祠
Added 2024-10-20 07:00:00 +0000 UTCあまりにも投稿が無さすぎるというご意見を頂いたので11月分の作品を一つ繰り上げて投稿致します。
とある県にある町外れの田舎町。
そこは昔から、神隠しが多発する不思議な場所として有名だった。
人々が忽然と姿を消す神隠し。
しかし、その詳細はほとんど知られておらず、本当に神隠しなるものが存在するのかは疑問視されていた。
* * *
一人の老婆が慌てて民家に入ってくる。
そして…
「秋菜!秋菜! 大変じゃ! 祠が……祠が!」
老婆は、そう叫びながら家の中をドタドタと駆け回る。
「おばあちゃん、どうしたの? そんな慌てて」
「どうしたもこうしたもあるかい!祠が壊されておる!」
「祠が……? はぁ……。おばあちゃん、それは…祠が壊れるのは年月の劣化だよ」
老婆の話に呆れ顔で返答したのは、秋菜と呼ばれた非常に美しい少女だ。
彼女はこの家に一人で暮らしており、祖母である老婆は頻繁にこの家を訪れていた。
「だとしてもじゃ!祠が壊されてしまったのじゃぞぉ!あぁ災いが……災いが……」
老婆はその場でうずくまってしまう。そんな老婆を見て、秋菜は溜息を一つ吐いてから声をかけた。
「おばあちゃん、確かに祠が壊されてるなら見に行かないとね。一緒に行こうか」
秋菜がそう提案すると、老婆は嬉しそうに顔を上げた。
「おぉ……そうじゃな! では早速行くとしよう」
* * *
二人は家を出て、祠があった場所まで歩く。
そして到着すると、そこには確かに祠の残骸があった。
「うわぁ……酷いなぁ」
秋菜は思わずそう口に出す。
「うぅ……ぐす……」
老婆はその場で泣き始めた。
そんな老婆を見ながら、秋菜は祠の残骸に目を向ける。
「ひどいことするなぁ…」
秋菜はそう呟いて、祠の残骸に近づいていく。すると突然、祠の残骸が輝きだした。
「なに!?」
秋菜が驚いて声をあげ光が秋菜を包み込んだ。
「あ、秋菜!?」
光が止み老婆はとんでもないことがおきたかのような声をあげる。
「「な、何がおこったのよ…」」
「な、な、何ということじゃ…ぁ、あ、秋菜が。ふ、二人おる……」
「「え!?」」
秋菜は慌てて姿を確認する。
するとそこには確かに二人がいた。
「な、何よこれ!?」
「な、何で、わ、私と同じ顔の女がいるのよ!?」
「そ、それはこっちのセリフよ!」
そこには二人の秋菜がいた。
「な、なんで私がもう一人いるのよ!」
秋菜はもう一人の自分にそう問いかける。
「知らないわよ!それよりあんた誰よ!」
「はぁ?私は私よ!あなたこそ誰なのよ!」
「私は私に決まってるじゃない!」
二人の秋菜が言い合いを始める。
そんな二人を見て老婆は慌てふためく。
「あ、秋菜や……落ち着いておくれ」
「お、おばあちゃんは黙ってて!」
「そうよ!これは私とこの人の問題なんだから!」
二人の秋菜に怒鳴られ老婆は気圧される。孫とは言え長く濡れたように輝く美しい黒髪を靡かせた美少女二人に絵になるのうと思ってしまった。
「とにかく、私が秋菜よ!」
「違うわよ!私が秋菜よ!」
二人の秋菜は一歩も譲らずに言い争い続ける。
「そ、そんな……こんなことが……」
老婆は孫同士が同じ容姿で同じ声で口論をしている状況に激しく動揺していた。
そんな老婆に二人は同時に顔を向ける。
「「おばあちゃん!私が本物だよね」」
二人の剣幕に老婆は押されて思わず頷いてしまう。
「そ、そうじゃな……うむ、どちらも本物……」
それを聞いた二人は同時に老婆に掴みかかる。
「「おばあちゃん!何言ってるのよ!」」
「ひぃ……す、すまないのぉ二人とも……わしゃ年寄りで判断が鈍っておるのじゃ……」
「もうっ!おばあちゃんたら!」
秋菜は溜息をつく。今にも自分に口付けて来そうな偽者を睨み付けながら、口付け返したくなるのを我慢しながら。
「私が秋菜よ」
「ちっ、違うわよ。あなたなんか私じゃないわ!」
「はぁ?」
秋菜は怒りを露わにする。
「私は本物よ!あなたこそ偽者じゃない!」
「違うって言ってるでしょ!」
秋菜も怒りを露わにする。
そんな二人の言い争いを見て老婆は慌てふためく。
このままでは殺し合いでも始めてしまいそうで怖かった。
「ま、まぁ二人とも落ち着くのじゃよ」
老婆がそう言うと二人の秋菜は同時に振り向く。
老婆は二人の迫力に気圧され何も言えなくなってしまう。
そんな老婆を見て、二人の秋菜は再び言い争う。
「私が本物よ!」
「違うって言ってるでしょ!私が本物よ」
二人はまたも掴み合いを始める。頬を重ねてまるで抱き合うように。
そんな二人を見ながら老婆は考える。
(うーむ……これはどうしたもんかのう?)
