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RARUΩARIAthird
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乱廻回

僕の住む街は、市街地から歩いて三十分ほどの場所にある。


市の中心とはとてもいえず、かと言って郊外でもない中途半端な街並みだ。


駅からの帰り道、自転車で坂道を立ち漕ぎしていた僕は、道の端に何か黒いものがうずくまっているのを見つけた。


最初はそれが何なのかわからなかった。


アスファルトの上に点々と落ちた白いものは花びらのように見えたのだ。しかしよく見てみると、違った。


近づいてみるとそれはとても艶やかな黒髪だった。長く手入れされた見事な髪で、人形が座り込んでいるのがわかった。


自転車を停めて近づいてみると、その人形はアスファルト上に横になっていた。


僕は思わずそれに触れてしまった。


するとそれは、人の手だった。


それがすぐには人の死体だと認識できなかったのは、その艶めく黒髪のせいだろう。


僕は慌てて引いた手を、制服のズボンに擦り付けて拭うと、人形を見た。


するとにわかに信じがたいことが起きた。その人形は段々と誰かに変化していくのだ。


その少女は僕よりも少し年上に見えた。彼女の瞳は青白く、鼻筋は通っていて、唇は少しふっくらしていた。肌の色は乳白色だった。


その女性はずいぶん長身で、僕より頭一つ2つ分背が高かった。そして顔を見れば、その女性はとても美しく、その美貌は普通の比ではない。


そして彼女は、その長い髪を揺らしながらゆっくりと起き上がった。


僕は呆然としてしばらくそこに立っていたが、彼女はまたバタリと地面に倒れると、そのまま動かなくなった。


僕は怖くなってその場を逃げ去った。





翌日もその女はそこにいた。昨日と同じく髪を垂らしながらアスファルトを蹴りつけながら誰かを見ていた。


「え…怖」





翌日もその女はそこにいた。


昨日と同じく髪を垂らしながら今度は…ビルに張っていた。



「蜘蛛女かよ…」





翌日もその女はそこにいた。昨日と同じく髪を垂らしながら今度は…


「え…」



僕は驚いた。心底だ。それも産まれてこんなに驚いたことはないと自負している。後にもないだろう。

女の視線の先にはその女と全く同じ姿をした女性がいた。


まるでクローンかと見間違うぐらいに、だがその視線の先の女性の方がオリジナルなのだろう。


彼女はきっとオリジナルだろう。


偽者と思われる女の視線が怖く感じたのは恐らく気のせいではない。


本物と思われる女性は同僚の女性と話していた。その横顔は美人で、スラッとしてて、整った顔だった。


本物と思われる女性がビルから視線を下ろし、そして歩き出したその時だ。偽者と思われる女は彼女とすれ違ってまたビルへと戻っていった。


まるでビルの様子を見張るように……



「え……」



翌日も翌々日も女はそこにいた。次の日もその次の日もそこいた。毎日毎日そこにいて同じ姿を見ているのだ。


いやそれはちょっと言い過ぎかもしれない……


そこまでは思い過ごしではないだろうか?


そして次の日


また次の日



また次の次の……と続いていくのだ。



僕は毎日その女を見るのが日課になっていた。


ある日のこと、僕が学校から帰っていると、本物であろう女性とその同僚…二人は何か話しているように見えるが僕には聞こえない。しかしきっとろくでもない事だろうとは想像に難くなかった。


「え……」


いや、待て……どうなってる?


同僚が去った途端にあの偽者であろう女が女性の前に現れたのだ。


本物であろう女性は酷く驚いて狼狽していた。


「え……」


そして偽者は女性をアスファルトに押し倒し、そして……


「え?」


いや、違う!違うぞ!僕は断じて見ていないぞ!いや、しかし……恐ろしいまでの美貌同士の口付けは…何ともあまりの美しさに……つまり僕はというか男子諸君は見方だが見るなといわれてしまえばどうしても見てしまうのはやまやまであろう。仕方ないことなのだと言えよう。ああ仕方がない。ああ誠に優雅極まりない出来事である。全く美の神とはなんて無慈悲なのだろう。


