「この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものであり、実在する団体、人物などとは一切関係ございません。」 その時、彼女の手の中に有った最後の鍵がかチリと音を立てて開いた。 彼女は急いで扉に巻きつけてあった鎖を外し始めた。 いよいよ限界だった。彼女の口から激しく泡が吹きだして来た。 ジャラジャラと鎖の束が床に落ちると同時に彼女は扉を押し上げて勢いよく水槽から飛び出した。 まさしく間一髪だった。 少し水を飲んでしまったのだろうか。舞は顔を赤らめて激しく咳き込んだ。 酸素を求めて激しく肩で息をしていたが、呼吸が整うと観衆に向かって笑顔で手を振った。 声を殺して見ていた観客達だったが会場内に一斉に大きな拍手が湧いた。 皆口々に「凄いマジックだ。」などと感想を言い合っていた。 それほどまでに実に手に汗を握る見事な脱出マジックであった。 司会者の男性が 「皆様、舞さんに盛大な拍手をお願いします」と言うと会場内に更に大きな拍手が響き渡った。 「素晴らしいショーでしたが、舞さんの今の心境をお聞かせ下さい。」 「はい、初めは少し緊張しましたが何とか乗り切れました。こんなに大勢の人に見て貰えて嬉しかったし、楽しかったです。また機会があれば是非挑戦したいと思います。」 「お疲れさまでした。舞さんの之から益々のご活躍を期待しております。」 「ありがとうございます。皆さん今日は私のマジックショーを見に来て頂き本当にありがとうございます。」 再び割れんばかりの歓声と拍手の中、舞はにこやかに舞台袖へと退場して行った。
Slartybartfast
2022-02-01 01:27:40 +0000 UTC