老婆は二人をどう仲裁するか考えていた。だが、そんな老婆に構わず二人は口論を続けていた。
(きっと祠の力が関係しているのじゃろう)
老婆は二人の秋菜を見ながらそんなことを考える。
(そうじゃ、このままでは埒が明かないからのぉ。どれ、わしが少し手助けをしようかの)
老婆はそう言い二人に声をかける。
「二人とも喧嘩をするのは止めるのじゃ!」
「だってこの偽者が!」
「おばあちゃん!こいつは私じゃないって言ってるでしょ!」
二人は同時に言葉を返してくる。
そんな二人を見て、老婆は優しく諭すように言葉を続ける。
「まぁ落ち着くのじゃ。二人とも秋菜には違いないのじゃ」
「え……?」
「な、何言ってるのよ……」
二人は老婆の言葉に動揺する。
そんな二人を見て老婆は優しく微笑んだ。
「わしが言うておるのじゃから間違いないじゃろ?」
老婆はそう言って二人に微笑みかける。だが納得のいかない二人の秋菜はまた言い合いを始める。
「そんなこと言ったって……」
「そうよ!違うわ!」
「まぁ落ち着くのじゃ。二人とも可愛い孫じゃぞ?」
老婆は二人の秋菜を落ち着かせようとする。だが……
「お、おばあちゃん!何言ってるの!?私が本物よ!」
「ち、違う!私が本物の秋菜よ!」
そんな二人の言葉を聞いてもなお老婆は優しく語りかける。
「うんうん、そうじゃったな」
婆はそう言いながら二人の頭を撫でた。
「ちょっ……何するのよ!?」
「お、おばあちゃん……離して……」
そんな二人を無視して老婆は続ける。
「そんなに言い争うのならお互いにお互いの唇で唇を塞いでみてはどうじゃ?」
「えっ……?」
「なっ!?」
二人は老婆の突拍子もない提案に驚く。そんな二人の反応を見て、老婆は楽しげに微笑んだ。
(ふふふ……これなら喧嘩も収まるじゃろう)
老婆は秋菜たちを見つめながら心の中で呟いた。
だが……そんな老婆の思惑とは裏腹に、二人の秋菜は互いに睨み合っている。
恐ろしいまでに綺麗な顔を突き合わせ濡れたように瑞々しい唇を近づける。
「あんたみたいな女とキスなんてしたくないわ」
「それはこっちのセリフよ!」
二人は同時にそう叫ぶと、また言い合いを始めた。
そんな二人の秋菜を見て老婆は溜息を吐く。
(ふぉ!?これでも駄目じゃったか…)
老婆は再び深い溜息を吐いたのだった。
「何であんたなんかとキスしないといけないのよ!」
「それはこっちのセリフよ!あなたこそ私とキスするくらいなら死んじゃいなさいよ!」
そんな言い合いをする二人の秋菜を見て、老婆は呆れていた。
(全く……困ったものじゃのぉ…孫の性癖は知っとるからいけると思ったのじゃが)
老婆はまた溜息を吐くと、二人の秋菜に声をかける。
「まぁ落ち着くのじゃ。二人とも可愛い孫じゃぞ?」
だが、そんな老婆の言葉を聞いても二人の秋菜は言い争いを続ける。
「だから私が本物の秋菜よ!」
「違うわ!私が本物よ!」
老婆はそんな二人の秋菜の言い争いを黙って見ていた。
(少しきっかけがあれば…出来そうなのじゃがな…)
老婆は二人の秋菜を静かに見つめながらそんなことを考えた。すると、そんな老婆の視線に気づいたのか、二人の秋菜が同時に老婆に視線を向けた。
「おばあちゃん!私が本物でしょ?」
そんな二人の言葉に老婆は…
「わからんの…。わしにはどちらも本物の秋菜にしか見えないのじゃ」
そう言って首を振った。そんな老婆の言葉を聞いて二人の秋菜は同時に困惑する。
「何よそれ……意味わかんないわ」
「そうよ!何言ってるのよ!」
二人がそう言うと老婆はまた溜息を吐く。
