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RARUΩARIAthird
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同一CP2024投稿作品先行公開


「あと三ヶ月でクリスマスなのに彼氏いないのマジつらい」


「わかる。私もこの前別れたから」


図書室なのにこんな会話までされる始末。


艶やかな黒髪で目隠れする物静かな少女が溜め息をつく。


(静かにしてほしいな)


人と話すのも目を合わせるのも苦手な彼女はこっそり席を立ち、図書室を後にする。

放課後の廊下は生徒でごった返していた。

その中を彼女は一人歩く。

すると、前から男子生徒が歩いてきて彼女の肩にぶつかった。

彼女はよろめき、何かを溢した。男子生徒は謝るどころか舌打ちしてそのまま歩き去った。


「……だ、大丈夫ですか?」


「う、うん……ありがとうございます」


隣にいた女子生徒に心配され、物静かな少女は小さく頷いた。


「な、なら良いのですが…」


「うん……でも大丈夫です」


「そ、そう言えば聞きました?」


「い、いえ……何をですか?」


「なんか最近、また現れたらしいんです」


「また?それって……」


「噂のやってもです!本当かどうかは知りませんが……」


「そうなんですね」


「え、ええ……あくまで噂ですけど、貴女のようなおとなしい少女に化けるとか」


「あ、あはは……いやですね」


「で、ですよね!まったく失礼な噂ですよね!」


「え?どうかしました?」


「……い、いえ……なんでも」


女子生徒の様子に気づかず彼女は覗き込む。すると…


「そ、そうだ!貴女も気を付けてくださいね。まあ貴女なら心配ないと思いますが…私なら…」


そう言って女子生徒は去っていった。




─ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ




そして翌日も彼女は図書室にいた。


だけどいつもは数十人いるはずだが誰もいない。


まるで閑古鳥が鳴くようだった。


その時、図書室のドアが開く音がしたので物静かな少女は顔をあげた。


「あれ?いないのかな」


あの女子生徒が入ってきた。


「お、おかしいな……確かここだって……あ」


そして物静かな少女を見つけると駆け寄ってきた。


「ここにいたんですね」


「あ、はい……すみません、いつも騒がしいから苦手で」


「いえいえ!気持ちはわかります。私も苦手だから」


そう言って女子生徒は彼女と同じ席に座る。


「あの……」


物静かな少女は気になっていたことを彼女に尋ねた。


「何ですか?」


「なんで……私に構うんですか?」


すると彼女は目を丸くさせた。


「え?私、貴女と友達になりたいからですけど」


「え?わ、私とですか?」


「はい!あ、でも迷惑ならやめます」


「い、いえ!迷惑じゃないです!」


「良かったです!じゃあ友達になってください!」


「……はい」


「や、やった!嬉しいです!ありがとうございます!」



それが物静かな少女と彼女との出会いだった。


あれから三ヶ月後、彼女と友達になってから学校生活は楽しくなった。


放課後になると彼女のいる図書室に通うのが日課になった。


今日も二人してカウンターの前で並んでいる。冬の真っ最中。


「そう言えば、後、数日でクリスマスですね」


「そうですね」


「貴女はクリスマス、誰かと予定あるんですか?」


「いえ、特には……」


「そうなんだ。良かった」


彼女は微笑んだ。前髪に隠されているけどきっと可愛いんだろうなと彼女は思った。


そして物静かな少女は気になっていたことを彼女に尋ねる。


「そう言えば……名前、こんなにも、ずっといるのに聞いてませんでしたね」


「あ、そうでしたね。私は小鳥遊紡です」


「紡さん……可愛らしい名前ですね…え?」


「そ、そうですよね?小鳥遊紡さん」


「え?…あ…お、同じ名前何ですね」


「そうみたいですね……ふふっ。これも何かの縁かもしれませんね」


目の前の女性は笑っていたかも知れないが彼女はなぜかモヤモヤしていた。


