レックスの軌跡外伝~トワ編~
Added 2022-12-13 05:14:31 +0000 UTCトールズ士官学院・第Ⅱ分校の職員室で、リィン・シュバルツァーが事務を行っていた。
それ自体は簡単なものなのでスムーズに処理できているのだが、彼の顔色は妙にすぐれない。
その理由は自分の正面に座るトワ・ハーシェルにある。
「ふぅ……」
トワが作業をいったん中断して大きく腕を伸ばした。
分校の教官をしながらNGOに参加することになり、彼女は以前にもまして忙しそうにしている。
さらに主任教官にもなるのだがらプレッシャーなども感じているだろう。
そのせいか最近疲れがたまっているように見えるのだ。
表面上は何も変わっていないのだが、一緒に働いている自分だからこそ彼女の変化を感じ取れると思っている。
「トワ先輩、お疲れですか?」
「え? そんなことないよ。疲れてるように見えるかなぁ?」
「なんとなくですが……最近は働き詰めのようにも見えます。俺の勘違いだったらいいんですが……」
「あはは……確かに忙しいかな。でも本当に無理はしてないよ」
苦笑するトワを見て、リィンは自分にもなにかできないだろうかと考えてしまう。
「……急ぎの仕事もないですし、今日はここまでにしませんか?」
「う~ん……もう少しやっておきたいんだけどな……」
せめて気晴らしになればと誘ってみたが、彼女はあまり乗り気ではないようだ。
だがリィンの目から見てやはり働きすぎなのは間違いないので、少し強引にでも休ませたほうがいいと判断した。
「休むことだって大切ですよ。なんなら飲みにでも行きましょう。日頃お世話になっているお礼におごらせてください」
「気持ちは嬉しいけど……どうせ飲みに行くならレックス君と……」
「え?」
「な、なんでもないよ! あ、通信……」
急に慌てるトワだったがARCUSⅡに通信が来たので相手を確認する。
「誰だろ……っ! ちょ、ちょっと失礼するね」
相手を確認した瞬間にトワが笑顔になって席を立った。
「もしもし? えへへ、久しぶりだね♡」
待ちきれないのかトワは通信に応じながら職員室を出ていく。
「あんな笑顔に……アンゼリカ先輩か?」
トワの大親友と言えるアンゼリカ・ログナー。彼女から通信が来たのならば笑顔になるのも頷ける。
しかし通信一つでトワをあんなに喜ばせることができる彼女に比べて、自分はまだまだだと感じてしまった。
もっとトワにとって頼りがいのある存在になりたいと思いながら事務をこなす。
30分ほどでトワが戻ってくると、彼女はやはり笑顔のままだった。
「おかえりなさい。アンゼリカ先輩からでしたか?」
「アンちゃん? 違うけどどうして?」
違うと言われてリィンは驚く。
では一体誰なのだろう?
「あ、そうだ。リィン君にも関係のあることだから言っておくね。三日後に帝国時報社が学院の取材に来るんだって。リィン君にも色々と聞きたいことがあるみたいだよ」
「取材ですか? それはもちろん構いませんが、分校長にも話を通す必要があるのでは?」
「あはは、大丈夫だよ。取材の対応はわたしに一任されてるからね」
「そ、そうですか」
自分の知らないところで話が決まってしまったが、そう言うことならリィンは従うだけだ。
ただ学院の取材なのにどうしてトワのARCUSⅡに通信が来たのだろうか。
そういうことならば学院に直接通信が来るのでは……
「帝国時報ということはヴィヴィやレックスが来るかもしれませんね」
「うん。レックス君が来るんだって。通信で本人が言ってたから間違いないよ」
「……え? 通信はレックスからだったんですか?」
「そうだよ」
あっさりとトワが肯定する。
レックスもトールズの卒業生でありトワと面識もあるのだから連絡先を知っていてもおかしくはない。
しかし通信が来ただけであんなに嬉しそうにするほど仲が良かったのだろうか。
取材の許可を取るだけで30分もかかるとは思えないのだが、そんなに長い間話ができるほど話題があったのだろうか。
「さてと、今日はこのくらいにして帰ろうかな。リィン君もそろそろ上がったほうがいいよ」
「そ、そうですね。俺もこのくらいにしておきます。休める時には休んだ方がいいですからね」
「うん。さっきレックス君にも同じことを言われちゃった」
自分の言葉を聞いてくれたのかと思いきや、レックスに言われたからだったらしい。
その後二人は一緒に寮まで帰ったのだが、トワはずっとご機嫌な表情だった。
もう一度飲みに誘っても「早めに休みたい」と断られたが、トワが元気になってくれたのなら良かったと思う。
しかし通信一本でトワをここまで笑顔にできるレックスに、リィン自身気が付かないうちに嫉妬してしまっていた。
◇
三日後の取材の日。
その日のトワは朝からそわそわしていた。
服や髪の乱れがないか度々チェックしており、リィンも変なところがないかと何度も聞かれている。
「トワ先輩、少し落ち着きましょう。取材なんて今まで何度も受けているじゃないですか。緊張しなくてもいつも通りで大丈夫です」
「う、うん……でも久しぶりだから……」
そこまで久しぶりだろうか?