「本当に困ったものじゃのう……」
そんな老婆の態度に二人は怒りを露わにした。
「ちょっと!おばあちゃん!いい加減にしてよ!」
「ふざけないで!」
そんな二人を見て、老婆は…
「腰が痛おなってきた…先に帰っておるよ。二人で協力して祠なおしておくれ」
そう言って、その場を後にしてしまった。
「ちょ、ちょっと!お、おばあちゃん!?」
「ま、待ってよ!」
そんな二人の秋菜の声を背中で聞きながら老婆は家路についたのだった。
* * *
老婆が去ったあと、二人の秋菜は祠の残骸の前で立ち尽くしていた。だが老婆が去り、二人は抱きしめ合っていた。
「……何なのよ…………」
「……ほんとよ……なんなのかしらね……」
二人は同時に溜息を吐くと、お互いの顔を見合った。
「何よ…おばあちゃんがいなくなったから…キスする気でもなったの?」
秋菜は不愉快そうにそう言いながら秋菜を睨み付ける。
「そんな訳ないでしょ……」
そんな秋菜の言葉に、秋菜も不機嫌そうに言葉を返す。
「ふん……どうだか」
「何よ……あなたこそ……私とキスしたいんじゃない?」
秋菜はそう言って意地悪く微笑んだ。
「はぁ?ふざけないで!なんで私があんたとキスしなきゃいけないのよ!」
秋菜は怒りを露わにして叫ぶ。
「はぁ?ふざけているのはそっちでしょ!あんたみたいな女とキスなんかしたくないわよ!」
秋菜の怒りに負けじと秋菜も怒鳴り返す。そんな秋菜の言葉を聞いて、秋菜はまた溜息を吐く。
「はぁ……ほんとあなたって最低ね……」
「何よ……それはこっちのセリフよ。私を誘惑してくる癖に……」
秋菜の言葉に、秋菜は言葉を被せる。
「誘惑?笑わせないでこんな程度で?」
秋菜が鼻で笑いながらそう言うと、秋菜は再び言い返してきた。
「あらそう……あなたこそ本当は私のこと好きなんでしょう?」
そんな秋菜の言葉を聞いて、秋菜は激昂する。
「ふざけないでよ!私があんたなんか好きなわけないでしょ!」
「そう?じゃあ私が好きになるよう、あなたを私に惚れさせてあげるわよ」
そんな秋菜の言葉を聞いて、秋菜は鼻で笑う。
「へぇ~できるの?あなたみたいなナルシスト女に?」
それを聞いた瞬間、秋菜の中の何かがブチ切れた。
「あんた……本当にムカつくわね……」
秋菜はそう言ってわざと自らの匂いを撒き散らすように、髪をかき上げる。すると秋菜の長く美しい黒髪がハラハラと風に靡き甘い香りをより遠くに漂わせる。
そんな秋菜を見て、秋菜は思わずドキリとする。
(な、何よ……すごく綺麗じゃない……)
秋菜はそんな事を考えながらもなんとか平静を装って口を開く。
「あら?見惚れたのかしら?」
そんな秋菜の言葉を聞いて秋菜は激昂する。
「なっ!誰があんたなんかに!」
そう言いながらも秋菜の心臓はバクバクと高鳴っていた。
秋菜はそんな自分の心音を聞きながら、ゆっくりと息を吐くと…秋菜の中の何かがブチ切れた。
「良いわよ。私もあなたを私に惚れさせてあげるわ」
そんな秋菜の言葉を聞いて、秋菜は鼻で笑う。
「へぇ~できるの?あなたみたいなナルシスト女に?」
「寧ろあなたに出来て出来ないと思うの?」
秋菜はそう言ってわざと自らの匂いを撒き散らすように、髪をかき上げる。すると秋菜の長く美しい黒髪がハラハラと風に靡き甘い香りをより遠くに漂わせる。
そんな秋菜を見て、秋菜は思わずドキリとする。
(な、何よ……すごく綺麗じゃない……)
秋菜はそんな事を考えながらもなんとか平静を装って口を開く。
「あら?見惚れたのかしら?」
そんな秋菜の言葉を聞いて秋菜は激昂する。