あまり気にはしていなかったが眼前の女性は自らにそっくり過ぎる双子と言われれば信じてしまうほど似ていた。しかし彼女はそれ以上は考えなかった。


「クリスマス、一緒に過ごしませんか?」


「……え?わ、私なんかとですか?」


「はい!貴女と!」


「で、でも……私なんかで良いんですか?他にもっといるんじゃ……」


すると目の前の女性は頬を膨らませた。


「わ、私は貴女がいいんです。それに……私は貴女じゃないと嫌です」


「……あ」


この気持ちはなんだろうと彼女は自問自答する。


「……わ、私も……紡さんと過ごしたいです」


「本当ですか!?やった!嬉しいです!」


彼女の目の前で静かに微笑んでいるであろう目の前の女性。


そんな顔を妄想しては彼女はなぜか頬が熱くなった。サラリと濡れ羽色の黒髪を濡れ羽色の黒髪に撫でさせながら直ぐ真横に彼女はいる。頬が柔らかくて変な気分にさせられる。


「じゃあ決まりですね!楽しみです!」


「はい」


「あ、そろそろ下校時刻ですね……帰りましょうか」


二人は図書室を後にした。そして紡は自宅に戻ると入浴した。


(紡さんと一緒にクリスマスを過ごすなんて……私なんかで良いのかな)


しかし胸は高鳴っていた。こんな気持ち初めてだ。だけどその気持ちの正体はわからなかった。ただ彼女のことを考えるだけで何だか胸のあたりが暖かくなる感じがしたのだ。


入浴を済ませるとベッドに横になった。


そして彼女は夢を見た。


それは不思議な夢だった。


自分はベッドに横になっていて、何故か裸でいる。それに彼女は気づいた。

しかし恥ずかしさは全くなく、むしろ心地良ささえあった。


「ん……」


すると誰かが自分の上に覆い被さっているのに気づいたのだ。

その誰かは彼女の両手首を掴み、ベッドに押し付けている。


「だ……れ?」


そう呟くが返事はない。ただ荒い息遣いだけが聞こえてくるだけだ。


(熱い……でも……)


彼女は抵抗しなかった。いや、できなかったのだ。

何故ならその誰かが自分の唇を奪っているからだ。


(あ……きす……されてる)


そして彼女の唇を塞いでいた誰かは舌を入れてきた。


「んっ!んむ……」


しかし不思議と嫌ではない。むしろもっとしてほしいと思うくらいだ。

すると誰かの舌は歯茎をなぞり始めた。まるで何かを探しているように。


(な、なに?)


やがて彼女の舌に誰かの舌が絡みつくとそのまま口内を舐め回してきた。


「んっ!ん~!」


(あっ……やっ、だめぇ……)


そして何者かは彼女の口内に溜まった唾液を吸い出すように激しく吸った。


「うむっ!んんっ!」


(すわれちゃ……だめなのにぃ~)


やがて何者かが唇を離すと彼女は舌を出したままハァハァと息切れしていた。

そんな彼女に覆い被さっている何者かの顔を見ようとした所で目が覚めた。


「ゆ、夢?」


しかし顔はわからなかった。何故なら顔が黒塗りにされていたからだ。


だけど不思議と嫌だと思わなかったのだ。


「な、何なんだろう?今の夢」


彼女は不思議に思いながらも学校に行く支度をした。





そしていつものように学校へと登校し、何時もと同じ日々を過ごす。


そしてどうしてか他人とは思えない同姓同名の紡と図書室で過ごす。紡と過ごす日々が楽しかった。


「私…不思議な夢見たんです。誰かの上に覆い被さり誰かの唇を奪っている夢」


「え?そ、そうなんですね……?」


紡は驚いた。まさか自分と同じ夢を彼女が見るなんて。


(もしかして……いや…そんな…所詮夢は夢)


「私も似たような夢を見ました」


「そうなんですか?」


「はい……でもその誰かはわかりませんでした」


「紡さん?」


紡は紡の様子が気になったのか顔を覗き込んだ。


「あ、いえ!なんでもないですよ!」


慌てて取り繕うと彼女は話題を逸らす。


それを不思議そうな眼差しで紡は見つめていた。


そして二人は下校時刻になったので図書室を後にし、自宅に戻った。


「ただいま」


彼女は帰宅すると自室のベッドに横になった。


(あの夢はなんだったんだろう?)


しかし考えてもわからない。


ただ、あの夢は妙に現実味を帯びていて……まるで本当に体験したような気分だった。


(もしかして私……紡さんとキスしたいのかな?)


