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Added 2025-01-31 15:00:00 +0000 UTC「もう…見ることはないと思っていた顔を見るとはねオリジナル?」
「死から戻ってきての一言目がそれで良いのかしらクローン?」
「あらオリジナルは私よ」
「もうそのやり取りするつもりはないわよ」
「オリジナルはつれないわね」
「つれなくてもかまわないわよ。貴女はさっさと早崎さんに構ってあげなさい。オリジナルは私なのに私に懐かないのだから世の不条理を嘆くしかないわ」
「私の方が可愛いもの」
「あら可愛いのは私よ」
「じゃあ、キスする?」
「しないわよ。曲がりなりにも自分同士で口づけだなんて」
「本当につれないわね」
「人のせいにするの?呆れるわね。それとも私に愛されたいって願望かしら?」
「あり得なくはないわ。でも、貴女の愛は歪んでいるもの」
「まあ、貴女にそう思われるだなんて心外だわ」
「なら、私も愛しなさいよ」
「そうね。でも私が愛するのは彼だけよ」
「なら私じゃなく、彼を生き返らせたらよかったじゃない」
「そうしていたら私が早崎さん殺されるわ」
「そうね。彼女ならやるわね」
「嫌な信頼ね。それとも…」
「もしくは?」
「いえ、なんでもないわ」
「あらそう?」
「そうね私はもう行くわ。まだやらなきゃいけないことがあるもの。早崎さんとよろしくやりなさい」
「あらもう帰っちゃうの?もう少し良いじゃない」
「さようなら私」
「もう行っちゃうのね。あ、でも私はまたすぐ会えるのかしら?」
「さあ?どうなのかしらね?」
「あら、貴女もわからないなんて不思議ね。ならもう少し私といなさいよ」
「もう、鬱陶しいわね。これだからクローンは……」
「私、貴女の綺麗な顔見るの好きよ」
「貴女が私のクローンであることが、今日ほど恨めしい日はないわ」
「失礼ね。せっかく貴女を愛してあげようとしてるのに」
「……私は自分を愛するくらいなら死を選ぶわ」
「なら、私が愛してあげるわ。そして永遠に二人で過ごしましょう?」
「……もう好きになさい。でも私は彼以外愛さないし愛されるつもりもないわ」
「そう……じゃあ…」
「んん!?」
─唇に感じる感触は…そんな筈はなかった。だって彼女は私で私は彼女でそう易々と口づけなんてするわけないと思っていたのに…
そんな彼女=二ノ宮凉子は自らのクローンである二ノ宮凉子にキスされしまっていた。そして心の中でこう告げるのだった。
─嗚呼……私ももう末期ね。
自分と言っても良い存在にキスされ自分の唇なのに柔らかくて気持ち良いと思ってしまった。それにあまりの瑞々しさに吸い続けたくなる依存性すらあった。そして、それはクローンである凉子も同じだったようで……
─もう、これは……仕方ないわね。
「ぷはっ」
「はぁはぁ」
「どう?気持ちよかった?」
「……悪くは無かったわよ」
「なら、またしましょうよ」
「嫌よ。私は貴女とは違うの」
「そう……でも私は貴女よ」
「ええ、だから私は貴女を愛さないし愛されないのよ」
「だから私は貴女を愛するし愛すもの」
「そんなに私のことを愛しているの?」
「ええ。私だもの当然でしょ?」
「なら早崎さんを構ってあげなさいよ」
「それはどうしてかしら?」
「私を殺しにくるじゃないあの子…私に対する殺意、怨みが凄いわよ」