「なっ!誰があんたなんかに!」
そう言いながらも秋菜の心臓はバクバクと高鳴っていた。二人はさらに身体を密着させ、唇と唇が触れ合う寸前まで顔を近づける。
『ぁ……』
二人の吐息がかかるほどの距離で見つめ合う。
『…こ、後悔しないでよ…私を叩きつけたんだから…』
『す、するわけないでしょ』
『お、同じ言葉を喋らないでよ…よ、余計に口付けたく…あ…』
そんな同じ言葉を交わすと、二人は同時にゆっくりと唇を近づけていく。お互いの柔らかな唇が触れ合う寸前まで顔を近づける。あと数センチで唇同士が触れ合うというところで……
『逃げないでよ…ずっと…私は…鏡を見て…あんたと…』
二人の秋菜は同時にそう囁くと、同じタイミングで相手の唇を奪い合った。互いの柔らかな唇の感触を確かめるように軽く触れ合わせた後、そのまま唇同士を押し当て、互いの唇を重ね合わせる。
唇同士が触れ合った瞬間、秋菜は顔を真っ赤に染め上げてしまう。そんな秋菜の様子を見て、秋菜もまた頬を染め上げて恥ずかしさに耐える。
『ん……んん……』
二人は抱き合うように身体を密着させ、互いに相手の背中に腕を回してしっかりと抱きしめながら唇を合わせ続ける。
綺麗な女の子と口付けたいという願望と自らと口付けたいという野望が叶ったことに秋菜は興奮していた。
そして、秋菜の耳元で何かがこう囁く。
舌も絡めて…唾液も…と。
それはまるで悪魔の囁きのように甘美な響きだった。その言葉に秋菜は思わず息を飲む。
そして、その誘惑に抗えないまま、秋菜は目の前の美少女に口付け続ける。今度は先程よりも深く、強く唇を押し当てる。
合い続ける視線。
良いよね?と視線を送り…
秋菜の口の中にぬるりと生暖かいものが入り込んできた。
(な、なにこれ……気持ちいいかも……)
それは今まで感じたことのない快感だった。
その快感に身を任せるように秋菜は自ら舌を絡めていく。すると相手もまたそれに応えるように舌を絡ませてきた。柔らかくてふわふわしてて甘くて蕩けてしまいそうな舌の感触。秋菜はその快感の虜になっていった。
ちゅぱっ……れろっ……ちゅっ……
卑猥な水音が響き渡る中、二人は夢中になって互いの唇を貪り合った。
混じり合ったリップは取れ、その味までも堪能する。
『んふっ……』
二人は互いの舌の感触を確かめ合うように何度も絡ませ合い続ける。
「んっ……」「んん……」
『ぷはぁ』
二人の吐息が混ざり合う中、秋菜はゆっくりと唇を離した。熱い吐息を漏らす。良い匂いで堪らない。
そんな二人の表情はどちらも蕩けたような表情で頰が紅潮していた。
二人の間に銀色の橋がかかる……それを名残惜しそうに見つめながら……
「…はぁ…ファ、ファーストキスから激しいじゃない……」
秋菜がそう言うと、もう一人の秋菜も口を開く。
「そ、それはこっちのセリフよ……でも……悪くはなかったわ……」
そんな秋菜の言葉を聞いて、秋菜はクスリと笑う。
「…でしょうね…ふふ……あなたって本当に可愛いのね」
そんな秋菜の言葉にもう一人の秋菜は恥ずかしそうに顔を背けた。そんな仕草もまた可愛くて仕方がない。今まで感じたことのない胸のドキドキ感に戸惑う。
目の前にいる美少女をもっと自分のものにしたい。そんな欲求が秋菜の中に湧き上がる。それはまるで、捕食者のような気分になった瞬間だった。
そんな秋菜の内なる欲求を感じ取ったのか、もう一人の秋菜は妖艶な笑みを浮かべるとゆっくりと口を開いた。
「ねぇ……もっとキスしよ?」
その言葉に一瞬ドキッとするもののすぐに落ち着きを取り戻して言葉を返す。