少し前にクロスベル通信社の取材を受けていた時はこんなに緊張していなかったし、対応も見事なものだった。
それに今回はトワへの取材というよりも、リィンへの取材がメインだと聞いている。
なんでこんなにも緊張しているのだろうか?
不思議に思っていると職員室のドアが開く。
「こんにちわっす。取材に来た帝国時報のレックスっす」
「あ――レックス君♡」
レックスが入ってくるとトワがすぐに立ち上がって近づいていく。
「トワさん久しぶり。また綺麗になった? 一枚撮っていい?」
「そ、そんなことないと思うけど……写真はあとでね♡」
(……ん? レックスはトワ先輩に対してこんなに気やすかったか?)
レックスは年上に対して完全なタメ口を使う男ではなかったはずだ。
リィンだってトワにあんな口の利き方をした事はない。
あれではまるでアンゼリカやクロウ、ジョルジュ達のようではないか。
それにトワ先輩ではなくトワさんと呼んだような……
「リィンも久しぶりだな。今日はよろしく頼むぜ」
「あ、ああ。こちらこそよろしく頼むよ」
「せっかくここに来てくれたけど、食堂まで移動しよっか」
三人一緒に食堂まで歩き始める。
「トワさん、今日はこれ以外に仕事はないんだっけ?」
「うん。昨日も話したけど、他の仕事は全部終わらせてあるから。自由行動日だから授業もないしね。レックス君は夜の列車で帰らないといけないんだっけ?」
「そうなんだよ。取材が終わったらここでゆっくり休みたかったぜ」
「残念だね……せっかくだし夕方に食事にでもいこっか? それとも寮で食べていく?」
「どっちもよさそうだな……」
正確にはレックスとトワが並んで歩いており、リィンがその後ろをついて歩いていた。
二人があまりにも楽しそうに話しているので、リィンは全く会話に入れない。
トワさんと呼んだのは勘違いではなく、昨日も通信で話したらしい。
(本当に仲がいいんだな……)
楽しそうに話す二人を見せつけられながらリィン達は食堂まで移動した。
テーブルにリィンとレックスが向かい合って座ると、今日はジーナがいないのでトワがお茶の用意を始める。
「はい、レックス君」
「ありがとな」
「リィン君もね」
「ありがとうございます」
レックス、リィンの順に紅茶を置くと、トワは自然とリィンの隣――ではなく、レックスの隣に座った。
トワは取材を受ける側なので、自分の隣に座ると思っていたのでリィンは驚いてしまう。
「トワさん、オレの隣でいいのか?」
「え? だっていつも――あ。ほ、ほら。取材のメインはリィン君だしね。写真にわたしが写っちゃうのもまずいでしょ?」
「それもそうですね」
確かに主な取材対象はリィンだと事前に聞いていたので、トワもレックスの隣に座ったのだろう。
まるでいつもレックスの隣に座っていると思えるくらいに自然だったので、必要以上に驚いてしまったらしい。
(……ん? こういうときにトワ先輩なら、取材の邪魔にならないようにそもそも同じテーブルに座らないんじゃ)
以前クロスベル通信の取材を受けた時も、リィンが取材を受けている時は同じ席にはついていなかった。
それなら今回はどうしてレックスのとなりに……
「それじゃあリィン。さっそく始めようぜ」
「あ、ああ。よろしく頼むよ」
「しっかりねレックス君」
「オレじゃなくてリィンに言うべきだろ?」
「リィン君は心配ないからいいの」
「信用されてねえなあ。それではリィン教官。まずは――」
取材が始まって意識を無理矢理切り替える羽目になってしまう。
信頼されている事を喜べばいいのか、応援してもらえなかった事を残念がればいいのかというもやもやは残ってしまったが。
レックスは完全に仕事モードに入ったのか、ふざけることなく真面目にインタビューを行っている。
そのおかげで取材自体は順調に進んでいき、リィンの心もだいぶ落ち着いてきた。
はずなのだが……
「ん……っ♡」
レックスの隣に座るトワが妙に顔を赤くしているので意識してしまう。
それだけではなく妙な声も出しているのが気になる。
「……トワ先輩、具合が悪いんですか?」
「え? そ、そんなことないよ……っ♡」
「ですが最近疲れているみたいですし……」
「もう、だからそんなことないってば」
「でもトワさん。妙に顔が赤い気がするぜ?」
「うう……誰のせいだと思ってるの♡」
ぼそっと何かを呟いてトワが紅茶を一口飲む。レックスも一口飲むとカップが空になったので、すぐにトワがおかわりを注いだ。
少なくとも調子が悪いというわけではなさそうだが、少し心配になったリィンは早く取材を終わらせたくてインタビューにどんどん答えていく。