そう考えただけで胸が高鳴る。そして体が熱くなってきた。


(でも……そんなことできない)


その時、彼女の脳裏にあの夢に出て来た黒塗りの人物の顔が思い浮かんだ。


(む、無理!私なんかじゃ)


でもと紡は考える。

貴女だからしたんじゃないですか?そんな声が彼女の中から聞こえてきたのだ。

まるで悪魔の囁きのようだった。


(た、確かに……夢だったら誰も邪魔しないもんね?でも一度で良いから…紡さんのお顔見たいな)


でも紡と同じく艶やかな前髪に隠された彼女の顔は姿は見えない。


(見たかったなぁ。どんなお顔をされていたのでしょう?紡さん?)


その日の夜、彼女は夢の中でまたあの黒塗りの人物に覆い被されていた。そして相手は躊躇うことなく彼女の唇にキスをしてきた。


「んっ♡」


今度は口内を貪るようなキスだ。舌を絡め合い何度も角度を変えてくるキスは終わらない。もうどれくらいこれが続いてるだろうか?あれから何回も唇を重ね合い唇を重ねれば重ね合わせるほど、二人はもつれあい互いの体が絡み合うようになった。


「ん……もう♡」


彼女の口から甘い吐息が漏れた時だ。


黒塗りの人物はやっと唇を離したと思った瞬間、今度は首筋を舐め始めたのだ。


「ひゃあ♡」


それに敏感に反応してしまう彼女。しかもくすぐるどころか首を舐めただけでこうも反応してしまうのだ。


(だ、だめ!気持ちいい!)


そんな心の声が伝わるはずもない黒塗りの人物は何かを探しながらも激しく唇を塞ぎ舌を絡ませてくる。


「んっ♡んん~!」


そして今度はセーラー服の上から胸を触れてきた。それもソフトなタッチではなく強い力で握られている。なのに痛いとは感じず強い快感を彼女に与えている。


「あっ!っやああん!」


彼女は思わず淫らな声を上げてしまったがそんな事を気にしてはいられないほど彼女の頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。


気づけばまた夢は良いところで終わってしまった。

彼女は朝、目覚めると「またあの夢」と呟き胸に手を置いた。


「な、なんで……私……」


しかし彼女の体は熱を帯びていたのだった。そして彼女は思ったのだ。


(私……紡さんなら良いんだ)


それからの彼女の行動は早かった。


学校に行く支度をし、朝食を済ませると家を出た。

向かう先は自然と足は何処かへと向いていた。

知らない場所だ。


だけど知っているような気もする。そんな曖昧さを感じながら彼女は迷いなく進んで行く。


そしてある家の前に来る。表札を見ると小鳥遊と書かれている。


「ここは…あれ…私の家?」


自分の家から出たのについたのは自分の家だけど何故か自分の家じゃない感覚だ。


するとすぐ傍の家から水が流れる音がした。


「あ……」


その音に誘われるかのように彼女は小走りで玄関へと行くとドアが開いた。


そこには紡がいた。


そして彼女も驚いたような顔をしているが「紡さん」と呟き、彼女の元へと行く。


そして二人は同時に言った。


「私、貴女のことが!」


しかしそれは最後までは言えなかった。何故なら……


「ん……んん?」


唇と唇を合わせていたからだ。


それは温かくて柔らかくそして……気持ちが良くてもっともっとしていたいと思わせる感触だった。

彼女は一瞬、夢なのかそれとも本当に起きた事なのかわからないでいるが意識はすぐにはっきりする。


(違うこれは夢じゃ……)


そして互いに目を覆う前髪があまりにも邪魔だったので…


そこには目の前にいるのは自分と瓜二つの顔の女性だった。

彼女の方も必死に自分の目を隠している前髪を払った。


「あぁっ!……」


彼女が声を上げた瞬間、彼女も察していた。目の前にいるのは間違い無く自分自身だという事に気づいたのだ。


「顔…同じだったんですね紡さん」

「か、可愛いですよ…紡さん」

「あ、ありがとうございます……紡さん」


二人は互いに顔を真っ赤にさせた。そして見つめ合った。


「あの……紡さん」

「な、なんですか?紡さん」

「紡さんも可愛いですよ。それと……先程私の唇を奪って行ったのは紡さんですよね?」


「ど、どうでしょうか?私も同じ事を思いましたよ」

「もう……もっと顔見て言いたかったのに」


そう言うと彼女はまた唇を重ねてきた。


「んっ♡」


今度は舌を入れてきた。


「あっ♡んん~♡」


(や、やっぱり気持ちいい)