「ふふ……良いわよ…でももっと激しくしてね」
そんな秋菜の言葉にも動じることなく、彼女はクスリと笑った。
そして次の瞬間、彼女は秋菜の唇を奪った。
「んっ!?」
秋菜はされるがままになってしまう。
「ちゅっ……れろっ……」
舌を差し込まれ歯茎の裏まで舐め回されるような激しいディープキスだった。口の中を蹂躙され尽くされるような感覚に陥るほどに荒々しい口づけだったが気持ちよくて堪らなかった。
秋菜は舌を伸ばし、相手の唇を割り開くようにして侵入させる。すると、相手もまた同じように舌を絡ませてくる。
二人の舌が絡み合う度に、唾液が混ざり合いクチュクチュと淫らな音が鳴り響く。そんな淫靡な音を聞きながらも二人は一心不乱に舌を絡め続けた。
互いの唾液を交換し合うかのように激しく舌を絡ませ続ける二人。やがて息が苦しくなってきたのか、どちらからともなく唇を離す。二人の間に銀色の橋がかかるがすぐに途切れてしまう。
荒い息を整えようと深呼吸する秋菜だったが、もう一人の秋菜はそんな余裕すら与えないといった様子で再び唇を重ねてきた。そして今度は舌ではなく唇を押し付けるだけのキスだった。しかしそれだけでも十分に気持ちが良い。
『んっ……』
二人は互いの背中に腕を回して抱きしめ合いながら何度も角度を変えてキスをした。その度に甘い吐息が漏れる。キスってこんなにも気持ちが良いものだったんだ……と秋菜は思った。今まで妄想の中でしか知らなかった行為が現実になり、しかもそれを自分に与えてくれたのは今日出会ったばかりの美人な女の子なのだ。その喜びだけで頭がおかしくなってしまいそうだった。
そんな長い口付けを終えたあとも、二人は見つめ合っていた。まるでこうすることが当たり前かのように当たり前のように。
「ねぇ……秋菜……私の身体を好きなようにできる権利をあげるわ」
彼女は妖艶な笑みを浮かべながらそう言うと、艶めかしくその身体を見せつけてきた。その姿はまさに蠱惑的。吸い寄せられそうになる自分を必死に堪えつつ、秋菜は口を開く。
「あらあら、それはありがたい申し出ね」
そう言って微笑むが内心はかなり動揺していた。まさかこんな展開になるとは思っていなかったからだ。だがそれと同時に期待もしていた。この美少女を好きにできるなんて夢のような話なのだから。しかし、それを悟られないように冷静を装って言葉を続ける。
「で、どんな風に身体を好きにされたい?」
そう尋ねると彼女はクスリと笑いこう答えた。
「望みのままに…ずっとこうしたかったのでしょ?」
そんな彼女の答えに思わずドキリとする。そして同時に興奮も覚えた。この綺麗な女の子を自分の好きなように出来るのだと思うとそれだけで達してしまいそうなほどだ。だがそんな様子は表には出さず平静を装って言葉を返す。
「あら、バレてたのね……じゃあお言葉に甘えちゃうわよ……」
そう言って秋菜は彼女の身体を抱きしめた。女性特有の柔らかい感触、そして良い匂いに包まれて思わず蕩けてしまいそうになるほどだったがグッと堪える。そのまま優しく彼女の髪を撫でる。
さらっさらで艶やかな黒髪がとても美しいと思った。
(こんなにも私と同じ綺麗な髪が……それにすごく良い匂いだわ)
そんなことを考えているうちに自然と手が伸びて首筋に顔を埋めてしまう。甘い匂いに包まれたような感覚に陥りクラクラしてしまうほどだった。それと同時に自分の中の欲望が大きくなっていくのを感じた。このままめちゃくちゃにしてしまいたいという衝動に駆られるがグッと堪える。