「それじゃあリィン教官に次の質問っすけど……ズバリ、彼女はいるんすか?」
「……コホン。レックス、そう言う質問は……」
「だよなぁ。わるいわるい。でもやっぱり気になる読者はスゲーたくさんいるみたいなんだよ」
灰色の騎士に恋人がいるかどうかは確かに多くの人々が気になるだろう。
実際にリィンも取材で何度も聞かれたことがあるが、常にノーコメントを貫いている。
「リィンはこういうの断ってるよな。言いたくないならもちろん言わなくていいぜ?」
「助かるよレックス」
「とはいえ個人的に気になるのも事実なんだよな。思えばリィンとはこういう話はしたことがなかったし、絶対に記事にしないから聞いてもいいか? トワさんも気になるだろ?」
「うーん、確かに興味はあるかも……リィン君って恋人はいるの?」
レックスどころかトワまで興味がありそうだ。
彼が記事にしないというのならば記事にはしないだろう。
トールズの同期と先輩と言うこともあり、この二人なら別にいいかとリィンは口を開く。
「残念だけど恋人はいませんね」
「リィン君ならすぐに恋人ができそっ♡ できそうだけど……♡」
「意外だな……Ⅶ組の奴らとかどうなんだ? オレが見た感じだと、ほとんどが学生時代からリィンの事が好きだった気がするぜ」
「大事な仲間だけどそう言う関係じゃないよ」
「いやいや、でも卒業して全員スゲー美人になってるじゃん。こうグッとくるものはないのかよ?」
ないはずがない。
再会した時から美人になったと思っていたが、帝都で再開した時はさらに美しくなっており色気にも満ちていた。
朴念仁と言われる自分でも邪な思いを抱いたことは何度もある。
「……完全にないとは言えないな」
「はは、男なら仕方ないって」
「みんなすごく綺麗になったもんね……(誰かさんのせいで)」
「トワ先輩?」
「な、なんでもないよ。あんっ♡」
トワが何か言ったがリィンは聞き取れなかった。
しかし綺麗になったと言えば目の前のトワも同じだ。
背丈は学生時代から全くと言っていいほど変わらないが、女性としては別物と言っていいまでに変化している。
ちょっとした仕草などにも色気を感じてしまう時もあるのだ。
「まぁこれはオフレコってことで。となると聞くことが一気に減ったな。好みの女生とかもNGだし、デートの時は手をつなぐのと腕を組むだとどっちが好きかとかも駄目か。そういえばリィンはどっちが好きなんだ? 聞いた話だとミュゼちゃんによく腕を組まれてたんだっけか?」
「最近はそう言うことをしなくなったよ。彼女もようやく恥じらいを覚えたのかもしれないな」
「そ、そうかもね……(絶対に違うと思うな)」
またもやトワが何かを呟いて紅茶を飲む。カップを置いた瞬間に「ひゃんっ♡」と身体を震わせた。
ミュゼもそういうスキンシップを全くしなくなった。
以前は同じ部屋で着物に着替えたり一緒に風呂に入ろうとしたりとやりたい放題だったが、そう言うことを控えてくれたのは正直嬉しい。
「うーん、手をつなぐか腕を組むかかぁ……」
「トワさんはどっちが好き?」
「わたしはどっちでも――って何を言わせるの!?」
「はは、でも気になるじゃん。試しにオレと手を繋いでみようぜ?」
「レックス、それは流石に――」
「もう、しょうがないなぁ♡」
リィンがレックスに注意をしようとしたが、トワは笑いながら右手の手袋を外してしまった。
その右手をレックスの左手と繋ぐ。
ただ繋ぐのではなく、いわゆる恋人繋ぎで。
それがあまりにも自然に行われたので、リィンは言葉を失ってしまった。
お互いの掌の感触と体温を感じあうように、二人は何度か指に力を込めている。
「レックス君ってやっぱり手が大きいよね♡」
「男だからこんなもんだろ。腕を組むのとどっちが好き?」
「やっぱりどっちも♡ ふふ、この手でいつも――あっ!」
トワがリィンの存在を思い出して慌ててレックスから手を離した。
「しゅ、取材の邪魔しちゃってごめんね! ほら、レックス君、続きをしないと!」
「はいはい。早く終わらせて始めたいもんな」
「~~~~~っ♡」
(もしかしてこの二人……)
二人の会話はリィンの耳には入っていない。
まさかとは思うがトワとレックスが付き合っているのではないかとリィンは思ってしまったのだ。
それとも自分が知らないだけで、大人ならこのくらいは普通なのだろうか?
リィンは参加したことがないが、ランディなどから話を聞いた限りだと合コンなどでは男女の距離もだいぶ近くなるらしい。
知り合いならばこのくらいは普通か?