「い、いきなり何をするのよ!」


押し倒されていきなりこう言われれば如何なる美人でも─


「そ、それは私の台詞よ!」


押し倒されながらも同じ同じ顔に口付けされ驚きながらも意外と良くて、戸惑っている図ということになりそうだ……。


「な、なんで私がもう一人いるのよ!」

「そ……それはこっちのセリフよ!あなたこそ誰よ!」

「私は私よ!貴女こそ誰よ!」

「は?何いってるの?頭おかしいんじゃない?」

「そっちこそおかしいわよ!だって私が二人いるのよ?」

「いや、だからそれがおかしいって言っているのよ何なのよ貴女!誰よ!所属を。いや名前を言いなさい!」

「体と顔はともかく頭脳は私の方が優れてそうね……」

「な、なに言ってんの!」


女性の同じ顔同士が不毛で無意味な口論を繰り広げる。これに心が躍る男子諸君も多いだろう……。


しかしこれは一体どういう状況なんだ?


二人のグロスでテラテラした唇は今にも口付けたそうにしているが、そんなことはどうでもよかった。


「な、なんで私と同じ顔の人がもう一人いるのよ!」

「な、何よ!私が二人もいてたまるもんですか!」


チュッという瑞々しい唇同士の触れ合ったリップ音が響く。


「な、な、何よ!また。き、キスしてきて!」

「き、気持ち悪い真似をしないで!な、何が目的なのよ!?」


チュッ。チュッチュッチュゥ……


「…ちょ!?…ちょっと何してるのかしら貴女は!」

「あ、あ、貴女こそ!何なのよ!は、離しなさいよ!」


二人は互いに、箍が外れたように口付けする。その様は妖艶すぎておかしくなりそうになるあまりにも瑞々しそうで柔らかそうな唇は艶やかにぶつかり合う。


二人の肌は、何とも神秘的で妖艶なものだ。胸も大きく、腰もくびれており、お尻のラインも最高だ。体つきは二人ともモデルのように美しいが、その体つきは瓜二つで全く区別がつかない。

白魚のように細い指先が絡み合う。

その二人の美女の唇と唇が重なり合い、そして絡みつくように……


「や、やめてよ!」

「な、何するのよ!私の綺麗な髪に貴女の髪なんか絡ませないでよ!」

「それは私の台詞よ!」


チュッチュルチュルル、じゅっ……。


二人の美女はお互いに黒髪をまるで取っ組み合いをするように引っ張り合い絡み合わせていた。それによって必然的に口と口も触れ合うのだが……それを許す訳にいかないのだろう二人はともすればぶちゅっと肌がめり込む音が聞こえるような様子で互いにぶつけ合っている。


しかしそれは決して喧嘩や暴力ではない。


その二人の美女は、互いの唇を吸い合うように重ね合わせる。


チュッパ、グチュゥッチュルルル……ちゅッチュッパ、チュウッジュパッ……ズルルズロロジュパッ。


「な!何をするの!」

「ひゃぅぅうう!!」


いきなり攻撃されれば油断したその美女はあっさりと拘束を許してしまいそしてそのまま押し倒される。そしてもう一人の美女が馬乗りになる。


「や、やめなさいよ!」

「お、お返しよ!もう滅茶苦茶にしてやるわ!」


グチュッ……ウュチュッチュッジュルルルル!ブチュ、ヌズ、チュパッロジュル!!ペロペロレロレロォ……くっちゃペロベロヌルル、ングチュウ!!ングニュ……ムクムク……ムリュン!