しかし無意識のうちに舌を伸ばして彼女の首筋を舐めてしまっていた。その行為に対して彼女は嫌がるどころか寧ろ嬉しそうだった。その反応を見てますます興奮してきてしまう自分がいた。それ程までに彼女の魅力に当てられてしまったのだ。もう我慢できなかった。秋菜は彼女に覆い被さると激しく唇を奪うようにキスをした。舌を絡ませ合い唾液を交換しあうような濃厚なキスだ。
「んふっ……ちゅぱっ」「れろっ……んくっ」
二人の口から漏れる吐息が混ざり合う中、互いの舌が絡み合う度に脳髄まで蕩けてしまいそうな感覚に陥るほど気持ちが良いものだった。
そしてそのまま彼女の胸に手を伸ばすと優しく揉みほぐすようにして愛撫を始めた。
「んっ……あっ」
彼女は甘い吐息を漏らしながら身体をピクンと反応させる。その反応を見て秋菜はさらに興奮してしまうのだった。そして今度は彼女の胸の先端部分を摘まんだり弾いたりして刺激を与えるようにすると同時にもう片方の手でお尻を撫で回すようにして触ると彼女はビクビクと身体を震わせていた。そんな様子を見ているだけで自分も興奮してきてしまうほどだった。
彼女は蕩けたような表情でコクリと首を縦に振った。それが可愛くて仕方がなかったので今度は首筋を舐めると同時に空いた手で彼女の秘部に触れることにした。そこは既に濡れており触っただけでクチュリという音が聞こえてくるほどだった。それを意識してしまったからか余計に興奮してしまい、つい強く擦ってしまう。すると彼女は一際大きな声を上げたかと思うと身体を仰け反らせながらビクビクと痙攣していた。どうやら軽く達してしまったようだ。
そんな彼女を見てさらに欲情してしまう自分を抑えつつ、今度は彼女の一番敏感な部分に触れ始める。そこは愛液でびっしょりとなっており触れる度にヒクヒクと動いているのがよくわかるほど濡れていた。そんな様子を見ていると自分の下半身も熱くなり始めてきているのがよく分かる。しかし今はそれよりも彼女のことを気持ちよくさせることに集中しなければならない。
「ふふ……こんなに濡らしちゃって……」
「んっ……だ、だってぇ……」
恥ずかしそうにしながら彼女は言うがその表情は快楽に溺れているものであった。
そんな彼女を見ていたら自分も我慢できなくなってくる。早く彼女と一つになりたいという気持ちで一杯になってきてしまった。なので、早速彼女の上に覆いかぶさるようにして抱き合うような体勢になると、自分の性器を彼女の性器に擦りつけるようにして腰を動かす。
「あっ……んっ」
するとそれだけでも強い刺激が襲ってくるため思わず声が出てしまうほどだった。
「はぁ……はぁ……」
そんな秋菜の様子を見て彼女はクスリと笑う。
「ふふ……気持ち良いのね……」
そう言いながらも彼女は秋菜の首に腕を回して抱き寄せると耳元で囁くようにこう言ったのだ。
「もっと強くしても大丈夫よ?」
そんな甘い誘惑に逆らうことなどできるはずもなく、言われるがままさらに激しく動くことにした。するとそれに比例するかのように快感が増していき、頭が真っ白になるような錯覚に陥るほどだった。そして遂に限界を迎えようとした時である。突然彼女が秋菜にキスをしてきたかと思うと舌を絡ませてきたのだ。突然のことに驚いていると。
「私も我慢…出来なくなっちゃったの」
彼女はそう言って妖艶な笑みを浮かべる。
「そ、そう……」
そんな返事をしながらも内心ドキドキしっぱなしだ。自分が興奮してしまっている時にそんなこと言われたらますます興奮してきてしまうじゃないか。おまけに「私も我慢出来なくなっちゃったの」という言葉は反則ではないだろうか?
