バーチャルアバターの定番ツール『FaceRig』の後継アプリとなる『Animaze』発売に合わせて、「Animaze背景ビジュアルコンテスト」(告知サイト)が12月15日(火)まで開催中です。twitterにオリジナルのイラスト等を投稿することで応募でき、最優秀作品は Animaze のプリセット背景として採用されます。ぜひご参加下さい。
その告知に合わせて、特別枠としてイラストを描き下ろしました。あわせて許可を頂いたので、ここでメイキングを公開します。
■ラフ
まずラフを用意しました。バーチャルアバターの背景になる予定のイラストなので、手前にキャラクターが乗ることを想定しつつ、非現実的で幻想的な雰囲気の絵にしたいと思い、方向性ごとに3種類描きました。なお、作業したのが出先だったのでスケッチブックに描いています。
A案:ポストアポカリプス風、緑に埋もれた廃車の中、明るい印象。
B案:スチームパンク風、広大な風景、暗くて空気感のある画面。
C案:巨大な図書館の内部、魚眼レンズ風、不思議で迫力のある空間。
どれも評判が良かったので、個人的に気に入っているA案で進めていくことにしました。
■下描き
ラフを元に下描きを作成しました。僕は普通のコピー用紙に下描きを描いています。ラフで全体のバランスを考えてあるので、悩むところは少なく淡々と線を起こしていきます。ただし車や植物などの資料を確認することは大事です。
線画を描く際は、シルエットを単調にしないことが大事です。こちらは便宜的に明暗を付けていますが、実際はこれを頭の中で想像しながら下描きを描いています。シルエットが単調になりそうな車のフレーム周辺でいろいろ工夫しているのが分かるかと思います。
■下塗り
線画ができたら塗っていきます。この段階で大まかな色を置いて全体のバランスを整えておくと失敗しにくくなります。使っているのは Photoshop CC で、ブラシはほとんどデフォルトの丸ブラシです。
簡単にレイヤーを分けて(今回は、遠景・車の中・シート、の3枚)から、下描きで想像した明暗を意識しつつ塗ります。メインはコントラストを高く、画面端や奥の風景はコントラストが低くなるようにして、自然に中央に視線が集まるようにします。
■仕上げ
下塗りで全体の色のバランスを決めたら、あとはそのバランスを残したまま細部を描き込んでいきます。描き込む順番は好きなようにして大丈夫ですが、僕は遠景から順に塗ることにしています。
遠景は、木のゴチャっとした感じを出したかったので、とにかくシルエットが単調にならないように気をつけつつ、細かい枝まで丁寧に加筆しました。また、奥に建物が少し見えると何やら物語が感じられそうだったので、窓枠だけでも見えるように構成しています。
車の中は金属部分が多いので、メリハリの効いた描き込みになるよう注意して塗りました。エッジを明確にし、反射によって特にハイライトが強く見えるようコントラストを高めに塗ります。下塗りの段階で大きな明暗を先に塗り、サビなどの汚しを足しておいて、エッジは後から整えるようにすると印象がクドくなりにくいです。
また、シートの微妙な凹凸は、地味な作業になりますがこの絵の見せ場なので根気強く塗ります。これもハイライトを最後に思い切って強めに入れるのが大事です。逆に影の中など、あまり視線を向かわせたくないところは、あまりコントラストが高くならないように仕上げます。
ひと通り描き込んだら、目立つ枝などを描き込みます。特に画面中央付近など、視線が向かいやすいところにある葉は丁寧にハイライトなども入れて密度感を上げておきます。この葉を描き込むことで車のフレームのシルエットを隠し、単調さを回避したいという意図があるので、特にフレーム周辺を重点的に加筆しています。
■完成
左上からの光をハードライトなどで乗せ、全体のレベル補正などをして完成です。
今回のイラストは、かなり自由に描かせていただけたので楽しく描くことが出来ました。作業時間は全部で7時間程度(ラフ30分、下描き1時間、着色5時間ちょっと)です。
「Animaze背景ビジュアルコンテスト」では多くの作品を募集しています。募集期間は12月15日(火)まで、告知サイトをご確認のうえ、ぜひご応募下さい。
告知サイト:https://www.animaze.us/news/virtual-background-contestJP