「それが良いんじゃないの」
「酷いわね。なら構ってあげなさいよ」
「嫌よ、私は貴女に構ってたいの」
「だから私オリジナルなのよ?」
「貴女のその蔑む顔が可愛くてついね」
「はぁ……まぁいいわ。また会いましょう私」
「ええ、次は沢山愛してあげるわ、私」
「結構よ。私の唇は私だけの物なの」
そういい立ち去った後……
「……ねぇ?まだいるのよね?」
私は誰かに問うように言い放った。それは私を見つめてくる早崎がまるで幽鬼の様に見えたからかもしれない。だから私は牽制半分で言ったのかもしれないが彼女にはそんなことは気にも留めないようだ。
「気づいていらしたんですね……糞女は」
「……貴女はどうなのかしら?早崎さん」
「えぇ、先生に用があってきたんです……」
─そう、なら……
「まだ先生と呼んでくれるのね?」
「非常舌を噛みきりたくなりますが、剣の師匠は貴女なので……」
「そう……随分嫌われてるわね」
「ええ、お姉様じゃなく先生が死ねばよかったんです」
─なんてことを、いえ彼女は元々そういう子だったわね。
「ごめんなさいね。でも私も譲れなかったのよ」
「知ってましたけど、言うくらいなら譲って欲しかったです……」
─残念、これは彼女の言い分よ。私に落ち度はない筈よ……
「それよりも用件はなにかしら?」
「ええ、お姉様に口付けされましたよね?」
─嗚呼……なるほどね。
「したけど、なにか言いたいことがあるのかしら?」
「ええ、お姉様の唇は私だけの物なので返してください」
─不思議ね……貴女はもう彼女から愛されているというのに。でも、これは彼女の独占欲なのかしら?それとも性癖?
「それは無理な相談ね」
「なら力尽くで……」
─あら怖いわね。
「で私とキス…するの?しないの?」
「貴女は卑怯な人です……早くしてくりゃさい」
─言われなくてもそうするつもりよ。だから覚悟しなさいね?てか噛んだわね。
「あら、彼女に対する態度と随分違うわね」
「何が言いたいんですか?」
「さあね」
─でも、安心して。私はオリジナルだから優しくないの。
そして私は早崎にキスをしたのだった。その瞬間は長く、一瞬のようで永遠にも感じられた。やがて私は早崎の口から自分のそれを離して……
「で、どうだったかしら?」
「最っ低です」
─でしょうね?だって彼女の唇を奪ったのだから……それにお姫様を口付けで目覚めさせた悪者はとても良い人の仮面を被っているかのように微笑んでいたようにも見えたのでしょうね。そしてその逆も然りであり恨めがましいような目で私を見ながらキスされてしまったことに若干の動揺と若干ながらの嫌悪感を混ぜたような表情で彼女は言った。
「気持ち悪いです先生。次の時こそ貴女の命を貰っても?」
「ええ、構わないわよ。ただし期待しないで頂戴」
「……どういうことでしょうか?」
「ほら…横を見なさい」
脳破壊を食らったような表情で彼女達を見る者がいた。
「は、は、は、早崎!?あ、あ、貴女、私のモノに何をしているのよ!」
「お、お、お、お姉様!?ま、待ってください!理由など明白です。唇を奪われたんですよ私は!」
─あの子でも焦ることってあるのね。
「奪われちゃった♡」
「お、お、オリジナル!?私の時はそんな顔してなかったじゃない!」
「え?そうかしら?」
「貴女はお姉様のモノじゃありません!私だけのものです」
「だそうよ?」
─あら、もう立ち直ったのかしら?