「や、やめてよ!」

「な、何よ!貴女が先にしたんじゃない!」

「そ、そっちこそ!あ、貴女が先じゃない」


二人の美女は強く抱き合いながら、唇を吸い合う。


「はあはぁ」

「ひぁん!」


舌が絡まり合い、唇が触れ合う度に悩ましい吐息を漏らす二人。お互いに相手の弱点は既にわかりきっていた。


「ひゃう!!」

「やっう何するのよ!」


それは潮を噴いたということだろう。吹くと言うことはつまり……そういうことだ。二人はその行為に顔を真っ赤に染めるが、それでも唇の重なりを止めることはない。


「や、やめてよ!」

「な、何するの!」

「ひゃん!!」


その美女はもう一人の美女に股間を触られ思わず声を漏らすが、その美女は彼女の股間を触り返す。そして……


「ひぁ」

「あぅ」


二人の美女はお互いに唇を離し、そして見つめ合うとまた口付けし合う。それはまるで鏡写しのような光景で……


「こ、ここまで同じなんて…もう最悪」

「しょ、所詮この世は相似の世界なのよ」

「この変態女……」

「……貴女に……い、いわれたくないわ……」


そこで二人は少し落ち着こうとしたのか見つめ合い離れると自分の髪に巻かれた相手の髪を解いた。そして相手の頭に巻きつけ合う。その様はまさに鏡写しだ。


「「ど変態!…な、それは貴女でしょ!?……酷い!だってそっちが私の髪を、か、髪を触り続けるから!!」」


二人は罵り会う度に相手の髪を引っ張り合い苦しそうな表情を浮かべる。その感触もまた気持ち良かったのかとても苦しそうだ。二人の美女の艶髪が絡まる様は淫らでとても美しい光景だっただろう。


「この大嘘つき!」

「私が大嘘つきですって?それはこっちの台詞よ!」


二人はそう罵りあうと同時に自分と同じ顔に勢いよく唇をぶつける。二人の唇は本人同様艶やかに潤んでいて美しいが、その顔は鬼のように憎悪に歪んでいた。そしてそのまま二人はまた唇を奪い合うと、その唇を強く押し当てる。


「ん……んん」

「う……んん……」


二人の美女の唇が合わさり、そして絡み合うように重なる。

「ん!んん!」

「あぅ!や、やめ」


二人の美女は唇と唇を合わせながら相手の体を弄り合う。その指使いは繊細かつ巧みで、その技術はまさに神業だった。


「ん、んん」

「や、やめ……てよ!」


二人の美女の指使いは相手への愛撫に留まらず、自分の乳房を揉みしだき、そして相手の胸を揉む。その行為がより二人の美女の興奮を高めて行った。そして……。


「……な!な、何してるのよ!」

「そ、そっちこそ何するのよ!」


二人は唇を離したかと思うと、そのままお互いの股間を触り合う。そしてそのまま相手の股間に自分の指を入れていく。


「や、やめなさいよ!な、なんてことを!」

「そっちこそ!な、何するのよ!」


二人はその行為がとても気持ち良かったのか、思わず腰を動かしてしまう。


「あ……あ……」

「う……んん」


二人は相手の指使いに思わず声を漏らしてしまうがそれでもその指は止まらない。それどころかより激しく動き始めるのだ。そして二人の美女は先ほどのキスで甘く蕩けるような心地になっていた。それを長い時間ほったらかしにされるとまたより我慢ができなくなるというものだ。


「あ、ああぅうぁ!」

「ひ、ひぃう!!」


二人の表情は情欲に満ちてどんどん興奮し熱く火照っていくのがわかるだろう。そんな鏡に映った自分を見つめるだけでもうどうにかなってしまいそうだ!その姿は艶かしいとも扇情的だとかそんな評価を下せるようなものではなかった。その行為の淫らさたるや筆舌に尽くし難いもの!! そしてついに……


「あ!あ!ああ!!」

「あ、ああん!んん」


二人の美しい女体は同時にブルッと跳ね、その体が痙攣したかと思うとそのまま二人は抱き合うように崩れ落ちた。そして……


「「はぁはぁ……」」と息を荒らげながら見つめ合う二人。しかしまだ終わりではなかったのだ。


「……な!」「な!?」


二人はまたも唇を奪い合い、そしてその体を弄りあった。絶対に負けられない相手への……美女同士の愛の育み合いはより激しいものへと変わっていく。



そして・・・


「だめぇえ!!」

「ひぃいんん!?」


その二人は再び唇を重ねあったまま体を小刻みに跳ねさせたかと思うとそのまま二人同時に果ててしまった。そしてまたも唇を離したかと思うとすぐに舌を伸ばして相手の舌と絡ませ合う。そしてまたもその両手を互いの股間にのばすのだ。


