているとでも言うんでしょうか」

「そう、それです。マカロフさんは自信がないのだと思います。もっとレックス君のように遠慮なく触れてほしいのですが……それにやっぱりペニスが……レックス君の半分以下しかありませんから、挿入されても全然気持ちよくないんです」

「半分以下……ですがレックスさんのおちんぽ様のサイズなら、半分でも平均的な大きさなのでは?」


 おちんぽ様などと平然に口にするアルティナに少し驚きつつもメアリーたちは話を続ける。


「挿入した時の体感だと三分の一ほどでしょうか。なので浅い部分をちゃぷちゃぷと弄られているようで、気持ちいいどころかストレスが溜まってしまうんです」

「三分の一……それはその……」


 ユウナは何と言っていいのかわからない。


「ですが私はレックスさんの指一本で何度もイカされたことがあります」

「私もです。流石に指よりは太いと思うのですが……」

「指よりは太いですが、さっきも言ったように自信がないのか触り方が優しすぎるんです。レックス君はテクニックもマカロフさんと比べものになりません。マカロフさんの事は愛していますし、十歳以上離れた年齢も気にならないつもりでしたが、身体の相性だけは……年齢のせいか一度で終わってしまいますしね」

「一度だけというのは、一度射精すれば終わりという事ですか?」


 アルティナの言葉に大人組が頷くが、学生組はそれも信じられない。


「そ、そんなセックスありなの?」

「いえ、私に聞かれましても……」

「それが普通なのでしょうか?」

「何度もできるレックス君がオスとして優秀だということは事実ですが、マカロフさんは逆にオスとしては弱すぎるのだと思います。私のせいかもしれませんが途中で中折れしてしまう時もあって……」

「あの、中折れってなんですか?」

「挿入中に射精もしていないのにペニスが小さくなってしまう事ですね」

「ええええっ!?」


 思わず大声をあげてしまったユウナだが、アルティナとミュゼも同じ気持ちだった。


「じょ、冗談ですよね?」 

「そんなのはありえません。レックスさんは――」


 そこまで言いかけて学生組も気が付く。

 レックスというオスは自分達が想像していた以上に強いオスだということに。


「マカロフさんくらいの年齢ならおかしくはないのかもしれませんが、私に魅力がないのではないかと自信を失ってしまった事もあります。ですがレックス君はそんな私に自信をくれるのです♡ あの人に抱かれている時だけ私は女になれるのだと思います♡」


 メアリーがそっと自分の下腹部を撫で始める。


「ですからマカロフさんには申し訳ないですが、これから先も私の子宮が受け入れるのはレックス君のザーメンだけでしょうね♡」

「それは私達全員が思っている事ですよ♡」

「はい……もしかしたらアランの子供を妊娠するかもって思ってたんですが、結局私が欲しい遺伝子はレックスだけだと気が付きました♡」


 フィオナとブリジットも同じように下腹部を撫でる。


「そういえばブリジットさんはあたし達と同じで、学生の頃にレックスさんと初めてしたんですよね?」

「ええ、そうよ。私の同期と先輩、それに後輩の女子生徒はほとんどがレックスとしているわ。Ⅶ組のみんなまでは手が回らなかったみたいだけどね」

「私もレックス君と学生生活を送りたかったわ♡」


 フィオナがしみじみと呟くと、ユウナ達もそれに同意する。


「学生時代のレックスさんはどんな人だったんですか?」

「そうね……メアリー教官なら知っていると思いますが……」

「いろんな女性に声をかけていましたね。たしか許可なく女子生徒の写真を撮ってしまい、リィン君に捕まったこともあったはずです」


 全員がレックスらしいと苦笑いになる。


「ブリジットさんはどのようにレックスさんと関係を持たれたのですか?」

「やっぱり最初から仲が良かったんですか?」

「うーん……むしろ逆かしら。レックスの事は好きじゃなかったわ」


 その言葉に学生組が驚いてしまう。

 今のブリジットは自分達と同じようにレックスに夢中になっているので、好きではなかったというのが想像できないのだ。


「だってレックスってばいろんな女子生徒に声をかけて写真を撮っていいかって聞いて回っていたの。それにチャラついた態度も相変わらずで鬱陶しいと思っていたくらいよ。私だけじゃなくて沢山の人が同じことを思っていたはずよ。それこそ努力家でひたむきなアランとは正反対だったわね。」