そして二人は長いキスを終えると苦笑いした。


「でも良かったです。私、貴女となら……」

「はい、私も同じ気持ちです」


するとまた夢の中に入り混んだような感覚に陥る。そして現れるのはあの黒塗りの人物だ。


「あ、あの……紡さん」


しかし彼女は紡が黒塗りの人物に見えてるらしい。


「はい?」

「その……私、貴女となら良いんです」

「え?そ、それはどういう?」


すると紡が黒塗りの人物の手を掴むとズイッと顔を近づけてきた。


「きゃっ!」

「ど、どうして貴女が悲鳴をあげるんです」

「あ、当たり前ですよ。私は…」

「だとしてもです…私は貴女が好きです」


すると彼女の頭の中にあった不明瞭さはなくなったような気がした。


「あぁ、そうだ。思い出しました」


その瞬間だった。目の前の彼女の姿はいつもの制服姿に戻った。


しかし彼女はそれを気にする事もなく、ただ目の前にいる紡を抱き締めるのだった。


そして二人は再び唇を重ねたのだった。













「ん……」


朝起きると物静かな少女…小鳥遊紡は目覚める。ここは病室だ。

意識がはっきりしないながらも体を起こす。そして側を見るとそこには自分と同じ姿がある。


「紡さん……」


寝ぼけた頭でもこの紡が噂のだという事はなんとなくわかっていた。

だってずっと傍にいてくれたのだから。


「ん……あ」


そして眠たそうな目を擦ると紡が目を覚ました。


「お、おはようございます」

「お、おはようございます」

「「ふふ」」


二人は挨拶を交わすと互いに見合った。そしてお互いに微笑み合うとまた唇を重ねるのだった。


「夢で交わした約束…」

「はい…私は貴女が好きです。貴女が私に化けようと……私に成り代わろうとしたのかもしれませんが……私は貴女が大好きです」

「私も大好きです。貴女以外なんて見えません」


どちらかともなく唇を合わせ合う。それはいつもの優しいキスを何回も繰り返すようなキスだ。やがてどちらかともなく舌を絡め、唇を甘噛みすると互いに体を抱き締めた。その体は温かいかと感じるようになったと思うと急に熱くなり始めたのだ。二人はどうして?と思ったがすぐにわかった。二人の体が一つになるような感覚がしたからだ。


「あ……」


そして二人は同時に呟いた。


「もう私以外の誰かになれませんね?」

「はい、でももう大丈夫です」


そう笑顔で答えると紡は目を細めた。


これからも二人でずうっと一緒ですから……



彼女は彼女の手を握る。すると彼女は彼女の手を握り返してくれた。

そして彼女達は再び唇を重ねるのだった……


「あ、あの……」

「ん?何です?紡さん?」


(か、顔が近い!)


紡は思わず顔を背けてしまった。

だってあまりにも近すぎるのだ。でも彼女は紡をじっと見つめている。


「も、もっと紡さんの顔見ていたいです」

「う……そ、それは私もです。でも……」

(恥ずかしいよ)


すると彼女は紡の頬に手を添えた。そしてそのまま顔を近付けてくる。


「あ……」


思わず目を閉じた。すると唇に柔らかいものが触れた。それが彼女の唇だとすぐにわかった。

しかしそれだけではない。彼女の舌が自分の唇を割って入ってきたのだ。


「ん!」


ゆったりと絡まる舌の感触に体が熱くなるのを感じた。


「ふ……んん……」


口内を舐め回され、歯茎をなぞられ、唾液を流し込まれる。そしてそれを飲み込む度、体の芯がぞくぞくとするような感覚に襲われるのだ。


「もう退院しても大丈夫だそうですよ」

「そ、そうですか……良かったです」


しかし彼女の顔はどこか浮かないように見えた。


(なんでだろう?)


紡はそう思いながらも彼女に声を掛ける。


「あの……紡さん?何かありましたか?」


すると彼女は顔を赤くさせた。そして恥ずかしそうに口を開いたのだ。


「その……今日これからデートに行きませんか?」


返事の味はとても甘かった。
























「先生?どうかなさいました?」


「あ…いや、どうなんでしょうね」


「どうとは…」


「今日、退院した小鳥遊さんだよ。彼女は私の見解では死んでいた。だが今日まで驚異的な生命力で昏睡状態ではありました」


「あの…何が言いたいのですか?」


「彼女とずっといたあの女は一体…」


「何をおっしゃりたいのです先生、妖怪にでも化かされました?」


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