しかしもしも恋人同士ならば、トワが通信が来ただけで笑顔になった理由もつく。
「とは言ってももう聞くことが残ってないみたいだからこれで終わりだな。リィン、彼女が出来たら記事にしないから紹介してくれよ。職場恋愛ってのもありかもしれないぜ? マカロフ教官とメアリー教官みたいに、その内トワさんと付き合ったり……」
「……え?」
そんな事を言うということは、二人は付き合っていないのだろう。
どこかホッとしながらも自分がトワと付き合う未来を想像してしまう。
体は小さいが何度も助けられた頼りになる先輩。どんどん綺麗になっており異性として意識したことも何度もある。
「もう、同じ職場だからって付き合うとは限らないでしょ。わたしとリィン君が付き合うなんてありえないってば」
笑いながら即座に否定するトワに、リィンはショックを受ける。
トワは恥ずかしがる素振りなど一切見せなかった。
自分は男として全く意識されていないと言われてしまったかのようだ。
「さてと、それじゃあ取材はこれで終わりだ。ありがとなリィン」
「あ、ああ……お疲れ様」
「お疲れ様、レックス君」
レックスのティーカップが空になった瞬間にトワが紅茶を注ぐ。
こういう気配りができるのはトワの長所だと思う。
リィンも一口飲もうとして自分のカップが空になっている事に初めて気が付いた。
自分には注いでくれなかったのかなどと考えてしまったが、客人の立場であるレックスを優先したのだろう。
「サンキュートワさん」
「まだ少し取材が残ってるんでしょ? わたしも手伝うね」
「へへ、それじゃあお言葉に甘えるぜ」
「レックス、俺も手伝おうか?」
「リィン君は街の人からの依頼が残ってるでしょ? んっ♡ あとはわたしに任せて」
「そうですね……それではトワ先輩、お願いします」
「うん。が、頑張ってね……っ♡」
「頑張れよ~」
リィンが席を立つ。
胸にもやもやしたものを抱えながら、彼はトワから目を背けて逃げるようにその場を去った。
◇
リィンへの取材が終わって、レックスとトワはすぐに寮のトワの部屋に移動していた。
「トワさんの部屋に来るのも久しぶりだぜ。相変わらず綺麗だよな」
「レックス君が来るからちゃんと掃除したからね。そ、それよりも……ん♡」
トワが正面からレックスに抱き着く。
「えへへ、ようやくギュってできた♡ レックス君に抱きしめられるの久しぶり♡ ん――ちゅ♡ ちゅう♡ れりゅう♡ キスもずっとしたかったよ♡」
自分から背伸びしてトワがレックスに唇を重ねた。
レックスはトワをベッドに四つん這いにすると、タイツ越しに彼女の尻を撫で始める。
直接肌に触れるのとは違う感触を楽しんでいると、秘部がすでに湿っている事に気が付いた。
「おいおい、もう濡れてるのかよ?」
「もう♡ レックス君のせいだからね♡ 取材中にわたしのふとももを撫でたりおまんこを弄ったり……リィン君にバレちゃうんじゃないかってしんぱいだったんだからぁ♡」
「トワさんがオレの事をじっと見つめてるから、触ってほしいのかなって思ったんだよ」
「ふあっ♡ あああっ♡ ち、違うよ♡ あんっ♡ ただ真剣にお仕事してるレックス君って久しぶりに見たから、その……んっ♡ か、カッコいいなって見惚れちゃってたの♡ ふああっ♡ んああああっ♡」
タイツを破らずに半分ほど脱がせて尻を露出させると、ショーツ越しに秘部を指で弄り始める。
クリトリスを優しく刺激しながら割れ目にそって指でなぞっていく。
すでに我慢の限界だったトワの口から甘い声が漏れ始めると、レックスはショーツもずりさげた。
今すぐにでも入れてほしそうにヒクヒクしている秘部に指を入れて、じっくりとトワの膣をかき混ぜていく。
「ふああああっ♡ レックス君♡ 指は気持ちいいけど、あん♡ おちんちん欲しいよぉっ♡ 取材の時からずっと我慢してたんだから早くちょうだいっ♡ んああああっ♡」
「だけどリィンが言うには最近疲れてるんだろ?」
「ひあああっ♡ ふあっ♡ ほ、本当に疲れてないってばぁ♡ はぁ♡ はぁ♡ 確かにお仕事は多くて大変だけど無理なんてしてないよ♡ なんでリィン君はわたしが疲れてるなんて勘違いしたんだろ……ひあっ♡」
トワのショーツとタイツを右足だけ抜き去り彼女を仰向けにする。
左足に引っかかったままのショーツとタイツが恥ずかしいのでトワが脱ごうとしたが、レックスが服を脱がせ始めたので邪魔にならないように動かなかった。
上着の前をはだけられてトワの胸が露出する。
正常位で入れるつもりなのか、レックスはトワの膝を持って足を開くと、秘部を肉棒で何度も擦った。
「ふああっ♡ は、はやくちょうだいっ♡ レックス君っ♡ あんっ♡ あああああっ♡」
「疲れてないなら本当になんでリィンはあんなこと言ったんだろうな?」
「わ、わかんないけど、今はそんなのどうでもいいからぁっ♡ 早くレックス君をちょうだいっ♡ ひあああっ♡ んああああああっ♡」
待ちわびていたものが自分の中を満たして、それだけでトワは軽く絶頂してしまった。
うっとりした表情で余韻に浸っていると、レックスが両手を恋人繋ぎにして動き始める。
狭い膣穴をレックスの巨根でみっちりと埋め尽くされて蹂躙されていく感覚。
何度味わっても飽きることのないメスの幸せがトワの全身に広がっていく。
「あああっ♡ おちんちん大きいっ♡ んっ♡ レックス君っ♡ もっと突いてぇっ♡ あああっ♡ 気持ちいいよぉっ♡」
「へへ、もしかしてトワさん、ただの欲求不満だったんじゃねーのか?」
「っ♡ そ、そんなことは……あんっ♡ で、でも確かにレックス君に会えなくて寂しかったかも……♡」
トワは最初から疲れてなどおらず、レックスに会えなくて寂しかっただけ。
単なるリィンの勘違いだったのだ。
もっとも、レックスは最初からそれに気が付いており、トワに寂しかったと言わせたかっただけだが。
「写真は後でって言ったまま撮ってなかったっけ。欲求不満のエロ教官をたっぷり撮らないとな」
「ひあっ♡ だ、駄目だよレックス君♡ 今はダメっ♡ あんっ♡ 撮らないでっ♡」
右手でカメラを構えて写真を撮りながら抽送を続ける。
恥ずかしいのかトワは手で顔を隠しているが、それが逆に卑猥さを引き立てていた。
シャッターを切るたびに膣がキュッと締まって肉棒を締め付ける。
取材中からしたかったのはレックスも同じであり、すぐに射精の前兆が訪れてしまった。
まずは一発出しておこうと一気にスパートをかけて子宮口をイジメていく。
「あんっ♡ レックス君のおちんちんが大きくなったぁ♡ 出してっ♡ わたしの中にいっぱい出してっ♡」
――びゅるるるるうううううううううううううううっ!!