「あー……想像できます」

「レックスさんには困ったものです」


 当時のレックスを知っているのかメアリーも苦笑いになる。

 しかしそれだけで終わる話しならば、ここにいる女たちはレックスに心も身体も捧げていない。


「だけど2か月くらいたてば慣れて来て、好きではないけど普通に会話くらいはするようになったわ。周囲の女子生徒のレックスへの態度が軟化していたけど、今にして思えばレックスと関係を持ったひとたちは彼を見る目が変わったんでしょうね……私も同じだもの♡」


 ブリジットがまるで大切な想い出を振り返るような顔になる。


「私がアランと付き合い始めたのは内戦が終わってからなのだけど、内戦が始まる前……6月の頃ね。アランに突き放されてしまった事があるの」

「あら、意外ですね」

「アランさんはブリジットさんの事を相当好きに見えます」

「トールズで再会した時は少しぎこちなかったのよ。私は会えて嬉しかったのだけど、アランは色々と思う所があったみたいで妙に避けられていたの。それである日アランがすごく疲れてそうなときに心配して声を掛けたら、私には関係ないからほっといてくれって言われちゃって……」

「それはちょっとひどいですね……」

「アランもあの時は色々あったのよ。だけど当時の私は訳が分からなくて、なにかアランに悪いことをしちゃったのかなって不安になって……ベンチに座って考えても何もわからなかった時に……レックスが来てくれたの♡」


 ブリジットの顔が赤くなる。

 夫であるアランの話をする時よりもとても幸せそうに話を続ける。


「私を心配して声をかけてくれたみたいね。話を聞いてくれて優しい言葉をくれて、抱きしめてくれて、彼の胸で思う存分泣いちゃったわ。それで……今だけは辛いことを全部忘れさせてやるって言われたの♡ そこからはもうあっという間だったわね。彼の部屋に連れていかれてそのまま……初めてしちゃったわ♡」

「わぁ♡」

「初体験ですか……♡」

「レックスさんは本当に人の心の隙間に入るのがお上手なのですね♡」


 ミュゼの言葉に全員が頷く。

 ここにいる者達全員がレックスに心の隙間に入られて堕とされてしまった者ばかりだからだ。


「一か月後くらいにアランとは誤解が解けて仲直りが出来たんだけど、その間ほとんど毎日レックスに抱かれていたわ。あの頃にはもう私の身体はレックス専用に作り替えられていたんでしょうね♡ 付き合い始めてからアランとしても全然満足できないの。彼は私との体の相性がばっちりだと思っているみたいだけど、一度もイッたことがないのよ」

「……信じられません」

「私達も同じよ」

「マカロフさんではどうしても無理なんです」


 初体験の時からレックスにイカされまくっている学生組からすれば信じられない情報だ。


「もちろんレックス君とのセックスでは絶頂出来なかったことがありません♡」

「それにザーメンを沢山出してもらえるのも嬉しいわ♡ 私の身体でこんなに気持ちよくなってもらえたんだって自信が持てるの♡」

「ですがそれではご主人との夜の営みは苦痛でしかないのでは?」


 ミュゼの疑問はもっともだった。

 レックスという最高に優秀なオスに可愛がってもらえるのは生徒たちにとって最高の幸せであるが、メアリーたちの話を聞く限り旦那とのセックスが幸せだとは思わない。


「マカロフさんの事は愛していますし、先ほども言いましたが喜んでもらえるのは嬉しいですから」

「ストレスのようなものを溜まってしまうのは否定できないけれど……すぐにシャワーを浴びて指輪を外してレックス君の女に戻って、彼を思いながら一人でしちゃうわね」

「私もです。それに……アランとセックスするたびにレックスがすごいオスだって再確認できるの♡ あとは浮気セックスも興奮してもらえるから……♡」

「旦那に申し訳がないのかって言われながら責められるのは何度されてもたまらないわ♡」

「マカロフさんに謝りながらレックス君に抱かれるのも興奮してしまいます♡」


 旦那の存在をダシにしてレックスとのセックスに溺れる快楽。

 それは人妻がいる彼女たちにしかわからない。

 ユウナ達はレックス以外に身体を許すつもりはないが、ほんの少しだけ浮気セックスでレックスに責めてもらいたいと感じてしまう。


「昨日は本当に幸せだったわ♡ 子宮にレックスの遺伝子を刻み込んでもらった瞬間……女としての役割を果たせたという多幸感がたまらないのよね♡ 十人でも二十人でも産むって言っちゃったわ♡ 今夜はあなたたちの番ね♡」