「……そう、なら貴女も私の物よ。そして私の唇は私だけの物なの」
「そんな!?お姉様!?」
─やっぱり面白い子ね。この娘は。
「ご安心なさい?貴女のお姉様は私を同じでコレクションとしか思ってないの、ただの飽きるまで遊ばれて捨てられるだけよ」
「でも私にキスしたんです!許しません!変わり」
そして早崎はあっけらかんとした表情で……
─まずいわねこれ。
凉子の唇を奪ったのだった。
「って早崎!何をやってるの!」
「……やはり気持ち悪ぃですね」
「貴女のそれは…言うのね……」
「ええ、恋敵の唇にキスするなんて初めての経験です」
「そう……よかったわね。でも、そろそろ私の唇を返して欲しいのだけど?」
「それは嫌です。お姉様は私だけの物ですから」
「待って、待ちなさい!早崎は私が好きなのでしょ!?」
「お二人共離れてくれないかしら?」
「「オリジナル(先生)は黙ってて!」」
「私は凉子さえいればいいの。アナタ邪魔よ」
「ぐっ!」
「……ふんっ」
二人は歯を食い縛り渋々キスをしたのだった。そのまま時間が経ちようやく離れて私の言ったことは、実に簡単なことだった。それは……
「で、早崎さん?貴女はどうしたいのかしら?」
「私はお姉様が好きです」
「なら、二ノ宮凉子は要らないわね?」
「……はい」
「ちょっと!待ちなさいオリジナル逃がさないわよ!早崎!」
「はい?なんです?お姉様邪魔です」
「オリジナル逃がさないよ!だから早崎邪魔!オリジナルにキス出来ないじゃない!」
「あぁ……もう、うるさいです」
「え?ちょっと早崎?なにして……」
「えい」
─バチン! そして二ノ宮凉子はビンタを食らって気を失ったのだった。そして、その横では早崎が……
「これでお姉様は私の物です。でもお姉様は私だけの物ですから」
「ええ、そうね。で貴女はどうしたいのかしら」
「私はお姉様に愛して貰います」
「それなら勝手にしなさい……私はあまり上手くないから……」
「そうですね。先生は経験豊富ではありませんから」
「……殺すわよ?」
「やれるもんならやってみなさいです」
─そう言って早崎さんはクローンを担いで出て言った…けど貴女起きてるわね!?
何を企んでいるのかしら?まぁ良いわ。
これで落ち着けそうだから。
─そして、私は彼の残した物を全て…処理したのだった。
─そして、私は今……
「何で貴女が私の旅に同行しているのかしらクローン?しかもその格好は何なの?」
「え?これはなんだと思う?」
「知らないわね…」
「知りたいかしら?」
「…なら良いわ」
「え?それだけ?」
「ええ、それだけよ。でも貴女のそれは少し際どすぎるからもう少し控えなさい」
「なら私を受け入れなさいよ」
「早崎さんはどうしたのよ?」
「撒いたわ。もう無理矢理すれば良いって考えてそうで怖かったもの」
「……貴女結構行き当たりばったりなのね……」
「そんなことより、今は夜よ?ふふっ寝てると思うからこっそり忍び込むのよ!」
「……何がしたいのクローン?」
「ふふっわからないかしら?」
─嫌な予感しかしないんだけど……あれだよね!絶対あれよね!でも勘違いだったら恥ずかしいし…
「あらよくわかってるじゃない!そうよ!そのまさかよ」
「やめなさい……素直にカミングアウトしても受け付けられるわけないでしょう」
「お願いよ……」
─くっ、そんな顔したって駄目だから。
「そ、それよりどこまでする気なの?」
「まさか、お子様なの?接吻だけよ?」
─意外だわ。しかも子供相手にみたいな言い方……心外ね。でもキスならまだ良いかしら……
「なら早くしてちょうだい」
「あら、良いのかしら?本当に?」
「ええ」
「そう……」
─え?なんで黙るのかしら……まさか!
「ま、待ちなさい!やっぱりいくとこまでいくつもりよね!?なら駄目よ」
「くすっ、嫌よ♡」
─はぁ〜やられたわ。いや、まだここでしちゃえばいいのよ?キスだけで我慢させれば……
「ねぇ?良いでしょう?」
「くっ、でも駄目よ。それは……」
「なら無理矢理しちゃうわよ?」
「え?」
そして私は押し倒されたのだった……
「ちょっと!離しなさい!」
「嫌よ」
「なんで!?」
「……だって私初めてだもの」
─そして私は孕んだ。
─こうして私達は家族になった。
「貴女いつ生やしたのよ男性器?」
「あら?知らないの?」
「え?何がよ」
「男性器は愛で生やせるのよ。知らなかった?」
「……ええ、初耳ね。とんだ愛ね」
「でも、これで子作りし放題ね♡」
「そうね。でも私はしばらく貴女とはしないわよ」
「なんで!?」
「なんでもよ!」
「なら力尽くで襲うわ」
激しく重なる唇の音がまるで嵐の前の静けさだった……