NokiMo
RARUΩARIAthird
RARUΩARIAthird

fanbox


転移式 体育倉庫の鏡




とある所に双子の姉妹がいた。彼女達は歪だった自分が大好きなナルシストでありながらお互いを嫌っていた。


「真希が私だったらいいのに」「由岐が私だったらいいのに」


薄暗い体育倉庫の中でしっとりした黒髪とサラサラな黒髪を絡ませ睨み付けながら口づけを交わす。お互いにお互いを自分に見立てて唇を重ね舌を交わらせていくが


「「あんたじゃ…やっぱ駄目だね無味だし…チ」」

「「あんたが私だったら…よかったのに…」」


そしてその念が


何かを成し


それは鏡というモノに憑き


誰かの願いを叶えるために


転々とそれは存在する



貴女を







─────────







──────






────





──





「「ぷはっ……」」


切れる糸、上気した吐息が交わる。


「「………何味でした?」」


艶やかで綺麗な黒髪を肩で切り揃えた左右非対称でな少女は共に頬を赤く染めて問う二人は同じ顔をしているが双子ではないそしてクローンでもロボットでもない正真正銘の同一人物である。


「……ちょっと私が聞いているんですけど」

「……聞いているのは私なんですけど」


二人の主張は平行線を描き交わることがなかった、里中柚は本来一人だが、体育倉庫に入ったら二人になってしまったのだ。


「味くらい教えてくれたって良いんじゃないんですか?」

「…なら先に教えてくださいよ同じ私なんですから、そこまで嫌な味ではなかったのでしょう?」


少しその煽りを受け苛立ち更にムキになり返した。


「もう絶対に教えてあげません」


それに目を見開き「なんでですかー!」と頬を膨らませ怒った様子で柚に詰め寄る。


「……だって……」

「……ん?」

「だって初めてだったですよ……ファーストキスなのに」


顔をこれ以上ないくらいに紅潮し


「私だってファーストキスですよ。それなのにこんな味わされたら…他の人とキス出来ないですよ」


いつも冷静な顔している柚の顔はその場には似合わない様なだらしない顔をして言う。

そんな顔を見せられてたまったもんじゃないといった具合に、もう一人の柚も茹でだこ以上にまで頬を真っ赤に染めた。


「なっ何言ってるんですか私!これ以上言うと恥ずかしいのでここまでです!」


真っ赤になった柚は現状に耐えきれなくなり目を背けた


「……わかったから、教えますよ……良い味でしたよ……」


その言葉にまだ耳まで赤くしたままの少女は


「もう一度します?キス」


と悪戯交じりに言った。


「そっちがしたいなら良いですよ?」


柚は小悪魔みたいに笑みを見せると柚も同じように


「む~まるで私がしたいみたいじゃないですか…そっちだってしたい癖に」

「別にどっちでもいいですけど……でも」

「……ん?」


柚はそう言うと倉庫の出入り口を開けて出ていく間際に一言。


「初めてだったのは本当ですから。誰かに同じことしたら嫌ですよ私」


背を向け歩いていく柚を見ながら唇を触ったもう一人の柚は


「人の初めてを勝手に奪うんだから……責任とってよ」


と先ほどのキスを思い出して体をよじらせていた。

数ヵ月後…


「はぁ」とため息をつきあの時より少し長い髪をくるくるしながら柚は体育倉庫での自分とのキスを思い出していた、何やってんるんだ私は?と自分を自分で戒めるが胸の高鳴りはやまない。


