「この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものであり、実在する団体、人物などとは一切関係ございません。」 司会者は握っているマイクに力を込めながら続けた。 「それとこの熱気球には仕掛けがあって、15分以内に非常用スイッチを押さないと大変なことになります」 「大変な事?」 「はい、この気球の4方に赤い筒状の物がぶら下げられているのが見えますか?」 「ええ、あれは何ですの?」 「あれは爆弾です。離陸後15分以内に爆破解除スイッチを押さないと爆発してしまうんですよ。」 「まぁ!!それは大変」 「失敗すると、気球に大きな穴が空き地上に気球ごと落下してしまうという恐怖の仕掛けなのです。」 「まぁ。それじゃ、のんびり空中散歩を楽しんでいる暇わなさそうね。」 舞は余裕をみせるように笑ってみせた。 「新しいもの好きの舞さんにピッタリのマジックだと思うんですが、チャレンジして頂けますか?」 「勿論、私はプロのマジシャンですから是非チャレンジしてみたいですわ。」 「流石は舞さん、プロ意識が強いですね」 廻りではスタッフたちが慌ただしく気球を飛ばすための準備を進めていた。 舞は手錠のボタンを押せば簡単に脱出できるからさほど危険は感じてはいなかった。 まあ、確かに爆弾が爆発すれば危険だが、爆弾は他の演目でも良く使われる撮影用物である。 火薬を調合し、わざと派手な爆発に見えるようにして、さも危険なマジックのように演出するのだ。