「んあああっ♡ 熱いのいっぱいっ♡ ふああああああああっ♡」
子宮に熱い精液をたっぷりと注がれてトワが絶頂した。
彼女の身体を押しつぶすように体重をかけて、腰をグリグリと回しながら精液を吐き出していく。
男の醜い欲望をトワの小さな体が全て受け止めていく。
「ふう……まずは一発目だな」
「はぁ……♡ はぁ……んひっ♡」
トワから肉棒を抜くとどろりと精液が溢れてきた。
精液まみれの肉棒をトワの顔に近づける。
彼女の頭を持って支えると、すぐにお掃除フェラを始めた。
「れりゅう♡ ちゅるるうう♡ レックス君♡ ちゅっ♡ おちんちんも精液もおいしい♡ ちゅうう♡」
幸せそうにお掃除フェラをするトワを写真に撮り、二人のセックスは再開するのだった。
◇
夕方になって日も暮れ始めたころ、リィンは依頼を全て終えて寮に戻って来た。
風呂に入って疲れをとろうとすぐに風呂場に向かう。
他に入っている人は誰もいないようで、身体を軽く洗ってすぐに湯船につかった。
「はぁ……今日は少し疲れたな……」
「っ♡ ちょ、ちょっと――君♡ ダメ――っ♡」
「ん?」
女湯の方から声が聞こえてくる。
向こうには誰かが入っているようだが、どこか様子がおかしく感じてしまう。
「なにかあったのか?」
女湯の方に声をかけた瞬間に静かになった。
何事もないのならいいのだが、まさかのぼせて動けなくなったりはしていないだろうか?
いったん出てから女子生徒に中を確認してもらったほうが――
「リィン君?」
「トワ先輩? なにかあったんですか?」
「な、何もないよ――♡ っ♡ ~~~っ♡」
どうやら先に入っていたのはトワのようだ。
何も異常がないのなら心配事もただの杞憂に過ぎないので安心する。
「はぁ♡ はぁ♡ ……ん♡ リ、リィン君ひあっ♡ 今日は取材お疲れ様、んっ♡」
「トワ先輩もお疲れさまでした。レックスはどうしたんですか?」
レックスの取材の手伝いをしていたはずだがもう終わったのだろうか。
確か彼は夜に帰ると言っていたがまだ夕方だ。
気になって聞いてみたが返事は帰ってこない。
その代わりにチャプチャプと水音が聞こえてくる。
「トワ先輩?」
「んっ♡ レ、レックス君はっ♡ はぁ♡ はぁ♡ まだ取材中――だと思うよ♡」
「そうですか。夜に帰るなら三人で軽く食事でもと思っていたんですが……」
「あ、あとでっ♡ 聞いてみるね♡ んっ♡ あ――はぁぁぁぁぁぁ♡」
トワが気持ちよさそうなため息をつく。
よほど疲れがたまっていたのだろうか。
「トワ先輩……やっぱり最近疲れがたまっていませんか?」
「~~っ♡ っ♡ はぁ♡ はぁ♡ え? 疲れなんて溜まってないってば」
「そうなんですか? それじゃあ悩みがあったり――」
「そ、そんなの言えるわけっ♡ ~~~~~っ♡」
言えないほどの悩みを抱えているのだろうか?