 話している最中にずっと下腹部を撫でていた大人組を前にして、学生組も今夜本当に妊娠するのだという実感がわいてくる。


「うぅ……待ちきれないよぉ♡」

「私も十人でも二十人でも産みたいです♡」

「そう思わせてくれるのはレックス君が優秀で強いオスだからなのでしょうね♡」

「メアリー教官のおっしゃる通りかと♡ 多くの女性に自分の遺伝子を残すという意味ではレックスさんほど強くて優秀なオスはいないでしょうね♡ ふふ、そんな方に遺伝子を残す相手として選んでいただいたのだと思うと誇らしいです♡」

「本能的にレックスの子供が欲しいって思ってしまうのよね♡ トールズの同期もほとんどがレックスの子供を欲しがってたわ♡」

「あたしのお母さんなんかは子供は駄目って言ってたみたいですけど、無理矢理妊娠させられちゃったそうです。女性の都合を無視して妊娠させるなんて本当にレックスさんって最低ですよね」

「そういえばティータさんの母であるエリカ博士も無理矢理だったそうです。レックスさんに対して怒っていたそうですね。あくまで表面上は♡」


 それはそうだろうとその場にいる全員が納得した。

 あれほど優秀なオスの子供を欲しがらない女がいるはずがないのだから。


「写真を見せてもらいましたけど、大きくなったお腹を幸せそうに撫でていましたね♡」

「お母さんも幸せそうに子供を抱っこしてたわ。無理矢理にでも妊娠させてくれなかったらずっと素直になれなかったってレックスさんに感謝してるみたい。レックスさんが望む限り赤ちゃんを産むから一緒に頑張りましょうねって……♡」

「はい♡ 皆さんで一緒に頑張りましょう♡」


 アルティナの言葉に全員が頷いた。

 愛する男であり優秀なオスの遺伝子たくさん残したいというメスの本能に彼女たちは逆らうことなどできないのだ。


「そろそろ上がりましょうか。これ以上ここで話しているとのぼせてしまうかもしれません」

「そうですね。すでにちょっとクラクラします」

「だ、大丈夫ですかアルティナさん? 今日はとても大切な日なのですから、体調を崩してはいけませんよ」


 メアリーがアルティナを支えながら湯船から上がり、他の者達もそれに続く。

 脱衣所に戻って身体を拭いて髪を乾かして服を着ていく。

 短い時間でとても打ち解けられたのは全員がレックスの女だからだろう。


「うぅ……でもやっぱり緊張する」

「全てレックス君に任せておけば大丈夫よユウナさん」

「ありがとうございますフィオナさん。できれば双子がいいなぁ♡」

「双子……アランも子供は沢山ほしいって言ってたからそれもいいわね♡」

「子供が何人産まれても私が何とかしますから、みなさん安心してくださいね♡」

「ミュゼさんは本当に頼もしいですね」

「お任せください。レックスさんの子供の数はすでに想定を遥かに上回っていますが、カイエン家の力を使えば問題ありません。レックスさんのためならばと協力してくれる方々も大勢いますから♡」