そんなことを言われてしまったら余計に歯止めが効かなくなってしまうではないかと秋菜は憤慨する……それにそんなことを言われて喜ばない人間がどこにいるというのだろうか?それが今自分の上に覆いかぶさるようにして抱きついている美少女であったら尚更である。
そんなことを考えていたせいなのか、秋菜の理性は完全に弾け飛び頭の中は彼女と気持ちよくなりたいという欲求だけが支配していた。そうしてついに耐えきれなくなってしまったのか秋菜の方からも唇を押し付けていったのだった。互いに舌を絡ませ合うようにして濃厚なディープキスを繰り返す二人、互いの唾液を交換し合い、それを飲み込むたびに身体の奥が熱くなるような不思議な感覚に陥る。
そんな快楽に酔いしれながらも秋菜は必死に相手の唇を求め続けた。そしてついにその時が訪れる……
「んっ……んむっ!?」
突然、彼女の身体が大きく跳ねたかと思うと次の瞬間には小刻みに痙攣し始めたのだ。
しかしそれでもなお秋菜は唇を離そうとしなかった。それどころかさらに激しく求め続ける始末だ。
そんな状態がしばらく続いた後、ようやく満足したのかゆっくりと顔を離す二人だったがその顔は真っ赤に染まっており息も荒くなっていた。
「はぁ……はぁ……」
そんな状態になりながらも彼女は秋菜の目を真っ直ぐに見つめ秋菜も彼女の目を真っ直ぐに見つめ返す。二人の間には何とも言えない空気が漂っていたがそれも束の間のこと。次の瞬間には再び相手の唇を塞いでいた。先程と同じように激しく舌を絡ませ合う二人、愛しくて堪らないという感情が伝わってくるような感覚すら覚えていた。
それからしばらくの間キスを続けていた二人だったがようやく落ち着きを取り戻してきた頃になってどちらからともなく口を離すと、見つめ合う形になる。その間も彼女の瞳は潤んでおり呼吸も荒かった。それを見て秋菜は内心嬉しく感じていた、自分が彼女をここまで興奮させられたのだと思うだけでゾクゾクするものがあったからだ。
もっと彼女を乱れさせたい、気持ち良くさせてあげたいという思いが込み上げてくると同時にそれと同じくらい自分も彼女で気持ち良くなりたいという気持ちが溢れ出てきて…
「私も気持ちよくして……」
気づけばそんな懇願にも似た言葉が口から溢れ出ていた。それを聞いた瞬間彼女は少し驚いた様子だったがすぐに笑みを浮かべ…
「うん……二人で気持ち良くなろう……?」と言いながら唇を奪いながら胸を揉み、秘所に指を入れる。
それだけでも充分すぎるほどの快感だったが彼女の舌使いが上手くて、どんどん思考力が奪われていく。
びくんと身体をぐったりと倒れ込むと荒い呼吸を繰り返す彼女に対して同じく呼吸が乱れている秋菜は言った。
「はぁ……はぁ……ごめん……」
「……ふふ……いいわよ別に」
そう言って微笑んだ彼女の笑顔はとても美しく見惚れるほどだった。だが次の瞬間にはニヤリと笑みを浮かべていて、それがまた可愛らしいというか色っぽいなと思ってしまいドキッとする。
「え……?」
唐突に彼女が祠の方を見ては何かを見た表情をする秋菜は…
「…?どうした…の?…え…祠が直ってる!?」
そんな驚く秋菜に対して彼女は「そうね」と言いながら何やら考え込んでいる様子だったが、すぐに笑顔になって「まぁいいわ。続きをしましょ?」と言って再び秋菜の唇を奪うと舌を絡め合わせてきたのだった。
突然のことに驚いたもののすぐに受け入れて彼女を受け入れていく。そしてそのまま二人は何度も愛し合ったのだった。
……その後、祠は直ったがそのことは誰にも知らせず二人の秘密として。しかし祠がどうして直ったのかはわからずじまいだった。だがそんなことはどうでもいいと思えるほど二人は幸せだったし満足していたのだった。
「とりあえず、家に帰りましょ。話はそれからよ」
「えぇ、そうね。そうしましょう」
そして秋菜達は家へと帰る為歩きだしたのだった。