「ち、違うからねリィン君! 今のはリィン君に言ったんじゃなくて――んむっ♡」
「そ、そうですか……」
自分たち以外誰もいないというのにその言い訳は苦しいだろう。
逆に言えば自分はトワに悩みを話してもらえないという事だ。
「トワさん……俺はいつだってトワさんの味方だってことを忘れないでくださいね。俺に力になれることがあるのならなんだってします」
「あ――ん……♡ はぁ……♡ こういうのも好きかも♡」
「トワさん?」
「んぅ……ちゅっ♡ リィン君、お先に失礼するね」
「え? は、はい……」
伝えたいことは言ったので、あとは彼女が頼ってくれるのを待つだけだ。
トワが出て行った後も風呂好きのリィンはしっかりと湯船につかるのだった。
◇
リィンが入ってくる少し前から、女湯には二人の人影があった。
「はぁ……気持ちいいね♡」
「全くだぜ。セックスの後の風呂って最高だよな」
レックスとトワが女湯の湯船に浸かっている。
レックスはトワの肩を抱いて自分の方に引き寄せており、トワも自分からレックスに寄りかかっていた。
セックスの疲労がお湯に溶けていくようだ。
少し前まではトワの部屋で激しく体を重ねていたのだが、今はまったりとした時間を過ごしている。
しかしトワの身体は行為の激しさを物語っていた。
体中はキスマークだらけで、子宮がみっちりと広げられるほど精液を出されてしまっている。
子宮の位置を撫でるとお湯に浸かっているはずなのに子宮の中の精液の熱さを感じ取ることができた。
今もレックスの精子が子宮で元気に泳いでいるのがわかる。
好きな男に抱かれて一緒に風呂に入る。
自分はこんなに幸せでいいのかと思ってしまう。
「リィンへの取材もトワさんへの取材も無事に終わったし、あとはゆっくりするかぁ」
「わたしへの取材?」
「トワさんの身体がどれだけエロいかしっかり取材したぜ」
「っ♡ も、もう♡ そんな体にしたのはレックス君でしょ♡ ……他の人に教えちゃダメだからね♡ ん――ちゅ♡」
レックスと一度唇を重ねてからもう一度彼の肩に寄りかかる。
「そういえばレックス君のほうこそ疲れてないの? 最近は通信のやり取りだけだったけど、ずいぶんと忙しそうにしてない? この後も泊っていけないみたいだし……」
「本社に戻って取材内容を報告するだけだけどな」
「ごはんとかちゃんと食べてる? さっきも言ったけど、このあとご飯食べに行こうか?」
「うーん、少し眠りたい気分なんだよな」
「わたしの部屋は使えないし……」
トワの部屋でセックスをしていたので、部屋の中はセックスの匂いが充満していた。
換気はしているがベッドはぐちゃぐちゃで使えそうにないのだ。
「トワさんが膝枕してくれたらぐっすり寝られそうなんだけどなぁ」
「そのくらいでいいならいつでもしてあげるよ」
「お、マジで?」
「うん♡ レックス君にならなんでもしてあげるんだからね♡」
トワがレックスの正面に移動して彼に背中を預ける。
レックスが背後から抱きしめると、ゆっくりと手をさげてトワの下腹部を撫でた。
「ん――♡ レックス君のがいっぱいはいってるんだよ♡ ちょっとくるしいけどすごく幸せなんだぁ♡」
「そんなこと言われるともう一回したくなってくるぜ」
「えへへ、それじゃあもう一回だけしよっか♡ ガマンは身体によくないもんね♡」
トワが体の向きを変える。
湯船に入ったまま対面座位でレックスに入れようとした瞬間、男湯に誰かが入ってきた。
「だ、誰か来たみたい――あ♡」
しかしレックスは構わずにトワに挿入しようとしている。
「レックス君♡ 今はダメェ♡」
「なんでもしてくれるんだろ?」
「そ、そうだけど♡ んっ♡ ああああっ♡」
向こう側の誰かは身体を洗い終えたようで湯船に入った音が聞こえる。
「はぁ……今日は少し疲れたな……」
少しだけ声が聞こえたが、その声はリィンのモノだと二人ともすぐにわかった。
そしてレックスがいじわるそうな笑みを見せると、ゆっくりとトワに挿入していく。
「っ♡ ちょ、ちょっとレックス君♡ ダメ――っ♡ ふああ……っ♡」
対面座位で抱き合いながら挿入されて、子宮口をグイグイと押し上げられる。
お湯の中でも肉棒の熱さを感じて、動いてもいないのに感じすぎて声が漏れてしまいそうだった。
「なにかあったのか?」
リィンが声をかけてきてトワの身体がビクンっと震えた。
レックスはそんなことはお構いなしにトワの乳首をしゃぶり始める。
「んっ♡ レックス君♡ ダメだってばぁ♡」
「ほら、返事をしないと怪しまれるぜ」
キスマークだらけのトワの胸を舌で舐めまわしていく。
身体を洗い湯船にも浸かったのでスベスベで温かい肌を自分の色にもう一度染め上げていく。
トワも声を抑えながらやめてもらえないと判断したのか覚悟を決めることにした。
「リィン君?」
「トワ先輩? なにかあったんですか?」
「な、何もないよ――♡ っ♡ ~~~っ♡」
乳首を指で摘ままれて、もう片方は唇で甘噛みされる。
先ほどまでのセックスの余韻がまだ冷めていなかったトワは、イキそうになる身体を抑えるだけで精いっぱいだった。