柚が一人体育倉庫から出ようとしていると誰かが扉を開け入ったらしく鉢合わせ状態になってしまう。


「きゃっ!」


ぶつかり柚が倒れそうになると抱きしめられ唇を奪われた。

それはよく知る相手の唇、鼻腔をくすぐるのは良い匂いとそしてあの時を思い出すシャンプーの香りだった。


「ん……何を考え事をしているんですか?危ないじゃないですか」


と悪戯混じりの笑みを見せた彼女。


「へへ…ちょっと私とのファーストキスを思い出してたんですよ。会いたかったですよ私」


その言葉に


「私もですよ私…」


舌を絡ませお互いを求め合う長いキスは水音を立てた。

少しして柚は思い出したように話す。


「さっきまで水飴でも食べてたんですか?」


キスした後にそんなことを言われ怪訝な顔を見せた。


「なんでそんなこと聞くんですか?そっちこそ水飴食べましたか?」

「いーえ、何も食べていませんよ」

「私もですよ…でも前より甘いですよ……」

「そっちも前より甘いですよ……」


何の気なしに返すと柚はまた唇を重ねた、そのまま舌を入れ相手の舌に絡める。お互いの唾液が流れ込み柚は心臓の動きが早くなるのを感じた。


「……甘過ぎですよ私」

「私こそ甘過ぎですよ」


と舌を絡めながら吐息の交ざりあう音の中、頬は赤く染まる。


「休み時間無くなるからもう行きますね、そっちも風邪ひかないでくださいよ私」


少し名残おしそうにしている柚に念を押すように言った。


「大丈夫ですよ!私だって体強いですから!」


そんな自信満々で言葉を返す柚……


「……またしたくなりますね?」


それにゾッとするほどの美しさを併せ持った表情で返す柚に


「なら良いですよ…」


同じ思いをしてほしくて表情で返し唇を近づければ再び唇が合わり舌が絡む。

名残り惜しそうに顔を離すと、二人とも真っ赤な顔で見合った。


「かわいいよ私」


照れくさそうに言う柚に笑顔で応えるもう一人の自分を見て


「……そっちもかわいいですよ」


と口から言葉が漏れ、お互いが自分の顔が熱くなっていくのに気づいた。


そんな時体育倉庫の外から二人の名前を呼ぶ声がする。


「……っと予鈴ですねこれは行かないとダメみたいな空気ですねそれじゃあ行ってきます」

「うん行ってらっしゃいですよ私も教室に戻りますよ」


そう言いかけ二人して「また後で……」とつけ加えた。


「……逃げちゃダメですからね」

ともう一人の自分がどこまでその発言をしたのかは分からないだが、彼女が一瞬顔色を変えたのが見えた。柚が口を開く前に柚は、小動物の様な顔を笑顔でごまかし小指を差し出し……


「約束ですよ?」と言い出ていったのだった……。

扉が閉まった。


「また会いたいな…」


そう言って彼女も出て行った。鏡を残して…






体育倉庫に綺麗な黒髪を腰まで伸ばした柚が綺麗な黒髪を腰まで伸ばした柚の前にいた。二人はお互いを睨みつけるように立っている。


「あれからずっと会いにきてくれませんでしたね」


その言葉に顔を歪め柚は


「……そっちも会いに来てくれませんでしたね」


と少し強がった様な仕草で言葉を返した。唇を軽く重ねながらもう一人の柚に語り掛ける。


「もう卒業ですよ私」

「私もですよ…」

「そうですか……」


と柚は距離を取っていった。離れる度に柚の鼓動が加速する


「……あのとき言ってくれたこと忘れたんですか?」


その言葉の後柚は音を立てて柚を壁に押し倒した。逃げられないように片手は相手の体を押さえつける形になっている。


「抵抗しないでくださいよ……私だってこうしていたいんですから」


黒髪を揺らしながら潤んだ瞳で訴えた。そして同時に薄暗い倉庫の中微かな光源に照らされた彼女の美しさに見とれて動けなかった。そんな二人をまるで魔法を使ったかのように色のついた幻想的な光が包み込む。すると体育倉庫の外だった。



そして唇が離れると


「ねぇ私と付き合いませんか?当然付き合うと思いますが…もう元の…」

「何を馬鹿な事言ってるんですか私はあなたの私じゃないのですから……まぁ付き合ってあげても良いですよ」

「なんなんですかあなた……ほら行きますよ」


も柚は少し頬を膨らませるとこの"学校"を出ていき、閉める瞬間


小さな声で聞こえた「明日言おうかな?」








「まさか自分に告白されると思わなかったですよ」

「少しかっこつけたんですよ?」

「聞いてるこっちが恥ずかしんですが……私あんなんじゃないですよ…

















あれ…何で月が2つ…」





クスクスクス





───ずっと一緒ですよ私











とある所に美人な少女がいた。彼女達は歪だった自分が大好きなナルシストでお互いを好き合っていただがお互いは空想の中


自らの姿は鏡の中だげ


鏡の外にしか自らの姿はなく


それは本来交わるモノではない



「大好き私」

「私もだよ大好き」


薄暗い体育倉庫の中でしっとりでサラサラな黒髪を絡ませ見つめながら口づけを交わす。そして舌を絡め…


「「ずっと貴女とこうしたかったの」」

「「会えてよかった真由岐」」



そしてその念は


成就し


憑いた鏡は


また誰かの願いを叶えるために


転々とそれは存在する




Related Creators