「「んん!んん!」」


二人の美女のその行為はまさに獣のようだった。いや、獣以下かもしれない。しかしそんな姿もとても美しいものだった。


そして二人はそのまま何度も達し、やがて力尽きてそのまま眠りについたのだった……。






翌日、僕は学校から帰ると、昨日と同じ場所に彼女はいた。


「……な、何よ……」


彼女は僕を見るなりそう呟くように言って顔を背けた。

「あ……いや、別に」


「な、何よ!何か言いたいことでもあるの!?」


彼女は僕から視線を外したままそう叫んだ。


僕はそんな彼女の態度に少しムッとしながらも、しかし彼女の美しさに見惚れていた。


「な、何よ!人の顔をジロジロと見て!」


「い、いや……その……」


僕は思わず言葉に詰まるが、しかしここで黙っていてはまた昨日のようになってしまうと思い勇気を振り絞ったが……


「な、何よ!」


「あ、あの……」と僕はそこでまたも言葉に詰まる。


しかしここで…「なにいってるか聞こえないわよ!!」彼女はそう言って僕を怒鳴りつけた。


「え……あ、はい。すみましぇぇぇぇぇぇ!!るべぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


僕は咄嗟に謝ってしまう。しかしここは堪えるところだろうと少し後悔する。


「な、何よ!大きい声を出して!」と彼女はまた怒り出すが僕は一応また「ごめんなさい」と言うしかなかった。


そうしてそれからしばらく沈黙が流れた後、またしても彼女が口を開く。


「ふん!気持ち悪いからさっさとどこかに行ってよ!」


その言い方に少しカチンと来たが、しかしそれは自分自身でも思うのではなかった。しかしここは我慢しなくてはいけないだろうと思い僕は必死に怒りを押さえ込んでいた。


すると、また彼女は言ってきた「何よ!」


そして僕はまた「おちんこ!」と謝ってしまうのだった……。


「何よ、あれ気持ち悪」


その翌日も、そのまた翌日も同じ事が続いた。


「な!なによ!ジロジロ見て!!」


彼女は僕を見るなりそう言って顔を背けた。


「あ……いや……」

「な、何なのよ!何か言いたいことでもあるの!?」


彼女はそう叫んだが、彼女はどっちなのだろうか本物か偽者か……。



たがそう確かめる間もなく彼女の前にもう一人の女性と何時の間にか現れた美女、合計二人の美女は顔を近づけ……そしてキスする。


「何よ!また来たの!?」


彼女は突然現れた彼女に驚きつつも言い争いを始めた。そして、すぐまた両者は接吻を始める。しかも舌を出してお互いの舌を吸い合う濃厚なキスだ……。


「なんなのよ!!」

「は?それはこっちの台詞よ!!」


などという怒りを吐きながらもそれを続ける二人の美女、そしてそこには性欲しかない変態しかいなかった。


僕は内心興奮しながらも隠れているしかできなかった。いや……


「な!何よ!」

「な、なによ!」


二人はまたも同時に同じ言葉を発しながらお互いを睨む。だけどそれには以前と違う気がした憎しみに愛が混ざった……そう感じた。


そして……「はぁはぁ」という声とともに二人は舌を抜き、僕の方に向いてきた。


どうやら同一人物同士だからか同じ興奮を感じていたようでそろそろ達してしまったらしい。それも同じようなタイミングで同じ具合にだ! 二人は同時に近づいてきて……そしてお互いを睨み合うと「な、何よ!」「あ、貴女こそ何なのよ!!」と言いながら近づいていくのだがそれを僕が見ていることに気付くとまた二人は僕に矛先を向けてきたのだった。


「「ねぇ!ちょっとどっちが良い匂いか匂いなさいよ!」」


二人共に髪を僕に擦り付けてくる。


「な、な、そっちも何するのよ!」

「は?それはこっちのセリフよ!」


二人はそう怒鳴りあいながらも僕から離れない。そしてそのまま僕の体に自分の体を擦り付けて来るのだ。


「ちょ!ちょっと!!」


「な、何よ!文句あるの?」

「そうよ!文句があるなら言いなさいよ!!」


二人はそう言うとまたも睨み合うが……


「何か……その……」と僕はそこで口ごもってしまう、二人共に髪の感触はあまりにもサラサラで艶やかなのだ。その髪質はまるで超高級なシルクのようであり、そして肌触りもとても良い。