「レックス君を中心にトールズ以上に大きくて強固な繋がりができているようですね……♡」


 女を自分のモノにするという手段を用いて、本人も気が付かないうちに大きなつながりを作ってしまっているのは事実だ。

 実際にレックスは通信一本で大企業の重役や社長。大貴族に皇族。国外の王族や裏の世界の住人すら呼び出すことができるのだから。  

 全員が着替えを終えて脱衣所から出る。


「少し喉が渇きましたね。飲み物でもいただきましょうか」

「先輩として奢らせてちょうだい」

「むしろみなさんへのお祝いとして私が――」

「お、みんなそろって風呂でも入ってたのか?」


 その声を聴いた瞬間に全員の身体が疼きだしてしまう。

 メアリー、フィオナ、ブリジットは精液がみっちりと詰まった子宮が悦び。

 ユウナ、アルティナ、ミュゼは空っぽの子宮が切なく感じる。

 廊下の向こうから自分たちの主ともいえる存在であるレックスが歩いてきたのだ。


「レックス君。今から温泉ですか?」

「ああ。ちょっと激しい運動してたから、汗を流そうと思ってさ。メアリーさん達はもう入ったのか?」

「ええ。皆さんと一緒に」

「もう少し早く来ていたら私達と一緒に入れたかもしれないのに、残念だったわねレックス」

「残念がってるのはブリジットだろ? 温泉で交流を深めてたのかよ?」

「ふふ、レックスさんのお話をしていました」

「レックスさんが最低だって話ですよ」

「事実ですから何の問題もありませんね」


 学生たちに責められてその場にいる全員が笑いあう。


「それでレックス君はなにをしていたの?」

「フィオナさん達の帰りが遅れるって聞いたから、もう少し念入りに仕込んでおこうと思ったんだけど、木霊亭に言ってたんだよ」


 木霊亭とはユミルの宿酒場だ。

 しかしレックスは鳳翼館に泊まっているはずなのに何をしに行ったのだろうか。

 てっきり従業員のパープルやメイプルと楽しんでいると思っていたのだ。


「実は偶然チルルに会ってさ」

「チルルさん……ですか?」


 その名に聞き覚えがあるのは知り合いのユウナだけだった。

 クロスベル出身の女性で様々な所に旅行に向かう女性。クロスベル再事変の時などもユミルに来ていたはずだ。


「これから山に入るって言ってたけど、せっかく会えたんだから予定を変更して部屋でじっくりと話してたんだよ。まぁ疲れたらしいから山はまた今度って話になったぜ。もしかしたら数ヶ月は山登りや旅行は控えるかもしれないけどな」


