第5章:魅惑の呼び声
頭の両側から、鋭く脈打つような感覚が走る。私は本能的に手を伸ばしたが、固くて曲がった何かの始まりを感じた。私の指は、大きくなっていく突起をなぞり、最初に恐れていた角であることを確認した。
「いや...これは本物じゃないはずだ。角なんて 」
しかし、私がそれに触れると、内なる声が魅力的にささやく、
「新しい姿を受け入れなさい、デビッド。この角は力の象徴であり、魅力の象徴なのよ。あなたは怪物になるのではなく、人間性を超越するの」
私は耳を引っ張られるような、伸びるような感覚を覚える。恐る恐る触ってみると、耳が研ぎ澄まされ、エルフのような形になっている。私は、そのような存在が魅惑的な美しさと力を持っていたファンタジーの物語を思い出す。しかし、これは物語ではなく、私の現実なのだ。
「自分を見てごらんなさい」
その声は、誘惑に満ちた口調で懇願する。
「あなたは伝説的な存在になりつつある。これこそ、あなたがいつも望んできたことではありませんか?特別で、強靭で、魅力的であることを」
見過ごされ、影に隠れ、目立ちたい、何者かになりたいと切望していた頃の記憶が呼び覚まされる。その声は、私が深く埋もれさせた欲望を引き出しているようだ。
私は再び鏡を見つめ、先ほどの角、尖った耳、輝く髪を目に焼き付けた。最初の衝撃とは裏腹に、私は魅力の芽生えを否定できない。
「私は... 私は...サキュバスに変身する」
新しいメロディアスな声が、その言葉の真実を響かせる。恐怖は残っているが、今は好奇心をそそられる。
「受け入れることが鍵よ、デビッド」
その声が囁く。
「この変身は運命ではなく、あなたの願望なのです。受け入れて、魅惑に身を任せなさい」