シャンプーも普通じゃないのかあまりにも良い匂い過ぎて、正直匂いを嗅ぐたびにクラクラとしてしまうほどだ。


「なによ!何かあるなら言いなさいよ」

「そうよ!何かあるならはっきりいいなさい!」と二人は同時に言った。


僕はそこでまたも謝まってしまう……のだがそれも仕方ないだろう?こんな美女二人の柔肌に体が挟まれて正気を保っていられる男なんて居ないだろう?しかもその体の胸の大きさは二人ともとても均整で尚かつ大きいのでふかふかふわふわのマシュマロのようで気持ち良いのだ。


「な、何よ!何か言いなさいよ!!」

「そうよ!!何かあるなら言いなさいよ!!」


二人はそう言うとまた睨み合い、そして同時に僕の手を掴んできた。

「ちょ!ちょっと」と僕は思わず言ってしまうが二人はそんな僕を無視して引っ張り出す。



「あ、あの……」と僕は言うが……


しかしそこで二人の美女は僕に顔を近付けてきた。それもまた良い匂いがするのだ。それに加え唇からも良い匂いがしてそれに混ざり息まで甘やかな香りで僕に襲いかかってくる。


「な、何よ!」「あ、貴女こそ!」


そしてまたも二人は睨み合うが……しかし今度はすぐに僕の方に向き直る二人。そしてそのまま二人は同時に僕の体に手を這わせてきたのだ。その感触はあまりにも滑らかであり、そして柔らかく心地良かった……。そのあまりの快感に思わず声が出てしまうほどだ!


「ちょ!な!何を!!」と僕は慌ててしまうのだがそんな僕を二人は無視してそのまま僕に髪を触らせてくれるのだ!これにはたまらず興奮してしまうのだが……


「はぁはぁ、ほら早く言いなさいよ」と彼女はそう言って僕はそのまま押し倒されてしまう。その美しい肢体を躍動させて僕に迫りながら彼女の体の温もりを感じながら頬を紅くして鼻息荒く迫って来るその姿を見て僕は思わず見とれてしまうがしかしこれは危険だと思い離れようとするものの腕を掴まれてしまいそのまま息の匂いを嗅がせられる。それだけで理性が蕩けそうになる程の良い匂いで僕はそのまま……


「な、何よ!」と彼女もそう言って僕の体の上にのしかかるようにして来て、その豊満な胸を顔に押し付けてくる。その柔らかい感触が顔全体に広がり僕はまた興奮してしまうがしかしこれはさすがにまずいと僕は思い離れようとするものの腕を掴まれてまたも……


「ちょ!何よ!」「な!貴女こそ!」と二人はまた言い争いを始めてしまう。


そしてそのまま僕の体の上に馬乗りになって来たかと思うと、そのまま僕の顔や体に自分の胸を押し付けてきたのだ!その柔らかい感触はまさに至福のひと時であり、地獄であり天国のようでもあったのだ。


「ちょ!貴女までやめなさいよ!」と彼女も自分の髪を僕の体に擦り付けながらそう叫びだす。


「はぁ?そう言うあんたこそやめなさいよ!」と彼女はそう言ってさらに強く押し付けてくる。


そのせいで僕の体はどんどん彼女の胸に埋もれて行き、その柔らかさに興奮が抑えられなくなってしまう。



「「やっぱり男は駄目ね」」



そして二人は僕から離れ、そして睨み合う。


「どっちが本物かお互いで決めるしかないわね」と彼女はそう言い出すと、それに彼女も賛成した。


「そうね、どちらが上なのか、それを見極めるのも悪くないわね」


二人はそう言い合うと、その輝く瞳はまるで宝石のようでとても美しく神々しかったが……しかしそれは同時に恐怖も感じさせた。そして二人は同時にお互いの唇に吸いついた激しい音を立てて下品に同じ唇を吸い合う。お互いの体を弄りあい、その色っぽい音はますます大きくなり二人共段々息を荒くし恍惚とした表情を浮かべはじめる。


