NokiMo
吉田誠治
吉田誠治

fanbox


練習ワンドロ「山城」メイキング解説





(YouTube)






FANBOXでのご支援のおかげでこの春にPCを新調できたので(その時の記事)、久々にメイキング動画を作成してみました。以前は動画を撮るのもいろいろ工夫しないと難しかったのですが、今回はWindows10の標準機能だけでできましたし、作画時に処理落ちすることも無く、とても快適でした。これもご支援のおかげです。
動画にすると何をやっているか分かりやすくなりますが、それでもまだ分かりにくい部分や気をつけた点などについて、簡単に解説してみます。
■構想

今回は家族に「山城」というテーマだけ出してもらい、そこで思いついた構図をそのまま作画しています。最近八ヶ岳で訪れた史跡や、京都の山中のお寺のイメージをベースに構図を考えました。山城らしい高低差、狭い道などを描きつつ、実際のものより造りはしっかりめに、お城自体も天守閣があるなど、見た目重視の構成にしました。
普段は紙の上で構図を悩むんですが、今回は最初から明確なイメージがあったので、確認のためのみにラフを作成しています。それでも全体の構成を確認するためにも、ラフは重要です。色については、この時点でモノトーンにワンポイントで色を入れるものを想定しています。久々のワンドロなので、着色が簡単なこの色構成にしました。
ちなみに上の絵は分かりやすくするため(絵の完成後に)色を付けましたが、普段は左側の状態でラフは終わりです。ただ左の状態でも、僕には右のように見えている、という説明のために着色しています。
■下塗り

ラフで構図を確認したらPCに移行して、まず下塗りをします。モノトーンのまま明暗だけで構図のバランスを決め、一番明るい色と一番暗い色を置きます。同じ色相で明暗を分けるのではなく、明るい色は若干黄色寄り、暗い色は青寄りのものを置いて、色味に幅を持たせています。作った色は、スポイト → 塗る → スポイト → 塗る、を繰り返しながら濃さを調整します。
彩度の高い色を置くときも、この下塗りの色を混ぜながら作ると全体のトーンを統一しやすいです。また、影の色は若干彩度低めに置くのもトーンの調和に役立ちます。
なおパースについては大雑把に意識しますが、ワンドロのざっくりした仕上げではむしろ構図としての勢いが大事なので、そこまで正確なパースは取りません。人物の下に消失点を置くと見上げている感じが出るかな、ぐらいのイメージでパースを決めています。
■着彩前半

構図と明暗が決まったら、細部を描き込みながら色を置いていきます。まずはメインとなる門や天守閣を中心に描き込みます。リアルに見せるためには正確さと情報量が重要なので、きちんと資料を確認して最初から細部の詳細を意識しつつ、シルエット中心に一気に細部まで描き込みます。
同時にメインとなる門や階段を中心に色を置きます。あまり彩度の高い色は存在しない構成なので、不透明度の低いブラシで軽く色を乗せる程度です。門の屋根や左右の塀にも軽く色を乗せました。
■着彩後半

徐々に細部を描き込んでいきます。木は絵の主役ではないので雰囲気が伝わる程度に描きます。枝が見えるところと葉がメインのところ、針葉樹と広葉樹などが描き分けられると単調さを感じさせない仕上がりになります。
門の左右の篝火は、周辺に光を反射させることで位置を明確にし、絵の色味に幅をもたせて、空間を出すとともに単調さを消すのに役立っています。
また前景が寂しく感じたので無数の刀を突き立ててみました。物語があるわけではないのですが、一気に曰く有りげな雰囲気が出たので結果オーライです。
■人物着彩

背景がだいたい仕上がったら人物を塗ります。先に篝火や門の向こうからの光を加筆しておいて、人物を描いたときにシルエットが際立ちやすくします。実際の人物はほぼシルエットのみですが、微妙な濃淡で服の皺や傘の明暗を描いています。ディティールがシルエットより強くなると人物の形が目に入りにくくなるので、まずはシルエットの印象が勝つようにしています。またシルエットをシンプルかつ明確にして、だいたい何をやっているのかが一瞬で分かるようにして、絵の印象を良くします。
ちなみにこの「だいたい仕上がったら次へ」はとても大事です。一つの工程で悩み続けても、結果その後の工程でやり直しになることもあるので、まず70点ぐらいの仕上がりの時点で次へ進み、後から必要な部分だけ修正する方が時間がかかりません。
なお、ここまでずっと1枚のレイヤーで描いていますが、これはかなりトリッキーなやり方なので、まずは後戻りできるよう複数のレイヤーで作業することをおすすめします。僕はおっちょこちょいで複数レイヤーを切って作業するといつも間違ったレイヤーに作画してしまうので、諦めて1枚で作業してます。
■完成

最後に全体を見渡して加筆したり、エフェクトを入れたりして完成です。加筆は、人物のサイズを若干調整したり、建物等に加筆しています。空のスペースが少し空きすぎな印象だったので、鳥も飛ばしてみましたが、不吉さが出て絵の印象がグッと良くなりました。
エフェクトはレベル補正で色調を調整したり、画面周辺を暗くして人物を引き立たせたりしています。デッサン的な正しさよりも、最初のイメージをきちんと再現できているかどうかを意識して加筆&調整します。
全体を確認して問題なければサインを入れて完成です。
今回はかなり思いつきで描きましたが、PCを新調したおかげで動画の投稿まで出来ました(音はありませんが)。今後も気軽に更新していけそうなので、お楽しみに。

Comments

ご登録ありがとうございます! 更新頻度はまちまちなのですが、twitterの増補版的な内容でやっています。参考になれば嬉しいです!

吉田誠治

素晴らしいメイキングをありがとうございます! 人物ばかり書き続けて2年弱、いい加減背景も描かないとなと思いたった所吉田さんのfanboxを友人に紹介してもらい、早速登録させていただきました! 応援してます!

鎌田


Related Creators