「会話を続けろよ」
「はぁ♡ はぁ♡ ……ん♡ リ、リィン君ひあっ♡ 今日は取材お疲れ様、んっ♡」
「トワ先輩もお疲れさまでした。レックスはどうしたんですか?」
自分の身体を楽しんでいるなどと言えるはずがない。
まだ取材中だとごまかすのが最善だが、肉棒で膣を蹂躙されているトワは声を出せなくなっていた。
激しく動いているわけではないのに、身体の奥底から小さな快感が込みあがってくるのだ。
それがどんどんと大きくなっていき、気が付けば止められなくなっている。
チャプチャプとした水音と快感を我慢するうめき声が微かに反響するのもトワの羞恥心を煽っていく。
それと同時に大きな絶頂が近づいてくるのも感じる。
レックスの頭を抱きしめると彼の顔が胸に強く押し付けられてなおさら感じてしまった。
トワの小さいながらも柔らかい胸を顔全体で感じて、レックスの肉棒もますます大きさを増していく。
「トワ先輩?」
「んっ♡ レ、レックス君はっ♡ はぁ♡ はぁ♡ まだ取材中――だと思うよ♡」
「そうですか。夜に帰るなら三人で軽く食事でもと思っていたんですが……」
「あ、あとでっ♡ 聞いてみるね♡ んっ♡ あ――はぁぁぁぁぁぁ♡」
子宮口を突き上げられながら強く抱きしめられて、トワが気持ちよさのあまり大きく息を吐く。
「トワ先輩……やっぱり最近疲れがたまっていませんか?」
「~~っ♡ っ♡ はぁ♡ はぁ♡ え? 疲れなんて溜まってないってば」
「そうなんですか? それじゃあ悩みがあったり――」
「へへ、疲れや悩みなんて勘違いなのにな。俺に会えなくて寂しかっただけだって言ってやれよ」
「そ、そんなの言えるわけっ♡ ~~~~~っ♡」
思わず大声を出してしまった。
今のはリィンにも聞かれてしまっただろう。
「ち、違うからねリィン君! 今のはリィン君に言ったんじゃなくて――んむっ♡」
「そ、そうですか……」
唇をふさがれてトワは何も考えられなくなる。
リィンという存在が完全に消え去って、自分を抱きしめているレックスに心を支配されていく。
唾液を交換し合うような舌を絡めあう激しいキスを続けていると、肉棒が一回り大きくなって震え始めた。
「れりゅう♡ ちゅるるうう♡ レックス君♡ んっ♡ ん――おっ♡」
トドメと言わんばかりにレックスがトワのアナルに指を突っ込んできた。
三つの穴を支配されたトワが完全にレックスに身体をゆだねて、彼女自身も絶頂に向けて駆け上がる。
「そろそろ出る……受け止めろよトワ」
「ちゅう♡ れりゅうう♡ らひて♡ レックス君♡ 好きっ♡ 大好き♡ んあっ♡」
――びゅるるるるうううううううううううううううっ!!
「ん――おおおお……っ♡ ちゅう♡ じゅるるううううう♡」
精液の入る隙間のない子宮に無理矢理精液を詰め込まれてトワが絶頂した。
激しく犯されて身体がバラバラになりそうな絶頂ではなく、二人の身体が溶け合うような静かな絶頂。
完全に一つになっているという感覚と呼び捨てにされた喜びがトワにメスの幸福と悦びを与えていく。
なんども舌を絡めあっていた二人の唇がようやく離れる。
「あ――ん……♡ はぁ……♡ こういうのも好きかも♡」
「トワさん?」
もはやリィンの声はトワに届いていない。
もう一度レックスに唇を重ねると、レックスがトワに入れたまま立ち上がった。
「そろそろ出るか」
「ん……もう少しだけ繋がったままがいい♡」
「仕方ねーなぁ」
「んぅ……ちゅっ♡ リィン君、お先に失礼するね」
「え? は、はい……」
リィンに声をかけて二人が繋がったまま外に出るのだった。
◇
1時間ほどしてリィンは風呂から上がった。
心身ともにリフレッシュした状態で外に出ると、ソファにトワが座っているのが見える。
「トワ先輩」
「あ、リィン君……(しーっ)」
トワが口元に指を当てて静かにするように伝えてくるので、リィンは静かにトワに近づいていく。
すると驚くべき光景がそこにはあった。
風呂の廊下の方からは見えなかったのだが、ソファに座っているトワの膝を枕にして、レックスが眠っていたのだ。
「こ、これは……」
「起きちゃうかもしれないから静かにしてね」
「……いったい何があったんですか?」
「わたしがお風呂から上がってすぐにレックス君が来たんだけど眠っちゃったの。疲れてるみたいだから少し寝かせてあげたいなって」
そう言って優しく微笑みながらトワが左手でレックスの頭を撫でる。
レックスの左手にはトワの右手が重ねられていた。
まるで子供を寝かしつける母親のようにも見える光景だった。
トワは教官服を着ているが、風呂上がりのせいか髪を解いた状態で帽子もかぶっていない。
手袋も外しておりいつも履いているタイツはなぜか履いておらず生足を露出させている。
その膝を枕にして眠るレックスはとても気持ちよさそうだ。
「ふふ、先輩としてこのくらいはしてあげないとね♡」
「そ、そうですか……」
トールズの先輩だからと言ってここまでする必要があるのだろうか?