そしてついには二人共グッタリとして息も絶え絶えになってしまうほどだ!そんな様子すら見とれてしまいそうになる……


「はぁはぁ」と二人はまだ唇を合わせたままだ、そんな様子すらどこか色気を感じる。


ただひたすらに自分の唇を吸い自分の舌を舐める美女達。それは一種の生き物に見えるほどに激しく求め合っているようだった。


「「んっ、ん、はぁ!!」」


ようやく彼女達は唇を離すことができた……がその頃には二人はもう目の焦点すら定まらなくなるほどでその表情は淫猥だった。


「はぁはぁ..」と二人とも息が荒く、まともに言葉を発することすらできないようだ。


しかしそれでもお互いを見据えるその瞳には闘志が宿っていた。

唾液に交じり何か白い物を奪い合い、そして舐め回しているようだ。それはまるで軟体動物同士の絡み合いにしか見えない。そんな妖しげな視線を交わしていた……その時だった!


「だ、だめ……」


誰かがふとそんな事を言ったのだ。


「え?」


「な!」

二人は同時にそう反応して、その声の主を探す。

しかし、そこには誰もいなかった……いや、いた。それは僕だった!僕は二人のあまりの妖艶さについ声を出してしまったらしい。


だけど二人はそれすらも気付かないらしく、また睨み合った。


「ふふ……本当…相性いいわね私達」と彼女はフフフッと笑いながら言った。しかしその表情はとても邪悪に見えた。


一方彼女も、ふふ……と笑った。


「まぁそれであの貴女が偽者と認めるならそれが一番良いかもね……でも相性よすぎて駄目ね。寧ろ憎いわ貴女が。だからいつか貴女を消し去って私が残るの」


彼女は笑顔で彼女に話す。彼女と同じ位美しい笑顔を浮かべて。それに彼女も笑うのだ。僕から見たそれは笑顔なんだけどあまりにも対照的で異様にさえ思えるものとなっていた。


「本当..笑っちゃうよだってそれは実力なんて言えるのかしら……本命なんて守れるわけないじゃない!」


そう言いながら彼女は勢いよく彼女の舌に吸い付いた。それは本当に噛みつくような荒々しさであり彼女は痛みに耐えきれず大きな声で「痛い!!」と叫びそれを見ていた彼女も驚いて声を失ったがすぐにニヤリと笑った。


そして今度は同じように彼女に対抗したのだ。優しくいやらしい舌を絡めて……そのくすぐったさと不快さで強く抓りあってそれで必死に相手の口を塞ごうとしているようだった。


「はぁはぁ」と二人は息を荒げながらもお互いを離そうとはしない。


本当にこの二つの存在が同じだという事に僕は呆然とするしかない。何故ここまで自分の事で二人は戦っているのかそれが分からないからだ。そんな僕を目の前の美しい女性が嘲っていることも全て現実だって言うのも自覚する必要さえない様なものに対して深く考えるなんて変だろう。


何か気持ち悪いのが二人の美女の口と口を行き戻りする。濡れた唇、そこから口を大きく開き自らの舌で相手の舌を犯す様が揺れると同時に彼女の目には憎悪に満ち殺意を感じるものと相手に恐悦するように舌を絡める顔をしたのだ。


「何なのよ!もう一度してあげても良いのよ!」「な!」


彼女は激しい目で睨みつけてやるが彼女も負けじと返すだけだ。それだけを見ようにもさまざまな所を見てしまう僕には良く考えて状況が整理でできるほどの頭はないのだ。


「今ならばまだ間に合うわよ偽者と認めたならば…でも認めた場合絶対に偽物だと言う確証もないことも理由の一つ、だから今まで以上に本物の確認をしましょう」


と彼女は最後にそう言ってトドメと言わんばかりに二人はお互いの口にしゃぶりついた。それはもう唾を吸っているレベルではなくもはや息を取り合っているとか繋がり合いたいようないやそれより淫乱なのじゃないのか……


いやというかまてば……


同じ量の唾液が混ざりあっていく。いや、僕のことなんてもう眼中にないのだろう彼女達はもう、そう言った意味で深い絆のようなものがあったという事なのだ。


と僕は何を自分は冷静なのかも知れないけどそう思ってこのあまりにも淫媚で最早超能力も入り混じりとするその姿を見つめながらどうすればいいのか一瞬忘れてしまったかもしれない。それでもお互いに飲み込むため鼻呼吸が激しくなっていく彼女ら。偶にくしゃみしそうにもなるのだがどうにか抑えつつもその激しい口の動きは更に激しさを増す。


