コミックマーケット97で公式紙袋(小)のイラストを担当させていただきました。自分もいつか担当したいと思っていたものの、実際に描かせていただける日が来るとは思っていませんでした。そのぶんプレッシャーも大きかったですが、絵自体はお気に入りのものが描けたので、今はあらゆる方面に感謝することしきりです。
上の二点は、実際の完成イラストのロゴなし高解像度版です。内部図については「ものがたりの家」風に再構築しました。内部図に乗せた小さな正面図と小人のイラストは、実際の紙袋では側面に使用しています。平面図は作画の参考用に描いたもので、実際の紙袋には使用していません。
最初に準備会から依頼を受けたときは本気でどうしたものかと悩みましたが、開き直って「ものがたりの家」風のイラストにすることにしました。上は準備会に提出した最初のラフですが、この時点でほぼ完成版と同じものが想定されているのが分かります(時間がなくて見切り発車した部分もありますが)。
想定したものは「ピーター・ラビット」とか「花の妖精たち」のような海外の絵本の雰囲気で、精緻な描写ながら水彩風のあっさりした塗りの、あまり印象が重くなりすぎない感じです。完成したイラストの感想でも、海外の絵本のようだと言われている方が複数いて嬉しくなりました。
次に下描きを作成しました。ほぼラフの通りですが、工作室から薪ストーブを外したり(リスに煙がかかりそうなので)、細かいデザインが変更になっています。紙のサイズがほぼ30cm四方ということで、当たり前ですが本のサイズより大きいので、イラスト自体もかなり細かい描き込みになっています。実際はA4の紙に描いて、細部についてはPC上で清書したりして調整しています。
なおパースは完全に感覚のみで合わせています。ただ建物の構造は感覚だけではどうにもならないので、先に平面図を描いておいて、それを元に作画しました。
下描きに軽く色を乗せて、全体の雰囲気を確認します。ラフからあちこちの色を変えています。小人は目立たせたほうが良いと思ったので赤に、それに合わせて窓枠とルーバーシャッターの色を変え、裏面も高級感の出そうな紫にしています。またロゴもデザインするという依頼だったので、この時点で先にロゴを入れてバランスを調整しています。
あとはひたすら細部を仕上げました。A4よりサイズが大きいので地味に大変でした……。上は色校前の状態で、全体にシックな仕上がりの色になっています。紙質の関係で印刷だと色がかなりくすんだ状態で出てしまったので、色校を見ながら再調整しました(最初に掲載したものはディスプレイ用に別途調整しています)。
コミケ当日、スペース前で撮影したものがこちら。調整のかいあって良い感じに色が出たと思います。当日はこの紙袋を手にスペースまで買い物に来ていただける方も多く、全員に感謝の気持ちをお伝えしたい気分でした。
2019年は「ものがたりの家」シリーズのおかげで、これまで以上に充実した一年でしたが、その締めくくりにふさわしい絵になったと思います。もちろん2020年も「ものがたりの家」はしばらく続きますし、他にもいろいろご用意していますので、お楽しみに。