 チルルを抱いただけではなく孕ませたのだということをその場にいる全員が理解した。


「それで数時間前にここに戻ってきたんだけど、今度はヘレナさんとエクレアに会ってさ。旦那さんや娘さんに内緒でヤリまくってやったぜ。へへ、隠し子が増えるかもな」


 今度はメアリーの顔色が変わる。

 ヘレナはセントアークに住んでいる貴族で、エクレアはその従者だったはず。

 子煩悩ともいえる母親であるヘレナですらレックスの前ではメスになってしまうのだろう。

 自分の母親であるエレノアや従者のアリスと同じように、レックスはヘレナとエクレアも孕ませてしまったのだ。


「それで汗を流しに来たのね」

「二人と一緒に入るつもりだったけど動けなくなったみたいでさ。でもブリジットたちがいるなら丁度良かったぜ。ほら、いくぞ。メアリーさんとフィオナさんも来いよ」


 レックスがブリジットの肩を掴んで歩き出そうとする。


「ま、待ってレックス! 私達は今あがったばかりなのよ!」

「それにそろそろマカロフさん達の所に戻らないといけません」

「また今度時間を作るから――」

「じゃあ選ばせてやるよ。旦那のとこに戻って思い出を作るか、オレと一緒に来て浮気セックスするのどっちがいい?」


 そう言われた瞬間に、ブリジットたちはもう逆らう気力を失くしていた。

 レックスも答えがわかりきっているかのようにいやらしい笑みを浮かべている。

 ブリジットの方に回していた手はいつの間にか胸に犯されおり、彼女は胸を揉みしだかれているのに抵抗もしていない。


「……わ、わかりました♡ マカロフさんにはメールをしておきます♡」

「今からレックス君と温泉に入って……♡」

「アラン達には内緒で浮気セックスをします♡」


 学生たちの目の前で浮気すると言わされたのに、メアリーたちはどうしようもないほど興奮してしまっていた。

 そしてユウナ達もそれに当てられて興奮してしまう。自分たちもついていってレックスに抱いてほしくてたまらなくなる。


「ああ、そういえばリィン達がみんなを探してたぜ」

「そ、そんなことどうでもいいですからぁ♡」

「私達も一緒がいいです♡」

「レックスさん……♡」

「駄目だって。Ⅶ組の思い出作ってこいよ。オレとの思い出は夜にたっぷり作ろうぜ」


 付いていきたいのにレックスは許可してくれない。

 リィン達のことなど今のユウナ達は心底どうでもよく、レックスとの思い出を少しでも多く作りたい。

 だが上下関係をしっかりと刻まれてしまっているので、彼の言葉には逆らえなくなっている。


「心配するなって。ちゃんとユウナちゃん達と思い出を作る体力も残してるから、今夜は楽しみにしててくれよな」

「うう……ほ、本当に最低なんですから♡」

「ですが私達はもうレックスさんから離れられません♡」

「どんなに最低な方でも一生ついていきますから、レックスさんの方こそ覚悟してくださいね♡」

「へへ、それじゃあ行くぞ」


 レックスたちが温泉に向かう。これから混浴の温泉でたっぷりと思い出を作るのだろう。

 ユウナ達は仕方なく彼とは反対方向に向かってリィン達を探すことにした。


「レックスさんと一緒が良かったなぁ」

「仕方がありません。それにレックスさんには遠く及びませんが、Ⅶ組としての思い出も作っておいた方がいいですから」

「それはもう沢山出来たと思います。第Ⅱ分校での学生生活はとても楽しかったですから」

「うんうん。大変だったけど第Ⅱ分校に来てよかったわ。2年になってからはレックスさんとの思い出もすごく増えたし……♡」

「ふふ、学生生活でもやはりリィン教官たちよりもレックスさんとの思い出が印象に残っていますね♡」

「好きな人との思い出なので当然かと♡」


 三人はレックスの話題で花を咲かせながらリィン達の元に向かう。

 その後リィン達は不機嫌なのかご機嫌なのかよくわからないユウナ達と過ごして、わずかばかりの思い出を作るのだった。



 その日の夕方。

 ブリジットたちの体調が悪くなったということで帰りを送らせていたアラン達だったが、これ以上遅らせることはできないのでそろそろ帰ることにした。

 なので帰りのケーブルカーが来るのを待っているのだが……


「ブリジット。まだ体調は良くないのか?」

「アラン……いえ、問題ないわ。すこし疲れてしまっただけよ」


 ブリジットはどこかぐったりしている。顔色が悪いというわけではないので彼女の言葉通り疲れてしまっただけかもしれないのだが、やはりアランにとっては心配だ。

 それはアランだけではなくナイトハルトやマカロフも同じ気持ちだった。


「フィオナもまだ疲れているようだな」

「そ、そうね……旅行ではしゃぎすぎてしまったみたい」

「メアリーさん。飲み物でも買ってきましょうか」

「いえ、大丈夫です……こうして涼んでいれば回復しますから」


 ブリジットだけではなくフィオナとメアリーもぐったりしている。

 帰りを遅らせて彼女達を休ませたのだが、回復するどころかますます疲労しているようにしか見えない。

 ユミルの温泉にゆっくりと入っても元気にはならなかったようだ。

 ベンチに座ってお腹を撫でている女性陣を、男性陣は少し離れたところで心配そうに見ている。


「まさかメアリー教官とフィオナさんも体調を崩すなんて……」

「はしゃいでしまっただけと言っているが……」

「もっとしっかりと見ておくべきだったか……」


 アラン達が責任を感じているのは、妻をしっかりと見ていなかったという事だけではない。

 昨日の夜の愛し合った際に、激しくし過ぎてしまったのだ。

 途中で記憶が抜けているが、朝起きた時の妻の姿は見たこともないほどに色気にあふれていた。


(元々ブリジットとは身体の相性が良すぎるのに昨日はさらに燃えて激しくしてしまったからな。少し自重するか)

(フィオナが気絶するまで激しくしてしまうとは情けない……もっと大切にしないとな)

(メアリーさんは寝汗をかいたからシャワーを浴びたなんて言っていたが、俺があの後も襲ってしまったのかもしれないな。それなら疲れるのも納得だ)


 男性陣が妻の事を思い悩む中で、女性陣は夫のことなど何も考えていなかった。


(ん……少しでも動いてしまうと、ザーメンが垂れてしまいそうです♡)

(メアリーさんもですか♡ 私もお腹がタプタプで……レックス君のザーメンが元気に泳いでいるのがわかります♡)

(あの後もお風呂で何度も……♡ 更に増やされたキスマークは化粧で隠せましたけど、しばらくはアランに身体を見せられません♡)