「ふふ…もう限界なの?散々私にところ構わずキスしてたのに」

「はぁはぁ……そっちこそでしょ?」


最後のぶつかり合いはどちらも譲らなかった。お互い意地と見栄の塊の戦いでもあり、死闘ことはこういうことを表すのではないかそう思わずにはいられない位の食らいつきだった。


互いに吸い取らんとするように……くちゅくちゃと流れ始めるお互いの唾液を構わず吸い上げながらさらに決して窒息死させるかの如くその口の動きも激しさを増す。


それはまさに地獄絵図であり僕はただそれを見ている事しかできないのだ。グロスすら微塵に掠れた彼女達が更にその中で潤滑油を作ってしまい、密着するその姿は絡み合う蔦のようでもあって僕にはあの美しさしか分からないだろう。


僕はどれだけ見とれたのかむしろこの二人は別に知り合いでもなんでもないのだ。それなのに何故ここまでの……いや、それは僕がただ単に彼女達のその魅力にやられただけか。


そして彼女達はまたも限界を迎えたのか「ん!」と声を漏らしながら同時に口を離したのだ。


しかしそれでもまだ舌同士は繋がったままでお互いを離そうとはしないのだ。それは唾液や舌とは思えない長さなのだ……多分それをありったけ全部吸い上げてしまったのだろう僕の記憶には彼女らの舌は蛇のように長く見えた。


「はぁはぁ」「はぁはぁ…ん」


二人はそのまま倒れ込んでしまい、そしてそのまま睨み合う。


「ふふ、今だから言うけど貴女の目的はもうとっくの前に分かっていたのよ。でも私は敢えて言わなかったのは貴女を油断させる為よ。」

「そう、ならささっと言えばよかったのに物好きな女ね。愛してるわよ憎くて憎くてもね……本当に厄介な人よ。」


またも激しい視線で二人は睨むものの何かその柔らかな雰囲気も感じたような気がしたのだ。それでも目の前にいる二人が同じ顔の他人だとは全く思えなかった、あんなに絡みあったとしても普通に接しられるのが本当凄いとさえ僕は思っちまう位にだがこの状況に何かあるのかと言われれば何もないとしか言いようがない。


「ふふ、もうそろそろ終わりにしてあげるわ。でも最後にこれだけは言っておくけど私は貴女を絶対に許さないから」

「私もよ、貴女だけは許さないわ」


すると一瞬 しんとした空間となり「さ、もう終わりね……おやすみ」と彼女は良い。


その瞬間その刹那…それはあまりにも衝撃で、それの発生の瞬間だ! 突如片方の彼女の体が不自然にも急に老人に変化したのだ。その不自然な現象に僕がついつい目を瞑ったというトンでも行動をしている時だった。もう片方も段々と始め見たあの人形に戻り、そして僕は目を覚ました。



そこは僕の家だった、どうやら夢を見ていたようだ。しかし、あの夢は妙にリアルで生々し過ぎる。それにあの美女達の絡み合う姿は本当に……




「って!何考えてるんだ僕は!!」と僕は思わずそう叫ぶ、そしてそのまま僕は布団に潜り込んだ。




しかし……あの夢は一体なんだったのだろうか……










しおりを挟む。










翌日、僕は駅からの帰り道、自転車で坂道を立ち漕ぎしていた僕は、道の端に何か黒いものがうずくまっているのを見つけた。


最初はそれが何なのかわからなかった。


あれ?何か…見覚えが…。


アスファルトの上に点々と落ちた白いものは花びらのように見えたのだ。しかしよく見てみると、違った。


近づいてみるとそれはとてもこの世のものとは思えないぐらい艶やかな黒髪だった。長く長く手入れされた見事な髪で、人形が座り込んでいるのがわかった。


自転車を停めて近づいてみると、その人形はアスファルト上に横になっていた。


僕は思わずそれに触れてしまった。


するとそれは、人の手だった。


それがすぐには人の死体だと認識できなかったのは、その艶めく黒髪のせいだろう。


僕は慌てて引いた手を、制服のズボンに擦り付けて拭うと、人形を見た。



─クスス



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