「この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものであり、実在する団体、人物などとは一切関係ございません。」 時計の針が4分を回った時、やっと彼女は鎖からの拘束から抜け出して水槽内で立ち上がる事に成功した。 この時既に水面は水槽の天井付近まで来ていた。 彼女は素早く水面から顔を出すと喘ぎながら急いで深呼吸した。 だが間もなくこの僅かな隙間も間もなく上昇して来る水に依って水没してしまうのだ。 だが舞は慌てることなく呼吸を整えることを優先しているようだった。 「舞さんどうしたんですか!?急いで下さい!早くしないと水槽全体が水没してしまいます!!」 司会者がマイクを通して叫んだ。 今度は彼の声が聞こえたようだ。舞は司会者の方を振り向くと大丈夫だと合図を送った。 驚きである、彼女は之ほどの状況になってもまだ落ち着いて行動出来るだけの余裕があるというのか? なるほど、先程からスタッフたちは一切行動を起こさないで彼女を見守っていたが、どうやら彼らも彼女技量を見抜いての事なのだろう。 その信頼関係があればたとえこの様な状況下であっても見守ることが出来るということなのか。 「舞さん、頑張って下さい!」観客席からも彼女の応援する声が聞こえる。 その時、とうとう彼女の頭上まで水面が上昇した。 同時に大量の水が彼女の上に覆い被り再び彼女の姿は水中に没した。 舞は息を再び止めて扉を固定している最後の鍵の解除に取り掛かるのだった。