いや、自分も学生の頃にトワに抱きしめられて慰められたことがある。
それに比べれば膝枕くらい……それに自分だって何人かに膝枕をしてもらったことくらい……
あるはずなのに、目の前の膝枕は自分の時とはまるで別ものに思えてしまった。
「ああ、もう。涎が垂れちゃってる……しょうがないんだから♡」
レックスの口から涎が垂れてトワの膝を汚してしまうが、彼女は少しも嫌そうな顔をしないでハンカチでそれを優しく拭き取る。
どこかうっとりした表情で幸せそうにレックスを見つめるトワの首元に、先ほどまでにはなかった虫刺されを発見した。
「トワさん、首のところ虫に刺されてますよ」
「え? もう、またそんなところに……♡」
なぜかトワは嬉しそうだ。
「ぐっすり眠れているようで良かった……本当はわたしのベッドを貸そうと思って綺麗にしたのに、戻ってきたら寝ちゃってるんだから……♡」
(空き部屋にもベッドはあるのにわざわざ自分のベッドを貸そうとしたのか?)
自分のベッドを男性が使っても平気なのだろうか。
だが仮に自分がレックスの立場なら、トワのベッドよりもトワの膝枕のほうがゆっくり眠れる気がする。
後輩にここまでしてあげるなんてトワは本当に優しくて包容力のある女性だ。
心の片隅で本当に後輩に対してここまでする必要はあるのだろうかなどという感情がこみあげてきた。
自分でも醜いと思う感情を無の境地で振り払おうとするが、心にもやもやとしたものが残って消えてくれない。
「……そろそろ起こしたほうがいいんじゃないですか?」
「え? 列車の時間はまだだから大丈夫だよ。本当は帰る前に一緒にご飯でも行こうかと思ってたんだけどね」
そういえば食堂に行くときに食事に行くか寮で食べるかという話をしていた。
自分が食事に誘った時は渋っていたトワだったが、レックスの事は自分から誘っていたので印象に残ってしまったのだ。
「今からでもみんなで行きましょうか?」
「ああ、それなんだけどね。実は――」
「トワさん、準備ができました――兄様?」
突然食堂からエリゼが姿を現した。
「エリゼ!? どうしてここに――」
「兄様、お静かに。レックスさんが起きてしまいます」
「そうだよリィン君。疲れてるんだから休ませてあげないとね」
「す、すみません……」
なぜかエリゼがいたので大声を出してしまったが、エリゼとトワに静かにするように注意される。
二人とも静かに怒っており思わず気圧されてしまうほどだった。
「全く兄様は……私は父様からの手紙を届けに来たんです。こちらをどうぞ」
「あ、ああ……ありがとう」
エリゼから手紙を手渡される。
そういえば以前も父と老師からの手紙をエリゼが届けてくれたことがあった。
わざわざ直接届けてくれるなんて本当に優しい妹だ。
「レックスさんは……起きていませんね。良かったです」
その優しい妹が自分に向けるよりも遥かに優しい微笑みをレックスに向けているので、リィンはなんだかおもしろくなかった。
「エリゼ。俺に手紙を届けに来てくれたのはわかったんだが、食堂で何をしていたんだ? 食事でもとっていたのか?」
「いえ、キッチンをお借りしていました。私が来た時にはレックスさんはすでに眠っていましたので、トワさんから話を聞いてお弁当を作っていたんです」
「弁当を……?」
「……? はい……何かおかしいでしょうか? 兄様の取材でお世話になりましたしせめてものお礼です」
どうしてエリゼが弁当を作るのだと思ったが、そう言う理由ならば納得……納得できるとリィンは自分に言い聞かせる。
「そ、そうか……エリゼは優しいな」
「最初はレックス君を起こして三人でご飯でも行こうかなって話になったんだけど、やっぱりもう少し寝かせてあげたくて……だからエリゼちゃんがお弁当を作ってくれたんだよ。レックス君が起きたらビックリするんじゃないかな」
「お口に合えばいいのですが……」
「きっと大丈夫さ」
三人で食事に行こうという話になった。
自分は風呂に入っていたので数に入っていなくても当たり前なのだが、少し寂しさを感じてしまう。
「エリゼ、せっかくだから今日は泊っていったらどうだ? ユウナ達も喜ぶだろう」
「いえ……レックスさんが心配ですので、付き添って帰ろうと思います」
「………………」
エリゼがレックスと二人きりで帰る。
リィンはどうするべきか悩むまでもなく、そこまでする必要はないだろうという結論に至った。
「流石にそこまでする必要は――」
「兄様」
しかしエリゼからにらまれてまたもやリィンはたじろぐ。
そこまで怒られるようなことを言っただろうか?
「レックスさんは疲れてらっしゃいます。そんな方を放っておくなどシュバルツァー家の女子としてありえません」
「いや、しかし……」
「それにエリゼちゃんも一人で帰るよりもレックス君と一緒のほうが安心だよ」
「そ、そう……ですね」
トワの言葉もあってリィンは何も言えなくなってしまった。
「トワさん、これはレックスさんのニット帽ですよね……ああ、やっぱりまたほつれています。すぐに直しておきますね」
「ありがとうエリゼちゃん。ふふ、レックス君。あと少しだけいい夢見ててね♡」
ずっとレックスと手を握りながら頭を撫でているトワ。
嬉しそうな表情でニット帽のほつれを直していくエリゼ。
二人とも同じ場所にいるリィンには見向きもしないので、することも話すことも無くなってしまう。
リィンは消えないモヤモヤを抱えながら自分の部屋に戻るのだった。