 30分前までレックスに抱かれていた彼女たちは、心地よい疲労を感じながらレックスの事だ家を考えている。

 子宮がみっちりと広げられるほど精液を注がれて、動かなくてもタプタプと波打っていることを、そして精子が元気いっぱいにお研いでいるのを感じる。


「よかったよかった。間に合ったみたいだぜ。おーい」


 子供の名前は何にしようと考えていた彼女たちは、自分たちの元に歩いてくるレックスとⅦ組の面々に気が付いた。

 どうやら自分たちを見送りに来てくれたようだ。


「シュバルツァー。見送りに来てくれたのか」

「はい。フィオナさん達は……」


 リィンがチラリとフィオナたちを見ると、彼女たちが力なく笑い返す。

 彼女たちが疲れていることもそれで帰りを遅らせたこともすでに聞いているのだ。


「やっぱりレックスさんの言う通りまだお疲れのようですね」

「オレの予想は当たるんだぜアルティナちゃん」

「誰のせいで疲れてると思ってるんですか……飲み物を買ってきましたからよろしければどうぞ」

「ありがとうございますユウナさん」


 メアリーたちがユウナから飲み物を受け取ると、ちょうど帰りのケーブルカーがやってきた。

 夫たちがそれぞれの妻を支えて立たせると、恥ずかしいのか顔が赤くなる。

 実際にはタプンっと子宮の中で精液が波打ったからだということに気が付いたのは、レックスと女性陣だけだ。


「じゃあなリィン達。旅行を楽しんでくれ」

「ああ。アラン達も気を付けて帰ってくれよ」

「旦那なんだからブリジットの事をしっかりと守ってやらないとダメだぜ」

「わかってるさレックス。ブリジットは俺が必ず守りつづける」

「あと子供が産まれたら家族写真撮らせてくれよな。あ、これはマカロフ教官とナイトハルト教官にもお願いっす」


 レックスの言葉にアッシュ以外の全員が驚いてしまう。


「クク……昨夜は間違いなくお楽しみだっただろうし、ガキが出来るのもすぐかもなぁ。確かにめでたいことじゃねーか」

「家族が増えるのは確かに喜ばしいことだが、そういう言い方はどうかと思うぞアッシュ……」

「別に恥ずかしがるような歳でもねーだろうが。相変わらずお坊ちゃんだな」

「そうですね……家族が増えた際には、レックス君に記念撮影をお願いします♡」


 メアリーが微笑みながらそう言ったので、マカロフが驚いてしまう。

 しかしフィオナやブリジットも同じように笑顔を見せる。


「記念写真は必要だものね。レックス君、私もお願いできるかしら♡」

「仕方ないわね……奇麗に撮ってよねレックス♡」

「へへ、任せとけっての」


 妻が了承したので夫としても特に反対する理由はない。

 子供が産まれた際の記念写真は自分達にとっても嬉しいものだし、何も問題ないはずだ。

 しかしなぜか妙な疎外感が生まれてしまっている。

 全員がケーブルカーに乗ると動き始め、リィン達が遠くなっていく。

 ユウナが元気よく手を振っているが、その後ろにいるアルティナとミュゼの顔が少し赤い。

 男性陣は彼女達も体調を崩したのかと心配し、女性陣は背後のレックスにセクハラされているのだろうと確信した。


「メアリーさん、身体の方は本当に大丈夫ですか?」

「ふふ、マカロフさんは心配性ですね。そう言う優しいところが本当に大好きです」

「か、からかわないでくださいよ」


 メアリーに褒められてマカロフが照れてしまう。


「ですが優しいだけでは私の身体は満たされないのですよね……」

「え?」

「いえ、なんでもありません。ほら見てください、とてもいい眺めですよ」


 何かをごまかされたような気がするマカロフだったが、メアリーと一緒に素晴らしい眺めを堪能するのだった。

 景色を見ているのはフィオナたちも同じだ。


「本当に良い景色ね……」

「そうだな。また旅行に来たいものだ」

「ええ。次は疲れたりしないと思うわ……レックス君が来るのなら別だけれど……」

「ん? 何か言ったか?」

「すごく楽しい旅行だったって事よ」


 まだ疲れているようなフィオナだったが、ナイトハルトは楽しい旅行にできたのならば良かったと思うのだった。

 アランとブリジットは景色を見ていない。

 ブリジットはお腹を愛おしげな表情のまま撫でており、アランはそんな彼女をチラチラと見ている。


「もう、さっきからどうしたのアラン?」

「いや……なんだかブリジットが一気に母親らしくなったと思ってさ」

「それは当然よ。昨日は絶対にデキちゃったって確信があるもの。レックスに記念撮影してもらえる日は近いわね」

「子供か……俺も父親になるんだからもっと頑張らないとな」

「……ねぇアラン。子供は何人欲しい?」


 ブリジットが微笑みながら訪ねてくる。


「君との子供なら何人でも欲しいな」

「そうね……子供はやっぱり沢山ほしいわよね。私も頑張るわ」


 そう言って笑うブリジットがあまりにも綺麗で、アランは思わず顔を逸らしてしまう。

 そのまま照れ隠しでもするように景色を眺めはじめた。


(父親か……俺は本当に幸せ者だな。この幸せを必ず守っていこう)


 父親としても男としてもアランはブリジットと生まれてくる子供を守り抜いていくことを誓うのだった。


「……アランもこう言ってるんだから、沢山産ませてよねレックス♡」


 ブリジットがつぶやいた言葉はアランには届かなかった。


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